今回はヤミのもとにたどり着く話です、気になる方は読んでください
前回までのあらすじ
アサキムは復活したメアからの交渉を承諾した、いよいよリト達はユニクロンの内部に突入する
ユニクロンの内部はどこも薄暗く、光が無ければ見えづらかった。当然と言えば当然ではあった、ユニクロンは人の型を取っているから人の中身に近いと考えて良いのかもしれない。内臓などの部位があるかどうかは確かめて見なければ分からないが
ルナティーク号・Lはいくつもの壁が見えるためぶつからないよう安全運転を心がけた
「それで?どこに向かおうとしてるんだ?」
ナナはルナティーク号・Lの隣を移動しながら進む悪魔のような機体に通信で話しかけた。先程の会話、行動から味方だという安心感を得ていたが何が目的なのかははっきりさせておきたかった、その後男が画面に映りだした、リトや自分達より若そうな銀髪の少年だった
「俺はユニクロンの心臓部を目指している、そこにきっと奴と同じ因子を持っている人間にたどり着けるはずだ」
誰とは言わないがヤミの事だと推察できた
「じゃあ、一緒に戦ってくれるんだね。けどヤミちゃんを倒そうとしちゃダメだよ」
ララはすぐに釘を刺した、何かあれば倒そうとする人達がいることを思い出しながら
「努力はしよう」
「分かった」
そこでその話は終わり、リトは別の所への通信を行った。そして今度は別の男が画面に映った、二本の飛び跳ねた白と黒の混じった髪と王族の着るような服装が印象的だった
「結城!?今までどうしてた?というかララちゃんは無事か?」
リトは気まずそうな表情を取りつつ
「ちょっと開いた腹塞いでてさ、ララは…その…」
と答えたその時狙ったようにララの顔が出てきた
「はーい、レン君」
「おいてめぇ、またララちゃんに無理させてるのか?」
レンと呼ばれた男は怒りをリトに向けだした、デビルーク星の人間は無理に力を使うと幼児化しだす特性があった
「今回リトは私が小さくなる事については何も関わってないからリトを責めないでよ」
「ララちゃんがそういうなら仕方ないか…見たぞ結城、あのでかいロボット」
銀河ニュースの中継もやられてしまった、とレンは付け加えた
「今オレ達その中入ってるから外、頼めないだろうか?」
「分かった、やろう。あんなの他の惑星に行かれてもまずいし。ああ、そうだ」
妹は無事か?とレンはリトに質問した
「宇宙船使って飛ばなかったら地球にいると思う」
「そうか」
そう言ってレンは通信を切った
しばらくリトは黙り込んだ、彼と結婚した女性達とその子供達の安否を考え出した。不安は消えなかった、元気に過ごしていたはずの息子が突然死んだ事が判明したから
砂と化した息子を思い出した時彼の目に涙が流れた
「うっうっううう」
泣き出したリトを一人は隣に立ち、二人は見ている事しかできなかった
「込み入った事情があるみたいだな」
急に悪魔のような機体を男は進めるのを止めた、そして壁に指を差した、ルナティーク号・Lが見ると行き止まりだったためルナティーク号・Lは宇宙船にいるララ達に止まるよう指示を出した
「とはいえ急かすようで悪いが止まってはいられない、特にこんな所ではな、下がっていろ」
悪魔のような機体は2つの宇宙船を払いのける仕草をしつつ鎌を構えた
「Z・O・サイズ」
男がそう言うと三回得物の閃く音と共に壁が崩れだした
「行くぞ」
再び行動を再開した
それ以降男は、行き止まりの事以外特に何も言わなかった
軽口も、煽るような発言も
リトにとってはありがたかった、感情をこれ以上かき乱されずに済むという点では
子供の死の原因たる人間はもう死んでいる…らしかった。嘘ではない、とゆう信憑性だけが確証だった
だからもう恨んでも、恨みは晴らせない、と片付けるべきかもしれない。それだけが相手を憎まなくていい理由だった
その内男は通信越しに2つの宇宙船に呼びかけてきた
「すまない、まただ」
ルナティーク号・Lはそれを聞いて今度は自分がやると言い放った
『こいつで壊せるかやってみたいんだ、エボリューション!!』
ルナティーク号・Lの尻尾は折れ曲がり上の部分にくっつくような砲門の形となった
そしてその尻尾からピンク色のビームが発射された
真っ直ぐに進むそのビームは壁を貫く
モモ達は驚嘆の表情をもらしていた、だが、その表情はすぐに敵意へと変貌した
一行の目線の先にあるものは、アサキムとシュロウガだった、破壊した壁の付近におそらくいたのだろう
「ここで会うとは、奇遇だね」
『何でこんな所に…!?』
ルナティーク号・Lはアサキムとシュロウガがユニクロンのビーム砲に吸い込まれた事を思い出した
「あれで死ななかったってこと?」
「それだけじゃない、ヤミの攻撃も腕以外通じなかった…」
『まさか、ここに入るために吸い込まれるようにしたってことか?』
