EDF日本支部召喚:Restart   作:クローサー

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さて、始めて行きましょう。本編新章の物語。その始まりです。
本当は後1つか2つ閑話や前日譚を挟みたかったですが、中々話が広がっていかない。


本編第二章
第13話 魔王再来


何の因果か、何がきっかけか。EDF日本支部が突然迷い込んだ異世界…通称「現地世界」には、大きく区別して以下の地域に分けられる。

 

中世以下の文明技術レベルの中小国のみによって構成される文明圏外国群。

近世の文明技術レベルの国家が存在する第三文明圏。

近代の文明技術レベルの国家が存在する第二文明圏。

世界屈指の文明技術レベルの国家が存在する第一文明圏、通称「中央世界」。

 

こうして見ると、この世界はとても異様で、とても不気味だ。

()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。此処までの規模による文明技術レベルの差異は地球世界でも中々存在していなかった事であり、普通では考えられない事だと歴史学者は頭を抱えていた。何せ調査によると一つの世界に中世、近世、近代の文明が綺麗に分断された状態で存在している。しかも規模は違えど交易が行われている状態でだ。

…しかしその不思議も、今のEDF日本支部からすれば()()()()()()()()()()()()()()

確かにインフラなどの問題はあるが、しかしそれは現地世界に進出する場合の話だ。ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国やクイラ王国との国交で充分以上の天然食料や地下資源を入手出来ている以上、資源目的でこれ以上他国と国交を結ぶ必要は今の所無い。それに正直な話、これ以上他国と国交を結んで()()()()()()()()()()()()()

先の北海道巨大生物再出現によって現地世界の調査は完全に中断されているが、判明している情報だけでも、現地世界の少なくない国家が覇権的、華夷秩序的思想を持っており、無策の接触は不必要な争いの種になりかねない。巨大生物再出現の可能性がある今、余計な問題を外から持ち込まれるのは、正直言ってごめん被る。それが日本支部の結論だった。

人類の守護者の役目を果たす彼等でも、この世界では守れる命は余りにも少ない。それ故の、結論だった。

 

 

そして、今回の物語の始まりは。

日本列島北方。第三文明圏大陸 フィルアデス大陸と未開大陸 グラメウス大陸を結ぶ細い地峡の中央部に存在する、文明圏外国 トーパ王国。

 

 

 

 

 

 

トーパ王国は、他の文明圏外国とは明確に異なった特徴が一つある。

王国の北方領域には、「世界の扉」と呼ばれる広域城塞を有する城塞都市トルメスが存在する事である。トーパ王国は建国当初から、魔物が多数生息するグラメウス大陸から魔物の侵入を防いでいる。それ故に(第三文明圏の)人類の守護国としての誇りを持っており、そしてその軍事力も、文明圏外国として見ると突出した物がある。

 

しかしその戦いが毎日あるかどうかと言われると、否だ。そして今日も、そんな1日の時間が少しずつ過ぎている。

 

 

「くぁぁ…眠い。寝てぇな…」

 

世界の扉の最上部、監査室の窓の縁に寄りかかりながらグラメウス大陸を見ているのは、非常勤として雇われている傭兵のガイ。欠伸を少しだけ噛み殺しながら、眠たげな声を出している。

 

「グラメウス大陸の監視は人類の生存に関わる重要な任務だぞ、ガイ。シャキッとしてくれ」

 

ガイの様子に苦笑しながら軽い注意を促したのは、トーパ王国所属のエルフの騎士 モア。彼は監視記録を書類に執筆している最中だ。

 

「んな事言ってもよ。俺達が今立ってるこの世界の扉は、高さ20mの城塞だぞ?此処10年、グラメウス大陸から来やがった魔物の最大規模は迷い込んだゴブリン10匹だ。10倍の100匹来たって、ゴブリンじゃこの城塞はビクともしねぇよ。寝てても大丈夫だろ」

「100年単位で見れば、オークやゴブリンロードも来た記録がある。オークとなると厄介だぞ」

「…確かに、オークが来たら騎士10人揃えて漸く倒せるかどうかの強さがあるが…100年単位の話にされてもなぁ…全く、エルフは真面目だな」

 

