〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い 作:愛しのマイはにい
リンゴン リンゴンリンゴン リンリン リンゴン
「RINEの通知が───母さんから?…一体?」
『幸介大変!今テレビから電話が来てウチを取材をするって!』
『あとつぐみに伝えといて!』
取材……ねぇ。
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「どうしようかつぐみ。」
「お母さんは出ないって言ってるし、お父さんは普段から接客はしてないし……受けるのは私かお兄ちゃんだよね……?」
「そうなるけど……やっぱり俺は見栄えしないと思うんだ。」
「えっ」
意外そうな顔をするんじゃない。何故かって───
「つぐみの方が可愛いし、宣伝になると思うんだ。……断ってもいいんだよ?その時は俺がやるし、つぐみが責任を感じる必要は無いからね。」
実際のところ俺なんかよりつぐみの方が可愛いし目を引く。俺は…まあ背が高い人がいる!って子供に注目される程度だ。
「ううん。お兄ちゃん、私が受けるよ。」
「大丈夫───そうだね。でも、どうやって答えようか分からなかったら言ってね?」
「うん!」
健気だなぁ……取材、取材……やっぱここが良い店だから取材が来てもおかしくはないだろう。現実世界と同調したせいだろうな。
「ん……?……待てよ───」
取材、それは作中に一度だけあったことがある。だが、あれは───
まさか、な。
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〜ロケ当日〜
「……!」ソワソワ
「落ち着いて?……そうだ。自然体で行けば良い。」
やまぶきベーカリーへと向かう5人組、それはやはりPastel✽Palettesであった。……予想通りだったな。
しかし、おかげでこの世界はねじ曲がっている確信がついた。本来あるべきはずではない話まで出てきている……これも代償、なのか?……こうなると俺はどこかでやりきったあの方とも会いそうだな。
「……!」ソワソワ
「……なぁ、今からでも変わっても───」
「───大丈夫…!私がやるから…!」
「……そうか。」
……緊張しっぱなしだな。こんなの生徒会選挙の時以来だ。
まあ、つぐみにとったらこれは何かの試練なのかもしれない。最近はなんでも俺を頼らずに一人でする傾向があるのだ。それから考えてつぐみは、自立しようとしているのだろう。
少し……面倒を見すぎたか……
「あっ、沙綾ちゃんのとこから出て来たっ!」
「……つぐみ、選挙の時を思い出して。あの時緊張をどうやって和らげた?」
俺の言葉にはっとしたつぐみは手を胸に合わせ静かに目を閉じた。
心臓の鼓動は一定だ。だが、恐怖、怒り……どれも緊張した状態だと一定ではなくなる。つぐみがもしパニックになってしまえば選挙で失敗してしまう可能性を憂慮して緊張を消すには鼓動を一定にまで戻すと良いと伝えたのだ。
勿論、そんなものに殆ど効果はない。鼓動の速度を抑えたところで身体の緊張は治らない。ただ、鼓動が落ち着くまで待っているだけなのだ。だが、つぐみはそれを信じた。
───病は気から。逆説的に言えば気を正せば病にはならない。簡単に言うとつぐみはそれを実行したのだ。俺にとっては気休め程度にと思ってやったことが予想外の結果だった。なんと、先程までアワアワと焦っていたつぐみが平常時、いや平常時以上に落ち着いたのだから。
人を信じるからこそ、できた事なのだろう。そう俺は考えた。つぐみにとってこの行為は自身の精神を落ち着かせることができる方法ならば、わざわざ嘘だと教えることもない。
……俺の緊張をなくす方法が何かって?
常に緊張しているからもう慣れた。
カランカラン
「「い、いらっしゃいませ!羽沢珈琲店へようこそっ!(いらっしゃいませ、羽沢珈琲店へようこそ。)」」
まだ少し緊張は残っているみたいだ。
「お客さま、何名さまでしょうか?」
イヴちゃんが店員のふりをする……やはりガルパピコであったか。
「え、えっと、当店では淹れたてのコーヒーとケーキを……」
「四名さまですね?こちらの席にどうぞっ!」
「えーっと……イヴちゃん?」
「イヴさん!今日はお客さんですよーっ!」
ふむ、しかし実際に間近で見てみると身近な存在に見えて関わりは無いな。イヴちゃんがバイトに来てるだけという接点のみしかない。
パスパレも良いが、やはりAfterglowが最高だよな!
