これは私がナルメアになった初日の話…
配信をやっていこうと決め、機材や服の注文を終えた私は次の問題に直面していた。
「もうお昼だし何か食べようと思ってたんだけど。そういえば今、冷蔵庫の中空っぽなんだった…」
くだらない内容に思えるかもしれないが、今の私にとっては結構な問題だ。
まだ服も届いてないから外には出れない、そもそも靴が履けない。
宅配を頼めばいいじゃんと思うかもしれないけど、ナルメアの見た目でTシャツ一枚ノーパンノーブラで受け取りなんかした日には襲われても文句は言えない。文句はあるけど。
「今持ってる服の中で何かマシなものあったっけ…?ここんとこスーツしか着てなかったから、何持ってるかも思い出せないや。」
とりあえずクローゼットの中を整理しますかね。突然この姿になったからにはいきなり元の姿に戻ることがないとも言えない。男物の服もいくつかとっておかなきゃだし、女物の服をしまう分のスペースを確保しなきゃいけないとなると、必要なもの以外は捨てておかないと流石にきついからね。
「よいしょっと、えーと…?スーツとカーディガンにスポーツウェア、ジャケットと…あんまり来てない服もあるな。おっ、フード付の服は助かる!少し隠せるだけでも、角まるだしよりはだいぶマシだもんね。」
流石に今の体型に合う服は無さそうだが、太腿上くらいならシャツだけでも隠れるかな…最悪ズボンが履けなくてもホットパンツ履いてるのかな?くらいまでならごまかせそうだ。ナルメアのホットパンツ姿…エッチ過ぎないか?逆に大丈夫か?エチエチ十天衆かな?
「でも、とりあえずはなんとかなりそうでよかった〜。流石に外には出れないけどこれで宅配ピザくらいは頼めるかな?」
早速フード付の服を着ようとした…したのだが…。
「あっ…そういえばまだナルメアの全身見たことないんだよな。えっ、どうしよう!女性の裸なんて久しく見てないぞ!?えっ、久々に見る女体がナルメアボディとか絶対やばいんですけど!ヤバイですね!(中の人繋がり)」
そういえば完全に忘れてたけど、風呂とかトイレとかの問題ってどうなるんだ?あと、男は絶対に味わうことのない生理とか来た日には死ぬんじゃないか?髪のお手入れは?この体型の維持は?言語は今まで通り日本語で喋れてるのか?身体能力は?
「いざ考えてみると問題しかないや…」
あー…現実逃避したい…。ナルメアになった時点で現実って言っていいのかよく分からない状態だけど。とりあえずシャンプーやリンスもamazonで頼んどくか。
まずは言語能力に差異がないかだけど、これはすぐわかりそうだな。
「Hey.Siri」
『こんにちは、何かご用ですか?』
うん、日本語で喋れてるっぽいな。やっぱりSiriなんだよなぁ…
「言語は問題なしと。身体能力の方は…これはちょっと屋内で試すのは怖いかなぁ…。もしグラブル時空のままだとしたら完全に人間辞めてるし、今はやめとこう。」
人はこれを現実逃避ともいう。
「まっ、まぁ、今は服を着るのが先先!会社に行かないんだから考える時間はまだまだあるんだから!」
とりあえずは服を着よう…今裸を見る勇気はないから脱げてない上のパジャマの上から着るか…流石に180近くあった私の服はナルメアには楽々はi、ん?
「あれ?あれれ?頭が通らない。なんでだ?ナルメアの小顔でこのサイズの服に通らないなんてことあるはず…あっ…ドラフハンドルのこと忘れてた…」
あーこれはやってしまった、横幅が想定の倍くらいデカかった。小顔と言ってもナルメアはドラフ。アニラとかに比べればコンパクトな角だが、流石に普通に服は着れないわ。実質顔が2個あるくらいの幅だもん、コレ。小顔だからって二人の人間が一つの服に袖を通すのは無茶あるわ。
「えっ、えっ、コレどうしよう。一回脱ぐしか…アレ?なんか肩の辺りから角生えてない?えっ!?あれ、もしかして貫通しちゃった?えっ脱げないんですけど!前が見えな…きゃあ!」
脱ごうとしたところで止まっていたせいで、前が見えずに転倒してしまった…
「いたぁい…あっ!でも転んだ勢いで服が脱げて…あれ?なんか動けない…?ん?顔が動かせない。おかしいなぁ、嘘だよね?こんなドジっ子属性前までなかった筈だし嘘だよね?」
どういう状況かというと……壁に角が刺さっていたのである…うせやろ?
「えっ、どうしよう。まだ服も着れてないのに…ズボンも履けてないのに…宅配も頼んでないのに!半裸のままお尻を突き出した状態で、壁に刺さって抜けないなんて嘘でしょ?誰か助けて〜!」
これがのちに生放送で色々やらかすことになるお姉ちゃんのドジっ子属性である。属性盛りスギィ!
「助けて団長ちゃん〜〜!!」
意図せず上げた声はどこまでもナルメアであった…(後でちゃんと抜けました)
実際ドラフの角は服着にくそう。服の後ろにファスナーとかあると良さそう。