伝令兵として、世界の扉から城塞都市トルメスに着いたモアとガイは、まず真っ先に非常召集を受けて最大限に兵力を増強させたトーパ王国軍北部守備隊の姿が目に映った。
それを横目に通り過ぎ、緊急本部に辿り着く。そして案内の元、防衛隊長がいる司令所に到達した。
「世界の扉守備隊所属のモアです、これより報告致します!!魔獣群の発見日時は通信時、グラメウス大陸方面より侵攻!!ゴブリン2万以上、ゴブリンロード約4000、オーク400、王立古文書に記載されていたレッドオーガとブルーオーガを各一体確認!!他に赤竜に乗った伝説の魔王ノスグーラを確認した他、40m以上の未知の超巨大魔獣を1体確認しました!!」
「魔王ノスグーラのみならず、40m以上の超巨大魔獣だと…!!!?クソッ、道理で…!!」
元々悪かった守備隊長の顔色が更に悪化する。既に危機的状況だというのに、想像以上の敵勢力の多さに様々な想定が崩れていく。
「北部守備隊の全戦力でもとても敵わん…!!通信兵、王に緊急連絡!!『魔王ノスグーラ復活、国軍の全力投入の必要アリ』と!!」
「ハッ!!」
通信部隊の1人が了承し、トルメスに向けて魔信を送り始めた。
「…2人とも、よくぞその情報を此処に届けてくれた。そして君達に、悪い知らせが一つある」
「何でしょうか?」
「…世界の扉は既に陥落した。城壁常備兵はどうなったかは分からないが…既に全滅したと言って良いだろう」
「ッ…!!」
想定はしていたが、しかし現実となってしまったその事実に、モアは人知れず力強く拳を握り締める。
「我々は此処で防衛線を張り、何としても国軍の到着まで持ち堪えなければならない。遅滞戦術を行いながらの後退も考えたが…道中で壊滅するのは目に見えているからな。お前達も戦力の一つとして数えさせてもらうぞ。今は戦えるのが1人でも多く欲しい」
「ハッ!!」
「…ま、やるしかないか」
彼等の働きは、一人一人が生涯最高の質と速度を伴っていた。祖国の危機に、皆の士気も最高潮であり、そして祖国を護らんと皆がそれぞれの獲物を持つ。
5000と2人の戦士達は、来るべき戦いに備える。
「城塞監視塔より緊急連絡ッ!!!!」
その魔獣は、余りにも巨大だった。
全長は50mにも及ぶその巨体は。その大きさに見合わぬ俊敏さで大地を駆ける。
一歩一歩が大地を揺らし、一歩一歩が大地を凹ませる。
身体の一部は蒼く輝き、身体に宿らせるその魔力の多さを物語る。
その殺意は城塞都市トルメスに。否、人類に向けられた絶対的敵意。
果たしてこの魔獣は、グラメウス大陸にて魔獣の進化の果てに生まれた究極的生物か?
幾らこの世界と言えども、進化の果てにこれ程の巨大生物が生まれる事はあり得ない。それこそ
…そう。神話の時代。彼の魔獣を生み出した国は存在した。
古の魔法帝国 ラヴァーナル。彼の国が、この魔獣を生み出したのだ。
この魔獣を生み出した目的は、今となっては誰も知る由が無い。誰もそれを知らない。
だが、ひとつだけ。ある真実を語るのならば。
魔獣は創造者達にさえ反意し、あらゆる文明を破壊する化け物としてこの世に生まれ落ちた。処分を決定したラヴァーナル帝国の全力を以ってしても、
しかしおよそ2万年の時を経て、魔獣は魔王の手によって再び世界に現れた。
魔獣は魔王を認め、彼にのみ従う暴力装置として、再び世界にその牙を向ける。
魔王の強化具合
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