The Another World 作:MAXIM_MOKA
いつも
それもそのはず、信幸たちの偵察による情報がすぐさま軍務官達に伝えられ、なおかつ司令部から厳戒令が出されたからだ。
軍務官の3割以上がホ区域に集まり、ほかの区域にも軍務官が集まり、交代制で監視を続けていた。
「...お前らも来てたんだな。」
信幸は苦笑いしながら、いつの間にか来ていた自身の30人の部下たちにそう言った。
部下たちも少し苦笑いしながら、
「では隊長、何か命令を。」
と言った。
「じゃ、警備と訓練、休憩を20分毎に交代しながらやってくれ。銃器や刀の整備も忘れるなよ。」
部下たちはその命令に「了解」と口を揃えて言うと、10人1グループに分かれてそれぞれ行動し始めた。
「...さて、俺も準備しますかねぇ。」
信幸はそう呟くと、銃器の整備をし始めた。
一方その頃、成哉は...
「あぁ...。」
成哉は軽く呻き声を上げながら、ホ区域に入るため、居住区域に向かっていた。
ホ区域に入るには居住区域を、ニ区域に入るには兵器保管庫を、という感じで、反時計回りの順番で通らなくてはいけないのだ。
さて、居住区域に到達し、あとはホ区域の入り口を探すだけなのだが...
「...うおっ!?」
成哉は後頭部に走った鈍い痛みに思わず声を上げた。
常人だったら間違いなく気絶するほどの痛みだ。
「な、なんで...!?」
背後からは、その痛みの犯人であろう少女の驚きの声が聞こえた。
成哉は後ろに手を伸ばし、少女の腕を掴む。
「ちょ、ちょっと!?」
少女がそう声を上げた時には、もうすでに成哉が彼女を取り押さえていた。
「さて、ホ区域の上官のところに持ってくか。」
成哉はそう呟くと、少女を担いでホ区域へ歩き出した。
「お、降ろしてよ!」
少女はそう叫び、足をジタバタさせるが、成哉はその足を左手で抑えると、また歩き出した。
一方そのころ、涼香は...
「ん~、何か良い車はないかな~...。」
彼女は兵器保管庫にある、車両購買部に来ていた。
どういう所かと言えば、巨大な小銭入れのない自販機だと言えば分かるだろうか。
およそ200万払えば戦車でも装甲車でも買えるのだが、なぜ彼女は車を買おうとしているのか。
「信幸に頼りすぎる訳にもいかないから、そろそろ自分の車が欲しいんだよねぇ...。」
彼女は独り言で答えを言ってくれた。
そう、彼女は信幸に頼りすぎたと思っているのだ。
別に買わなくても、信幸に乗せてもらえば良い。しかし、彼女は偵察役は別行動した方がいいと思っているのだ。
「...あっ、これにしよ!」
彼女はそう言うと、札入れに200万を入れた。
ちなみにこれは口座に入っていたものである。
信幸に戻って...
「さて、そろそろ迫撃砲とかでも引っ張り出すかねぇ...。」
信幸はそう呟きながら警備をしていると、後ろに人の気配が二つした。
振り返ると、成哉が少女を担いでいた。
「...お前、彼女いるんじゃ...。」
信幸は少し苦笑いしながら成哉にそう声をかけた。
成哉はそれに気が付き、信幸の方を向いた。
「ん?ああ、違う違う。これ侵入者。今から上官に引き渡してくんの。」
成哉がそんなことを言っていると、少女がまた暴れ始めた。
「おーろーせーよー!」
少女は叫びながら暴れているため、周囲からの注目を集め始める。
「...こいつエルフだな。」
信幸は少女を見てそう呟いた。
長い耳と金髪はエルフの特徴であるのだ。
「そうですよ!エルフです!何か文句でも!?」
彼女は大声で肯定したため、余計に軍務官、特にオタクの注目を集めた。
「よく入ってこれたなぁ、ゲートの守りはかなり厳重だったはずだがな。今日上官は非番でな、俺がその代わりなんだ。ついてこい。」
信幸は驚愕しながら説明すると、成哉に手招きをしながら歩き出した。
成哉は「あいよ」と軽く返事し、暴れる少女を抑えながら信幸を追いかけ始めた。
軍務官達は「エルフもいるんだー」程度に思い直すと、再び警備を始めた。
ドイツ編はいずれ...。
あ、丘は政府のお偉いさんたちと議会によって日本領となっています。
あと、今のところドラゴン程度しかいませんが、魔法も存在します。
ネタバレを簡単な暗号に。
①K2``8G 84TE
②J-4 XYIY 29
①はかなり後、②はもう少し先のネタバレです。
ヒントは「orimowotomet」です。