The Another World 作:MAXIM_MOKA
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非常にうれしいです。
_仙台駅、日本軍到着直前
仙台駅は、現在武装勢力...ゲルーニャ皇国軍の侵攻拠点となっていた。
その拠点の中央で、二人の男が会話していた。
「司令、蛮族の都市センダイへの侵攻は上手くいっております!」
若い男は指令と呼ばれた初老の男にそう報告した。
彼はゲルーニャ皇国軍の新兵であり、足の速さを買われて伝達兵としてその職務に励んでいた。
「うむ、報告ご苦労。...ところで君、この都市を見て何か疑問に思わないかね?」
初老の司令は彼を労った後にそう問いかけた。
彼は狂信的に皇国を最高の文明だと思っている兵士たちとは違い、周りを見る能力があった。
だから、ある意味最も信頼できる伝達兵に問いかけたのだ。
「...言われてみれば、ゲルーニャのどの都市よりも発展しているように見えますね。」
伝達兵はその問いかけに対し、司令が抱いていた疑問と同じことを口にした。
彼はまだ、皇国に洗脳されていなかったのだ。
「やはり君もそう思うか。どうしても、嫌な予感が拭えんのでな。君に話したのだ。」
それに対し、伝達兵は「なるほど」と頷くと、再び口を開いた。
行ってしまうと、その予感は当たっていた。
「...実は私も嫌な予感がするのです。皇国は蛮族だと言っていましたが、実は皇国よりも発達した文明なんじゃないかと。」
彼は少し司令と見つめ合い、同時にうなずくと、門のほうへと走り寄った。
「司令、どうされましたか?」
門番の男は司令と伝達兵を見つけると、そう問いかけた。
すると、司令は一枚の紙を差し出す。
「皇国からの命令でな、護衛一名とともに、侵攻が上手くいったら新しい司令と入れ替われと言われた。彼が護衛だ。」
司令はそういうと、伝達兵のほうを見た。
それに気が付いた伝達兵は、門番に会釈をする。
ちなみにこの書類は本物である。
「了解です。お疲れ様でした。」
門番は書類を確認した後に、門を開けた。
「うむ、頑張ってくれ。」
司令はそういうと、門をくぐる直前に一つのメダルを渡した。
それをもらった門番は一瞬固まったのちに、司令に敬礼をした。
渡されたメダル。それは、皇国でもっとも高価な硬貨である、「五宝石金貨」であった。
そして、門をくぐった司令と伝達兵は、ひそかにハイタッチをした。
この二人は非常に幸運だった。あと三分遅れていたら、彼らも帰らぬ人となっていたからだ。
_仙台市内
この場所でまた、命が失われる所だった。
逃げる時に市民を守るため、殿を務めた勇気ある警察官。
銃は弾切れ、警棒はへし折れ...もう助からないであろう。
「死ねぇ!!」
皇国軍兵士は、もう動けない警察官に斧を振り下ろす。
「...!」
警察官はせめて己の血を見ないようにと目を瞑った。
しかし、その瞬間。
「死ぬのはお前だ。」
その声とともに、銃声と、何かが倒れる音が聞こえた。
警察官が目を開けると、そこには灰色の迷彩服を着た男達や女達がいた。
「我々は日本軍です!!我々が来たからには、もう奴らを好きにさせません!」
その言葉を聞いた警察官は安堵のあまり、気を失った。
日本軍が遂に現れた。
ここから、
次話程度から戦闘シーンも入れていくつもりです。
さて、ここからゲルーニャ皇国はどの様に没落していくのでしょうかねぇ...