骸骨の魔王と騎士   作:頭領

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やっと冒険にでます。
ドンドン捏造します。


前回書き忘れた所でナーベラルはナーベの姿ですが制限は受けていません。


平常運転

三日ぶりにモモンガと再会を果たしたデア・シルトは、盛大に叱られた。シモベ達が階層を移動して顔を出すほどに。

今現在は、九階層のスパリゾートナザリックで二人仲良く肩を並べお湯に浸かっていた。外見の造形がほとんど同じせいで裸で並んでいると見分けられるのは、ギルメンでも難しいかもしれない。

 

 

「いやー、この骨の体にこんな弱点が有ったとは盲点でしたね」

 

 

「間接の部分とかお湯の勢いで誤魔化してる気がしますよね、ちゃんと綺麗になってますかね?」

 

 

彼らは、骨の体になってから初めての入浴で体を洗う事に苦戦し最後は背中を洗い合う事で何とか乗り切ったが、風呂の気持ちよさにいつも二人で入れる訳でもなくシモベに洗わせるのも何だか嫌だと早急に解決策を考えなくてはと思っていた。

 

 

「それで?今後の予定はどうなっているんですか?」

 

 

「とりあえず、俺は一番近い街に行って冒険者をやりたいと考えてる。その街は周辺国家三か国に面しているから情報集めにも最適らしいからな。あ、もちろん、モモンガさんが許可をくれるなら」

 

 

「ええ、別に構いませんよ。ナザリックには、俺が残りますから」

 

 

「……モモンガさんは、冒険に出掛けたくないのか?」

 

 

「冒険に出たくないと言えば嘘になります。ただ……」

 

 

「ただ?」

 

 

 

間が空いたモモンガの肩がゆっくりと上がってから降りた所を見るにいい話では無いだろうなと思ったがなにも言わず次の言葉を待った。

 

 

「シルトさんがNPC達に俺達の事とかユグドラシルとかの話をした後にセバスが俺とアルベドの所に来て、その話を聞かせてくれたんです」

 

 

(セバス…あのやろう……)

 

 

「その話を聞いた時は、思わず何してくれてんだあの人は!って怒鳴りたくなったんですけど、セバスもメイド達も変わらずに接してくれて、気付いたんですよね。俺が勝手に怯えてただけで彼らの忠誠は本物だって。勝手に彼らを失望させてはいけないと悩んでたのが馬鹿らしくなりました」

 

 

(セバス!ナイス!!……あれ?じゃあさっき叱られたのは何故だ……?)

 

 

「俺は、ギルドの皆に置いて行かれて、勝手に一人だと思ってました」

 

 

「俺居たじゃん。そんな影薄いか俺?」

 

 

「あ、いえ、シルトさんは確かに居ましたけど、何か俺みたいにギルドに拘ってる感じがしなかったんで、ギルドにしがみつこうとしてたのは俺だけだと思ってたって話です」

 

 

「なるほど、確かに俺はアインズ・ウール・ゴウンよりユグドラシルに拘ってたからな」

 

 

「ですよね。……だから俺だけなのかなって。だけど、今は俺だけじゃなくて、NPC達も居ます、ずっと居たのに気がつけ無かった仲間がいたって思うと外の事はシルトさんにお任せして、俺はナザリックをゆっくり楽しもうかなって思えたんです」

 

 

「ってことは?俺が冒険者やるのは?」

 

 

「是非にお願いしたいです。もちろん、監視と報告はしっかりお願いします。無茶しそうならすかさず止めますから」

 

 

「開始一日目で止められそう……」

 

 

「どんな事する気ですか……」

 

 

会話が止まって少しすると笑い声がスパの中に木霊した。すぐに沈静化されるが二人はそれでも楽しそうだった。

 

 

「所で、アルベドとはどうなりました?」

 

 

「うっ……そこは、そっとしといて貰えると……」

 

 

「いやいや、無理でしょ。あんな美女と部屋に三日間もほぼ二人きりにしたんだ、あれやこれや話せる事あるでしょ?」

 

 

「ええい!!あんた!そういう所だぞ!俺のリアルは知ってるでしょうが!」

 

 

「だから!だからこそだよ!まさか、何もしてないとか言わないよな!?ってか!アルベドがなにもしない筈が無い!」

 

 

ぐっ…とモモンガが怯むと、二度三度と沈静化を繰り返す。それを見て察したデア・シルトは、よほど……と少し反省した。

 

 

「まぁ、はい。凄かったとは言いましょう。正直身体能力がゲームに引っ張られて無かったら死んでたかもしれません……」

 

 

「お、おお……良かったじゃん……」

 

 

「良くないですよ……拗らせてる考えかも知れませんけど、もう少し雰囲気ってやつがですね……それより、パンドラズ・アクターが俺の事父上って呼ぶのはシルトさんが原因ですか?」

 

 

「あーいや?呼べとは言ってないですよ?関係的にそうなのかな?って質問しただけですし」

 

 

