今回スパロボちょっとしか出てこない(アサキムも出ない)のでアサキムの活躍が楽しみだった方はバックしてください
雨の降る中、シロ達は結城リトの厚意のもと教会で雨宿りをする事になった。結城リトがそこに用があったのかついでのごとく彼の妻にある一室に案内される、食事のための部屋なのか白いテーブルがあり大人数でも対応できるような大きさと広さだった
リトはすぐに神父と話し合っていた、おそらく自分達の事を話しているのだろう。と考えているとほどなくしてリトがこちらに向かって報告してきた
「大丈夫だってさ」
「そうか、すまないな」
そして軽く名前を名乗った後シロ達の分の座るイスをテーブルに設置してもらった、その後紅茶を出してもらった
ティーカップからお茶と砂糖の混じったような独特な匂いが立ち上っていた、ついさっきできたと言わんばかりの湯気も
それを見た瞬間シロの顔面は蒼白となった
「どうしました?」
ヤミの問いにチヨが返答した
「シロって食べ物自体の好き嫌いはないけど熱いのは舌をやられるからダメだって」
「そ、そうですか…」
「オレは、後で飲むよ」
シロは紅茶は飲まずにイスに座った、直後凛に
「しかし、探りに来るのに彼女連れとはな」
と言われた
「(彼女かどうかはおいといて)悪いか?」
「君が自分の用事に彼女を付き合わせてるようにしか見えない」
「オレ一人で行くって言ったけど」
シロはちらっとチヨの方を見た
「女の子一人に留守番させるなんて、ねぇ」
チヨは当然の事を言うようにさらりと言ってのけた
「という訳だ」
「なら、観念するのはシロですね」
「そうするか」
「ところでシロ、あなたの銃は…」
以前、シロはハーディスを足や上着のポケットに携行していたがその大きさゆえにそれが目立った
「消えたよ、ゴキブリのような巨大ロボットを呼び寄せたのと引き換えにな」
「あれはお前が?」
「オレだけじゃなかったがな」
「ああ、ありがとう」
あのロボットにナナが助けられた事をリトは思い出していた
そのやりとりを終えた後、一人の人物について話し合った、現在のデビルーク王である結城リトの妹、結城美柑。シロも名前は聞いている、王になった人間の家族ともなれば嫌でも有名になる
まずはここの住人について聞かされた、おおまかに神父と養女である美奈子、良く分からないがここの教会は孤児院の側面も持っているようだった。後は一人の青年が三年前からいるらしい、一年半前なら怪しむ所だった。とても卑屈なひきこもりがちの人間だそうだ。失礼な人間で美奈子をおばさんと呼ぶらしい
「年聞けば1歳ぐらいしか違わないのに」
その青年からも話を聞きたかったがひきこもりがちな人間を引きはがせる程の大義名分をシロは持っていない
次に彼女のここでの生活ぶりを聞かされた、何のことはない、朝起きて植物に水をやり食事を作りそれをこのあたりの住人と共にし図書館で本を読み洗濯も少々するという普通といえば普通の生活と言える
なんとなく分かったが完全に圏外であるためケータイなどにある写真は見れなかった、そのためリトの妻である春菜から絵本のような大きめのアルバムに入った集合写真を見せてもらった
写っているのはほとんどが女性で白いシャツの上から薄いクリームのような色の冬や秋に着そうな上着、首につける薄い緑のリボン。縦と横に白い線の入った濁った緑のスカートという感じの制服姿が割合の多い、後はもっと年若い女の子か教師、他校の人間だろう。シロは彼女達の上着を見てバナナミルクを想起し口に唾液がたまっていくのを感じた
結婚した時の写真ではないのは分かる、彼らが結婚したのはもう少し大人になってからというのがシロの知ってる記録だった
色々と写っている人達を見ているのに気づかれたのか
「ここだ」
と九条凛に指し示された
「どうも」
と礼を述べて写真を見てみた
一人の子供を抱いている、制服姿やスーツの中際立つ私服姿と背丈からおそらく十代前半になったばかりの少女。長く伸びた焦げた茶色の髪のてっぺんが跳ねた状態でまとまっているのが特徴的だった、写真でしか見てないが言い寄る人達がたくさんいそうと思える程にはその女の子に第一印象の魅力をシロは感じた。今から王と王妃が出会って数年間の間に取った物と仮定するなら彼女はシロより年上だったかもしれない
「この人はどういう人だった?」
近しい人間に彼女がどう映ってたか…それも色々と解明するために一応知っておく必要があった
「料理が上手で、たまに教えてもらったかな」
「いっしょにいて落ち着く、気の合う親友でした」
「ここにいる奴にはもったいないくらい出来た妹だったよ」
「軽口や小言もあったけど大事な…妹だからってわけじゃなくてさ」
