スーパーロボット大戦Z 辺獄編   作:レゴシティの猫

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 皆さんこんにちは(?)
 我々(ていうか投稿者)は忘れていた、To LOVEるで一番のロボの存在に。
 という訳で今回は大きくなったペケちゃんの出番です。ペケちゃんのボディはいったいどういう素材でできてるんですかね?分からないので質感は柔らかくてかつスーパーボール並みの弾力と化した。


第四十一話 巨大化!!ペケVSシュロウガ

 ~屋上~

 

 道中、謎の浮遊感も感じつつ男はララに病院の屋上まで連れていかれた。

 

 「あの時はありがとうね、アサキム・ドーウィン」

 

 そう、男はアサキム・ドーウィンだったのだ、顔は変えてないので見る人が見ればバレバレであるが。

 

 「あの時?」

 

 「ラズちゃんに春菜、リトの事、そしてヤミちゃんの事」

 

 「礼を言われる程の事をした覚えはない、あれは君の妹君の下僕(しもべ)がした事で、星帝の思惑に乗ってしまったのが癪だったからでもある、それに僕は他の事で色々あったじゃないか」

 

 「うん、そこは許してないから」

 

 お互い会話に少しずつトゲが生えてきたがそこは笑顔でごまかした。

 

 「はい」

 

 ララは一つの機械をアサキムに投げ渡してきた。

 

 「一昨日ラズちゃんに頼んだんでしょ?これ、ばいばいメモリーくんね」

 

 「あの時か……」

 

 ~一昨日~

 

 「君の母君の叡智が欲しい」

 

 「母ちゃんのh?母ちゃんや姉ちゃん達は父ちゃんに対してえっちぃって掃除の人は言ってるぜ!!」

 

 アサキムはラズに向かって慌てて人差し指を口に当てて制止した。

 

 「君がそこに足を踏み入れるのは早い…………………羞恥という思いをくべた炎が君を焼き尽くさない内にその話は闇に葬ろうか。記憶を消せるような力だ、僕はそれを求めている」

 

 「何に使うんすか?ごはんのつまみ食いにつかってもしかられるだけだったような」

 

 アサキムは片手で頭を抱えつつ補足説明をした。

 

 「記憶というものは人の姿形を描くしるべであると共に在り方を縛る枷となる、解き放たなければならない人間がいるんだよ」

 

 ラズはよく分からない人間からのよく分からない説明に目が虚ろになっていった。だがやってほしい事は察したのかすぐに目の光を取り戻した。

 

 「おれ、今から母ちゃん達にこれ渡してくるからその時に言うよ」

 

 突き出してきたのは風船、だからといって渡してくれる訳ではなさそうだ。

 

 「頼むよ、その時は僕の顔も君の語れるまま語り尽くすんだ」

 

 「分かったぜ」

 

 「ラズ~!!」

 

 女の子が一人男と一緒にやってきた、王子を追いかけていたようで、男は余裕そうだったが女の子の方は急いだのか息が荒くなっていた。

 

 「追いかける人の都合も考えなさいよ、後病院って本当は走っちゃダメなんだから」

 

 「たはは……ごめんなさい」

 

 「分かれば良いわよ………少し顔赤いわね、人にぶつからなかった?」

 

 「ぶつかっちゃったぜ。あっそうだ、姉さん姉さん、このお兄さんが母ちゃんに用があ……いない」

 

 ~現在~

 

 「衣装を変えるだけでもある程度は隠し通せるんだね」

 

 アサキムはスーツ姿を脱ぎ捨て、元の黒いローブを纏った姿になった。

 

 「聞いたよ、リトから美柑ちゃんの事知ってるかもって、知ってるなら教えて欲しいな。」

 

 「君に告げる真実はないよ」

 

 「知らないなら知らないって、はっきり言おう?」

 

 「……………あれは、君と結城リトが結ばれた事による結果だよ。いいや、結局の所縁はできている。君と彼が出会わなければあんな悲劇は紡がれなかった。強き光程昏き影を産み出すのさ、それこそ意識の外に、思わぬ方向に」

 

 「でたらめを言わないで!!」

 

 そう、出会わなければ良かったは実際のところでたらめ、彼がどんな道を選んでも結城美柑が諦めなければイチゴもしくはライム、両親の事で苦しむ子供の運命に繋がる。付け加えるとイチゴには弟妹どっちかがいるかもしれないがライムにはいない、「知りたがる山羊」がイチゴの絶望する瞬間を暴露した事で彼女の心を折ったためである。