「こちらの可愛らしい方は、羽沢つぐみちゃん。」
『こちらの可愛らしい方は、羽沢つぐみちゃん。』
『こちらの可愛らしい方は』
ふぅ………………………
パスパレって最高だなぁ!オイ!
ふっ、愛しているぜ……白鷺千聖!
俺は信じていた。パスパレって前々から良いと思ってたんだよね〜。そもそも時代の流れとしてはアイドルという存在は以前よりも鳴りを潜めていたと思うんだけど、パスパレならば新たなアイドルブームを巻き起こせると思ってたんだよな!俺の目に狂いは無かった!
「そしてこちらの方はつぐみちゃんのお兄さんの羽沢……幸介さんです。二人はこの羽沢珈琲店の店の顔なんです!」
おい、ちょっと間を開けたな?忘れてたな?俺の名前忘れてたよな?
(まず、つぐみちゃんのお兄さんの方から……)チラ
白鷺千聖がこっちを見ている……まさか俺に聞くつもりか!?
(俺じゃなくてつぐみを!)チラ
(拒否されたっ!?つぐみちゃんの方を見たから、そっちから聞けということね……)
なんとか意思は伝わったみたいだ。ここでつぐみのやる気が削げても困るからね。
「ここは、手作りのケーキが人気とか?」
「はいっ!今月は、季節のフルーツを使った、千聖さんが昨日食べたケーキがおすすめですっ!」
あっ……ここはそのままなんだ……オイオイ代償仕事しろよ。
「千聖ちゃん昨日も来たの?ずるーい!」
「え、えーっと…とりあえずそのケーキを頂きましょうか。」
そのケーキの用意はしてある。こちらにも持って来ているので、つぐみが出すだけだ。
「つぐみ、これを……」
「うん」
ケーキを運ぶつぐみを見ていると、宇宙船が壊れて別の星に不時着したところ、その星の生物に襲われながらも宇宙船をパーツを集めるゲームの味方になる生き物が物を運ぶ姿を思い浮かんでしまう。
「どうぞっ!」
「わぁっ!すっごーい!」
「カットするのは5等分でよろしいでしょうか?」
「あ、それでお願いね!」
「切っている間に解説をしても?」
「是非、お願いします!」
イヴちゃんの声に全員が賛成する。
「このケーキは先程述べた通り季節のフルーツをふんだんに盛り合わせたフルーツタルトとなっております。ちょうど一つ切り分けれたのでこれを。」
用意してある皿に載せ、カメラに近い大和麻弥に渡す。
「当店ではタルト生地と一緒にオーソドックスなアーモンドクリームを焼き上げた後、その上にカスタードクリームを塗り、キウイ、イチゴ、バナナ、リンゴ、マスカット、ミカン、ラズベリー、ブルーベリーを盛り付けております。どうぞ。」
続いて白鷺千聖に渡す。やはり5等分となると量が多いな……あと一応手袋とマスクはしているぞ。食品を提供する側としては衛生的なことをアピールするのは重要だ。
「普遍的なフルーツタルトですが、素材となるフルーツは新鮮さや、味、どちらも良いものを選んでおりますし、店主の腕も良いのでご安心を。」
氷川日菜に渡すも、解説には興味が無いようだった。……注目はされてないな。良かった。
「通常であれば、8等分にカットされたものをピースでお出しするのですが、申し出ていただければ今回のようにホールでお出しすることもできます。この場合その場でお好きなサイズにカットしますのでワンホール丸ごとここで食べず残った物をお持ち帰りすることもできますし、好きなサイズを多人数で共有することもできます。」
イヴちゃんに渡す。こうやってカットするときに「ブシです!」って言われたときがあるけどそれだと全世界にブシが大量発生していると思うのだがつっこむのもどうだと思いスルーしていた。
「それではどうぞ、お楽しみ下さい。」
残りの一つを皿に載せて丸山彩へと渡す。ケーキを切ってる時ってピザ切ってるみたいな感じなんだよね……ってわかるかな?
