タイトル通り。フィーネを最速で倒そうという話です。

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トロコン二番煎じなので初投稿です。


Part1

 こんにちは。今回は大人気ゲーム『戦姫絶唱シンフォギア』にてトロフィー『フィーネ撃破』トロコンRTAをしていきたいと思います。

 

 相変わらず気合いの入った水樹奈々さんのおpですが心を鬼にしてスキップします。再走するたびに聞いたこのおpは最早うp主にとって処刑BGMに等しいからね。しかたないね。

 

 キャラメイクは年代設定と性別以外は無入力でOKです。櫻井了子と同世代になれる年代を選択してから性別を男に、入力速度を考慮して苗字に「ほ」名前に「も」と入力します。

 こうすると二つの文字を頭文字として勝手に名前を自動生成してくれるので非常に便利です。

 今回は保科(ほしな)基晃(もとあき)となりました。祝え! 永久輪廻喪女をぶち頃し、その名を全RTA界隈にしろ示す時の王者ホモくんの誕生を!

 

 物心つくまでは周回プレイでもない限り何もすることがないので倍速していきます。

 その間に今RTAの説明をしていきましょう。

 

 今RTAの最終目標はフィーネの討伐、及びトロフィー『フィーネ撃破』の獲得です。道中でフィーネ関係のトロフィーもとっていきます。

 

 札害手段は銃器を用います。え? なんで銃器? ゴミじゃね? と『戦姫絶唱シンフォギア』を通常プレイした方は思われるかもしれませんが、そう思う多くの方が近接戦闘系か錬金術のいずれかの戦闘技能を取得した理由はひとえに要所要所に出現するノイズに対してシンフォギアを使えない男性キャラには激マズ判定カウンターか体術及び錬金術を駆使した撤退くらいしか選択肢が無いからのはずです。

 ノイズ相手では橘さん並に役に立たない銃器ですが、こと対フィーネだけを考え、ノイズとの戦闘の一切を考慮しない場合は十分にお釣りがくる火力があるのです。

 というかノイズ以外もだいたい銃器を使えばいけます。どこぞのGIGIだったりOTONAだったりは平然と銃弾を斬ったり掴み返したりしてきますが(46敗)。

 

 

【どこか目を引く少女が名前を呼ばれて立ち上がる。あなたの目は自然と彼女に吸い寄せられていた。彼女の名前は櫻井了子というらしい】

 

 

 入園イベントと同時に早送りをストップします。ホモくんはノイズとこんにちはすることもなく無事幼稚園に入園できたようですね。櫻井了子(ロリ)の姿もちゃんと認識できたようです。ここでもし了子ちゃんがいなかったり道中でノイズと遭遇していた場合はリセ案件でした。前者はそもそもチャートが修正不可能なほど崩れるし、後者は高確率でトラウマとなってこちらの意図したものとは別の対ノイズを意識したステータスにホモくんが成長してしまう可能性があったからです。

 

 基本的に幼少期は了子ちゃんを攻略する形で本RTAは進んでいきます。

 了子ちゃんは最終的なコミュニケーション能力値こそ高いですが幼少期はその才能が祟ってコミュ(ニケーション能)力(値)0という非常に極端な性能をしている残念美幼女です。加えて了子ちゃんは男の子からなにかとチヤホヤされ、入園初っ端から女子による陰湿な虐め秒読み段階に踏み切っています。たまげたなぁ。

 

 だからといってすぐに虐めが起きるというわけでもないので、その間に了子ちゃん以外のモブ幼女と交流を深めておきましょう。

 虐めイベントをどうにかしても同性に味方がいないと根本的な解決には至りませんからね。ステータスに期待が持てる利発そうなモブ幼女を適当に選んでチョメチョメします。帰宅後はひたすらテレビの前で映画専門チャンネルにかじりついてハードボイルド映画を見まくります。ホモくんのステータスに『ハードボイルド(憧憬)』が追加された状態になればOKです。追加される前に虐めイベント起きた場合はリセ案件となります。

 

 『ハードボイルド(憧憬)』は『戦姫絶唱シンフォギア』特有のシステム『テンションゲージ』の振れ幅を大きく抑制する効果があります。シンフォギアは感情の起伏によって性能が変化することは皆さんもよくご存知かと思いますが、そもそもホモは男性ですのでシンフォギアを使えませんので『テンションゲージ』の振れ幅を気にする意味がありません。ランダム要素が非常に強く意図して操作するには緻密で繊細なフラグ管理を要求する『テンションゲージ』をチャートに組み込むのはあまりに非現実的です。