「いやそれ、完全にそれだよ」

 

 

「分かりましたよ、じゃあ後で俺もシュラムに父親呼びさせますからそれでいいでしょ?」

 

 

「ご褒美だろうが!!」

 

 

結局、モモンガとデア・シルトはその後も三時間に及び様々な内容で言い合いになった、心配になって見に来たセバスが見たのは、何故か水泳で競争する支配者の姿だった。

 

 

 

 

 

 

ナザリック地下大墳墓第十階層 玉座の間

 

 

 

「では、ナザリック第一回定期報告会を始める。まずは、現段階で確定している周囲の状況からだ」

 

 

風呂から上がり、恥ずかしい姿はセバスに黙っているように厳命したモモンガ達は、ようやく支配者二人が揃っての現状確認を始めた。

現在ここには、守護者やプレアデス、それに情報収集を手伝っていたシモベが集められ再度見直しが行われながら報告をしていた。

会議は基本、デミウルゴスとパンドラズ・アクターが進行を務め、時折モモンガやアルベドが質問する形になっていた。

そして、大方の説明が終わり。プレイヤーの影を感じる話に頭を捻っているモモンガの視線の端に同じく首を傾げるデア・シルトの姿が写った。

 

 

「珍しく考え事ですか?」

 

 

「失礼な、まぁそうだ。六大神の名前で聞き覚えが有ったような、無かったような名前があってな」

 

 

「アーラ・アラフ、または、スルシャーナどちらですか?」

 

 

「スルシャーナだ、確か何か有って知り合った筈なんだよなぁ」

 

 

「やはりプレイヤーですか、俺も六大神や八欲王、十三英雄あたりはプレイヤーだと思ってたんです」

 

 

「だよな、あーくそ思い出せん。こんな時はコンソール使えればフレンド確認して直ぐに思い出せるのに」

 

 

「まぁ、その分ユグドラシル時代より便利になった所も有るんですから、ゆっくり思い出しましょう」

 

 

「モモンガ様、デア・シルト様。報告は以上となりますが如何が致しますか?気になる様でしたらスレイン法国を優先して調べますが」

 

 

「いや、六大神が生きているならともかく、今のスレイン法国は我々の理念と対立している。下手に手を出す必要はない。シルトさんが外で活動していれば接触してくるやも知れん、それまでこちらからの接触は控えろ。守護者各員とナザリックのシモベはしばらく、私の元で戦闘の基礎から見直しとする。調査は今まで通り調査班を軸に、シルトさんの活動に合わせて人員を送るとしよう」

 

 

はっ!と、その場に集まった者達からの返事を聞き、解散となった。

悩んでいたデア・シルトも、まぁいいやと考えるのを辞めると明日からの冒険に胸を膨らませ、準備を開始するのだった。

 

 

 

 

リ・エスティーゼ王国領土「エ・ランテル」

 

この地は、周辺国家三か国に面しており行商人から冒険者まで多くの人や物が行き来する。王国でも活気に溢れた重要な拠点でもある。

しかし、その反面で各国のスパイが入って来る可能性から検問所は厳重で早朝の開門と同時に多くの人物が列を作る。

今日は、一際目立つ集団がその列に並んでいた。

 

 

「いいか?チラチラ覗き見されているからと急に攻撃するなよ?どうせ目立つ事が目的なんだから。あと、絡まれたらゴクドウとクミチョウが対応するから手を出すな」

 

 

「は、はい…」

 

 

先頭に立っていた、漆黒の全身鎧に二本のこれまた見事な漆黒のグレートソードを真紅のマントで半分隠した男は、連れている、長い黒髪をポニーテールにしている着ている物がみすぼらしいローブが似合わない、老若男女関係なく振り返りそうな美女に、くどくどと注意を繰り返していた。

 

 

「お父さん!ナーベラルさんも流石にそれくらい言えば大丈夫だよ!」

 

 

「そうか?早速やらかしそうになったばっかりだぞ?」

 

 

「だ、大丈夫だよ!ね?」

 

 

「は、はい!もう大丈夫です!ご迷惑をお掛けしました」

 

 

「なら、いいか」

 

 

彼らが言っているのは、つい先ほど、ナーベラルをフォローした。今日は先日と装いを変えてデア・シルトがナザリックに居る時に普段着として着ている服装をしたデア・シュラムに物珍しさから話し掛けてきた冒険者達を危うく灰にしそうになった事件の事である。

何とか、彼らの脇を固めている。南方で着られていると僅かな人物だけが知っているスーツの胸元を大きく開き鍛え上げられた筋肉を覗かせている、これまた珍しい色眼鏡をしている二人の男のお陰で事なきを得た。

 

 

「お、そろそろ。俺達の番だな、行くぞ」

 

 

「はっ!」

 

 

「はーい!」

 

 

歩み始める背中に多くの注目を集めたデア・シルト達は、それを気にせず門の中に進んでいく。

彼らが去った後は、直ぐに残された者達が、あれは誰だ?と騒ぎになったのは言うまでもない。

 

