スチームパンク風味異世界小説
タイトルはノリ
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気が向いたら続くかも
タグは一応保険屋さんに頼んどきました。

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この小説を開いてくれてありがとうございます。
前書きに書く物が思いつかなかったので初投稿です。


ヘブンブレイクエスケープ

 来る日も来る日も魔石を狩り、端金で買い叩かれて酒を飲み寝る。

 ゴミみたいな生活だが、現状自分が出来る生活の中で最もマシであった。

 

 

 とぼとぼと疲れきった体を動かし暗い裏通りを歩いていく。

 行先は先日行方不明の同僚から聞いた安くて旨い穴場の酒場。

 此処では珍しい無口で気の良い奴だったが、聞いた話では幼体相手に油断して死んだらしい。

 早い話供養代わりにその酒場で飲んで行くことにしたのだ。

 行きつけだったらしいので報告も兼ねてではあるが。

 

 

 

 しばらく歩くと錆びた太いパイプにペンキで《天国行きバー》と書かれた看板を見つける。

 外観は裏通りということもあり継ぎ接ぎの鉄板で窓は無く、扉と換気扇から光が少し漏れている。どうやら休みでは無いようだ。

 

 

 扉を開けて中に入ると満席というほどでは無いが、そこそこ人がおり皆静かに飲んでいるようだ。確かにこうゆう雰囲気は奴は好むだろう。

 

 いらっしゃいと気の強そうな声で言うのは、細身の女店主だ。今時珍しい、愛想はいいが只者では無い雰囲気を感じる。

 相当腕が立つか後ろがデカいかその両方かだろう。

 問題を起こすのは避けた方が良さそうだ。起こす気はさらさら無いが

 

 

 空いているカウンター席に座り注文をとる

 

 

「一番安い酒とおすすめのつまみを頼む」

 

 

 あいよ〜、と気の抜けるような返事で棚から酒を取り出す店主

 

 

「まずお酒から」

 

 

 金属製で小さめのコップに並々と透明な酒が注がれ渡される

 

 

「おつまみは少しまってね」

 

 

 とのことなので、まず一口味見をしてみる。

 ……カラメルを焦がしたような苦味と甘み、そして甘い香りが鼻をぬける。

 変な混ぜものは感じない。

 いい店なのか相当隠し方が上手いのか、多分前者だろう。

 

 おまたせと目の前に出されたのがナッツとチーズ、量は少ないが質は良さそうである。食べてみると香ばしいナッツと塩気の効いた濃厚なチーズがとても酒に合う。

 

 ……あいつさては騙して高い店紹介しやがったな。

 奢らせようにもあいつはもういないのが立ちが悪い。

 手持ちで足りるといいが。

 最悪ツケで何日か禁酒コースだな。

 

 

 値段を想像しながらちびちび飲んでいると店主が少し訝しげな顔で問いをぶつけてくる。

 

 

「なんか用があるように見えたけど聞いてもいい?」

 

 

 見透かされたようでいい気分はしないが、別に間違いでは無いのでさっさと用事を済ませる。

 

 

「魔石狩りの気の良い奴から紹介されてきた。髪色は黒で、童顔の奴なんだが」

 

「あの言葉遣いが妙に丁寧で古臭い杖持ってる?」

 

「あぁそうだ、安くて旨い穴場だと聞いて来たんだがな、どうやら騙されたみたいだ」

 

「あら、どうして?」

 

「酒も旨いつまみも旨い、さらに店主も美人さんと来ちゃ、手持ちの金じゃまったく足りねぇ」

 

「値段も聞かずに判断するなんて、せっかちな人ね」

 

 

 下手な冗談も終わったところで本題に入る

 

 

「ショウの奴はしばらく来れねぇ、なんでも仕事道具が壊れたらしくてな、仲間から借金したせいで酒場には顔だせねぇとよ」

 

 

「そう、わざわざありがとう」

 

 

 慣れないことをした所為で少し酔いが覚めてしまった。

 これはもう一杯頼まないといけないだろう、酒場に来て酔わずに帰るわけにはいかない。ポケットに入れた財布が異常に気になる様な気がするが気のせいという事で。

 

 

「お前も魔石狩りかい? その割には随分細っこいが」

 

 

 いきなり話かけてきたのは隣に座る帽子を被った爺さんだった。

 ジョッキを持つ節くれだった手は震えているが、目は鋭い

 

「杖が使えりゃ誰でも魔石狩りだ。どうだ? 爺さんもなってみるか?」

 

「杖なんぞ、毎日あきあきするほど見てるわい」

 

「そうか残念だ、盾は幾らあっても困らないんだがな」

 

 杖を毎日見ているとは、職人あたりだろうかとあたりをつける。

 ところで、と爺さんは話を切り出す。

 

「ショウって言ったかの? てっきりわしは噂の奴に殺されたんじゃないかと思っておったんじゃが、杖が壊れただけじゃったとは」

 

「爺さん、噂の奴ってなんだ?」

 

「最近ボケが酷くてのう、一杯酒でも飲めば思い出せそうなんじゃが」

 