 加えてストーリー展開にランダム要素を追加する『テンションゲージ』は美味しい光景を追い求める実況者からしてみればありがたいものの、走者からしてみれば邪魔以外の何者でもありません。頼むからずっと一定でいてくれよ……。

 

 『ハードボイルド』系統の効果はステータスに記載されている時間が長ければ長いほど累乗されて高くなっていきます。しかしどのくらい累乗されたかはマスクステータスなので直接見ることはかないません。なので私は勝手に『ハードボイル度(以後:ゆで時間)』と呼称しています。

 このゆで時間のおかげで今RTAでは幼少期はもとより今後のイベントにおけるランダム性をぐっと下げ、非常に安定したチャートを構築することに成功しました。みんなも真似してええんやで……ハードボイルドは……ええで……。

 

 

 そろそろ画面の方に戻りましょうか。最遅でも二ヶ月経つ頃にはコミュ力0の了子ちゃんが虐められるイベントが発生するはずなのですが、今回は結構早めでしたね。無視する選択肢は勿論ありません。というか『ハードボイルド(憧憬)』を取得していると高確率で選択肢を選ぶまもなく勝手に突き進んでくれます。こんな所もハードボイルドはRTAの味方です。素ン晴らしいッ! ハードボイルドは女と走者には甘い、はっきりわかんだね。

 颯爽と現れた風来坊なハードボイルド園児ホモくんがいじめっ子たちから了子ちゃんを救いあげ、ハンカチを了子ちゃんに手渡します。涙はこれで拭いとけ。

 

 最早言うまでもないかと思いますが、今RTAは一貫してハードボイルドロールで走っていく予定です。

 それも古式ゆかしい寡黙・冷酷・モテるの三拍子が揃ったものを。『シティハンター』の冴羽獠のようなジゴロなハードボイルドもいいのですが、やっぱり私はフィリップ・マーロウの印象が強いこちらの方が好みですね。

 そんなわけで了子ちゃんを人気のない落ち着ける場所に誘導したあと静かに隣にいてあげましょう。質問とかされても重要なもの以外は基本的に無視でOKです。ひたすら三点リーダー×2を連打します。ハードボイルドキャラですのでどんどん背中で語っていきましょう。

 

【櫻井了子 の 好感度 が Lv.1 に 上がった!】

【櫻井了子 の 好感度 が Lv.2 に 上がった】

【櫻井了子 の 好感度 が Lv.3 に 上がった!】

 

 よしよし、非常に順調な滑り出しですね。やはり幼少期は好感度が上がりやすくて楽でいいです。

 まあ最終的にはトロフィー獲得のために頃すのですが、中盤でホモくんの装備品を工面してもらう都合上了子ちゃんの好感度はある程度上げておかなくてはいけません。上限はLv.25、目標はLv.18あたりですかね。どんどん上げていきましょう。

 

 了子ちゃんはフィーネ未憑依時ですら世界中の科学者が寄ってたかっても解析できない櫻井理論をつくってしまう天才ですので一緒に図書館に行くを選択するだけでアホみたいに知力が上がっていきます。また行動を共にする中でホモくんがハードボイルドに強い興味を示していることを知ると健気な了子ちゃんはホモくんが目指すハードボイルド像を勝手に解析して後日ホモくんのために訓練メニューを考えてきてくれます。ええ子や……頃すけど。

 

 提示された訓練メニューは総じて期待できる能力上昇値が高めに設定されているため幼女からの愛の鞭と思って喜んでこなしましょう。俺を……俺をもっといたぶれェェェエエエッ!

 

 

 

 

△ヾ(O¥O)ゞ△

 

 

 

 

 草原を駆ける馬は自由だ。

 空を舞う鳥は自由だ。

 しかし、そのいずれもが自然という名の監獄に囚われている。

 

 俺の名前は保科基晃。俺もまた、保育園という名の監獄に囚われた哀れな男の一人だ。

 

 ここは地獄だ。突拍子もないことで笑い、騒ぎ、走り回る園児たちは俺と全くソリが合わない。今も男共は窓の外で鬼ごっこをして無為に走り回り、女たちはグループに別れて各々何かしている。その内容には欠片も興味が湧かない。

 

 だが俺はままごとをする羽目になっている。

 

 

「ぱぱ〜、そろそろかくていしんこくのじきですよ〜」

 

 

 この女はよく俺をままごとに誘ってくる変わったヤツだ。俺は恋にも愛にも絆されない固ゆで卵男(ハードボイルドボーイ)だが、こいつは俺の事を好いているらしい。無駄な事だ。