「師匠は私に化粧のイロハを教えてくれたりしてくれました、よく気がつく優しい人です」
「なるほど…じゃあそこの…」
「美奈子」
「美奈子さん、美柑って人との出会いの話を改めて聞かせて欲しい」
「そうですね、あれは一年と半年以上前の話です」
一年半以上前…
「ここには裏山があって…神父が毎日朝の散歩に出かけてるの、まあ朝の散歩だからそんなに奥には行けないけど」
奥へ行けば樹海、そこまで行けば帰るのもそれだけ難しくなる
「ある日神父はよろよろと裏山を歩いている師匠を見つけて」
ほわんほわんほわんとどこかで音が鳴った気がした
『大丈夫か?お前さん』
『あ…』
その時美柑は倒れて神父に保護されたそうだ、 連れて帰って気づいたが何日も着替えていないような臭いだった
「ひょっとしてそいつ美柑って人の体を」
「洗ったのは私です、リピート…洗ったのは、私です!!端から見てどう?」
その場にいる全員「だよな」という意味の相槌を打った、美奈子は咳払いをしつつ気を取り直して話し出した
それが美奈子と美柑の出会いだった
「その後料理を出すとものすごい勢いで消えていったので、やっぱりその間何も食べてなかったようです」
「美柑…何故…」
食べ終わった後美奈子は美柑に聞いた、どこに住んでたか…どうしてあんなところに行ったのか、家族は…友達は…年が上だが近い相手に美奈子は興味を持った。美柑は家族や友達、住んでいる所の事は話したが他の話題ははぐらかしていた
それから数日して回復した彼女が今日は私がしたいと言い出した
「おいしかったー、師匠の作ったご飯」
比較する対象が少なかったが、どう味わっても、いつ作ってもらっても彼女の料理の評価は上の上でしかなかった。それから、美奈子は美柑に頼んで色々な事を教えてもらった。料理のコツ、都会の情報、流行
「美柑はあなたの先生でもあったんですね」
「はい」
そんな毎日を繰り返したある日の夜
爆発音がした、近くで身の危険を感じるような大きな音が
『何事?』
ベッドから跳ね起きた美奈子は懐中電灯を持って爆発した場所を探した、場所がどこかは一目瞭然だった。歩く道のど真ん中がごうごうと赤い炎で燃えその向こうは笑い声、高らかに笑い叫ぶ、そんな声。そこに行ったはずだがそれから先の記憶はない、それから先を教えたのは神父だった
「分かったのはあれで師匠が死んだって事」
「本当に、本当に死んだのですか?勘違いじゃないんですか?」
ヤミが美奈子に質問を繰り返した、今すぐに否定してやりたい。そういう意図がにじみ出ていた
「勘違い…そんなわけない、だったら何で師匠はあの日から師匠の部屋にいないの?わたしだって何度あれは夢だった、悪夢だったんだって片付けようとしたか」
「と言ってるが神父は何も言う気は?」
「はて…?」
神父は首を傾げた
「とぼけるな、確かめたんだろう?美柑って人が死んだのかどうか」
「うむ…嫌、あれは爆発の後何も…死体すら残らなかった。爆発する前に彼女がそこに立ち寄ったをみておるしの」
「止めなかったのか?」
「毎日通る道じゃぞ、わかるわけなかろう」
「犯人について心辺りは?」
「ない、恨まれる人間でない事はそちらの方々が保証するだろうしのう」
「ああ…」
リトが頷いた所でシロは立ち上がった
「そこに行っても手がかりは掴めない…か、じゃあ別の方面を考えてみるか」
「何だ?」
凛からの問いを聞いてないかのようにシロはテーブルから離れて改めて指を差しながら答えた
「何故、彼女はデビルーク王達に黙って飛び出したのか
何故、彼女は縁もゆかりもないこの地へ赴いたか
何故、彼女は樹海の近くのようなところに足を踏み入れたのか」
こう並べてしまえば、素人目にもこう想像がつく。シロはその答えしか考えられなかった
「彼女は、このあたりで、死ににやってきたかもしれない」
その発言と共に場の雰囲気は一瞬で暗く、悪くなっていったのを感じた
「取り消せ…」
リトも立ち上がり、シロに近づいて胸ぐらを掴んだ、彼の妻達は手を伸ばしてそれを留めようとした
「憶測だとしても取り消せよ、今の言葉」
「今の所はやだね」
今のは仮説、可能性の内でしかなく内容も不快なものだろう。だが分からない以上、それを捨てる事はできない
「お前に美柑の何が分かるって言うんだ!?」
「デビルーク王、それをあんたが言うのか?あんただって…美柑って人の事を分かりきっていなかった、だから一年以上も彼女を探す事しかできなかった!!」
その言葉でリトは先ほどの怒りがどこかに消えたように目線を下に向けつつ彼の手はシロから離れた
「そうじゃない、絶対に違うって言えるなら、最初…何故彼女があんた達の目の前からいなくなったか、思い当たれば聞かせて欲しい」
それを聞いてリト達は考え込む仕草を始めた
先に口を開いたのは凛だった
