前回までのあらすじ
アサキムはスフィアを求めてデビルーク星に降り立った、そしてヤミの攻撃を乗り切ったアサキムはデビルークの王の宮殿へと向かう
ルナティーク号から飛び降りて10分後、既に地上に着いたアサキムはどこに行けばデビルーク王の住む宮殿に行けるのか分からなくなってきた
シュロウガなら飛んで行けるし隈無く探せば場所も目立つし見つかるがまたヤミに捕まってしまう可能性があるため使えなかった
「この惑星と僕を結ぶ因子は少ないからね」
ほぼ初めて来訪したとも言える、アサキムが知ってるのは地球人とこの惑星の王女の紡ぐ物語のそして彼は王となりましたのくだり(スフィアを巡る戦いのついでに知った)までだった
「何故この惑星を黒咲芽亜は選んだのか」
一番推測しやすいのは技術面で地球にスフィアの器を作らせることができなかったということ、もしくは彼女がデビルーク星でどれだけできるのか試してみたかったということ、それはさておきアサキムが歩を進めると最初についた場所とは別の町だった
見ると遠くのヘリポートのようなものに円盤型の宇宙船があった
すぐ住民に話を聞いてみた
「あの場に眠る船は誰の物だい?」
「デビルークの兵士たちだよ。知らない?あっ知らなさそう」
おそらくきょろきょろしていた拍子に尻尾が無いことを悟られたのだろう、しかし気にすることなくアサキムは礼だけ述べて走り去った
「礼を言わせてもらうよ、ありがとう」
そしてすぐ路地裏に行くとアサキムは兵士に扮しようと試みた
「オリジン・ローの力…僕の身に刻め」
成功しスーツ姿かつ尻尾を生やし例えヤミから見ても口調で判断されない限り分からないように顔と髪型も変えた
ガラスに顔が映った、顔はさっきのアサキムと違い少しだけ能面に近くなり髪型はオールバックになっていた、瞳の色も髪の色もアサキム・ドーウィンとはかけ離れていた
その状態のまま宇宙船に行った
すると宇宙船に降りるところだった兵士と鉢合わせした
その兵士は今のアサキムと似たようなスーツ姿の格好をしていた
兵士は変装したアサキムを見て即座に敬礼してきた
「お疲れ様です。何か用でしょうか?」
「行くべ…道に迷った、船もないので宮殿に送ってほしい」
少し慌てて普通の口調に変えた、口調こそ今もっとも気をつけなければならなかったためである
「交通機関でなんとかしてください」
「あんまりそういうの使った試しないから…どう乗れば良いのか教えてください!」
兵士は…まじかよ…という表情をしつつ教えてくれた
現在地や目的の場所までだいたい覚えたのでアサキムは出発しようとした、その時兵士から付け加えのように
「お代は出せませんからね」
と言い渡された
「了解した」
アサキムは仕方ないと思いそれはそれやりようもあると考えた
アサキムは宮殿の近くに寄る交通機関の近くのトイレに寄ると今度は自分を透明人間のようにさせた
その交通機関の上に、アサキムは飛び乗った
降りて徒歩含め一時間で目的地についた、その間にアサキムはさっきのスーツ姿に変わった、特に怪しまれはしなかった
「デビルーク王…僕は君の愛するものに爪を立てるだろう…嫌、既に心に傷を負わせたか」
その考えを拭うように横に頭を振りアサキムは宮殿の内部に突入した。
すぐに走る兵士と目が合ってしまった、ランニングなどではなく急いでいる状態と見える
「サボリか?お前」
「そうじゃない…今来たところだ」
「ちょうどいい、お前」
兵士はアサキムの肩に手を置いてきた
「色々足りなくなってきたから代わり一緒に持って来てくれないか」
アサキムは渋々了解した
「何故そんなことに?」
「ヤミ様が来られないというわけでモモ様に植物の友達をお連れいただいたところその植物の友達は水鉄砲が強すぎて訓練用の鎧に穴が開いたり急に火ぃ吹きだして火傷を負う奴が続出し…」
「なかなかの惨状だな」
そして兵士に導かれ進んでいった先の部屋には担架や包帯が有った、それを持って(人はいないので片手で担いで)部屋を出たその時…
「へいしさんたち、ちょっとどいて」
ぶつかるような衝撃が走りアサキムと兵士は横に一回転した
犯人は子どものようだった
「ごめん、へいしさん」
ぺこりと頭を下げすぐに走った子どもは現(きっと)王妃に近い顔立ちに紫に近い髪と緑の眼と先代デビルーク王に近い服装をしていたのが特徴的だった。また、その子どもには尻尾がなかった
「君は…」
アサキムが問いかけようとすると兵士が人差し指を縦に口に当てた
「しっ、王子様の目の前だ、タメ口禁止」