 

 「まあでたらめだ……として、なら今度は未来についての話をしよう。」

 

 「未来?」

 

 「ガーランドだったね?あの子は金色の闇の伝説の礎になった人間の子供に殺されたとか……さっきの君の言葉だとこうも言えるよね、「君の家族は君達の守るべき民に殺された」と」

 

 「!?」

 

 「そして知れば噴出するだろうさ、残された者達の怨念が、王家に刃向かうからと、抑える事しかできなかった感情が、それを機に寄り集まり奔流となる。同じ苦しみを知ってしまった彼には真っ向から抗いきれず、それでもその感情に晒される金色の闇は守らねばならないと動くだろう。ククク、その道の果てには何が待ってるだろうね?いずれにしろ君が、嫌、君達が惹かれた彼の美点は影に潜む」

 

 王妃は驚いてから意味ありげに目をつむり、アサキムの言葉を聞いた後に目を開けて語った。

 

 「忠告はありがとう、でもそうはならないよ」

 

 「どうしてそう言い切れる?」

 

 「私が、私達が側にいるから。そうならないように、私達が一緒にいてリトやヤミちゃんを支えるから!!」

 

 「眩しいね、それでこそだ」

 

 「それはそれとして今から君を捕まえるね!!」

 

 ララはアサキムに向かって指を差す。

 

 「僕にはシュロウガがある、君には何がある?」

 

 「私にはペケがいるよ」

 

 ペケはララの作ったコスチュームロボット、今彼女が着ているのならそれを外せば……

 

 「確認しよう、それは何も問題ない?裸になるような、何か不祥事は……」

 

 ララは自身のコスチュームとして纏っていたロボット、ペケを解除した、反射的にアサキムは目を瞑った、瞑らざるをえなかった。

 

 「……………………………」

 

 おそるおそる目を開けると、衣服を着たララとペケがそこにいた。彼女はペケの下に服を着ていたのだ。

 

 「一応着てるよ、リト以外に見られないようにしなきゃって思うし」

 

 「そうか……」

 

 アサキムは安堵した、これで彼女の裸体に興奮して血を流す事態、方向転換しなきゃいけない事態だけは避けられる。

 

 「じゃあ、いっくよーペケ!!」

 

 『アイアイサー!!』

 

 「!!」

 

 ララの呼びかけに応じ、ペケが、なんと、ぐんぐんと、巨大化した。

 

 「良いだろう、始めようか」

 

 アサキムはシュロウガを召喚し搭乗した。

 

 「ここか!?」

 

 九条凛が入れ違いに屋上へ上ってきた。

 

 「あっ凛、アサキムはあっちだよ」

 

 ララの指差す方向にはシュロウガ、もう戦いは始まろうとしていた。

 

 「くっやはり大きすぎるな、仕方ない」

 

 凛は手持ちの、シュロウガ用に準備したミサイルを構えた。既に許可は得ている。

 

 「当たれよ!!」

 

 凛はミサイルを発射した。

 

 ~彩南町 市街地~

 

 「何故その力を今まで使わなかった!?」

 

 『サイズ感が良くなかったってのと色々あったので……』

 

 ビルの角が巨大化したペケの足に食い込んでいた。渦巻きの形の目に白が基調のゆるキャラ然とした胴長短足で低めの等身、巨大化して建物に触れた事で掻き立てられた柔らかさ、その愛らしさに戦意も揺らいできている。

 

 『ジロジロ見ないでくれませんか?』

 

 その時、シュロウガの顔面を狙ってミサイルが飛んできた。認識した途端命中し、シュロウガの頬の部分を通じてアサキムに衝撃が走った。衝撃、ただそれだけではあるが、結果的とはいえ頬を殴打された情景を思い浮かべてしまう。

 

 「誰だったっけね…………」

 

 『はい?』

 

 「場を移そう、少し気が散る」

 

 シュロウガとペケ、両方翼を用いて空を飛んだ。

 

 『はぁっ!!』

 

 ペケは剣を持ち出し、シュロウガに近づいてそれを振るった。

 

 「僕の(魔王剣)より太い!!」

 

 シュロウガの手からディスキャリバーを召喚し、アサキムは応戦する。

 

 「僕の(魔王剣)より硬い!!」

 