「私の息子のはじめてのおつかいの際、ファッション雑誌を頼んだはずがおもちゃの雑誌を買ってきた事…」
一同を見るとほぼ全員苦笑いの表情になっていた
「はじめてだろう?買い間違えたことぐらいなら言いふらさない方が良いと思うが」
「すまない、他に思いつかないんだ…」
「む、無理して言わなくても良いから…」
春菜にフォローされ、凛は黙り込んだ
「私は…自分のと間違えて化粧品を使ってしまった事かな」
「動機としては薄そうだな」
ちらりと美奈子を見ていると、少しずつ怯えの表情が顔から漏れ出していた
「デビルーク王…ヤミさん、何かあったら」
シロは今は見なかった事にして手のひらに何かを乗せたような仕草を相手に向けた
「いくらか気分が悪そうなくらいで、何かあるのなら相談して欲しかった」
「………………………」
リトは考え込んでいた、その内に頭を抱え込む程…きっと何もなかったのだろう、彼女が自分達の前からいなくなる理由
「何も思い出せないならもういい、もう分かったから」
そのうちにリトはイスから立ち上がった
「リト君?」
「少し外に出たい」
「やめておけ、雨が降っている」
「頼む…頭、冷やしたいんだ…」
「お、おい!?」
凛の制止を振り切るようにリトはその部屋を飛び出した
「リトさん!?」
「オレが行くから、みんなは残ってくれ!!」
シロは急いで紅茶を飲み干した
「熱っ!!」
シロは熱さのため舌を思わず出してしまった、まだ飲むのが早すぎたと思いつつシロはリトの後を追った
一方そのころ~
教会の二階の一室で、青年は本棚にある本を数冊取り出して読んでいた
端から見れば顔全体に包帯を巻いた黒い神父服の男が本を読んでいるように見えるだろう
特に何かに役立てようと思って読んでいる訳ではなかった
ただ読んでいる時だけは時の流れを忘れていられる、逃げたかった、活字を読む間に開かれる世界の向こうに逃避をしたかった、想像力という翼でその先だけ行ってみたかった。それだけだった
、だから料理の作り方の本でも、童話でも、何でも良かった。報われない恋如何を読むことだけは真っ平だったが…無理を通そうとすれば何か歪みが生じる、その歪みに真っ向から立ち向かいそれを打ち負かせるのかと青年は登場人物に問いたくなるがその時心が黒く揺れ動く様を感じてしまうのが青年には耐えられなかった
読んでいる内に、物音がした。扉を開ける音、それもずいぶん勢いのある音
いつも住んでいる人達の扉を開ける音でないのは分かる、青年がここに住み始めてから一度も彼女達が立てた音ではなかった
来客…それも感情的になっている人間の仕業
「……まあいい、読もう」
読書を妨害され気分を悪くしたが気を取り直して再び本を読もうとした
再び音がした、今度はもっと力いっぱい開けるような音
「クソっ」
青年はたまらなくなり窓から外を覗いた、うるさい音を立てながら扉を開けた人間を見つけて何か文句を言いたい気分になってきた
「誰だ?一応静粛であるべき場所なのに…」
男が2人、教会から出て行くのが見えた。一人は傘をさしているがもう一人は止せば良いのに雨の中傘も無しに傘をさしている方を追いかけていた、肉眼で見えづらい位置だったため青年は本棚の上の望遠鏡を持ち出し再び覗いた
「これは…ああ!!」
デビルーク王と、誰かがいた
それを見て不意に青年の心臓の鼓動が早くなった。青年はどこかで自分が焦っていると悟り、思わず顔の包帯に手を当てた
包帯の感触を感じいささかの落ち着きを取り戻した青年はリトと男の会話を盗み聞きする事にした
いかがでしたか?
今回はスパロボちょっぴりしか話に出なかったのですが面白い、もしくは面白かったと思ってもらえれば幸いです。
堕ちた果実編、もう少し続けるかやめとこうか決めたいと思います
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来夢君の変身する所見たい
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シロがアイスで尋問される所が見たい
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美奈子と美柑の絡み見たかった
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犯人の事はっきりさせろ
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もういい、もうたくさんだ
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察したのでもう結構