〔更新停止〕天使に会うために転生したけどやっぱり尊い 作:愛しのマイはにい
過去の全ての記憶を観た幸介。彼は再び償いを決意し、つぐみの誕生日へ向けた計画を考えるのだった───
「…………………」
「…………………」
リビングにある机で見合う男女がいた。
一人は紛れもない俺であり、もう一人はつぐみだった。
だが、一つ。おかしな点があった。
それは───
俺が俺を見て、つぐみがつぐみを見ているのだ。
訳がわからない?俺も分からない。
唯一、分かっていたのは、入れ替わっている。ということだった。
「……とりあえず、母さんに言って休みにはして貰ったけど……」
「これ、どうしよう……」
記憶を観たその日、特に変わったことは無い……なんて思っていたが、そんな事は無かった。
こうなったのには理由がある。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『うー……眠い……』
トントンと階段を降りる。ちょっとだけ寝過ごしてしまったのだ。しかし、今はまだ7時なので学校には十分間に合うだろう。
ガチャン!
『きゃっ!』
(ん?)
俺は後ろを振り向くと、つぐみがこちらに向かってバランスを崩していた。
つぐみをしっかりと受け止め、階段の一番下まで一気に降りようとするも───
『うわっ!?』
そのまま俺を巻き込んで倒れ始める。どうやら角のクッションに俺は足を引っ掛けたらしい。
ガダダダダ ゴトン!
そこで俺とつぐみは意識を失った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そうして起きると入れ替わっていた。たまたまつぐみは俺の上であった為怪我はして無かった。が、母さんにあらぬ誤解を受けかけた……
「……とりあえず自分の部屋へ戻ろう。今日一日はちょっと様子を見て、これを戻す方法を探すよ。」
「うん……」
スマートフォンさえあれば暇潰しくらい大丈夫だろう。……いや、てか何なんだこれ……こんなの過去の記憶にも無かったぞ……
「"集中"ができないじゃないか!?」
よくよく考えてみればつぐみの体なのだから当然だろう。
……あと案外俺の部屋って……その、『ニオウ』んだな……なんか、俺の体だと分かんなかったけど、つぐみの体だとすっげえ分かる。
こんなに感じながら過ごしていたんだな……とかなり凹む
(いやいや、そんな事を考えている余裕は無い!)
とりあえずPCで入れ替わりとで検索してみる。がやっぱり無い。あるのは最近ブームになった映画ばかりだ。
俺には度し難い内容であったが……いや、だから話の脱線が酷い。
「うーん……解決策も無いんだよなぁ……」
そもそも今の状態って何なんだ?
俺がつぐみであるなら、どうしてつぐみなんだろう。……なんだこれ、哲学だろうか。
色々と図を描いていく。まず、俺がつぐみの中にいるのだ。で、つぐみは俺の中に居る。それは間違いでは無いのだろうか。
もしかすれば、俺が……この場合つぐみが俺の人格を真似しているという状況なのではないだろうか。
逆に俺はつぐみの人格を真似ている。という仮説だ。
その仮説が正しいなら、つぐみは何故俺のPCのパスワードを知っているのかがおかしいだろう。よってこれは違う。そして、本当に入れ替わっている説が濃くなる。
……楽観できる訳無いか
(というより何故こんなことが一度も無かったのだろう?)
ぶつかっただけで入れ替わりとか既に多発していると思うのだが……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日は家族揃って昼ご飯を食べた。つぐみも元気がないし、俺も元気はない。だってこんな状況だからな……
父さんと母さんは心配して話しかけてくれているけど、適当な相槌程度しかうてない。つぐみと誰にも言わない方向で話し合ったのだ。
しかし解決策は無い。インターネットには入れ替わりという都市伝説とか呪術的な類の噺はかなり存在したのだが、多くは具体的な方法を書いてはいなかった。いくつか書いてあるものもあったが……実行するのは危険すぎる。
万が一つぐみも身に何かあれば嫌だし。
それにしてもつぐみって少食すぎないだろうか。ちょっと食べただけでお腹いっぱいなんだけど、こんなのでちゃんと成長するのか心配だ……
ドンドン
「どうした……?」
部屋の前にはもじもじしている俺(つぐみ)が居た。誰得だよ。
「お、お兄ちゃん……その……」
「……?」
「……と…トイレに……行きたいんだけど……///」
「(ʘᗩʘ’)」
「ど、どうしよう……///」
いやそんなこといわれたって……
「……我慢は?」
「………」フルフル
涙目で顔を振る俺(つぐみ)を見て困惑する。一体どうしてこんなことに……
「とりあえずトイレに行こう。」
「……うん」
さて、どうしたものか……
「……………………………………………」
…………は?
