EDF日本支部召喚:Restart   作:クローサー

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なんか異常に伸びてると思ってランキング見たら、日間9位に乗っかってる時がありました。
皆様ありがとうございます。


戦士集結

NAZEDA?

 

マザーシップの頭脳に相当するAI基盤にインプットされている、思考アルゴリズム。それは今、眼前に見える不可解な光景に疑問を抱いていた。

 

NAZE,ANOSEIBUTUHASINANAI?

 

今回の戦いは、最終形態の移行までに殲滅出来る可能性そのものが97.19%の数字だった。たとえ最終形態に移行する異常事態になったとしても、最終的な勝率は100%であることも。

 

しかし、ならば、何故。

 

ANOMUSIHA,SINANAI?

 

何故、 たった1人を殺せない(・・・・・・・・・・)

 

マザーシップの指向可能な全火力をたった1人に叩きつけているのに。その弾幕が、全ての逃げ場を塞いでいる筈なのに。全ての攻撃の命中率が、100%の筈なのに。

 

当たらない(避けられる)

 

当たらない(避けられる)

 

当たらない(避けられる)

 

NAZEDA?

 

マザーシップは考える。何故此処まで想定外の事態が連続的に発生しているのかを。AIリソースのおよそ10%を使い、因果律を元にこの世界を再観測する。たかが10%と侮るなかれ。マザーシップのAIは、全力を出せば100光年以内の未来を観測(・・・・・・・・・・・・・)する事さえも可能とする。現に、人類が滅亡し(・・・・・・)地球を我が物に出来る未来が観測出来た(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)からこそ、マザーシップは2017年4月1日のあの日、地球への侵略を開始したのだ。

 

だが、この未来は知らない(・・・・・・・・・)

 

侵略前に観測したあらゆる未来にも、観測したあらゆる因果律の果てにも、こんな光景など、こんな事態など観測されていなかった。

 

有り得ない光景、有り得ない事態、有り得ない未来。そして再観測された未来は。

 

 

不明(・・)

 

 

HA?

 

マザーシップは困惑した。未来が見えない(・・・・・・・)など、自己を確立してから一度もなかった。全ての未来はマザーシップの手の中に、未来を選ぶ権利もマザーシップの手の中に。今までもそうしてきた、今もその筈だった。

 

だが、未来が見えないという事は。それはつまり、マザーシップが負ける可能性を否定できない(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

HUZAKERUNA!!

 

認めない、認めない。認められない。そんな事実など、そんな可能性などけして認めない。未来を再観察。

 

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明。

 

不明!!

 

 

HUZAKERUNAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

この時、マザーシップは1つ。たった1つ、致命的な間違いを犯していた。

 

彼は、ストーム1は。最早。

 

 

人類でありながら(・・・・・・・・)人類の域を超越していた(・・・・・・・・・・)

 

 

彼の身体能力は、フォーリナー大戦の壮絶な戦闘経験を経て、一戦。また一戦と経過する毎に成長(・・)していった。

そしてこの戦い。マザーシップという最大最悪の敵を前に、遂にその殻を打ち破った。

 

 

研ぎ澄まされた視覚は1mm単位で敵の動作や攻撃を見極め。

 

研ぎ澄まされた聴覚は間違いなくあらゆる音を聞き分ける。

 

研ぎ澄まされた嗅覚は光学兵器が大気を焦がす匂い(・・・・・・・・)さえも嗅ぎ取り。

 

研ぎ澄まされた前庭感覚は、己の身体の状態を1mmの間違いもなく脳に伝え。

 

研ぎ澄まされた固有覚と触覚で、1mmの間違いなく身体の行動をコントロールする。

 

そして研ぎ澄まされた神経は、極限にまで時を引き伸ばす(・・・・・・)

 

それ等全ての情報を統合し、答えを叩き出す脳の能力は。

 

 

最早(・・)一瞬先の未来さえも観測していた(・・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

無論、フォーリナーの因果律式を基とした未来観測と比べれば、それは赤子のように弱い。100光年以内の光景など分からないし、並行世界への分岐点など分からない。しかし、それでも一瞬先のあり得る未来を観測し(・・・・・・・・・・・・・・)その未来を拒否している(・・・・・・・・・・・)

 

それはつまり、『因果律の変更』以外の何物でもない。

しかも彼は、一瞬毎に自分が死ぬ因果律を否定している(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

最早、神業とさえも呼ぶ事もおこがましいソレを、明確にストーム1は咀嚼し、己の力の一部としている。故に、彼は最早人類でありながら人類を超越した存在。マザーシップの未来予測を拒否する化け物。因果律で動くのではなく、因果律を動かす(・・・・)怪物。

 

マザーシップとストーム1はの力関係は、最早上位者(強者)でも下位者(弱者)ではない。

 

 

今、この時、この瞬間、この戦場においては。確実に(・・・)完全なる対等に(・・・・・・・)ストーム1は立っている(・・・・・・・・・・・)

 

 

残された最後の方法は、真っ向勝負。己の能力を総動員し、眼前の敵を倒すまで終わらないエンドレスゲーム。そこに確定された未来など存在しない。

マザーシップにとっては、初めての戦い方(・・・・・・・)

 

 

SINE!!!!