 とはいえそれしきのことではままごとを断る理由にはならない。何故なら女には等しく優しく接するのが俺の信条だからだ。

 

 こいつは他の女たちとは違い、ままごとをしている時によくわけの分からないことをいう。

 そのせいかただでさえ分からないままごとの内容が更に不明瞭なものとなっている。理解できるのは精々配役が俺:父、こいつ:母、人形たち:子供ということだけだ。

 今どき珍しくもない核家族の日常風景を描いているのかと思われるが、ほかの女たちがやっているままごととはどこか一線を駕す全く別のものだと俺の直感が囁いて止まない。だからだろうか、俺はこいつが嫌いではなかった。

 

「ぱぱはかいしょうなしですね〜。ふーくん、ちーちゃん、あいちゃん、ゆうごはんですよ〜。ぱぱもたべましょね〜カップめんだよ~」

 

 空の容器と箸を手渡され、こいつは人形相手に笑顔を振りまき語りかける。由来不明の謎の虚無感を抱えながら俺は空の器の上で箸を転がした。

 

 

 ―――な、なによ。

 ―――ちょっとこっち来なさいよ。

 

 

 無邪気で幼稚な喧騒の中に紛れたそれを聞き逃さなかったのは、ひとえに俺が常に周囲の状況に対して気を配っているからにほかならない。

 決してこの不毛なままごとに対して羞恥を感じているわけではない。だからこのまま立ち上がり、その声の元へ行くことにはなんら不思議なことはない。

 自由を求めて旅立つことに、なんらおかしいことは無いのだ。

 

「あれ~? もーくんどこいくの〜?」

「…………トイレだ」

 

 げ、言質を取るだと? これでは再びここに戻ってこらざる得ないではないか! どうやらこいつはその愛らしい容貌の裏にとんでもない邪悪を飼っていたらしい。例え半熟卵娘(プリティガール)であろうともその笑顔の裏では常に神算鬼謀を張り巡らせているというわけか。恐ろしい女だ。

 この三週間で十分に把握したかと思っていたが、逆に把握されていたのは俺だったのかもしれない。

 

 配偶者の身でありながら烏滸がましくも扶養者の真似をし、大人になった気で男どもを見下す女たち。その姿は極めて傲慢といえる。それは常に勝利という餌を追い求めて大地を駆けずり回る男共とはあまりに違いすぎて、所詮は同じ穴の狢である俺にとっても理解から最も遠い場所にあることは否定できない。

 

 だが悲しいかな。俺はハードボイルドだ。涙を流す女を見れば無視できない馬鹿な男。

 数人の女たちに詰め寄られる涙ぐむ一人の女―――櫻井了子らが階段下で密会しているのを確認した俺を苛立ちと嫌悪が支配した。会話の内容はお世辞にもよろしいとは言えない反吐が出るもので、独善的な価値観を押し付け、己のエゴを毀損するものを淘汰・排除する善性のかけらもないものだった。

 寄ってたかれば上手くいくとでも思ったのだろうか。否、寄ってたかるために今日まで尻尾を出さなかったのだろう。

 

「おい」

「は? あんただれよ」

「……誰だっていいだろう。俺が伝えたいことは一つだけだ。今すぐその無駄な行為をやめることだな」

「なにいってるかいみわかんないんだけど! うっさいからあっちいけよ!」

「そうよそうよ!」

「しね! きもい!」

 

 女たちは力任せに俺を押しのけようとしてくるが、所詮は女。力が足りない。彼女たちを押しのけて俺は櫻井了子の手を取る。

 やいのやいの騒ぐ女たちを無視して人混みに潜り、人気のない倉庫裏へ彼女を連れていく。ここでもまだ男共の鳴き声が聞こえてくるが、マシな方だった。

 

「……どうして助けてくれたの?」

「……男なら、涙を流す女を無視しちゃいけねぇんだ」

 

 ままごと女の元に帰れば「ふりんだ~うわきだ~」とまたもよく分からないことを言っていた。

 俺は仏頂面でそれを無視して櫻井了子を生贄に差し出し、久方ぶりの校庭(シャバ)に踊り出る。

 

 実に清々しい気分だった。少しトラブルもあったが、無事ままごとから解放されようやく日課のドライブに勤しむことができる。

 肌で風を切る感覚を早く味わいたい。それだけを考えて俺は校庭の片隅に倒れた三輪車に跨った。

 

 

 

 

 

 




櫻井了子
好感度Lv.3

謎のモブ幼女
好感度Lv.■


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