いや待て。何故俺も行く流れなんだ。
今の俺はつぐみであって、俺はつぐみだよな?
どっちみちトイレを見られるという結果に変わりはないのでは?だって俺がつぐみだから?
……もう何が合ってるか分からん……
「よし、待ってくれつぐみ。」
「えっ……」
ええと、俺はつぐみに排泄行為なんて見られたくない。見せたくもない。そもそも局部とかも見せたくない。それは今まで徹底してきた。
でだ。何故俺(つぐみ)がつぐみ(俺)に言ってきたかと言うと、それはアレを見たくなかったからだろう。
そしてだ。俺はつぐみの体なんだ。たとえ中身が俺であれ局部は見たくない。いや、この場合は見せたくないの方が正しいのだろうか。
しかし、このままだと俺(つぐみ)の膀胱が不味い。見た感じ耐えれなさそうだし、観念して漏らさせるのも倫理的に駄目だ。
流石にこのままでは不味いがつぐみに任せるのも気が引けるし、つぐみは助けを求めて俺の所に来たのだから助けるのが道理だろう。だが俺の体はつぐみだ。やはり見せたくないという気持ちが勝っているし、俺自身困惑している。かといって別の人には頼むなんてできないし───
「───お兄ちゃん……っ!///」
……………
ええい!ままよ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…………」
「…………」
お互いに、疲弊しきっていた。肉体的にはそこまで動いていない筈なのだが、精神的にはフルマラソンの距離でシャトルランしたみたいな擦り切れようだ。
多分、幸介つぐみ揃ってここまでになるのは今昔遡ってもこの世界だけだろう。
「二人とも!蘭ちゃんたちが来たよ!」
「「」」ピク
「……真似しよう。うん、お互いの真似をしよう。できる?」
「……大丈夫」
階段を降りてゆく、すると蘭たちがいた。
「つぐ〜!」
ひまりが俺に駆け寄って来た。
「わっ」
「何か事故でもしたんじゃないかって心配したんだから〜!」
「大丈夫だよ?ひまりちゃんが心配してるようなことは起こってないから……ね?」
やはりと言うべきか、ひまりはわっと泣き出してしまった。……この流れだと一緒に居た俺(つぐみ)に詳しいことを聞こうとして蘭か巴辺りが……
「幸介さん、つぐみに何があったんですか?あとなんでつぐみは制服のままで幸介さんは寝間着なの……?」
そらきた。
てかよく考えてなかったけど俺寝間着じゃねえか!?しかもつぐみは制服のままだったし……
「え、えーっと……」
つぐみ!頑張れ!なんか上手いこと言い訳を頼む!
「その……すっごくデリケートなことだから、本人が言わない限りは……言えないっていうか……気にしないであげると嬉しいな。」
「……」
チラっとこちらを見る蘭と巴。そういえばモカはどうしたんだろうか。
カランカラン
「お〜、つぐじゃん」
モカの手には大きな紙袋があった。知ってるぜえ?お前の案外心配性だってことをなあ!
「モカちゃん……心配してくれてたんだね。ありがとう」
「……誰でも心配するって〜」
やっぱさ、モカは意外と打たれ弱いよねぇ……
記憶の中にもいくつかあったし。まあでも、そんな事はならないがな。
「兎に角、つぐみが事故にあったとかじゃなくて良かった。」
ある程度納得したような表情の蘭がそう言うと皆帰って行った。道から見えなくなるまで見送って───脱力した。
「何とか乗り切ったぁ……」
「良かった……」
何とかバレずに済んで良かった……
でもこれで乗り切ったといえるだろう。
「……はぁ……───あ?」
……あった。
まだあるじゃないか……
「……ッ!つぐみっ!」
「な、何?」
「頼む、風呂に入らないでくれ!」
「え?………あっ!」
「俺も今日は入らない……一日ぐらいは我慢してくれないか……っ!頼む……!」
お風呂に入らないというものはつぐみにとって嫌な事だろう。だが、入らないようにして貰わないと俺の決意は何だったのだろうか。となる。
「……分かった。入らないから……」
「ああ……すまない……」
見つからない解決法を求めて、再び部屋に閉じこもるのだった。
シリアス入れちゃ駄目ですね。百分の1でも多いくらいだぁ……