 

 

 

また一発。ストーム1の反物質弾が、大気吸収口に吸い込まれた。

 

 

 

 

 

 

マザーシップの大気吸収口から、炎が上がる。まるで悲鳴のような甲高い音が、弾幕の着弾音に紛れて響き渡る。

 

(どうだ、マザーシップ。反物質の弾丸はひとたまりも無いだろう?)

 

思考の片隅でそう思いつつ、思考の殆どを戦闘行動に集中。レーザー飛来、一瞬後の被弾箇所、左肩と右足。アーマースーツの筋力補強機能を稼働させ、強引に運動ベクトルを変換。飛来したレーザーを紙一重で回避。続いてプラズマ砲弾を片手間に迎撃。

 

(まだだ、まだだ、まだだ。まだ奴を落とすには火力が足りない)

 

幾らストーム1が規格外の領域に到達しているとはいえ、土台は人間。そもそも土台が違うマザーシップと対するには、やはり不利であるという事実は否めない。

 

そして、マザーシップは隠し札をオープンした。

 

マザーシップの側面4箇所に存在している放出口が解放。そこは以前の戦いにて、ガンシップ(飛行ドローン)の出現が確認されていた。故に、ストーム1もガンシップの出現に備え。

直後に彼の頭脳が観測した、一瞬先の未来に顔を歪ませる。

 

 

重い音と共に現るは、レッドカラー(・・・・・)

 

 

軍が半壊状態だったとはいえども、僅か8機で欧州司令部を急襲、壊滅させた…フォーリナーの通常戦力の中でも随一の戦闘能力を誇る、赤い死神。

それが、ざっと50機以上(・・・・・・・・)

 

(ふッ、ざッ、けッ………!!!?)

 

マザーシップに手一杯なのに、よりにもよってレッドカラーを50機以上、同時に相手にしろ?幾らストーム1とはいえど、不可能の所業だ(・・・・・・・)。ストーム1でもレッドカラーを同時に相手にするとなると、10機前後が限界だ。しかもそれは、マザーシップを抜きにした前提だ。

 

レッドカラーが一斉にストーム1に向けて戦闘機動を開始。ストーム1もマザーシップの攻撃を中止し、レッドカラーの迎撃を最優先。しかし、レッドカラー特有の超機動力、耐久力によって大した効果も上がらず、しかもマザーシップの全力攻撃に常に襲われている。そのような状態で、しかも50機以上のレッドカラーの迎撃など、出来るわけが無かった。

 

100m以内に接近したレッドカラー4機が、ストーム1へ砲口を向ける。光速の0.8%(23983396.64m/s)の速さで撃たれるレーザー砲では、100mなど零距離射撃処の話ではない。

 

彼の頭脳が観測した未来でも、回避することが出来ない(・・・・・・・・・・・)と断定されてしまった。

 

(ッ、そ………!!!)

 

レッドカラーのレーザー砲に光が灯り──

 

 

 

 

 

 

──4機同時に(・・・・・)ストーム1の後方から飛来した弾幕に撃墜(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)された(・・・)

 

「!?」

 

思わず、後ろを振り返るストーム1。其処には。

 

 

「レンジャー1-7、戦線に復帰!!戦闘を再開する!!」

「レンジャー4-3、戦闘再開!!奴を死なせるな!!」

「レンジャー7-6、突貫!!俺達の死に場所は此処だ!!」

「タンク2、ぶちかます!!当たればワンパンの戦車砲だオルァァ!!」

 

 

3つの歩兵部隊と1両のギガンテスが、それぞれの全速力を持って戦場へと飛び込み、レッドカラーへと攻撃を与える姿が見えた。

レッドカラー50機以上の攻勢を躱すのは、確かにストーム1たった1人には不可能だ。

 

だが、彼は1人ではない。

 

彼には共に歩める仲間がいる。彼には背中を預けられる戦友がいる。彼はワンマンアーミー(1人軍隊)にあらず。

 

 

彼は、彼等は。地球防衛軍(Earth Defense Force)だ。

 

 

自然と、戦士達は大きく息を吸い、そして声高に叫ぶ。

 

 

『E、D、F!!E、D、F!!』

 

 

人類の守護者の名を、地球の守護者の名を。天上より現れし侵略者に、その名を知らしめるように。

 

 

現代に蘇りし神殺しの神話が、始まる。




マザーシップを1人で叩き落とすストーム1の戦闘描写を考えていたら、なんかとんでもない化け物が誕生した。何でSFなのに超能力バトルみたいな展開になってるんですかね。(白目)
お陰で決着が更に先延ばしに…

ちなみに今話のタイトルは、地球防衛軍3のミッション名「異邦人集結」と対極の名前にしました。
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