スーパーロボット大戦Z 辺獄編   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちは(?)、今回はアサキムVS神父とその他もろもろです。気になる方は読んでください


第二十九話 「地から昇って天から降りて」

 「悪く思わんでくれ」

 神父はそう呟きながら動かなくなったシロの体勢を整え手を組ませた

 「わしは目の前で困っている人間を見捨てられなかった、それだけなんじゃ…あやつの存在があの者達に知られればあやつは…」

 それだけで命まで奪っていい理由にはならないはずだった

 「わかっておるわ、それがどれだけ罪深いかなぞ、だがわしはもう遅いんじゃ」

 それから神父は語った

 自分の生まれた時代は争いもあったという話、やはり地球でも銀河大戦の規模でなくとも争いはあるみたいだ

 ここで生きている内に教会を守るためとはいえ敵対者を…といった話

 「おかげで主の元に旅立つ事は叶わなかった」

 その言葉に行いを後悔していたという響きは感じられない、残念だとは思っていてもそのためにあれをするべきでは無かった、これをするべきでは無かったとは思っていない様子だった。それはやるべき事であったと考えていると見るべきだろう

 「お前さんは何を見る?」

 神父は何も聞く事のできないシロに向かって唐突に聞いた、先程神父は主のいる場所と言った…見るとは死後の世界と言うものについてなのかもしれない

 「あやつは見たと言っておった、話をしたと言っておった。お前さんにまでそこにたどり着くのであれば叶わんのう、祈りによってそこにたどり着こうとしたわしや同胞達は…しかし嘆かわしくもある…あやつは年若くして覗いたらしい」

 そして神父は語り出した

 「あやつは…」

 死人に口無しだからなのかもしくは冥土への土産とでもいう体裁なのか

 そして、一通り語り終えたようで神父は一呼吸置いた

 「どうじゃ?あやつを裁くべきなのは時間を司る者達、それか主であるという事が分かるじゃろう?」

 分かるかどうかはどうでもいいのかもしれない、どちらにせよシロには選択権はない

 それから神父は首を傾げていた、どのようにシロを処分するか検討をしているのかもしれない

 神父が考えている間に、扉の前から大きな破壊音がした、どこかで、建物内の何かが壊れされたような大きな音、そしてそれはかなり近い所にある

 そして扉が音を立てて開かれた

 勢い良く開かれた扉から風が舞う、それらと共にやってきたのは黒い衣装を纏った男、神父はシロの話からその男がアサキム・ドーウィンである事が分かりそのアサキム・ドーウィンと思われる男を凝視した

 しかし人違いであれば困ると、神父は一つ質問をした

 「何者じゃ?お前さんは」

 「ある者は呪われし放浪者と呼ぶ。僕の名前はアサキム・ドーウィン」

 そう言ってアサキムはシロを見つめた

 「まさか本当に一人で確かめに行くとは思わなかった、いくら僕でも少しばかり心が痛む」

 アサキムは黙祷をするかのようにしばらく目を瞑った後、どこからか剣を召還した、その金色の柄から伸びた細身の刃は鮮血にも似た鮮やかな赤と輝きを表していた

 狙いは誰が見たとしても神父ただ一人

 「仕方あるまい」

 神父はアサキムに向かってぶつぶつと何かを唱えた、それは詠唱のようでそれを唱え終わるとバスケットボール程の大きさの魔法の球がアサキムに向かって進み出した、それがおそらくシロに対して行った攻撃だろう

 アサキムはその球に向かって前に進み剣でその魔法の球を縦に一刀両断した

 「これは!?」

 「魔を断つのは初めてじゃないからね」

 神父はもう一度唱えようとするがアサキムはすかさず剣を持たない方の腕で神父の服の襟をつかみ剣を神父に突きつけた、そんなものは無駄だとでも言いたげにアサキムは神父に顔を近づけながら睨む

