〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い   作:愛しのマイはにい

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つぐみの誕生日はストーリーと進行と同じにしたいので2連誕生日回です。


Happy birthday ひまり

文化祭、運動会、さらに中間テスト(学校で睨まれない日)を乗り切った。もはや恒例となった誕生日だが、ひまりもひまりで悩む。万年つぐみを追う俺には流行など追えぬのだから、今風なものは贈れない。

 

となると他になるんだね。さて、過去15年間(といっても10年くらい)を振り返ろうか。

 

最初は髪留めだっけか。この頃はひまりは髪を後ろに束ねていたから適当にシュシュを見繕ってプレゼントしたのだ。

 

手作りお菓子、花束(本人の希望)、ミラクルほいっぷ♡ペグペグという漫画……まあ、つぐみと一緒で歳相応というべきか。ついて行くのは難しかった。というか近年は食べ物シリーズばかりだ。

 

いやネタ切れとかじゃなくてホントについていけなかったんだよ……

 

という訳で他の物で行くぞ。

 

まず食い物は駄目。そして俺自身で選べるものが好ましい。でないとまた誰かに頼まなければいけないし、自分で選んだ方が良いに決まってる。最後は金額が高すぎないこと。まだちょっと財布は軽いからな

 

……うーん、おてあげだぁ……

 

いや本当にどうしようか。漫画の作者にサインを貰うとか……?駄目だ……ひまりが好きな漫画を知らない。

 

……原点回帰して髪留めは?

 

髪留めならば良いかもしれない。下手にメイク道具とか買っても迷惑だと思うしな。この程度が一番良いのかもしれない。

 

よし、早速───今回は前回の反省を活かして入念に調べてから行こうか。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「髪留め……検索、と。」

 

ん……?これ挟むやつじゃん。あ、ヘアゴムって言うのね。なるほどなるほど。

 

ではヘアゴムで検索して……

 

「!?」

 

なんだこれはっ!?本物のパンで出来たヘアゴム!?いやいやこんなもん腐るでしょ……

 

うーむ、こんなんじゃ駄目だな。他のはなんか大人っぽいのばっかだ。もうちょっと可愛い奴を好むと思うのだが……

 

ヘアゴム 可愛い

 

これなんか良いな……でもキャラ系は幼すぎる印象があるし、こう『飾らないけど可愛い』みたいな感じの奴は無いのか?

 

……お、これは良いのでは?これも似合うだろう。いや、飾らない黒というのも良いのかもしれない……

 

別にヘアゴムなんだし、一つより多い方がいいだろう。ひまりは2つ括っているしな。

 

───あ

 

よく考えたらヘアゴムを多く扱う店ってなんなんだ……?というよりまた単身突撃しなければいけないのか……

 

流石にモカの時みたくなるのはもう嫌なので誰かに頼んでついて来て貰おう。

 

誰に頼むべきか……そもそも頼むという考えがいけないな。やはり誕生日プレゼントは自身で選んだものが良いと思う。

 

店は……駅前にあるだろう。いや、ショッピングモールに多く扱う店があった筈だ。そっちの方が確実だ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜ショッピングモール〜

 

……うわぁ、思った以上に入りにくい……

 

なんだアレ……え?ホントにこれ入っていいの?俺不審者になるよ……?

 

「って幸介さん!?」

 

「沙綾……!あ、あと……香澄ちゃん、だっけ?」

 

まあまあ商店街に来ているので顔見知り程度にはなった。俺のことははぐみからちょくちょく聞いてたらしい……イヴちゃんや花音ちゃんが何故か昔のことを知ってるのははぐみから聞いたんだろうか。

 

「はいっ!つぐのお兄さんこんにちは!」

 

「覚えててくれたのか……意外。」

 

「……で、幸介さんがここにいるのって珍しいね」

 

「沙綾。俺だってモールぐらい行く。」

 

「でもここ女の人用の服とかしか無いフロアだよ?ここに一体何しに来たの?」

 

「………」

 

そうなのか……知らんなかった。道理で先程から視線を感じるわけだ。

 

「……沙綾。すまんが頼み事があるんだ。」

 

「…何?」

 

「俺と目の前の店で買い物に付き合ってほしい。……いや、付き合って下さい。」

 

「……はぁ。香澄、ちょっとの間だけど待ってもらって良い?」

 

「良いよ!」

 

「ごめんね香澄ちゃん。」

 

「幸介さん、どうせひまりの誕生日プレゼントを買うつもりなんでしょ?」

 