 質量の違い、素材の違いで捌ききれない。

 

 「僕の(魔王剣)より凶暴だ!!」

 

 シュロウガの足でペケの振るう剣を蹴り、さらに上空へ舞い上がる。

 

 『ちょっと黙らせてやりましょう』

 

 ペケはメガホンを持ち出して、シュロウガに向けて構えた。

 

 『ララ様の音波データ、味わうと良いのです』

 

 メガホンから放たれるのは、宣言通り音波。

 

 『ソニックメガホン!!』

 

 「王妃の叫びを再現したか……厄介だが」

 

 その攻撃手段が音波である以上、拡散は免れない。後退しつつ逆に一点のみへの攻撃をすればそっちが通る可能性の方が大きい。

 

 「その果てを穿つ!!」

 

 シュロウガはラスターエッジ、額のクリスタルから光線を放った。

 

 『おっと』

 

 ペケがバック転する事で簡単に避けられてしまった。

 

 『まっすぐだと、分かりやすい!!トゥ!!』

 

 ペケはジャンプをするようにさらに高度を上げた、それを見たアサキムがついでに太陽を仰ぎ見る程である。

 

 「ほう…………」

 

 『大・天空×字拳!!』

 

 両腕をバツの字に交差させ、シュロウガに突っ込んでいった。

 

 『くらえー!!』

 

 その交差させた腕を武器にシュロウガ目掛けて突っ込んでいった。

 

 『いっけー』

 

 シュロウガはその態勢のままペケによって山に激突させられた。

 

 『トドメです!!』

 

 ペケは剣を二本持ち出し、宣言どおりシュロウガにトドメをさそうとした。

 

 「南無三!!と言う訳ないじゃないか」

 

 シュロウガの腕をペケの頭まで伸ばし、頭をつかんだ。

 

 「さあ、黒き獄鳥の贄となるがいい、トラジック・ジェノサイダー!!」

 

 シュロウガの体の部分にある何らかの発射口から、鳥の形をした何かが飛び出す。

 

 『おっと!!』

 

 ペケはトドメを差す事を諦め、シュロウガに蹴りを入れて突き放した後距離をとって鳥のような何かを避けた。

 

 「そうくるか、だが君はこれからは逃れられない」

 

 シュロウガはペケの近くに寄り、ペケを蹴っ飛ばした。

 

 『ぐぅっ』

 

 無事山にペケをぶつけた。だが、スーパーボールのようにバウンドしてペケはシュロウガに突っ込み腹部にパンチを当てた。

 

 「君の力は、僕の想像の上を行くか」

 

 『まだまだ!!』

 

 ペケはシュロウガに向かって、剣を振り下ろす。

 

 「そうこなくては、ね!!」

 

 その言葉を皮きりに、ペケとシュロウガは消えた。嫌、スピードが早くなり、王妃や凛といった一部の人間以外の目に映らなくなっただけだった。

 空に響き渡るのは剣と剣の擦れる音。物体が物体に当たる鈍い音。高速で移動しながら戦っている2体のロボット達の位置を示すのはその音だけとなった。

 

 「ハハハハハハ、ハハハハハハハハハ!!」

 

 『戦っている最中に笑わないでくださいよ、慣れない速度でいっぱいいっぱいなのに』

 

 「叫びは必要だよ、魂を揺り起こすのに必要な言葉には差異があるだろうけど」

 

 『楽しんでいませんか?』

 

 ペケの剣をアサキムの駆るシュロウガは受け止めた。尚移動は続く。

 

 「かもしれない。今ここにはスフィアも、目的も、崩壊も、全て関係ない戦いがある」

 

 『こっちには目的がある!!美柑様の事、まだ何も分かってないのです』

 

 「それで良い、知る事によって堕ちるものもある。彼は正にそれだ」

 

 『え?』

 

 「その先は勝負に勝ってからにしよう」

 

 シュロウガの膝蹴りをくらい、ペケは吹っ飛んだ。

 

 『ええい!!』

 

 ペケはシュロウガにメガホンを向けて、超音波を発射した。

 シュロウガは超音波の中心部をくぐるように突っ込みペケにディスキャリバーで突き刺そうとする。

 ペケは後退して避けて、無防備になったシュロウガに回転しつつ体当たりをした。

 

 「まだ、飛べるはずだ」

 

 応酬はしばらく続いた、だが終わりの瞬間というのは、いつも予期せぬ所で訪れる。

 