 

「ガゼフ殿から紹介を受けて来た、デア・シルトだ。話は通っているか?」

 

 

「は、はい!デア・シルト様ですね、どうぞお通りを!それとこれは、戦士長様から預かっておりました先日の謝礼だそうです。冒険者組合までの案内も希望されればするように言われておりますが如何致しますか?」

 

 

「いや案内はいい、では通るぞ」

 

 

デア・シルト達を見た、門番達は一瞬怯んだが無事入国許可を出し、彼らの背中を眺めていた、後の商人達に質問攻めに合うが門番達も彼らが何者なのか聞きたいくらいだとは、口に出すことは出来なかった。

 

 

 

「しかし、先日謝礼と言っていたが随分重いな」

 

 

 

街の景色を軽く見渡したが、ユグドラシル以下だなと切り捨てたデア・シルトは、早速、貰った妙に重い袋に視線を落としていた。

 

 

 

「うわ、全部金貨ですね」

 

 

「こんなもので、奴らは先日の借りを返した気になっているのでしょか?」

 

 

「ガゼフの性格を考えるとそれは無いだろうな、ただ金は一番手っ取り早い礼の仕方だろ」

 

 

貰った金貨は、アイテムボックスにしまい。ようやく見えてきた冒険者組合への歩みを早めた。

初めての街で迷わず来れたのは影に潜んでいるハンゾウが調査班の者と入れ替わっているからで、デア・シルト的には、迷って探索もいいかなと思ったがこの後予定しているトブの大森林探索も捨てがたく、結局真っ直ぐ向かうことにした。

 

 

冒険者組合の扉を開いて中に入れば、一斉に注目を受け、デア・シルト達の見た目に冒険者達がザワザワと呟き始めるが、予定通りゴクドウとクミチョウの恐怖を与える視線で騒ぎは収まる。

彼らの視線や声の効果は、どうやら無効化するのにそれ相応のアイテムが必要な事がカルネ村に置いていた間に判明したので、ならば話すことは基本禁止にして、絡んでくる相手には抑えた視線で対応すると決めた。その効果は十分に有った事を確認すると、小さく「良くやった」とデア・シルトが褒めてやると、彼らは小さくガッツポーズをしていた。

 

 

「ガゼフ殿の紹介で冒険者登録をしに来た、デア・シルトだ」

 

 

ガゼフの名を出すと組合の中が、また騒がしくなるが今回は、睨むことは指せなかった。

受付嬢は、少々お待ち下さいと二階に昇ると直ぐに戻ってきて組合長が二階で説明致しますと案内される。

 

「やあ、初めまして。私がエ・ランテルの冒険者組合長プルトン・アインザックだ、よろしく」

 

 

「よろしく、俺は、デア・シルトだ。こっちはデア・シュラム、俺の息子、こっちはナーベラル、シュラムの護衛兼マジックキャスターだ、後の二人はゴクドウとクミチョウ、厄介事担当だ」

 

 

「ああ、ガゼフ殿から話は聞いている。何でも原因不明の転移に巻き込まれたとか?」

 

 

アインザックとの挨拶を軽く済ませて、椅子に座るとガゼフから聞いた事の簡単な確認をしていく。

書類などは用意してあるとの事で文字が書けないデア・シルト達にガゼフが色々と気を回した様で、デア・シルトは苦笑する。

 

 

「君たちは、ユグドラシルなる世界から来た同胞を探していると聞いてな、冒険者達にも聞いて回ったが誰も知らないらしい。一応、他の組合にも情報を集めさせてる所だ」

 

 

「随分な厚待遇だな?ガゼフ殿はそこまでしてくれたのか?」

 

 

「いや、流石にそこまでは言われなかったが、ガゼフ殿が君たちの力を相当買っていた様子だったのでな、そんな冒険者に私も少しは媚びを売りたい所なんだよ」

 

 

「フッなるほど、裏でこそこそ探られるより、やはり堂々と本当の事を話した方が話が早いな」

 

 

「私も荒くれもの達を束ねてるだけ有って、腹の探り合いより直接示す事の方が気が楽でね。だが、冒険者になる以上、組合の決まりにはしっかりと従って貰うよ?」

 

 

「分かっているさ、では、説明を頼む。ガゼフ殿からは結局中途半端になったままだからな」

 

 

その後は、組合の説明を質問を交えながら受けたが特に問題は無く、逆に冒険者になって良かった点が多く満足出来るものだった。

 

 

 

「さて、説明は以上だが質問はあるかね?」

 

 

「そうだな、亜人や異形が冒険者になる事は可能か?」

 

 

「もちろんだ、実際に評議国は亜人の冒険者がほとんどで過去には異形種の冒険者もいたと記録されている」

 

 

「なるほど、国より余程マシだな。それと魔獣の登録と言っていたが魔獣じゃなくとも出来るのか?それと数に限りは?」

 

 

