洗面所から離れた俺は、リビングに移動することにした。
放心しているナルメアお姉ちゃんの姿は可愛かった(無意識の自画自賛)がそろそろ色々考えないとやばい…とっくに出社時間は過ぎているが、こんな事態に巻き込まれた以上もう会社とか言ってる場合じゃない。
「戸籍、なんてあるわけないし、角丸出しじゃあ外にも出れないなぁ…どうしよう…どうしようもないけど…」
これまで築いてきた友人関係とか家族、仕事先から日常まで一気にパァになったのだ、流石に凹む。
「貯金はいくらかあるけど一生働かずに食っていけるわけないし、目先の問題は働き口だよな。戸籍がない以上ろくな仕事につける気がしない…まず今までと体格がまるで違うから勝手が違いすぎる。」
服とかも新しく買わなきゃいけないし、あれ?靴もサイズ違うからそもそも外に出れないじゃん。
「あれ?これ詰んでない……あっ!まだあれがあるじゃん!Amazon!」
そうだ!我々現代人の強い味方の密林君がいるじゃないか!ありがとうAmazon!Amazonに幸あれ!
「よしよし!そうと決まればお姉ちゃんポチッちゃうぞー!」
なんとなく言ってみたがやっぱりナルメアボイスに「俺」とか男言葉は似合わないわ!違和感しかない。人間は慣れる生き物なんだ、誰も俺だと気付かないなら女の子みたいに私とか言っても恥ずかしくねぇ!
こほん…早速私はノートパソコンの電源を入れ、Amazonを開くのだった。
「まずは、角を隠せる大きなニット帽見たいなものが欲しいかな。もしくはフード付きのパーカーとか…あっ、靴も買わなきゃだよね。あとは靴下に下着!下着…?」
あれ?公式でバストって公表されてたっけ…、身長が134cmってことは知ってるんだけど…
「まぁ、しばらくはノーブラでも大丈夫かな!(男特有の大雑把)この完璧なお姉ちゃんバストなら、ちょっとやそっとじゃ崩れないよね!」
正確なサイズとか男の俺が分かるわけがない、パンツを履かないのは違和感がありそうだから今まで通りトランクスでしばらくは過ごそう。
「よし、とりあえず買うものはこれくらいかな。家族とか会社とかは一旦保留にして、とりあえずはお金の稼ぎ方を考えないとなぁ…」
日本社会において戸籍がないことはとてつもなくマイナスだ。戸籍一つで保険関係、個人証明、その他資料といろいろなことができる。もちろん働き口との雇用契約でもそれは必要不可欠なものだ。
「戸籍関係なく働けると言えば、肉体労働や水商売とか絶対にやりたくないことしか思いつかないのよね…私の体が本来のナルメアボディなら力仕事とかは問題なくこなせそうだけど。」
やはり、この体のスペックを調べることはそのうちしなければいけないことだと思うが、他にいい案は無いだろうか…
「他にできる仕事…う〜ん、現代社会だからできること…インターネットが主流の時代…誰でもできること…配信…?」
配信って結構安定しないイメージがあるけど、有名な人たちは年間うん千万稼ぐとかいうし…ナルメアの可愛さをもってすれば意外といけるのでは?
「配信、悪くないかも!ナルメアの可愛さをみんなに知ってもらえる機会になる上に後で自分で見る時、本物のお姉ちゃんを見てる気分になれるのでは!?
そういえば、最近は投げ銭機能とかいうものもあるらしいし、時代が私に味方してくれてる気がする(気のせい)!」
よし!そうと決まれば服とかと一緒に配信用の機材も注文しよう!手痛い出費だけどこれからの稼ぎになると考えれば十分リターンのある投資だよね!
それから必要になりそうな機材を注文し、配信について調べることにしたナルメアであった…
続いた