〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い   作:愛しのマイはにい

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今回は視点を変えます。

何故か7000字ほど消し飛んでガン萎えしたので今回はブツ切りです。後書きにある程度のあらすじを書くので許して


今だからこそ(下)

〜in紗夜〜

 

「…………」

 

「……大丈夫でしょうか?」

 

目の前で蹲る男性、それは羽沢さんのお兄さんである。

 

フラフラと歩いていた為声をかけたのだが彼は何故かグロッキーな状態だった。10分ほど経った今もまだ気分は優れないようだ。

 

大丈夫かという問いにゆっくりと頷いた。そんな状態では誰も大丈夫とは思わないと思いますが……

 

「あっ紗夜さん!」

 

声をかけられたので振り向くと羽沢さんが駆け寄ってきていた。

 

「羽沢さん、どうかしたのですか?」

 

「お兄ちゃん見ませんでしたか?」

 

「それなら───」

 

羽沢さんのお兄さんが蹲る物陰を指したが、そこにはもう何も無かった───

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜in幸介〜

 

「………くっ」

 

頭が痛い……なんだこの頭痛は?そして吐き気もする。

 

Afterglowのライブを聞いている途中、いきなり頭痛に襲われたのだ。その次は吐き気が───一体どうなったのか。ああいや、心当たりはあるのだ。恐らく昨日のアレだ。

 

原理はよく分からないが俺の感覚が鋭敏になっている状態なのだろう。そして、脳の負担がかかり過ぎた。便利だと思ったが、代償のリスクからそこまで使えないものだ。

 

現に俺は、一階廊下の音を全て聞き取れる。大分落ち着いたが先程までは視界の動きがゆっくりとしていた。

 

ブーッブーッ!

 

うるさっ!?マナーモードで滅茶苦茶うるせえぞ!?

 

「……はいもしもし」

 

『ああ、幸介くん、山吹だ。』

 

沙綾の父さん……一体何が?

 

『すまない、本当にすまないんだけど、純と紗南が文化祭に行きたいって駄々を捏ねていてね。千紘も俺もどちらも保護者として行けないからと断ったんだけど、二人とも見てない隙に家を出ていったみたいだ。』

 

「…それ、大丈夫なんですか?」

 

『多分幸介くんの所に行くと思うから、もし来ていたら預かっていて貰えないだろうか?急にだし忙しいと思うけどすまない。』

 

……まあ文化祭特別バンドを見るだけだし、大丈夫か。

 

「分かりました。」

 

携帯を切り、話していると落ち着いた体を確かめる。耳も目もおかしくないし、ゆっくりと動いていない。自然と戻るのが嬉しいところだ。

 

ブーッブーッ

 

「また電話……?───もしもし」

 

『幸介、君に小さな客人が探していたよ。C組に来れるかい?』

 

「……今行く。」

 

ピッ

 

はぁ……何だろう、集中するのがトリガーなのだろうか。上手く引き出されば使えるが、制御できないと無価値どころかデメリットしかない。

 

運用できそうな方法を模索しつつ、C組へと向かうのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜in蘭〜

 

(幸介さん、どこに行っちゃったんだろ……)

 

父さん曰く演奏が終わると直ぐに出ていったらしい。紗夜さんが体調が悪い幸介さんを見つけて様子を見ていたとつぐみが言っていたけど大丈夫なのかな?

 

「ん……?あれって───」

 

沙綾の弟の純くんと紗南ちゃんだ。二人は手を繋いで歩いている。沙綾のライブを見に来たのだろうか?

 

……いや、あれ迷子だ……ずっとキョロキョロ周りを見てる。

 

「蘭姉ちゃん!」パァッ

 

私を見つけると一転、晴れた顔をして近付いてきた。どうしてかその呼び方は不味い気がしてならない。

 

「……純くん、紗南ちゃん、どう…したの?」

 

「えっとね、蘭お姉ちゃん。お姉ちゃんのライブ?を見に来たの……」

 

(じゃあ、お父さんかお母さんと逸れたんだ。)

 

「お父さんかお母さんとはぐれたの?」

 

「……ううん、何も言わずに……来ちゃった……」

 

「えっ」

 

後ろめたそうに語る純くんの様子から、ダメと言われて無断で来たということなのだろう。いつライブあるかとかは知ってるのかな?