「基本的に登録されるのが魔獣だと言うだけで、ゴブリンやオーガなどの亜人やネクロマンサーが召還するスケルトンなども登録できる。その場合、登録者がそういったモンスターの管理をしっかりしなければ取り消され、討伐の対象になり得る。数に関しては厳密な決まりないな、あまりに多い場合は種族名とおおよその数だけで登録する事もある」

 

 

「ほぉ良いことを聞いた、よし、何か面白い者が居たら従わせるとしようか。フフ、楽しみだ」

 

 

「おいおい、限度と言うものを考えてくれよ」

 

 

「大丈夫大丈夫、質問は以上だ」

 

 

「では、どうするかね?早速簡単な依頼を幾つか見繕っておくか?」

 

 

「いや、いい。基本依頼は受けずにモンスターの討伐で生計を立てる事にする」

 

 

「そうか、いや何となく想像は出来たさ。君が人に指示を受けて行動する姿より、そっちの方が似合っている。ユグドラシルの冒険者とは皆そうなのか?」

 

 

「ああ、そうだ。未知を求め、未開の地を踏破する。それこそがユグドラシルの冒険者だ。悪いがこっちの世界の冒険者とは全く違う生き方をしてきたのでな」

 

 

「フフ、本当に無茶は辞めてくれよ」

 

 

「分かっている、では」

 

 

デア・シルトが立ち去った後、アインザックは彼が出ていった扉をしばらく眺めていた。

これから起こる何かを期待しているような、心配するような、表しがたい感情がフツフツと沸いてくるのを感じて、自分の顔を叩くと気合いを入れ直し仕事に戻るのだった。

 

 

 

 

冒険者組合でプレートを受け取り、再び、エ・ランテルの郊外に出たデア・シルト達は、カルネ村に戻る為の準備をしていた。

 

 

「ナーベラル。準備はいいか?」

 

 

「はい、万事整っております」

 

ナーベラルには、デア・シルトが冒険者として活動する際の便利なマジックアイテム等の数々が渡されていた。

普段は魔力を隠す指輪と緊急時の応援要請をする指輪を嵌めているが、今は《転移門》を使用する為に、習得している魔法を習得していない魔法と交換する指輪を嵌めている。

デア・シルト的には、道中も楽しみの一つだったがモモンガよりしばらくは地盤固め中心で、と注文を受けたのでナザリックの周囲を囲っている、トブの大森林とアゼルリシア山脈の探索は優先する事になった。

また、ナーベラルが集団転移可能な魔法を使えるのにわざわざ《転移門》を使用しているのかと言うと、単純に現地で手に入れた死体やアイテムをナーベラルが離れずにナザリックに送れるからである。

 

 

「では、ゲートを開け」

 

 

「はっ!《転移門》」

 

ナーベラルの詠唱と同時に闇が広がる。周囲の人々が悲鳴を上げるが、どうせ今後も使うし慣れてくれと気にせず、安定するのを確認したら闇を潜る。

 

 

「ひぃ!」

 

 

「ん?エンリちゃん大丈夫?びっくりした?」

 

 

カルネ村の仮屋に転移すると目の前には、先日助けた村娘のエンリ・エモットが尻餅をついていた。

ナーベラルの眉間にシワが寄るがデア・シルトに叩かれて痛みに耐えるものに変わる。

 

 

「驚かせたのは悪かったが何してんだ?」

 

 

「い、いえ、決してやましいことは何も!ただ!デア・シルト様達が街に出掛けたと聞いたので、代わりに掃除をしておこうと思いまして」

 

 

「ああ、なるほど。確か往復に数日かかるらしいからな、まぁ俺達は今見たいに距離とか関係ないからな。あと、掃除はしなくて良いぞ、勝手に綺麗になるから。そう…勝手にな……」

 

 

何度も謝るエンリをデア・シュラムが立たせて上げて慰める。

 

「やはり、監視の者を配置させた方が宜しいのでは?」

 

 

「要らんだろ、大体使う機会がないからな。あとお前からセバスに言って、ここの掃除を辞めさせられないか?見ろよ、あそことか上手くカモフラージュされてるけど、あれ材質違うだろ」

 

デア・シルトが指指したのは、一見古くさいテーブルと椅子、ただ良く見るとそういう模様入りのしっかりとした物だと気づく。座ってもデア・シルトの体重を軋む事無く受け止めるあたり相当な強度である。

 

 

「いえ、それは出来ません。私も至高の存在であるデア・シルト様がこの様な場所で仮とは言え生活する事は本意ではございませんので」

 

 

「くっ、強行してもいいがモモンガさんに睨まれるからな……あ、そうだ。エンリ、村長にこれを渡しといてくれ、ガゼフ殿からだとよ」

 

 

そう言って検問所で貰った金貨を半分エンリに投げ渡す。ワワッと何とか受け止めたが溢れた金貨に、え?と呆けた顔をする。

 

 

「村の修理にでも使え、では俺達は、トブの大森林に行ってくる」

 

 