「(あれがデビルークの未来か)」
子どもが走って行く先に侍女らしき人間とこれまた王族に近そうな女の子がいた。今度はピンクの髪に暖色系の瞳かつかつて王女の着てた服の色違いだった
「やっぱりここだったね、ラズ」
「ココ姉さん…何でわかったの?」
「もう少し逃げ方というものを工夫してもらわなきゃ、けど残念っもうお尻叩きは決定、よろしくね」
「お覚悟」
ラズは尻叩きをされる数秒前の姿勢にされてしまった
「尻叩きは勘弁ー」
「止めなくて良いのか?」
「あれはほぼしてくる相手が違うだけで一週間に一度はやるらしいからな、始まりは王子が王様の好物を食べてしまった時に王妃様から…」
「食い意地があの見た目ですごいな」
「あー!!」
心地よい音が聞こえた後ラズと言われた子どもはがくっと倒れた、泣きはしなかったがチーンという擬音が流れそうで見ていて哀愁を誘った
「見苦しいところをお見せしました」
ココはアサキムと兵士に頭を下げてきた、そしてラズのもとに駆け寄った
「無事ですか、ラズ」
「いたい」
「つまみ食いは改めるようにってみんなから言われてるのにね」
「たはは…」
「痛みが治まったら部屋に戻りましょう。春菜さんがミミ姉と風夏姉とアイス食べてるって」
それを聞くとラズの体はすぐ反応し、起き上がった
「治ったぜ」
先ほどの元気のなさそうな様子とは打って変わってはつらつとしていた、そしてラズはココと侍女と共にどこかへ帰った
兵士とアサキムは手荷物を運ぶ作業にあたった、アサキムは歩きながら質問してみた
「さっきの王子たち…尻尾なかったな」
「もう半分の半分までデビルークの血が薄まったからな」
「あの王子は…きっとララ様の子どもだろうけど髪の色が…」
「セフィ・ミカエラ・デビルーク様の父君に髪の色が似ているそうだ」
「なるほど」
会話を続けてるうちにアサキムたちは目的の場所まで着いた、兵士たちは皆どこかに怪我や出血をしていた
「さぁ、補充用が来た、これは置いてくぞー」
「よし、もう5人ぐらい一気に運べるようになった」
アサキムはモモ様に頼んできてもらった植物の友達を拝見した、一見動く植物や人間の体に近い植物ばかりだが危害は少なさそうだった。
「まだ必要そうだな、もう二人くらい必要になるか、おいこっち来い」
兵士が呼びかけていると窓からコウモリが飛来してきた、そのコウモリは紫色を主な色としアートのような模様があった、アサキムはそのコウモリを見つめてみた、すると
「何をしているの?あなたの狙いは私…そうでしょ?」
そう言うとコウモリはまた別の場所へ飛び立とうとしていた
「僕を誘うか…ならそれにありがたく応じよう」
アサキムは兵士を無視しコウモリを追いかけた
「おいっ待て!ちっ仕方ない、他動けるやつは」
アサキムは宮殿内を駆け回りコウモリを追いかけた、途中見回りをしてた兵士に気づかれないように動き追った先は…格納庫だった
進むごとに大量の宇宙船がそこかしこに並んでいた
その中に一機だけ人型の兵器が佇み異彩を放っていた
「こんにちは、不審者さん」
その人型の兵器の近くに黒咲芽亜はいた
「黒咲芽亜…君がスフィア・リアクターに目覚めたか」
「そう、あなたの求めるスフィアは私を選んだ、そしてね…できることが増えていったんだ」
コウモリは芽亜の体に密着し吸われていく
「使い魔を精製できるようになった…」
「意識を分断する感じでね、まだまだできるようになることが何なのか知りたいけどそれにはあなたが邪魔なの」
芽亜はその手を変身《トランス》させ砲台に近い状態にしアサキムに向かってビームを放った
アサキムの手の近くが輝き剣の形になりアサキムはそれを払った、そのビームは辺りに当たっても特に破損はしなかった
「こんな戦いは不毛だ、僕らの交えるべき刃はただ一つ…そうだろう?」
「そうだね…お互い様子見は終わりにして…けど場所を変えよう、ここじゃない宮殿の外に」
「良いだろう、君の望む場で決めるとしよう、君が僕の心を貪るか、僕が君の魂ごとスフィアを貪るか」
一方そのころ…
「リトさん!!」
音を立ててヤミは扉を開けて入ってきた
「?何だ」
仕事が忙しそうだったがヤミはお構いなしに用件に移った
「リトさん、芽亜を狙ってるやつがいます。兵士たちに城内に怪しい人間がいないか調べて下さい」
いかがでしたでしょうか、髪の色の話とかツッコミたい所があっても勘弁してください
次回予告
「彼女が導いたのか!?」
「素敵(ハート)」
そして…
「ここが彼の歩んだ道…?」
第五話 「知りたがる山羊 前編」