「まだ何も言ってないが……」

 

「いや、幸介さんがこういうとこ来るのって大体そういうのしか無いからね。しかも来週ひまりの誕生日だし。」

 

まあ、十年余りお隣さんだからな。しかも純と紗南ちゃんとよく遊ぶから、会う頻度でいえば蘭とかを差し置いてかなり高いしな。はぐみの次ぐらいに会ってるとおもう

 

「……そうだよ。ヘアゴムって奴をいくつかプレゼントしようって思ってな。」

 

あーあ、結局頼ってしまった……ま、仕方ない。こうなったらこういうものをよく知る沙綾に良いものを選んで貰った方が嬉しいだろう。

 

「やっぱり。で、どんなのが良いって思ったの?」

 

「これとかだな。」

 

スマホを見せる。すると───

 

「これを買おうとしたの!?いやいや、ありえないから!」

 

「え!?駄目なのか!?」

 

「いや、折角の誕生日プレゼントでただの黒のヘアゴムは流石に無いよ……」

 

「シンプルで使いやすそうだと思ったんだけどなぁ……」

 

「もっと可愛いのを選ぶの!ほら、これとか良いでしょ!」

 

「いや、これは……飾りが付きすぎて括れなく無いか?邪魔にもなりそうだ。」

 

「括れるよ!逆にそれ商品としてどうなの!?」

 

ジャラジャラしてるし絶対邪魔だろうと思ったのだが、沙綾は思いっきり否定した。……こんだけ装飾付いてたら絶対邪魔だと思うが身に着けたことは無いからなぁ……

 

「もう!幸介さんはそういうのは自分じゃなくて他を見て選んでって言ったよね!」

 

「いや……!」

 

「何?」

 

「何でもない……」

 

やっぱり沙綾はアクセサリーの鬼だ……昔っからずっとこうなのだ。まあこだわりというのは理解できるが何もここまで否定しなくても良いじゃないかと思う。最近は紗南ちゃんも沙綾を真似てるのかこういうのにうるさくなったしなぁ……乙女の価値観ってやつなのか。

 

「これとかどう?あ、あとこれも合いそう」

 

「お、おお……」

 

この後議論した後、いくつか選んだものを買った。沙綾にはお礼として目立つところにあった髪留めを買って渡した。まあまあ人気目のやつらしくダメ出しはされずに済んだ。……もうちょっと違う感じのやつの方が沙綾に合うと思うけど、あそこまで言われてはこうやって選べば間違いは無いと分かった。

 

……そんなにセンス無いかなぁ……?

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

〜誕生日当日〜

 

今日は火曜日なのでひまりのプレゼントを学校で渡すことにした。紙袋にヘアゴムを入れている。使ってくれたらうれしいな。

 

おっ!あんな所にいたぞ!どうやらテニスをするようだ。

 

どう渡そうか。……別にそんな大層なもんじゃないから普通でいいか。

 

「ひまり」

 

「あ、幸介さん!今から帰りですか?」

 

「帰りだ。……ひまりは部活だな。」

 

俺の挙動に訝しむような目つきになったひまりは、どうしたんですかと聞いてきた。いや、なんか急にプレゼントがショボく感じて自信が無くなってだな……

 

「……Happy Birthdayひまり。これ、プレゼントだ。」

 

「わあ!」

 

紙袋を手に取り中からヘアゴムを取り出した。……やっぱケーキを───あ!クッキーとか作って入れた方が良かったじゃん!

 

うわー……やっちまった……

 

ま、まあプレゼント自体は概ね好印象のようだったのでよかった。流石沙綾が太鼓判を押しただけはある。

 

「あっ、これ可愛い!」

 

そう言ってひまりは沙綾がこれも買っておいたらと提案したものを手に取った。

 

……ちょっと悔しいから少し勉強しようとそう誓った。

 

「気に入ってくれてよかった。じゃあ部活頑張れよ。」

 

「はーい!プレゼントありがとう幸介さん!」

 

「……気にするな」

 

あれ8割沙綾の選んだ奴だからな……




ガルパで確認してたらデパートじゃなくてショッピングモールじゃん!ということを発見したので修正します。

番外編を書いた理由は本編では色んなキャラとの話を書きたいけど、どうしても関わりの少ないキャラっているのよね……ということで何でもありの番外編を書いてこの欲を抑えよう!といういつもの見切り発車で書きました。

あと…………



新衣装つぐみ……やだ、超かっこいい……

あんなん惚れるわ。マジで。

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