エンリを置いて家から出ると次は、村に馴染み始めた陽光聖典達がいた。

 

 

「お、ちょうどいいな。お前ら今日は森に入るなよ。俺達が探索してくるから、逃げ出した奴らがこの村に来ないとも限らん」

 

 

「はっ!カルネ村の守護は我々にお任せを!」

 

 

任せたぞと一番前に居た名前を知らない隊員の肩を叩いて森へ入っていく。すぐ後ろでグギギと歯を食い縛る音が聞こえたが、普段からもう少し行動が大人しくなれば褒めてやれるのに、と思いつつ無視する。

しばらく森の中を適当に進み、村から離れたら影に潜ませているカシンコジを森と村の境界辺りに潜ませる。カシンコジは幻術を得意とするモンスターのため、万が一陽光聖典が敵わないモンスターが村へ逃げていかないように幻術を張らせる。

 

 

 

「アウラ、マーレ、シャルティア居るか?」

 

 

デア・シルトが森の奥へ話し掛けると二つの影がサッとデア・シルト達の前に降り立つ。

 

 

「お待ちしておりました、アウラ・ベラ・フィオーラ、御身の前に」

 

 

「お、同じく、マーレ・ベロ・フィオーレ、お、御身の前に」

 

 

「ん?シャルティアはどうした?」

 

 

「あーシャルティアの奴、モモンガ様の戦闘訓練で不合格を貰っちゃいまして、本日は私達二人が案内を務めさせていただきます!」

 

 

「ああ、なるほど。モモンガさん意外と厳しいからな」

 

 

今回計画していたトブの大森林探索は、アウラで索敵・種族支配、マーレが植物採集・地形操作、シャルティアは護衛・戦闘と大まかに役割分担がされていた。

それに合わせて、ナザリック内でモモンガによるテストが行われた。と言っても、アウラとマーレは、元々任されている第六階層が森の様なものなので難なくクリアしたがシャルティアは、張りきりすぎて仮想敵役の六階層のシモベ達に遭遇即戦闘をやらかし、現在アルベドの元で何がいけなかったのか勉強中だった。ただし、本当に勉強会が開かれているかは分からないが。

 

 

「まぁ、最初聞いた時から多いとは思ってたし、シャルティアには悪いが行くとするか」

 

 

「はい!それとモモンガ様の指示により、現在トブの大森林各地に恐怖公の眷属達が放たれています」

 

 

「は?何で?調査班がいるだろ?」

 

 

「え、えっと、森の環境をか、考えると恐怖公の眷属の方がし、自然だと仰っていました」

 

 

「そうか?恐怖公の眷属と言ったら、家の台所にいるイメージがあるが……どっちでもいいか、それで?噂の支配者達の場所は分かっているのか?」

 

 

「はい!すでに捕捉済みです。真っ直ぐ向かいますか?」

 

 

「ああ、森より山の方が楽しみだからな、こっちはとっとと終わらせてお前達に任せたいし」

 

 

「で、では、ご案内しますね」

 

 

そう言って二手に別れて行動を開始する。デア・シルトとデア・シュラム、ナーベラルとアウラ、マーレは、この森を支配していると噂の三つの勢力を支配下に置きに行く。

一方で残りのゴクドウとクミチョウ、ハンゾウとフウマは調査班と合流して冒険者としてのモンスター討伐とその証拠集めに走る。

 

「フェン!クアドラシル!お仕事の時間だよ!!」

 

 

アウラが森に話し掛けると奥から漆黒の巨狼とカメレオンとイグアナを合体させたような二匹の魔獣が現れる。

どちらもアウラが使役する魔獣でアウラの前まで来るとじゃれつきやりすぎて叱られていた。

 

 

「フェンリルか懐かしいな、こいつをナザリックのシモベにするため、茶釜さんによく連れ回されたなぁ」

 

 

「え!?そんなんですか!?」

 

 

「ああ、移動のついでに話してやるから、まずは、移動しようぜ」

 

 

 

アウラは、はい!と返事をしてフェンに飛び乗り、デア・シュラムに手を貸す、デア・シルトは軽々と乗り込み行動を開始する。

隣に並んでクアドラシルに乗った、マーレとナーベラルも

聞き逃すまいと相当近い距離で並走する。

木々が鬱蒼とする森の中で二匹の魔獣は、スイスイと進む。

 

 

「そもそもギルド拠点に配置されているシモベは大きく分けて三種類居るの知ってるか?」

 

 

「はい!至高の御方々によって作られた私達NPC、Lv30以下のPOPモンスター、ユグドラシル硬貨の消費で呼び出す傭兵モンスターですね!」

 

 

「その通りだ、そして傭兵モンスターはもっと細かく分けれて、図鑑に乗っているもの、条件かアイテムで呼び出し可能になるもの、課金してガチャで当てる必要があるものだ。フェンの場合は、ユグドラシル各地にある神獣の住み処ってダンジョンで低確率のフェンリルの住み処を当ててから最奥に進んだ上でカルカン・プレミアムを渡す事で貰えるアイテムから"フェンリルの牙"ってアイテムを引き当てないといけなかった」