 「祝詞は不要だろう?君は生ける死者ではあるけれど、不死なる者とは違うんだから」

 「わしの事を知っておるのか?」

 「無論その原因もね、特異点が自身の誕生に繋がる未来を阻む時生と死が反転する。まさか実物を見れるとは思わなかったけど」

 「つまりお前さんはあやつを…来夢の事を!?」

 アサキムは一瞬固まった後、全てを察したかのように笑みをこぼした

 「運命だけでなく名前すら変わってしまったのか…でも仮面の内に潜む傷の痛みのままに行く性質には変わりがない…と」

 「あやつに何の用があるんじゃ!?」

 「ここには彼らがいる、特に金色の闇がね、だから彼の事を教えるのも一つの手だと思ったのさ」

 「そんな事、させはせん!!」

 それを聞いて神父はアサキムに向かって膝蹴りを放った、アサキムは襟をつかんだ腕を伸ばして自身が後ろに移動する事で避けるのを試みた

 だがそれが狙いだったようで神父はその伸びた腕をつかみ投げ飛ばした

 背負い投げのようだが武道に基づく洗練されたものでなく勢いによるものが大きいため、アサキムは床にたたきつけられる前に足をバネにしてなんとか仕切り直しにもっていった

 「何故あやつを…来夢の事をあの者達に教えなければならないんじゃ!?」

 神父は隠し持っていたらしい儀礼用に使いそうなナイフ数本を取り出し、アサキムに向かっていった

 「金色の闇…彼女があまりにも知りたがっていたからさ、そして彼女に潜む因子を引き出すには彼の事を教えるのが一番早そうだった」

 神父はアサキムに向かってナイフを振り回して突っ込んだ

 「あの者達をここに連れて来たのはお前さんか!?」

 アサキムは剣で神父の振るうナイフを防ぐ

 「それは違うよ、僕がいなくても彼らはここに来た、むしろ感謝して欲しいな、来夢…の縁者をできるだけ減らしたんだから」

 「縁者とは、どういう事じゃ?」

 「知る必要はない、これから君は僕が彼岸へと送り返すんだ。他にここに住まう人間もね」

 アサキムは剣は速度を増した

 「他の人間も狙うじゃと」

 「君達は生と死の反転という奇蹟の果てに何を為した?少なくとも君はシロを…」

 しゃべり声より金属音の割合の方が大きくなっていった

 「ならば安心せい、罪を重ねたのはわし一人じゃ」

 「ならば君を屠ってから確かめようか」

 「させんわ!!」

 神父は蹴りを放った、アサキムは腕で防いだがそこから神父が攻勢に入った

 「来夢には時が必要なんじゃ、自分を受け入れて心から笑えるようになるまでの時が」

 アサキムもまたナイフを剣で捌き、丁度いいようになった所で一直線で全て受け止めた

 「僕は彼を見た、嫉妬、哀れみ、その他を受けて育ちそれらが憎しみと成った彼は、その原因となるものに決着をつけてもそれらが晴れる事なく虚無へと堕ちていった、そんな彼が時だけでそれを払えると思っているのか?」

 「いつかは晴れる、そう信じておる!!明けない夜はないんじゃ!!」

 「日は昇ろうとも、それらは再び沈む。過去の痛みも、思い出も、人の心はすくい取るんだよ」

 神父の一本一本の指と指に挟んだナイフとアサキムの剣が交錯し一際うるさい金属音が鳴った

 「心を語るなら何故それを踏みにじろうとする?何故あの者達に突きつけようとする?」

 「必要があれば、心を壊しもするし導きもする、それしかできないなら僕は…」

 「ならば、わしもこれしかできん」

 神父はまた何かの詠唱を始めた、唇の動きからまた別のものを唱えているのが分かった

 しかしぶつぶつという声は扉の近くの足音でかき消された、バラバラの音から察するに複数の人間達が勢い良く降りているような感じではあった、おそらくリト達だ、むしろ気づくのが遅かったなと言うべきか