グラメウス大陸方面の視界は真っ平らな平原地帯のお陰で、見通しは良い。そして付近には南から暖かい海流が流れてきている為、高緯度の割には温暖な気候となっている。が、流石に現在の季節ともなると、雪が降り積もっている。今日は雪こそ降っていないが、しかし地面には見通せる限りに雪原が広がっている。

 

こんな様子なら、今日も平和な1日で終わるだろう。

 

 

誰もが、そう思っていた。

 

 

 

 

 

 

そのきっかけは、二つの異音と、揺れ。

悍ましい異音と、定期的な大地の揺れ。明らかな異常にガイの眠気は一瞬で覚め、窓の向こうを、グラメウス大陸方面を睨む。

 

「…何だ、あれは?」

 

真っ白な雪原が、少しずつ、少しずつ黒くなっていく。他の監視塔の兵士達も騒ぎ始めた。

 

「大地が、黒くなっていく…?いや、まさか、アレは…!?」

「ゴブリンの大群が迫ってるぞ!!オークも見える…!!総数は100を超えてる!!」

「いやそんなのを見てる場合か!?()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!!?」

 

そう、異変は。明確な異変はもう一つ。

黒い大地の染み、魔物の大群の更に後方。そこに、何か。巨大な何かがいる。此処からでも明確にわかる程、巨大な、まるで山の様な何かが。皮膚の一部が蒼く輝いているのが、余計にその異様さを引き立てている。

 

「デカイ…いやデカすぎる!!一体何メートルあるんだ!!?」

「伝説の魔獣のレッドオーガとブルーオーガも居るぞッ!!何なんだこいつら、何でこんな奴らが纏まって近付いてるんだ!?」

 

魔物の群れが近付いてくる。徐々に分かるその陣営は、明らかに大規模過ぎる。ゴブリンの大群、オークの部隊。その後方に赤と青の伝説の魔獣。

 

更にその後ろに。列強国 パーパルディア皇国が保有する生物兵器 地竜を一回りどころか三回りをも上回る巨大な赤い四足歩行の竜。

 

 

そして、その上に立つは。オーガよりも大きい、人に近い姿をした1人の異形。

 

 

その異形を、兵士達は、知っている。

 

 

「まさか、まさかアレはッ…!!伝説の魔王、ノスグーラッ!!!?」

 

神話の時代、人類を一度滅亡の危機にまで追い詰めた人類の天敵的存在。その象徴が、彼等の眼前に現れたのだ。

 

「通ッ信兵ェェェェェェェェェェェェェェッ!!!!!!」

 

監視室に居た防衛隊長が全力の声量で叫ぶ。世界の危機を伝えよと。世界の扉の南方に控える城塞都市トルメスに伝えよと。

 

世界の扉にいる常駐防衛戦力は150名。平時ならそれなりの規模でも撃退し得る戦力だが。今回は、今回だけは余りにも頭数が足りなさ過ぎる。だが、やるしかない。この場所が、世界の扉が失陥する事は、それ即ち第三文明圏の存続の危機に直結する。何としても此処で食い止めなければならない。例え失陥するとしても、魔獣を可能な限り道連れにし、トーパ王国軍の本隊を少しでも助ける。それが彼等に課せられた義務だ。

 

 

だが、それすらも。

 

 

 

「滅ぼせ」

 

 

彼の魔王が率いる軍勢の前には、実現不可能な夢物語となる。

 

 

 

 

 

 

中央歴1639年12月5日(西暦2029年6月4日)

グラメウス大陸方面より、魔王ノスグーラが率いる魔獣軍出現。第三文明圏への侵攻開始。

人類の防衛線たる世界の扉は、僅か14分で陥落した。




Q.あれ、予告とかで言ってたパーパルディア編始まらないの?
A.()()()()()()()()()()()()()()()()()()

魔王の強化具合

  • インフェルノ
  • インポッシブル
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