 

 

「あんた……そんなめんどくさい事をぶくぶく茶釜様にやらせたの……」

 

 

自分の背中で睨んでくる主人に、フェンは悲しげな声で抵抗する。

 

 

「いや、フェンは悪くないぞ。それもこれもユグドラシルの糞運営が悪い。それで、まぁそのフェンリルの住み処が出ない出ない。確か五十回を越えた辺りで俺は考えるのを辞めてたね。出たにしても結局三回目でようやく牙を手に入れたからな。あの時の茶釜さんの喜び様は凄かったぞ?だから、アウラもフェンの事は大切にしろよ?」

 

 

「は、はい!勿論です!ごめんね?フェン、帰ったらブラッシングしてあげるから」

 

今度は優しげに頭を撫でられて歓喜の咆哮が森の中に響き渡る。

その後は、一気にスピードを上げて、最初の目的地である

、南の支配者『森の賢王』の元にたどり着く。

 

 

「さて、ここか。ちゃんと居るんだろうな?」

 

 

「バッチリです、賢王とやらは名ばかりで一日中寝てるのも当たり前のようなので」

 

 

「不安になる情報だな……まぁいいや、早速呼び出してくれ」

 

 

はい!とアウラが目の前の洞窟にササッと消えていく、スキルを使っているのかその姿は見えているのに薄く感じる。

 

 

「いいか?出てきたら、まずは会話だ。いきなり攻撃するなよ?」

 

 

はいと返事を貰ったタイミングで洞窟の中からアウラが飛び出し、ドスドスと何かが後を追ってくる。

数秒後に出てきた巨大な生き物にデア・シルトは、思わずヘルムの中で驚愕した。

 

 

「それがしのねぐらに、侵入して来た、愚か者はお前達でござるか!」

 

 

「お、お前が、森の賢王か?」

 

 

「その通りでござる!今さら謝っても遅いでござる!さぁさぁ!命の奪い合いをするでござる!」

 

 

「待て!その前に一つ質問をいいか?」

 

 

「何でござるか!」

 

 

動揺した様子のデア・シルトに思わずアウラ達に緊張がはしる。

少し迷ったデア・シルトも質問を口にする。

 

 

「お前の種族名は……ジャンガリアンハムスターとか言わないか?」

 

 

「なんと!?まさか!それがしの同族を知っているのでござるか!」

 

 

「あ、いや、俺が知っているのは手のひらサイズの奴だ、お前ほどデカいのは知らんが……うん、お前たぶんジャンガリアンハムスターだ」

 

 

「なんと!?それがしは大き過ぎるのでござるか!!困ったでござる、それではそれがし子孫を残せないでござよ……」

 

 

「意外と生々しい所を心配するんだな……」

 

 

「種の維持は重大な事でござるよ!」

 

 

「まぁそうなんだがな……どうだろうか、森の賢王よ、ここは互いに命の奪い合いとは言わず、力を見せる程度に納めて俺達に追いて来ないか?そうすれば何処かに居るかもしれない同族に会えるかも知れないぞ?」

 

 

「むぅ、確かにそれがし、ここを住み処としてからあんまり遠くまで行った記憶がござらんな……うむ!その提案承った!しかし!手加減などせぬぞ!」

 

 

「ああ、それでいい。……しかし、異世界に来て初めての戦闘がジャンガリアンハムスターなのは如何なものか…」

 

 

「何をブツブツ言っているでござる!行くでござるよ!」

 

 

森の賢王こと巨大ジャンガリアンハムスターは、器用に二本足で立つとその巨体で威嚇する。

覚悟を決めたデア・シルトも剣を構える。

 

 

「《死者の闘志》」

 

 

デア・シルトの背中に、赤黒いオーラが髑髏を形作り、体を一回り大きく見せる。それでも、賢王よりは小さい。

ただし、デア・シルトからプレッシャーは何倍にも膨れ上がる。

 

 

「へ?」

 

威嚇の為に、大きく伸ばした腕を縮めてしまう。

 

デア・シルトが一歩踏み出す。

 

 

「ひぇ」

 

 

巨体が尻餅をついて小さくなる。

 

デア・シルトが一歩踏み出す。

 

 

「ひゃ!」

 

全身の毛が逆立ち、後ろに倒れる。

 

デア・シルトが一歩踏み出す。

 

 

「降伏でござる!それがしの負けでござるよ!」

デア・シルトが一歩踏み出し、無防備になった柔らかい腹部の毛をオーラと剣をしまい撫でる。

 

 

「じゃ、俺の勝ちだな。名乗っていなかったが俺の名前はデア・シルトだ」

 

 

「はい!それがしデア・シルト様に、この身を捧げるでござる!」

 

 

勢い良く飛び起きた森の賢王が器用に前足を揃えて頭を下げる。

腹部以外がそこそこ硬い毛に覆われているのが少し残念だった。

 