 「時はすぐそこまで来ている、だから君の罪に終わりをもたらそう」

 アサキムは剣を一旦構え直し、叫んだ

 「ランブリング・ディスキャリバー(ver2)」

 何の呼称かと疑問に思った、だがそれが必殺技だと知るのにそう時間はかからなかった

 アサキムは走り剣の柄の部分を神父に当てた

 「ハハハハハハハハハ、ハハハハハハハハハハハハハハ」

そのまま一閃、二閃、三閃、とにかくたくさん神父を斬りつけて最後はとどめと言わんばかりに神父を壁まで蹴り飛ばした

 そこまでされたからか壁に激突した神父はもたれるように倒れて起きあがらなくなった

 程なくして、チヨがやってきた

 「シロ、どこなの?シロ」

 それに続いてリトと凛、そして美奈子もやってきた、他の女性達はお留守番といった形だろうか

 「!!シロ!!」

 シロの体はすぐに見つかった、すぐにチヨが駆け寄り、無事かどうかを確かめる

 「シロ!!しっかりして、シロ!!」

 体温の有無はともかくとして心臓部がくり抜かれたようにぽっかりと穴が開いているので生存は絶望的だろう、すぐにチヨの感情が嘆きと涙に表れるのは分かりきった事である

 アサキムはそれを見て思う所があるようですまなそうな顔であった

 「シロは、あなたが?」

 そう聞いているチヨはアサキムの方を見ていないが、それだけに怖さが増している。今は静かなものだが、徐々に加熱してゆく火種、彼女からはそれを彷彿させた

 「君の想像に委ねよう」

 素直に神父がやったと言えば話が進むはずだった、なのにアサキムはそれをせずに答えをはぐらかした。隠す理由があるかどうかはさておきその言動はリトの怒りを買った

 リトはアサキムに近づいて言い放つ

 「ちゃんと答えろ、アサキム・ドーウィン!!」

 「悪いね、だけどそれが僕の答えだ」

 「あの神父もお前の仕業か!?」

 「……………………」

 アサキムは笑みを浮かべながら、黙った

 「答えてくれ、シロの事、神父の事、それにまだ美柑の事も教えてもらってない」

 「知りたいな…君は何故、シロに行動を共にする事を許していたか、そこまで親しい関係でもないだろう」

 「聞いてるのは俺達だ!!……俺とシロとは昔…つっても美柑がいなくなった後ぐらいだけど、ヤミとの事で揉めてからの縁だった。あいつは銀河警察の人間でヤミを捕まえようとしていた」

 自分の質問に答えさせるために答えているのだろうか

 「色々言い合って、その後あいつは辞めさせられてその話は終わった、後で上から色々と釈明されたりもした…けどシロの叫びは、シロの怒りは、正しいって言いたくはないけど…いつかは向き合わなきゃいけないってのはヤミも言ってたし俺も分かってはいる。それに…シロは実力行使とか周りにいる人間達に危害を加えようとはしなかった。だからあの事でシロを敵と思って冷たくするのはするべきじゃないと思ったんだ」

