スーパーロボット大戦Z 辺獄編   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちは(?)
今回は大人気ないアサキム・ドーウィンが出てきます。


第四十話 妹、そして放浪者

 ~2日後~

 

 九条真はドアを叩く音で来訪を知らせ、相手の了承を得てドアを開いた。ドアを開いた先に見えたのは白に近い明るい色の部屋で古手川唯が子供を大事そうに抱いている所とそれに付き添っている異母妹だ、ただし産まれる月や年は数ヶ月程の違いしかないから年はあまり変わらない。

 

 「おはようございます、唯さん、華、そしてはじめまして…妹?弟?」

 

 「おはよう、お兄ちゃん」

 

 「おはよう、真君。この子は妹よ」

 

 そう言って子供をあやしている時の彼女の聖母感は7歳の子供の口では言い表せなかった。

 

 「凛さんはどうしたの?」

 

 「もう少しすればやってくると思いますが」

 

 部屋の窓の隅には風船がくくりつけてあった。

 

 「まさかもう……」

 

 大部分の人間が訪問した事になる?

 

 「うん、後はキョーコだけ」

 

 「なんであの魔法少女が?……」

 

 特撮番組、「爆熱少女 マジカルキョーコ 炎-フレイム-」の、もう完結したはずの物語の主人公が何故ここに来るんだろうか?と真は疑問に思った。

 

 「唯さんは向こう側から祝ってもらう程徳を積んでたんですね(曇りない眼)」

 

 「真君…ひょっとして忘れてる?」

 

 「何をですか?」

 

 「お兄ちゃんもさwいい加減認めなよw」

 

 何を認めなければならないのかと真は首を傾げた。

 

 「良い、お兄ちゃん?キョーコは」

 

 華は真に耳打ちした。

 

 「パパのお嫁さんだよ」

 

 真にとってその情報は衝撃の事実だった。そのために認めたくないと拒絶反応の頭痛が起きた。

 

 「うっ頭が……!?」

 

 だが言われてみると真の記憶の中になんだかマジカルキョーコに似たお姉さんが父の嫁達の中にいたような気がする。

 

 「だ、大丈夫?真君……」

 

 「そうか……そうだったのか……」

 

 「そうそう」

 

 真は病室を一巡し、落ち着いてから別の質問をした。

 

 「名前は決まってるでしょうか?華の妹だからコハ…いえ、なんでもございません」

 

 「名前はそう……彩、彩ってよんでね」

 

 あや、古手川彩ということだろうか?

 

 「はじめまして、あやちゃん。これからよろしく」

 

 真は彩に向かって挨拶をした。

 

 「抱いてみる?」

 

 「ちょっと怖いですね」

 

 落としたらと思うと、やってみようと思う気持ちは真には湧かなかった。命を抱き上げるには、小学1年の真には重すぎた。

 

 「そう……」

 

 「妹と言えばペケちゃんの妹?分をララ様が作る予定らしいですね」

 

 ペケちゃんとは……デビルーク星の王妃自作の万能コスチュームロボットで、色々なコスチュームに姿を変えられたり、人格を持っているので自分の意思があってそれで動く事ができ、一応攻撃行動もできるおそらく彼女の最高傑作である。ぬいぐるみ並みの大きさから人を覆えるように流動的に形状を変化させる事とそんな機能と人格を持つ事を両立させているという点で超AIや人工知能とかに詳しい一部の天の声はいっぺん調べさせろと意気込んでいたりする。

 

 「名前は確かカイって名前だったね、色は黒いペケちゃんって感じ」

 

 ペケの白い部分は黒くなり、目の部分の黒いうずまきは白になって……簡単に言えば色違い。他に違いがあるとすれば人格ぐらいだろう。

 

 「お忙しい中だから片手間になるそうだけど、待ち遠しいよ」

 

 カイは、今から作ろうとしているので真達を守るために作るのだろう。纏えば飛んだり好きなコスチュームになったりと色々できるパワードスーツになり、そこにいれば相談相手になる。持ち主、それか主人になる人間はおそらく身内の中で一番危なっかしい人間だろう、今の所はラズになる可能性が大きいだろう。ねだったら使わせてくれるだろうかと真は疑問に思った。