 『はぁ!!』

 

 ある時、アサキムには剣を振るうペケの手が少しずつ縮んでいくのが見えた。

 

 「……………………………」

 

 それを見たアサキムの乗るシュロウガは白けたように動きを止め、ペケに背を向ける。突然のシュロウガの行動に今まさに剣で攻撃しようとしていたペケは肩すかしをくらった。

 

 『アサキム・ドーウィン、勝負はまだ終わってない!!』

 

 「いいや、この勝負は君の負けだ」

 

 『何を言って…………あ』

 

 「あ」

 

 「あ」

 

 ララや凛すら驚いた後、ペケの充電は切れ元のサイズに戻った。

 

 『あああああああああああああ!!』

 

 元のサイズに戻った事で、地上との間に距離ができ、有り体に言うと地面に向かって落っこちた。

 

 「最後まで立っていた方が勝利だという、もう……君はしばらく戦えない」

 

 翼を動かす程の充電はなさそうでそのまま歩道に激突した、が、柔らかそうにバウンドした後今度は華麗に着地した。

 

 『後で覚えててくださいね!!』

 

 ペケが着地して、渾身の叫びを聞いた後アサキムはシュロウガから降り、ひとっ飛びでララの元に降りた。

 

 「ごめんね、ペケ。後は私がやるから」

 

 「いいや、私がやる」

 

 凛はアサキムの前に立ちふさがり、木刀を向けた。

 

 「エンブラス・ジ・インフェルノ!!」

 

 主のいない筈のシュロウガが黒い炎を凛の周りに放射した、その炎はドームの形を成し、凛の行動を遮る壁、牢屋と化す。

 

 「僕の直感だが、君の起源は時を遡る時期としては微妙なんだ。悪いね」

 

 「!!」

 

 「無駄だよ、普通の火より熱いからね。スペースはとった、大人しく数分息を止めていればいい」

 

 「なら凛はじっとしてて、必ず助けるから」

 

 凛は口元を手で押さえて頷いた。それを見ていつでも来いと言いたげに身構えるララに対し、アサキムは質問を繰り出す。

 

 「今、君は幸せか?」

 

 「………………………へ?」

 

 突然のアサキムの質問にララと凛は驚いた。

 

 「幸せでないとは言わせない。今、愛する人間と共に生き、健やかな子も成している君に」

 

 「リトの事は認めるけど子供がいるから幸せっていうのは違うと思うな。」

 

 「ほう?」

 

 「子供がいるから幸せって言うのは一方的すぎだよ、子供自身の事だって見なきゃ」

 

 「そうだね、だけどそこは今抜きにしよう。ではなぜ君は結城リトと共に道を歩めるのか」

 

 「それは、リトが私に結婚して欲しいって言ったからだよ」

 

 「何故結婚して欲しいって言ったのかな?」

 

 「私はリトの事が好きで、リトは私の事が好きだから」

 

 「君が好きになったきっかけは?」

 

 「そこまでは話さないよ、敵にはね」

 

 「結構、やはり君にとって彼との思い出は特別のようだ、ならば行き着く先は原点となるか」

 

 アサキムはララにカプセルを投げ渡した。

 

 「なにこれ?」

 

 ララはカプセルを捻りながら開けた。

 

 「すまないね、さっきまでの言葉は全てこのためにある。異なる星の人間にも取り憑くか、今こそ試そうか」

 

 カプセルから飛び出したのは黄色い光。

 

 「あ、イマジンだ」

 

 「!?」

 

 その光はすぐにララめがけて突っ込み、入り込んだ。そしてララの体に灰にも似た砂粒が散らばる、王女であればサンドリヨンと表現したくはなるが、彼女は王妃だ、子供もいるから少し遅い。彼女が見初められる側でなく見初める側である事は突っ込んではならない。

 

 「成功だ、ククク……ハハハハハハ!!」

 

 そして、砂粒は上から見て下半身、上半身が分断された怪人の姿をとる。姿を形容すると魔女の帽子やマントを着込んだ人型のネコ、ペケを見た前後なのでもう少し等身が低ければ可愛げがあったかもしれないと思わざるを得ない。

 

 「お前の望みを言え、どんな望みも叶えてやるぅ。お前の払う代償はたった一つぅ」




いかがでしたか?
面白いと思ってもらえれば幸いです。
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