 「なるほど…だが何故彼は辞めさせられたんだろうね?」

 「ヤミも王族って事になってるから…?」

 リトが暗い表情になっているのが分かった、後ろめたさのようなものだろうか

 「それだけで辞めさせられたとは思えないよ、媚びるために辞めさせられたならもう少し見せしめになるような方法があったはずだ、だが辞めさせられた、ただそれだけだ」

 その言葉で美奈子以外は一斉に驚いた

 「確かに………じゃあ次はお前の番だ」

 「まだだよ、次は」

 アサキムは美奈子の前に立ち、美奈子の顎に指で触れ、クイッと自分の顔を見つめさせた

 「あ、あの…」

 少しずつ、美奈子の顔が赤くなっていくのが分かる

 「君の名前は?」

 絵図だけなら、女を口説く男のようだ

 「秋月…美奈子…20歳、趣味は歌う事」

 「なら美奈子、君は今ここに生きるものかな?」

 先ほどの生と死の反転の話だろうか

 「あ…はい、生まれてからずっとここにいます。」

 望まぬ答えにアサキムは少し固まったようだ

 「そう…ならば君は一年半前のあの日から今までどうしていたのかな?」

 一年半前のあの日…結城美柑の命に関わるあの日の事だろう

 その時チヨは銃を構えた

 「早く答えて!!」

 アサキムはその話に関しては口を開きはしなかった、それでチヨは銃の引き金に触れだした、少しずつ指に力が入り弾丸が発射するまで数秒あるかないか

 「止せ!!」

 叫んで止めたのは凛だった、その叫びにびっくりしたチヨは指を引き金から離す

 「お前がどれだけ銃が上手いのかは知らんが今のお前では美奈子に当たる可能性がある」

 チヨは下を向いて黙った後、銃を下ろした

 「……何もしていません、ただ…師匠のお墓を作って、師匠が救われますようにって祈って…師匠のお…むぐ」

 アサキムは美奈子の口にもう片方の手を当てて口を塞ぎ顎に触れた指を美奈子から離してから人差し指を伸ばしてアサキム自身の口に当てて黙るようにジェスチャーを送った

 「ありがとう、君は罪を重ねていないという事はだいたい分かった、ならば君は道を踏み外す…己の手を血で濡らすような事のないようにね」

 アサキムはそう言い残して扉に向かおうとした

 「待てよ、まだ終わってない」

 「待ってください、今度は私から…」

 リトと美奈子は手を伸ばして引き留めようとし、チヨは先程の銃でアサキムを狙った

 そして一発、二発とアサキムに向かって発砲した

 天井に当たった後、アサキムに向かって飛んでいったそれはおそらく跳弾の一種だろう

 アサキムは振り返った、そして手から持ち出してきたのは剣でなく、一つのベルト。3つ程コインが入るくぼみのあるベルト

 そのベルトでアサキムは銃弾を全部下にはたき落とした

 「知りたいなら、教えよう。ただし、僕が用意する舞台まで昇る事が出来たなら…ね」

 アサキムはそう言って扉の外へ出て行った

 「木刀の恨みは、消える事はないからな」

 凛もアサキムを追って外へ出て行った

 「秋月ちゃん…なんともない?」

 リトは美奈子に無事かどうか聞いてきた、聞かれた事を、あまりにも素直に語っていたからか何かをされたのではと疑っているのだろう

 その質問の直後美奈子は顔を赤くしてから手で顔を覆いだした

 「私…あんなにいい声のイケメンにあんな事されるの初めてで」

 要はときめいてしまったようである

 「えええええええええ!!嫌…ごめん、でもあいつはもう少し様子見の方が俺はいいと思う」

 「そう…ですか?」

 「男の俺から見た感想で悪いけどさ」

 美奈子は首を横に振った

 「それはそうとここを頼めるかな?凛だけじゃ心配でさ…」

 美奈子は覆った手を顔から離し手である方向を示した

 「でも二人が」

 言われて思い出したのか倒れているシロと神父をリトは見た

 「シロ…」

 リトはシロとシロを見て悲しんでいるチヨを見ながら神父に駆け寄った、神父の衣装の上からリトは心臓の鼓動を確かめた

 「神父の方はまだ生きてる…でも手当てしないとまずい」

 リトは神父を抱えた

 「何をするんですか?」

 「ここじゃ暗いから」

 それだけでなく割と冷えている、地下というだけあり暖かさなどとは無縁なのだろう、明かり自体がほとんどなさそうなのもある

 それを見てチヨもシロを運ぼうとして、失敗した

 「大丈夫?」

 「体の半分は牛乳しか詰まってない癖になんでこんなに重いの」

 「そ、そんなに…?体に何かできてるかな?」

 いくらなんでも言いすぎである、牛乳も水もたくさんあれば重いのは一緒、それにシロの体型は標準ぐらいのはずだ、その内美奈子もシロを運ぼうとした

 「何?」

 「手伝わせて」

 「何であなたもシロを?」

 何かを警戒しているようでチヨは美奈子をジロジロと見た

 「人が困ってる時には手を差し伸べろって言われたり書いてあるのを見て育ったからじゃ…ダメ?」

 一切他意のなさげに喋る美奈子に対して警戒心をほどいたようで

 「…………サンキュー」

とチヨは礼を言った

 美奈子とチヨはお互いにシロの肩を組んで運んだ

 シロはこれを望まないだろう、死体…ではないが動かない体に触れたり運ぼうとしたりどうみても犯行現場を荒らしているようなものだった、心臓が欠損したのならシロはもう死んでいるのではと思うかもしれないが

 運ぶ途中に彼女達は気づくだろう

 シロの髪は銀から茶へと変色していくのを




いかがでしたか?面白いと思ってもらえれば幸いです。何故ver2かというと血が吹き出ないようにするのと倉庫と名前がついていても狭いのでいつものように斬るのは難しいから…という事にしといてください、それと今回の視点は、シロのお肌です。

堕ちた果実編、もう少し続けるかやめとこうか決めたいと思います

  • 来夢君の変身する所見たい
  • シロがアイスで尋問される所が見たい
  • 美奈子と美柑の絡み見たかった
  • 犯人の事はっきりさせろ
  • もういい、もうたくさんだ
  • 察したのでもう結構
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