 

(とりあえず、沙綾のお父さんかお母さんに……そういえば電話知らない。……じゃあ幸介さんか沙綾に頼もう。ああでも、ライブ前だから沙綾には悪いかな。)

 

処遇を決めて、二人の手を取って3年C組へと目指すのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜in沙綾〜

 

「おたえちゃん、連絡来ないね……」

 

りみの言ったその言葉は、ついにはライブ直前までその状態のままだった。

 

日菜先輩と燐子先輩が時間稼ぎをしてくれた。待ちきれない香澄がおたえを迎えに行った。

 

事故なんかで遅れてるんじゃない。多分、おたえは───

 

ガチャ

 

「───沙綾」

 

「……幸介さん」

 

「何やら様子がおかしいからな。……何があった?」

 

私がおたえが遅れていることを伝えると、幸介さんは一言だけそうか。と言った。

 

幸介さんは、残念に思ってるのかな?今日はもう私達のライブは出来ないと思う。それくらい分かっている筈だ。

 

しばらく黙ったままの幸介さんは、再び口を開いた。それは、何の脈絡もない言葉だ。

 

「勇気を失ったか?」

 

それは自身に言った言葉だ。更に続けて

 

「沙綾に教えた勇気の出し方、忘れたのか?」

 

忘れることは無い。あれは、私の原点でもあるのだから。私が、幸介さんを知りたいと願った日でもある。その願いは形を変えて私の中に存在していた。

 

「忘れる訳ないよ……でも…───」

 

「違うな、お前は忘れた。覚えていたならそこまで悲しい顔はしていない。」

 

そうだ、幸介さんは表情も読めるんだ。長い間そんな機会には恵まれなかったから忘れていた。

 

でも、勇気を出して何になる?おたえが直ぐにここまで来れる?そんな事は無い。だってまだライブは終わってないだろう。それはメッセージアプリがよく物語っていた。

 

「沙綾」

 

肩を掴まれた。聞こえてたのかな?だったら怒ってるかな?

 

「───俺の目を見ろ、いいか?お前は勇気が無いんじゃない───」

 

───勇気を出せないだけだ。この言葉はしっかりと覚えている。勇気を出す勇気が無いだけなのだ。初めに聞いた時はよく分からなかった───だけど、今はしっかりと理解している(分かっている)

 

「……分かっちゃいねえ、お前は。分かってない。」

 

幸介さんを見た。いや、私は彼を見たのだろうか。私を掴んでいた彼の目は恐ろしい程に綺麗で、紅く光を灯していた。

 

「無理だから、出来そうにない、迷惑が掛ける。───それがどうした?お前がやったのは都合よく理由をつけて逃げただけ。ただそれだけ。」

 

「そんなこと……」

 

「なら取るに足らない程度のことだった。という訳か。」

 

「───そんなこと……っ!」

 

そんなこと無い!私は…ライブがしたかった!ポピパの皆と文化祭ライブがしたかった!

 

「願え。ならば願うんだ。強引でも良い、そしてその勇気を出すのは難しいが一瞬。それは知ってるよな?」

 

「……お願い

 

彼から溢れんばかりの安心感を感じる。絶対におたえを連れてきてくれる。

 

「お願い幸介さん!───おたえを連れてきて!」

 

「───よくやった。」

 

ポンと頭に手を置かれる。こんな褒められ方はいつぶりか。

 

「案外自信は大きいようで小さいだろ?」

 

「……うん」

 

「じゃあ、そうだな……10分───どうにかして10分持たせてくれるか?」

 

そう言うと手に持っていた棒を壁に立て掛け、ジャケットを脱いだ。

 

「……全員不安そうにするなよ。とにかく、10分踏ん張ってくれたらそれで良い。」

 

言い終えると幸介さんは矢よりも速く走り出し、出口のドアを突き破るかのように開けて行った。

 

開いたままのドアを見つめて有咲が、どうするんだと言った。10分の短い時間は───

 

私達にとって永遠と思えた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜in幸介〜

 

「……あれは」

 

校庭を曲がった先では香澄ちゃんが走っていた。

 