 

「さて、従わせたはいいが。森の賢王って名前は、呼びづらいな。誰かいい名前無いか?」

 

 

「うーん、ジャンガリアンハムスターだからジャムなんてどうですか?」

 

 

「なかなかいいな」

 

 

「え、えっと!ハムはど、どうですか?」

 

 

「悪くない」

 

 

「はい!はーい!ハムスケ!ハムスケはどうですか!」

 

 

「モモンガさんが付けそうだな、ナーベラルはどうだ?」

 

 

「ネズミで宜しいかと」

 

 

「却下」

 

 

ナーベラルがえ!?と驚いている内に、一様レア物だし、紹介しておくかとモモンガに《メッセージ》を送る。

デア・シルトの場合、アイテムで使える様にしたが初めて自分の方から送るので頭の中にコール音が流れ少しビックリする。

 

 

『どうしました?』

 

 

「あ、良かった。繋がった。実は森の賢王を仲間に出来たんですけど、ユグドラシルでも見たこと無いモンスターだったんで、見に来ません?」

 

 

『行くのは良いですけど、大丈夫ですか?俺、シルトさんと違って、骨剥き出しですよ?』

 

 

「最初に教えれば大丈夫でしょ。おい、森の賢王。お前、俺がスケルトンだって言ったら驚くか?」

 

 

「スケルトン?それがし見たことがないので、わからないでござる」

 

 

「人間の骨だけの身体だと思えばいい、ってかほれこれがスケルトンだ」

 

 

説明がめんどくさくなったデア・シルトがヘルムを外して顔を見せるが、ほぉ~と感心するだけで驚いた様子はないので大丈夫だと判断する。

 

 

「今から俺より強い友人が来るから驚くなよ、それと彼の事は今後絶対誰にも話すな約束出来るか?」

 

 

「わかったでござる!それがし殿に忠誠を捧げたゆえ信じてほしいでござる!」

 

 

「大丈夫でござるらしいよ」

 

 

『いや、ござる!って何ですか……気になったんで行きますね』

 

 

通信が切れると直ぐにデア・シルトの横にモモンガが現れる、アウラ達が慌てて膝をつくがデア・シルトがそれを止める。

モモンガは、そんなアウラ達にも気付かず、目の前の森の賢王に驚いた様子だった。

 

 

「巨大ジャンガリアンハムスター……」

 

 

「ですよね?驚きますよね?」

 

 

「え?これ森の賢王ですか?」

 

 

「そうみたいですね。それで?どうです?収集家的にレアモンスターですし部下として欲しくなりました?」

 

 

「え?部下に……」

 

 

モモンガをしばらく悩んでから、いや無いなと呟くと、いりませんとキッパリ断ってくる。

目の前で自分のやり取りをしていると気付かず森の賢王は、アウラ達に毛皮を自慢してフェン達に睨まれるなど愉快に過ごしていた。

 

 

「そうですか、じゃあせめて名前を決めて貰って良いですか?」

 

 

「名前?まぁ確かに必要ですね。でも俺のネーミングセンス知ってますよね?」

 

 

「あ、大丈夫ですよ。アウラ達から候補は出てるんで、そっから選んで貰えれば」

 

 

「なるほど、えっと…ジャム、ハム、ハムスケ……この中なら俺は、ハムスケに一票ですかね」

 

 

「……やっぱりか」

 

 

「?何か言いました?」

 

 

「いーや、じゃあ森の賢王改め今日からお前の名は、ハムスケだ」

 

 

「おおー!それがしはハムスケでござるか!!いい名前でござるな!それがしハムスケの名に恥じぬ働きを約束するでござるよ!」

 

 

「お、おう。そうか頑張れよ。あ、あとハムスケの事はシュラムに任せるからしっかり世話してやれよ」

 

 

「え!いいんですか!?」

 

 

「ああ、モモンガさんもお前のハムスケに一票投じたからな」

 

 

「あ、シュラムが出した名前だったのか」

 

 

「はい!モモンガ様に賛同して頂けるなんて光栄です!」

 

 

「いや、何となくだったんだが…まぁ喜んでいるならいいか」

 

 

モモンガが戻る前に、他のシモベ達にハムスケの存在を知らせる事と同族が居た場合に知らせる様に頼んで、デア・シルト達は再び森を支配する計画に戻る。

次に訪れたのは、トブの大森林の西部を支配する『西の魔蛇』の住み処。ハムスケのシンプルな洞窟とは違い、入り組んだ木々の間に上手く建物を隠していた魔蛇の住み処だったが、施されている魔法共々アウラの前では意味を成さなかった。

デア・シルト達が廃墟に近い建物に近付くと一体のトロールが現れ、威嚇をするが攻撃までは仕掛けて来なかった。その理由を理解しているデア・シルト達は、ゆったりと構えタイミングを図っていた。

 

 

「……ナーベラル」

 

 

「はっ!」

 

 

