〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い 作:愛しのマイはにい
ん?でもFWSっていつ頃だっけ……?
「……これで完成の筈だ。」
目の前に置かれた機械を見やる。色々とアナログな部品を使うハメになってしまい幾多ものコードが繋がれていてまるで心臓のように見えたので俺はこの機械を
HEARTは空間転移装置の応用だ。いつか説明したように空間転移装置は地上から半径1.5m、高さ2mの円柱型の範囲内のものを丸々転移先と置き換えるというイメージで動いている。ちなみに以前のものは範囲内から外に出ている部分は綺麗に切り取られるように削られたのだが今回のものはそうはしてない。時間跳躍の転移先は固定しているがどのような状況なのかわからないので範囲内に含まれるものであれば転移するように設定した。過去に跳んで早々怪死体を見たい訳でも無いからな。
肝心の過去に跳べる原理だが、以前作ったものはとある人工的に作られた異常性のある物質に莫大なエネルギーをぶつけて逆後現象と呼ばれる時間が戻る現象を使ったものだった。あれはエネルギーも非効率的だし転移先を確定できない。更に逆後現象がうまく時間に作用すれば過去に跳べるが、もし人に作用してしまえば一気に一つの細胞に戻ってしまう懸念もあった。結局俺はそれの実験に参加させられてここに来たわけだが……
脱線しすぎた。本題へ戻ろう。
要するに俺の推す理論で作った訳だが、やはり時間跳躍には莫大なエネルギーが必要なのだ。掛け合ってみたところ目標の17年前に戻るのに必要なエネルギーは約一ヶ月掛かるということだった。エネルギーの問題で一人で作戦は遂行できなかったのでありがたい。
……何故、17年前かって?
具体的な作戦───といってもかなり単純なのだが教えよう。
過去の俺を消す。……それが作戦だ。
この世界が正常な世界へ戻る働きがあるのは確認している。まだ影響の少ない時ならば俺を消してしまえば完全に元に戻せるだろうと考えた。
過去へ跳ぶことは恐らく成功する。俺を消すのが最善なんだ。
これが、一番良い方法だ。
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〜in羽沢珈琲店〜
「……こーくん帰ってこないね」
窓の外を覗きながらはぐみが呟いた。街灯と店の灯火が商店街の道を明るく照らすも幸介の姿は無かった。
「もう6時じゃん。幸介さんってよっぽどのことが無いと遅くまで出かけないよね?」
「うん。でも今月に入ってぐらいから遅くに帰ってくることが多くなったんだ……」
沙綾の疑問につぐみが答えた。何故、沙綾やはぐみが羽沢珈琲店にいるかというと今日は幸介の誕生日なのだ。
店のテーブルをくっつけてちょっとした長机にして、その上にはケーキが載せられるであろう皿やクラッカーが用意されていた。また、各々がプレゼントを用意しており、いくつか
「うーん……?今月って誰かの誕生日でもないし一体なにしてるんだろう?」
「……流石にここまで遅いとは思ってなかったから、そろそろ時間も……」
「ら、蘭!こー兄が帰ってくるまで待とうよ!」
「……さっき父さんに聞いてみたんだけど7時が限界だって言われた。……それが無かったら私は…絶対に残るつもり。」
蘭の本気で言った言葉だが、それは叶うことは無かった。幸介は意図的に研究室に残り時を経つのが待っている。決心が鈍らない為の決断だった。
訪れた沈黙に耐えかねたのか、そういえば、とひまりが言う。
「4月のときも幸介さんちょっと変だったよね。」
「確かそうだったよな…あれって何だったのか知っている人はいるのか?」
幸介について最も近い考えなのはモカなのだが、未来を知っているという妄言と言っても過言ではないものを皆に話せることでもないし、昔に練習中にそれとなく聞いてみたところ全員から否定されたので黙ったままだった。
もし、幸介に聞いていてはまた違った未来があったのかも知れない。
カランカラン
店のドアが開かれる音に目を向けると、濃い橙の色をした男が立っていた。
「はぐみ〜…ってあれ?」
「兄ちゃん!」
「アイツまだ帰ってきてないのか?」
連絡がつかないとつぐみが答えた。それを聞いたはぐみの兄は絶対にないと言うもはぐみがRINEを見せると仰天していた。
「……っかしいなぁ。幸介には秘密だけどな?アイツめっっちゃ楽しみにしてんだ。誕生日祝われたのが嬉しかったんで皆の誕生日も本気で祝うんだ〜って言ってたし。しかも忘れるような奴じゃ無いからな。」
「……だとしたら尚更おかしくないかな〜?つぐのRINEも電話も繋がらないんだよね?」
「うん……」
「マジで?ホントにアイツ何やってんだ……」
一応、はぐみの兄は幸介がつぐみのことを大好きというのは知っているし、共感できる。何故なら自身もはぐみが大好きだからだ。幸介がはぐみに好かれているのは解せないが、幸介の兄としての悩む姿を見てきて、少しながらもアドバイスをしてきた彼にとって全く連絡がつかないというのは到底考えれないことだった。
「……もしかして、さ。ほんとにもしかしてなんだけどさ……事故にあったんじゃ…ないかな───」
「───ひまりっ!」
「だって、こんなの絶対おかしいよ!蘭もそう思うでしょ!?」
誰もが考えた可能性。はぐみの兄の言葉によって、それは濃厚となってしまった。しかし、皆あえて無視をしていたのである。そんなことはないと、信じたかった。
「おかしいけど、幸介さんが連絡取れない状況にあるってことはわかるけど……!」
「蘭もひまりも落ち着けって!もしかしたら電源が切れてるだけかも知れないだろ?」
「そうそう。それに幸介さんってターミンネーチャーみたいに絶対死んだりしないでしょ〜」
「モカの言いたいことはわかるけどさ、流石にそれは不謹慎じゃない……?」
「そうだよ!こー兄が死ぬとか言っちゃ駄目だよ!」
「………モカちゃんなりの励ましだったんだけどな〜」
全否定に肩を落とすモカを尻目に、はぐみの兄が聞いた。
「ま、とにかくはぐみ、まだ残るか?」
「……うん。」
「そうか……」
「父ちゃん、怒ってた?」
「怒ってない怒ってない。むしろ幸介が帰ってないって聞いたら探しに行きそうだったし。はぐみは…7時か、8時ぐらいには帰ってこいよ。流石にご飯も食べないと駄目だろ。」
「わかった……兄ちゃん、こーくん帰ってくるかな?」
「知らん。でも一応俺からも電話してみるか……まあ、何があっても大丈夫だとは思うからそういう心配はしなくても良いと思うぞ。」
励ましと、ある種の確信に近い予想を述べてはぐみの兄は帰っていった。
こんなに待たせるとかアイツも何やってんだろうなあ……と呟き、今度洗いざらい聞くことにした。あと、その時一発ぶん殴ろうと考えた。
そうでないと折角嘘をついた意味がなくなるからだ。
はぐみのお兄ちゃん絶対やさしい。もっと増えろ。バンドマンで割と焼けて、高校生なのかな?それとも大学……?
あとHOPEって聞くとカイ=キスクを思い浮かべます。作者の周囲にもGGやってる人いないんですよね……
(ちなみに店員時の幸介の話し方とかはカイをちょっと参考にしたのはここだけの話)