「香澄ちゃん!」

 

「幸介さん!どうして!?」

 

「ちょっとした出迎えだよ!君は先に戻ってくれないか!」

 

「嫌です!」

 

拒否、合理的な判断とは言えない。

 

「どうして!」

 

「おたえはポピパだから、私達はポピパだから迎えに行きたいんです!」

 

……間に合わないと分かっても足掻く、か。

 

随分と共感が持てるな。最も、俺の場合は言われるまで気付かなかったことだがな。

 

「……良いじゃん。その心意気は良い!」

 

「えっ?」

 

前のめりになりながら彼女と並走する。

 

「おんぶだ!女児一人背負って走れん事は無い!」

 

「は、はいっ!」

 

急な提案であったにも関わらず、香澄ちゃんはしっかりと俺の背へ乗った。

 

しっかりと掴まれたことを確認して、俺は一気に加速する。対照に視界上はどんどん遅く見える。

 

脳味噌の殆どを身体を動かすことに費やすと、いつもより早く走れる。道のりに向かえば間に合わない。ここは、家の塀を渡って行くことにした。

 

加速すればするほど、脳の酸素が筋肉へと使われるのが分かる。思考が安定しないのだ。

 

そんな時、脳の奥底でじわりと何かが広がった。

 

アドレナリンか、もしくは何かしらの脳内麻薬かもしれない。周りの音が聞こえないのだ。

 

極限までゆっくりになった視界は、もはや時が止まったと言っても過言ではない。

 

 

 

束の間永遠を過ごすのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「…………!!!」

 

あそこだ。白い服を着て、ギターを背負う人影が見えた。

 

「待てッ!」

 

花園は立ち止まりこっちを見て驚いた顔をしていた。

 

「おたえ!」

 

「香澄!ライブは!?」

 

「ライブは時間を稼いで貰っている。香澄ちゃん、急いでいるのは分かるが少し時間を取って良いか?」

 

「大丈夫ですが……」

 

「ありがとう。花園たえ、ちゃんだったか。」

 

今から言うのは保身だ。もし、花園がRASに行ってしまうという可能性を潰したい。

 

「貴女は二本のギターを一度に引けるだろうか?いや、きっと引けない。」

 

「………ごめんなさい」

 

「あくまで私は部外者、謝るのは香澄ちゃんやバンドのメンバーにしなさい。───それで、君はどちらが好きだ?」

 

残念なことに俺は推測は出来ない。彼女が急いでいた理由は絞れたが、もし原作と変わっているならば外れであるのだ。

 

「好き……?」

 

「今のバンドか、()のバンドか───ということ。一つしかギターを握れぬというなら好きな方へ行くのが道理ではないか。」

 

わざわざ嫌な言い回しにしておくのも一応の保険だ。これが同じバンドメンバーからならキツい言葉だが、俺はあくまで部外者なのだ。

 

「………わ───」

 

「───先程も言っただろう。その言葉は俺に向けるものではない。それに時間も無い。話し合うのはこれが終わった後でゆっくりしてくれ。」

 

さて───跳ぶか。

 

 




幸介のタイムマシンから転じて作られたワープ装置を使いRoseliaのライブ中に羽丘学園講堂に戻れた三人。おたえだけが衣装が違うことを焦ったが、迷いの代償という幸介の言葉に一応の納得を示して、無事ライブを終了させた。文化祭終了後、各々の運営による会にて幸介がつぐみに本格的な運営として文化祭に望んだ感想はどうかと聞き、忙しかったけど楽しかったというつぐみの言葉にうんうんと頷いた後ひなつぐからのさよつぐという2連コンボを受けて尊死。帰宅の際にモカから未来を見ているのではないのか、自分たちはバラバラではないか。という問いに未来なんぞ見れない。と一蹴した。そして今回花園たえを間に合わせたのは計画の一つだと何か匂わせて終了。

という筈だったんですがねぇ………

嘘だ……嘘だ嘘だ!嘘だああああああ!!!!(80連爆死&データが消し飛ぶ)

みんなは つぐみを てに いれたか !?

あと、自動保存は絶対にONにしとけよな!お兄さんとの約束だよ!
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