「チッ、店主、あの食えない爺さんに一杯出してやってくれ」

 

「いい心掛けじゃな」

 

 店主は少し心配そうな顔でジョッキに注いだ酒を爺さんに渡す

「もう若く無いんだからほどほどにね」

「わかっとるわい」

 そう答えたあと早速ジョッキに一口つけ、旨そうに喉を鳴らして呑んでいた。

 

「さて何処から話たもんかのう」

 

「見た目とやらかした事、あと何処に出没するか教えろ」

 

「若いのはせっかちじゃのう」

 

 そんなことを言いながら爺さんは饒舌に話し始めた。

「1週間前、隣の地区の魔石狩りが何人か帰って来なかったらしいんじゃよ」

 

「そりゃいつものことだろ? 騒ぐ必要ないじゃねぇか」

 

「なんでも熟練の腕利きが混ざってたらしいの、その時は大して誰も気に留めなかったんじゃ」

 

「その時は? その後はどうなったんだ?」

 

「次潜った奴の半数は帰ってこなかったらしいぞ? 生き残った奴は”極大の魔法が仲間を消し飛ばした””人が剣の嵐に吹き飛ばされのを見た””災害でも起きてるようだった”と言っておったそうじゃ」

 

「そんな話聞いたことねえぞ、妄想聴いてる訳じゃねぇんだ」

 

「その後下層の入り口から魔力が漏れ出しての、地区ごと封鎖じゃ、上は何も言わないじゃろ」

 

「なんで爺さんはなんでそれを知ってるんだ?」

 

「下層から回ってきた奴から聞いたんじゃよ、治療してやったお礼じゃな」

 

「はぁ、ありがとよ爺さん、死なねぇように頑張るよ」

 

「頑張れよ若者、眩しくて見てやれんがの」

 

 

 ジョッキを傾け酒を飲み切った爺さんは、店主に金を払い帰ってしまった。

 ここに用もないのに居続けるのもよくない、主にお財布によくない。

 

 

「店主さん、お勘定」

 

「はいよ〜」

 

 ……なんとか手持ちで足りる分には収まってよかった。

 安いのは本当らしい、出している品と比べてという話ではあるが。

 

 

 店を出て路地裏に出る。時刻はすっかり深夜をまわっている。

 歩きながら明日は潜るのは辞めた方がいいとか、明日からの稼ぎはどうしようかとか、これからの身の振り方を酒が入った頭で考えていた。

 

 

 ふと銀光が目に入る。なんだと思い目を凝らした。

 銀髪の少女がその髪に街灯を反射させながら此方に走ってくる

 考えごとをしていてもこれだけ目立てば気付く。

 見目もよく、奴隷狩りが見たら今日はラッキーだと言って襲い掛かるだろう。

 

 

 さてどうしようか、怖がらせて家に返した方がいいだろうか、

 

「ここはあんたみたいな嬢ちゃんが来るところじゃ」

「ショウを助けて!」

「は?」

 

 呆けている間に腕を掴まれれ、そのまま引っ張られ何処かに連れてかれていく。

 ていうか力がめちゃくちゃ強い、何処からそんな力が出ているのか。魔術でも使っているのか? 

 

 少女に連れて行かれたのはとある袋小路、マンホールが開いておりそこから這い出てきたのだろうか、一人の青年が壁を背にして座り込んでいた。服の所々から血が滲んでいる。

 

 

「ショウを助けて!」

「今確認するから待ってろ!」

 

 

 急いでショウの体の状態を見ていく。

 息はある、欠損は無し、結晶化もなし、

 目立つ外傷は軽い切り傷多数、打撲痕も少しある。

 魔力量は……ほぼ空っぽだなこりゃ、ただの魔力切れじゃねぇか

 杖とスキットルを取り出し魔術を行使する。

「《魔力付与》」

 杖から光が伸び、スキットルに吸い込まれていく。

 気付け用のやつなので強いがしょうがない

 口を開け飲ませていく……これで大丈夫だろう。

 

「あと2〜3分で起きるから安心していいぞ」

「ほんと? 大丈夫?」

「あぁ、大丈夫だ」

 多分。

 

 しばらくして魔力切れでねんねした奴は予想通り起きてきた。

 

「クレア?」

「その名前呼ぶんじゃねぇクソ野郎、心配させやがって」

「ショウ! 起きた!」

 

 

 少女がクソ野郎に突撃、すごい勢いで抱きついた。

「痛い痛いから一旦離してお願いだから。離して下さいお願いします」

 クソ野郎は悶絶している、傷が痛むのだろう。

 

「嬢ちゃん、一旦離してやれ」

「アリス、嬢ちゃんじゃない、アリス!」

「分かったアリス、そろそろ離してやらんとまた気絶するぞ」

「ショウ、気絶、やだ!」

「ありがとうクレア、はぁ〜クソいてぇ」

「アリス、ショウはとても抱きつかれたいらしい、やれ」

「ショウ〜!」

「いだだだ、いたい離して死んじゃう」




最後まで読んでくれてありがとうございます。
お酒の描写難しい、難しいくない?
評価つけてくれると助かります。

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