 

 「それはそうと」

 

 真は勢い良くドアを開けた。

 

 「母上ーまだですかー」

 

 開けた先に、スーツ姿の男が徘徊している姿が見えてその男が妙に真の印象に残った。

 

 「あいつは……」

 

 男から不思議な何かを感じ、真はドアを少し開けたままにしてじっと覗く、覗かずにはいられない。

 

 「お兄ちゃんがテレビのヒーローでもない男に興味を持ってる!?」

 

 「覗きなんてハレンチな行動は止めなさーい(小声)」

 

 「あの人は……たぶんマジですよ」

 

 「へぇーそうなんだ……」

 

 「僕、行ってきます!!」

 

 「真君!!」

 

 ドアの音が目立たないようにゆっくり閉めた後、部屋の外に真は飛び出した。

 

 それからしばらくの間、真は男の動向を探ってみた、受付の所で考え込む仕草を見せた後、別の階層をうろついては受付の所に戻るを繰り返していた。

 

 「何をしているんだ?(小声)」

 

 「どこに行くか分かんなかったりしてね」

 

 「看護婦さんに聞けば…………って、華、どうした?(小声)」

 

 「ママに連れ戻して来いって言われたけど面白そうかなって、お兄ちゃん、私も混ぜて(小声)」

 

 「いいよ、くっつくだけだし(小声)」

 

 華と一緒に男を監視して10分後~

 

 「いったいいつまでそうしているつもりなのかな?」

 

 やんわりとした声色で男は聞いてきた、ずっと相手は気づいていたのだ、その事で真と華は驚き、お互いの顔を見た。

 

 「後ろから見てるだけじゃダメだよ、用があるなら己自身から歩まなきゃ。」

 

 男は後ろを振り向き、真を見て近寄ってきた。

 

 「ふうん……」

 

 「華、近くにいる強そうな大人の人を呼ぶんだ、それまでこの人は僕がなんとかする」

 

 真は華から離れ、孫の手を取り出し目の前の灰色のスーツの男に向かって構えた、特撮ヒーローの武器のおもちゃの方が硬くて当たると痛いから良いと常々思っているが周りからの反対もありそれは止めている。

 

 「う……うん」

 

 真のシリアスな雰囲気に押され、華はその場から退去した。そして真は男の顔を見る、男も真を見る、お互いにふと思った。

 

 「(まだ幼いが故に己が何者であるのかを理解しきれていないのか…でも黒咲芽亜を除いて)」

 

 「(この得体のしれない感じ、ネメシスさんに似ている。不敵で素敵なメンタルを持ってそうな所、寒色か暖色のどちらかに寄ってる違いはあるけれど服や髪の色がだいたい黒い所も絶対に闇属性である所も、だけど)」

 

 『間違いなく、こいつは僕と近い人間だ』と真は感じた、相手もおそらくそう思っているだろうと確信が取れる程に。どの程度近いかと聞かれると同じ幼稚園の出身とかその程度のような気がするが共通点は絶対にある。

 

 「(どうする……?)」

 

 真は思った。先手を取ろうとしても、軽くあしらわれて自分が悪い事にされる、嫌……孫の手を使ってチャンバラで遊ぶ子供とそれに乗っかり付き合ってくれているお兄さんという構図ができ、生暖かい目で見られるだけの可能性の方が大きい。デビルークの兵士100人単位で固めてるならまだしもここは一般病院、知らない人がほとんどだ。

 

 「しょうがない」

 

 注目を集めるならいっそそっちの方が良い、それで相手の身動きが取れなくなるのなら。

 

 「はぁあ!!」

 

 真は孫の手を振るった。

 

 「ふっ」

 

 真の予想通り男は真の振るう孫の手を掴み取り、あしらうように掴んだ手をあっちこっち動かす。

 

 「くっこのっ」

 

 完全に遊ばれていた。

 

 「感じる……黒の英知の片鱗を、やはりそういう事か」

 

 聞き覚えのあるような、ないような単語を聞き、今自分が何をしようとしていたかを忘れて真は聞いた。

 

