「廃寺に住む鬼ってどんなんやろうか?」
「…」
(七火君との合同任務…二人きりの任務って初めてじゃないかしらぁ!!)
「隊士達とも連絡がとれへんようやし、もしかしたら相当な力を持った鬼なのかもしれへんな」
「…」
(御館様の話だと近くには温泉街があるって言うし!鬼を倒したらゆっくりしてきていいって言ってた!!七火君とゆっくり温泉に入ったり美味しい物食べたり…もう最高じゃない!!)
御館様に蜜璃との合同討伐任務を受け、二人での御屋敷からの帰り道。
道中蜜漓に話をふるが、返事が一向に返って来ない。
「恋柱はん…僕の話きいてるん?」
「ひやっ!?」
下心丸出しの妄想をしていると、七火の顔が至近距離に有り思わず変な声を出し我に返った。
(顔…近い…こんなに近くで顔を見たの初めて…)
「恋柱はんもしかして具合い悪いんちゃう?ぼーっとしとったし」
「え?…ぜ…全然元気だよ!?ごめんちょっと考え事してただけだから!」
「そう?ならええんやけど」
「ね…ねぇ七火君いっぱい食べる女の子ってどう思う?…女の子らしくないし嫌い?」
「沢山食べる女の子?…全然嫌ちゃうし僕が作った料理を沢山食べて幸せな顔してるのを見るのが好きなんや」
(そう言えば…カナエちゃんもよう食べる人やったなぁ…本人は恥ずかしがっとったけど、僕が作る料理を見て涎垂らしとった時のカナエちゃんほんま可愛かったな…)
(やったぁ〜七火君いっぱい食べる人好きなんだぁ!七火君が作った料理食べてみたいなぁ〜)
グゥ〜
(…今の音…もしかして恋柱はん?…)
夕食時に近く更に食べ物の事を考えていた為、蜜璃のお腹に住む食欲が空腹を知らせる。
(やっちゃったぁぁぁぁあ…何で二人っきりの時になっちゃうの!!私のお腹ぁぁあ…し…七火君に聞こえちゃったかな…)
心の中で嘆き七火を横目で確認すると、何の変哲もない何時も通りの表情を浮かべている。
(よかった…聞こえてなかったんだぁ…)
「もう夕食時やし、何処かで食べていこか?僕お腹空きすぎて腹の虫鳴いてまいそや」
「あ!賛成!!私この辺りで行ってみたいお店があるのぉ〜そこに行ってみない?」
「恋柱はんに任せんで」
「わかったぁ、着いてきて〜」
〈数時間後〉
「兄さん…これは一体どう言う事ですか?」
「し…七火様…まさか…」
「イヤイヤ!!誤解しいひんでくれ!!御館様の屋敷出た後恋柱はんとご飯を食べる事になって、ほんなら恋柱はん酒も飲み始めて…酔いつぶれて起きへんし家知らへんし…しゃあなかってん!!」
蜜璃が酒を飲んで酔いつぶれてしまい家を知らず、仕方なく自分の屋敷に連れていく事にしたのだが…入口の戸を開けるとしのぶと秋千代が出迎えてくれたが、背負った蜜璃を見て表情が一転した。
「全く…秋千代…甘露寺さんを私の部屋に連れて行って私の布団を使っていいので横にして下さい」
「わかりました」
蜜璃を秋千代に任せしのぶと二人だけになった。
「兄さん何か言う事あるんじゃないですか?」
「お…お土産買うて来たで…」
「ちがーう!!帰って来たら言う事があるでしょう!?」
「あ、ただいま…」
「おかえりなさい、兄さん」