「その通り…と言いたい所だけど終われるなら、別にいいとも思いながらさせてもらったよ」
アサキムの声色は言っている事に対して明るいももだった、それがリトには許せなかった
「ふざけるなよ、てめぇ…、何でそんな風にできるんだ!?」
自分を簡単に危険にさらせる奴のせいで芽亜が…と思うとリトには我慢できなかった
悪魔のような機体は銃をシュロウガに突きつけた
「止せ、こいつに命の使い方の話をしても無駄だ。有るものはそうした使い方をし、無いものもまたそうした使い方をする。そういうものだろう、お前は何が望みだ?呪われし放浪者」
「因果律の番人か、そうだね、僕の望みはユニクロン…星帝に知らしめたい、僕を利用するならそれがどうなるかを。君たちとおそらく為すべき事は一緒だと僕は考えているけど」
互いに2つ名が飛び交いナナ達は会話に入りづらくなってきた
「手を組まないか?」
話題がこちらに向けられた所でようやく話に入れた
「嫌だ」
即答だった
「お前は、芽亜の仇だ、これ以上顔を見たくない」
「顔を見たくないと言えばリトさんは大丈夫ですか?あれ」
黒い悪魔のような機体はゴキブリにも近いものがあった
「あいつはナナを助けてくれた、だからどんな見た目でも頑張って我慢しようと思ってる」
そう言っているリトの目は死にかかっていた
「オレは賛成しよう」
そう発言した男を見てモモは信じられないといった表情を浮かべた
「何でだ?えーと…」
「クォヴレーだ」
「クォヴレー、私も嫌だぞ!!こいつと行動を一緒にするの」
クォヴレーと名乗った男は変わらない口調で答えた
「戦力は多い方が良い、相手はお前たちの父親が全力でやって倒せなかった奴だ」
4人は驚きを隠せなかった、父と仰ぐ人間が敵わなかった事でなく、理由でもなく、それをクォヴレーが知っていた事について
アサキムはただ一人事情を飲み込めたような諦観の表情を浮かべた
「やはりか」
理由を察したナナは首を震わせながらクォヴレーの方を向いた
「まさか…父上を見殺しにしたのか!?」
「そうなるな」
「お前は…!?」
弁明に入ったのはアサキムだった
「彼と僕はこの世界の人間じゃない、特に彼は因子が揃わなければ舞い降りる事すら叶わない。だから救いたくてもすぐに救えはしないんだ」
「何も言う必要はない、オレに何もできなかったのは事実だ」
その声はひどく無念そうだった、見殺しいうのは残虐性、その行為を正当化させるだけの何かを持ち込まない限り決まって気分が悪くなる
「分かった、力を貸してくれ」
「リトさん?」
「あの人に貸せなかった分も含めて俺達に力を貸してくれ、それで良いか?」
3人は一斉に答えた
「リトが良いっていうなら良いよ」
「私も同じです」
「私は…」
ナナは考えた、父上をクォヴレーは見殺しにした、何もできなかったと言っていたが信じて良いのだろうか?
だが自分を助けてくれたのもまたクォヴレーであった、その時の行動は善意のそれだった、そこは信じても良さそうだった
「許せないが、考えるのは後にする。今はよろしくな」
「ああ」
アサキムは待ってましたとばかりに声をかけてきた
「僕の申し出は…」
モモはため息混じりに答えを出した
「そうですね、クォヴレーという人のついでになら良いでしょう」
その言葉にアサキムが喜びの笑みを浮かべ出すと同時に
モモは許した訳じゃないから何かに遭遇したときにこちらはあなたを盾にするという言葉を突き出した
「ならそれで構わない」
リトはそれで良いのかと思いつつも
「じゃあ行こう」
と号令をかけた
アサキムと一時的に手を組んだリト達は先に進んだ
しばらく移動している内に手当たり次第に進むのはそろそろ止めにしたいとナナは思い始めてきた
「たくさん壊して進んでも良いんじゃないか?」
「ならオレがやろう」
クォヴレーは離れた床に向けるように自分の機体の肩部にある砲台を展開させた
「メス・アッシャー、マキシマム・シュート!!」
ビームが放たれる音とともに狙った場所とそこに近い部分はすぐに穴が開いた
『なにそれ』
自分のより太く、長いビームの範囲に半ば呆れ半ばうらやましがっていた
「行こう、この先に彼女はいるかもしれない」
アサキムはすぐに開いた穴の向こうに向かった
「おい待て!!」
ルナティーク号・Lと宇宙船も後を追いかけクォヴレーの乗った機体もそれを追いかけた
アサキムがたどり着いた先にあったのは一人で倒れているヤミだった
「僕たちはたどり着いたのか」
一人ではできない事だったかもしれない、道は広く、深かった
「!?ヤミー!!」
リトはルナティーク号・L越しでヤミに呼びかけようとした
すると起き出したヤミの目が一際赤く光りだし、シュロウガと同じ程の大きさになった
皆さんいかがでしたか?
面白いと思ってもらえれば幸いです
次回
第二十一話 「解放ーわかれ」