あと、つぐみに切らせなかったのは、山盛りのフルーツが乗っていて崩さずに綺麗にカットするのは難しいからここは俺がやることになったのだ。見栄えって大事だからね。仕方ないね。
まあしかし、こう見てみるとケーキの食べ方一つでみんな違うようだ。白鷺千聖はいつも見ている通り模範的な食べ方だったが、対照的に丸山彩はキレイだが白鷺千聖ほどかと言われるとそうではない。イヴちゃんは食べ慣れた様子だが普通で、大和麻弥は頑張って上手いこと食べようとしているのが伝わる。氷川日菜は豪快だったが、クリームが口についても映えるのは美少女故の特権か。
食べ終わる速度は氷川日菜がダントツで早かった。しかし、白鷺千聖は当分の間ここには来なさそうだった。
食事制限とかあるのかな。いや、きっとしてるのだろう。つぐみだって気をつけようって頑張ってたぐらいだし、自身を使う職業ならば尚更だ。
そういや、つぐみはメイクしてないんだよな……いや、してるのかもしれないがメイクするのを見かけたことも無いしメイクしたら匂いと見た目で分かると思うからしてないのだろう。
「食べごたえ゛あ゛り゛ま゛したね゛……」
やっぱり見栄えを意識してホールにしたのは失敗だったな……ひまりとかは4分の1でもペロリと食べてしまうので忘れていた。
「お姉ちゃんの分のお土産貰っちゃった〜」
しかし、大量のチョココロネとフルーツタルトとこの後コロッケも食うのだが、氷川日菜の苦しがる様子を見ていないのは一体どうしてだろう。正直に言えばこのタルトをワンホール食っただけで俺は胃もたれするぞ……
「ツグミさん、幸介さん、ありがとうございました!」
そう言ったイヴちゃんだが、非常に苦しそうであった……
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片付けてエプロンを着替える最中、つぐみが大きくため息をついた。
「……疲れた?」
「うん……やっぱり緊張しちゃって……」
「ま、今回は知ってる人ばっかりで良かったじゃん。確か、ライブハウスで何度も会ってるんだろう?」
「それでもイヴちゃんもいつもと違ったし……千聖さんもお仕事って感じだったから……」
「そういう道に入ってるんだから仕方ないよ。つぐみだって将来この店を継いだりせずに他の仕事をするかもしれないんだし……ひょっとしてモデルでもやってるんじゃないか?」
「モデルなんて無理無理!」
「そうか?」
ガチャ
「二人ともお疲れ様。ジュースあるけどいるか?」
「貰う」
「お父さん私も……」
つぐみは勢い良くソファーに座った。気疲れってスゴいな。
「ハッハッ!つぐみは父さん似だな。」
何を言ってるんだこのおじさんは……
「……父さんとつぐみは似てないでしょ。」
「いや、顔じゃなくて性格がな。逆に、幸介は誰に似たんだ……?」
「きっと隔世遺伝か突然変異とかじゃない?」
「父さんも幸介みたく運動が万能だったら、母さんにもカッコイイとこ見せれたんだけどなぁ……」
「その前に軽く運動しなよ。前みたいに朝一緒に走る?」
「……いや、やめとく。」
「そっか。」
ホント父さんは出不精だから、ちょっと腹周りの体積が大きいのだ。それは反面教師として活用させて貰うとして、流石にそろそろ動かないとヤバいんじゃないか?健康診断の結果も芳しくないみたいだし……
ちなみにはぐみの父ちゃんは流石というか運動神経が良かった。一度運動会の親子で走る競技があったが、どのお父さんより速かった。あれ多分大会狙えるぜ?
とまあ隣の芝生は青く見える現象は放っておき、こういう話になると嫌にでも自分が異物なのかを再認識してしまうのだった。
という訳で非日常を書きました。
……そろそろ自分が忘れない為にもキャラ設定を書いておきたいです。脳内記憶だけじゃ忘れちゃう可能性大なんですよねぇ……
(ここだけの話大体考えた展開を忘れて没になるパターンがとても多いです。)