〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い 作:愛しのマイはにい
〜inつぐみ〜
お母さんから私とお兄ちゃんでお菓子作り教室の講師をするということと、その宣伝をして欲しいということを伝えられた。
お兄ちゃんは強制でしなければいけなかったけど、私はやってもやらなくても良かったのだけどお菓子作りには少し自身があるし、やることにした。
宣伝に使うポスターやチラシを貼るのはいつも生徒会とかでやっているので、私が全部やって良いかお兄ちゃんに聞いてみると少し不安そうだったけどオッケーを出してくれた、これからはお兄ちゃんが安心できるぐらい頑張らないといけない。
お兄ちゃんってば普段はずっと私のことを気にかけてばっかりだから、たまにはお兄ちゃんがいなくても出来るのだと安心させたかった。
だから、これがきっかけになればと思って引き受けたのだった。
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〜次の日〜
お父さんから大事な話があるって言われて聞いてみると、お兄ちゃんがお菓子作り教室の講師として参加しないと言われた。……多分、私のせいだ。私がやりたいって言ったからお兄ちゃんは講師をやめるって言ったんだろう。今お兄ちゃんに聞いても、つぐみならできるよって言うと思う……
お兄ちゃん無しで、大丈夫かな……?───ううん、弱音を言っちゃ駄目だよね。これが無事に終わるって信じてるからきっとお兄ちゃんはやめたんだ。ここで頑張らないと!
よし!早速ポスターを貼りに行こう!
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〜お菓子作り教室当日〜
……お母さんがヘルプしてくれるけど、ホントにお兄ちゃんがいなくて私だけで大丈夫、なのかな?
もしも失敗しちゃったらどうしよう。
上手く教えられなかったらどうしよう。
……いや、こんな時こそ落ち着くのが一番だよね。そう思っていつものやり方で心を落ち着かせる。
よし……大丈夫!今日の為にいっぱい頑張ったんだ!
「さあ!頑張るぞー!」
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〜in幸介〜
「お菓子作り教室ねぇ……」
遂に来たか……ここは予め考えていたルートとしてはかなり悩まされたところだ。これには、氷川紗夜がとつぐみの関係性を持たせるだけでなく、氷川紗夜と氷川日菜の関係を改善、それにロゼリアの中の氷川紗夜という存在を変える。いろんな意味で氷川紗夜という人物が成長する為のきっかけともなる一因だと……そう聞いた。
この通り話を進めるならば簡単だ、俺が居ない状況にすれば良い。だが、そうはいかなかった。俺はあくまで羽沢家の長男で、父さんも母さんも俺がお菓子作り教室に参加することは折り込み済みだし、つぐみだってそう考えている。
ああ、軽い気持ちでこの世界に来るんじゃなかった。そう考えた。俺の欲が、つぐみたちのあるべき未来を潰すのだから。少なくとも俺は身の振り方を間違えた。周りからの評価は高かった。過去には、俺に習ってつぐみに周囲からの期待をかけられていたこともあった。これでは氷川紗夜とつぐみは同じではないか。何が言いたいのか分からない人が多いだろう。
本来であれば、氷川紗夜にとってつぐみとの邂逅は前向きになるチャンスであるのだ。これはつぐみとの会話を追っていた俺には分かっている。だが、つぐみの状況は、待遇は、考えは違う。つぐみは善意で動いていた。自分のある種の劣等感、他人より劣っているのではないか、その疑念を潰すために手伝い、
しかし、現状はどうだ?俺という比較対称ができ、つぐみは一人でもできると証明しようとしている。元々が一人だったので、結果的には行動に差は無くても、きっかけというものは大きすぎる差のはずだ。
そして、それは氷川紗夜という人間に突き刺さるであろう。同じ境遇、同じ悩みを持つ同士仲良くなるかもしれないが、それは前向きとは言えなくなり、本来の関係でもなくなる。
そうなればどうなる?今までなら幼馴染というわかり合っている存在の中で過ごしたからこそ綻びは少なかった。だが、今回こそはどうしようもない。少なくとも俺は氷川紗夜には妹と同じカテゴリライズにされるし、俺についてはあこから聞いたことがあるだろう。俺には嫌な人物という意識がついてしまえば俺には手出しが出来ないし、そもそも性格上俺の話も聞かないだろう。どうにか話せたっておかしな奴だと思われる。
今まで半年間、持ったほうだと考えるか。持たなかったと考えるか。要約すれば───
───今度こそ
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でも、できる限りのことはしよう。まず、悪感情を煽らない為に俺はその場にいない方が良い。これについてはバックレるかどうするかしよう。
……これぐらいしか出来ることはない、か。
「お兄ちゃん、さっきお母さんが言ってたのね……?全部私にやらせてくれないかな?」
「……どうしてだ?」
「ええと、こういうのは慣れてるから任せて欲しいんだ。お兄ちゃんは、当日も忙しいと思うし……」
俺にとって願ってもない話だった。まさか、つぐみから申し出てくれるなんてな。
「わかった。でも無理だけはするなよ?」
つぐみがこう言ったんだ。俺も母さんにダメ元で俺は参加しないと言ってみるか。
「……やらないで諦めてどうする。か。」
「?お兄ちゃんどうかしたの?」
「何でもない」
「そう……お兄ちゃんがいなくても頑張らないと」
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〜夜。つぐみが寝たぐらい〜
「父さん、母さん」
「幸介……話があるってどうしたんだ…?」
「うん、実はね……お菓子作り教室の講師をやらないって伝えたかったんだ。」
「……そんな、一体どうして……?」
「父さんも母さんも疑問に思ってるみたいだけど、これは俺のわがままなんだ。やりたくないからやらない。それだけの理由。」
「幸介、そんな理由で父さんも母さんも良いっていうと思うのかい?」
「思わない。でも、それでもやりたくないんだ。」
「……幸介、考え直さないか?」
「しない。俺の考えはこれで決まっているんだ。」
そう、きっとこれが俺のできる最大限だ。どんなに不自然でも、たった一日だけの辛抱で影響が軽減出来るのであればそれで良い。一生に一度のわがままだ。
「……母さんも何か……」
「幸介、それで良いのね?」
母さんが真剣に聞いてきた。俺の心に変わりはない、これが、最善だと思って行動するだけだから。
「ちょっと母さん……はぁ…もう、幸介の好きにしなさい。」
「…ありがとう。」
俺の決意が分かってくれたのか、母さんは俺を自由にしてくれた。
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〜当日〜
「……土曜日が全部空いたのって何時ぶりだっけ。」
そう嘯きながら、俺は震える腕にある時計を見た。今は6時だった。あと3時間後でお菓子作り教室が始まる。
これで、変えれるかは分からない。少しでも軌道修正して───
「───ッ!そうか!必要なのは軌道修正なんかじゃない……!」
俺は今…この状況の完璧な打開策を考えついたかもしれない。
これならば、これならば……成功する可能性は十分にありえる…!
これが成功した暁には───
この世界の捻れは、全て無くなるだろう。
自身のことを完全な異物として捉えているなら、自身が及ぼした影響は悪いものばかりだと考えるのも無理はないのかもしれない。
……ターニングポイントがこんなんで本当に大丈夫なんだろうか。