「ええ、それで怒るんですよ。茜酷いと思いませんかマキさん」
「いやぁ……どうだろうね」
カフェにて私はゆかりんの話を聞いている。
大まかには、こうだ。
一、ゆかりんがいつもの通り、料理を作った。
ニ、そこには茜ちゃんの嫌いなレタスをふんだんに使ったサラダがあった。
三、「ウチ、レタス嫌いなんやけど……」と茜ちゃんが一言。
四、ゆかりんは「好き嫌いしてはダメですよ茜?」と食べることを促す。
五、それに対して茜ちゃんは「なんでなん!?前言ったの覚えてて嫌がらせしてるんか?」と。
六、「これからずっと一緒に暮らすんですから、レタスぐらい食べて頂かないと困ります!」とゆかりんが。
七、「はぁ!?別にゆかりが一人で食べたらええやん!?」と茜ちゃんがキレる。
八、それを聞いたゆかりんは「もういいです、知りません!」と私の元に駆けつけてきた。
という訳だ。
しかし、誰に語り掛ける訳でもないけどみんなはどっちが悪いと思うんだろう?
どちらが悪いかと聞かれると……ゆかりんなんだけど。そう言ってしまうとこちらが折れるまで言ってくるので。
「……うん、そうだねぇ、確かに好き嫌いは良くないもんね。そこは茜ちゃんの悪いところだよ」
「でしょう……」
「でもねゆかりん、好き嫌いをしたらダメなのはとってもわかる。でも、嫌いなものを押し付けられるとそれは私だって怒るかもしれないよ?」
「む、マキさんまで……」
「まあ待って、例えばの話をしよう?いなごの佃煮、私は好きだけどゆかりんに無理矢理でも食べさせようとした?」
「それは……そんなことないですね」
「ね?逆に目の前では食べないでしょ」
「確かに」
「理由はなんでなのか、わかる?」
「……ふむ、私が虫嫌いだからでしょうか」
「正解、ええとつまりね。
私がゆかりんの嫌がることはしないように、嫌いなものだったり嫌がるようなことを押し付けるのは賢くないなって私は思うな」
「確かに……その通りです。そこは私も反省するべき点でした……」
途端に着信音が鳴り響く。
「ほら、茜ちゃんからの電話じゃない?」
「あ、本当ですね、少し失礼します……もしもし、茜?……ええ、私からもすみませんでした……え、だって茜本気で嫌がってたのに……」
ゆかりんが女の子でも大丈夫って知ってたら、押し倒してたんだけどね。でもそれこそゆかりんは嫌がるかもしれない。
それに今ゆかりんには彼女がいることだし……
「ええ、今度都合がついた時にバイキングに行きましょう。茜の嫌いなもの、そこで全部把握します……本当ですか!やった!」
幸せそうな顔をしているゆかりんをみていることが私の何よりの幸せだからね。
本当は私がその舞台に立ちたかったけど、私は裏方に徹しよう……きっとそれが一番の正解だから。
はい、ということでマキさん視点でした。
心の内、とても難しいものですね。次は茜ちゃん視点も書こうかな?