 「くろの……えいち?」

 

 男は質問には答えず、笑みを浮かべながら真に迫った。

 

 「だがまだ幼い、その時には至っていないんだ。だから何も刻まれてないようだね……」

 

 「くろのえいちってなに?」

 

 「いずれ分かる、その時君自身はどの道を選択するのかな?」

 

 「意味分かんないです」

 

 「今はそれでいい、それより君に頼みたい事がある、この前の子供では食いつきが悪いみたいだから、僕自身が向かう方が良いと思った。その案内をしてもらおうか」

 

 「どこの案内をするんですか?」

 

 「デビルークの王様の……縁者の居場所」

 

 男の目線に、真は戦慄を覚えた。その目の放つ光は間違いなく、獲物を捕らえようとする者の目。教えられた事はないが「これだ」と判断するには充分な熱意がこもっている。

 

 「僕、デビルークの王様なんて知らないんだなーこれが」

 

 とっさに出た言い逃れに近い、嘘八百。震えた声で言ってしまった事で信憑性は限りなく低い。

 

 「それはないよね、一応面影はある。」

 

 「言われる程父上に似てる所ありますか?髪とか?」

 

 真がつぶやいた瞬間、男はその人自身の悪辣な部分を現すような邪悪な笑みを浮かべた。

 

 「引っかかったね、僕が言ったのは王子の事だよ。王子に似ていると言おうとしてたんだ」

 

 真ははめられた事に気づいた。

 

 「子供をはめて、楽しいんですか!?」

 

 「この際そこはどうでもいいんだ、誰の腹からかは知らないが君が彼の子だと分かればそれで良い。何、助けてと叫べば」

 

 その時、男の後ろから翼が急に生えたように見えた。その悪魔を思わせる翼には見覚えがあった。なので早速

 

 「助けてー!!」

 

 と叫んだ。

 

 「ははっ早速か、気がはや……」

 

 「私の子供に何をしようとしてるのかな!?」

 

 男は王妃、ララ・サタリン・デビルークに後ろからげんこつをぶつけられて倒れた、あまりの衝撃か男の頭には顔程もあるたんこぶができ、動きが震えていた。

 

 「悪魔の星の王妃か………君の子供ではないとは思うけど」

 

 「リトの子供なら、全員かわいい私の子だよ~!!」

 

 「そうか………君の愛の深さには正直感服するよ、倣う気は全くないけど」

 

 やがて男は動くのを止めた。

 

 「真君~この人はママに用があるんだって」

 

 ララはたんこぶを生やして倒れている男を引きずりながら手を振ってどこかに向かっていった。真も手を振りもう大丈夫だと安堵の表情を浮かべた。だが一瞬、引きずられる男の顔から笑みがこぼれていたのが見えた。目的は果たしたという笑み、真も買ってもらったゲームをクリアした時に似たような表情を浮かべた事が有るから分かる。嫌な予感がしたが

 

 「まあララ様なら大丈夫だろう」

 

 高をくくってみた。ペケちゃんを着ているし何があっても死にはしないだろうという確信の方を真は信じた。

 

 「真」

 

 「あ、母上」

 

 真の母親の凛が声をかけてきた。

 

 「遅くなってすまない、だが知らない人間を監視しようとするのは関心しないな。見つかってひどい目にあったらどうする?」

 

 ひどい目にはあわなかったが、怖くはあったので凛の言う通りだった。

 

 「ごめんなさい……」

 

 「分かればいい、それでそいつは?」

 

 「ララ様に連れていかれました。」

 

 それを聞いてから凛は真を連れて唯のいる場所に向かい言い聞かせた。

 

 「ここで待ってろ、いいな」

 

 凛は早歩きでどこかに行く、王妃を追いかけようとしているのか。

 

 「はい」

 

 真は敬礼のポーズを取り母を見送った。既に戻っている華も便乗して敬礼する事にした。




いかがでしたか?
面白かったと思っていただければ幸いです。
次回はペケちゃんが大暴れですぞ~理由は次回にて、では!!ビギュン(効果音)
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