「ぐぇ!?」

 

 

デア・シルトの呟きに答えて、即座に動いたナーベラルの手の先には、やせ細った人間の老人の様な上半身に蛇の下半身を持つナーガがしっかりと掴まれていた。

 

 

「まずは、一言挨拶くらいしたらどうだ?相手が戦闘を望んでいるとも限らないだろ?」

 

 

「グッ、だ、黙れ!ダークエルフに雇われた冒険者風情が!ギャッ!?」

 

 

「あなた、自分が加減して捕まれていることに気付いて無かったのかしら?」

 

 

ナーガを掴んでいたナーベラルの指に力が入り、声にならない声をあげたナーガは、数秒後にデア・シルトが合図を送る事で解放され、地面に這いつくばって必死に呼吸を続ける。

呼吸が落ち着いて来た頃には諦めたのか、ぐったりとしたまま話し掛けてきた。

その様子にアウラ達がムッとするが、抑えさせる。

 

 

「話をする気になったか?」

 

 

「ああ、理解した。あなた様に従う他に助かる術は無いと」

 

 

「そうか、それなら話が早い。東の巨人に付いて教えろ」

 

 

ナーガは、必死に自身が知っている東の巨人の情報をデア・シルト達に教え、終わった時には考える素振りを見せるデア・シルトに祈る様に手を組んでいた。

 

 

(いや、何でこんな利己な奴が居るのにハムスケごときが賢王呼ばわりされてんだよ!)

 

 

当のデア・シルトが考えている事と言えば、賢王の名に偽りありと判断したハムスケの事を考えていた。

ハムスケにも、ここに来る途中東の巨人や西の魔蛇に付いて訪ねたが返ってきた反応は、誰それ?だった。

呆れたデア・シルトは、ハムスケとデア・シュラムをモンスター狩りをしているゴクドウ達に合流させ、せめて森の案内や戦闘面で役に立つことを期待していたが可能性が薄いことには察していた。

 

「はぁ、なるほど東の巨人に価値が無い事は良く分かった。ナーベラル、お前もシュラム達と合流して東の巨人を片付けてこい、討伐した証拠はしっかり残せよ」

 

 

「はっ!」

 

 

「さて、西の魔蛇……今さらだが名前はあるか?」

 

 

「はい、わしの名は、リュラリュース・スペニア・アイ・インダルンと申しますじゃ」

 

 

「長いな、リュラリュースと呼ぶか」

 

 

「は、畏まりました」

 

 

「それでだ、リュラリュース。お前ダークエルフを知っているのか?この辺りに居るのか?」

 

 

「いえ、遥か昔トブの大森林を支配していたがダークエルフですじゃ。しかし奴らは、突如空から降ってきた魔樹に負けて森を追われたと……ですので先ほどは、ダークエルフ達が森を奪い返しに来たと早とちりいたしました」

 

 

「それはもういい。しかし魔樹か……」

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「いや、エルフと魔樹ってのはユグドラシルだと基本仲良しのはず何だよな、まぁここは異世界だから当てはまらないだけかも知れんが」

 

 

「ぼ、僕がさ、探してみましょうか?」

 

 

「うーん、どうなんだ?流石にその魔樹も誰かに倒されたりしてるのか?」

 

 

「いえ、噂では封印されているだけで、いつ復活するか分からないのが現状ですじゃ」

 

 

「生きてるのか……いや、楽しみではあるな。とりあえず保留だ。さて話を戻すが俺達は、トブの大森林を支配したい。既に南の賢王は支配した、東の巨人はお前の話から始末する事が決まった」

 

 

「わ、わしは……」

 

 

「お前は、他の支配者より弱いらしいがその分賢い。森を治める力は貸してやる、俺達は常にこの森に居る訳じゃないからな、お前はこの森を支配して森が俺達に有用で有るように管理しろ、出来るか?」

 

 

「よ、宜しいので?」

 

 

「出来るか、出来ないかを聞いている」

 

 

「出来ます!!このリュラリュース、全身全霊をかけてトブの大森林を管理させていただきます!!」

 

 

「よろしい、俺の名はデア・シルトだ。お前の活躍楽しみにしているぞ」

 

 

その後、リュラリュースと調査班にトブの大森林攻略は任せて、デア・シルト達はモンスター討伐を行っていた別動隊と合流した。

合流した際に、ナーベラルが自信満々に東の巨人ですと差し出して来たのは、トロールの再生能力が意味をなさないほどにバラバラにされ断面を丁寧に焼かれた未だに蠢く肉の塊だった。リュラリュースは絶句していたがトロールの肉体は回復薬に使えるとの事なので、珍しく褒められたナーベラルは上機嫌だった。

また、ハムスケも役に立てなかった事にショックを受けて騒ぎ出し、最終的にマーレや支配下に置いた亜人達と薬草採集に出かけ、次の日の朝になると大量の薬草を抱え戻って来た。

 

 

 




14巻読みたいが為に、ここで投稿します。
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