スーパーロボット大戦Z 辺獄編   作:レゴシティの猫

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皆さんこんにちはもしくはこんばんは。
デッドエンド一族っぽい変身(トランス)をしてるシロとシークレットなキャラが出てくるので楽しみにして読んでもらえたら嬉しいです。


第四十九話 再びの銃神

 視点……シロ

 

 巨大なロボットに乗って現れたのはクォヴレーという名前の人間。

 以前愛銃ハーディスの化身っぽい現れ方をした機体……ディス・アストラナガンを駆りリト達と一緒にユニクロンと戦ったらしい。らしいというのは実際に見ていないからだ、当時その場に居合わせた所で何の力になれる保証も無い。

 

 「百邪に分類するものが1、2、3……これがこの地球の戦力か?」

 

 ディス・アストラナガンが近くに寄ると、距離を取ろうとするダイヨウジン。

 

 「どうした?」

 

 『拙僧達こいつに近寄ると……吸い込まれる!!』

 

 ディスの因子は悪霊、怨霊の負念を己の力とする事ができるそうだ。ハーディスはそんな能力は持っていないが……

 法師がそういうものの凝り固まった存在である事を顧みればさもありなんと思えた。

 

 『拙僧も式鬼もこう……元々産まれた時代もあれだからそれなりに人も斬ってるしバックにいるのもめっちゃノーブルパワーとか負念の量とかあれだしそこのあいつにも悪霊認定されてるから目を付けられても仕方ないかもしれない!!だけどお静ちゃんは違う、見ず知らずで行き倒れだった俺にも優しかったし寂しさのあまり人を連れて行くような地縛霊っぽい事もしてないしだからまだ手も真っ白だし何より清楚で可愛いし仕込めば宮中にも上がれるってバックにもお褒めの言葉でやっぱり可愛い…………だからお願いお静ちゃんは見逃してー!!(お静ちゃんは違うの下りからこの間3秒)見逃してくれるなら内包してる反物とか叢雲とかやるから……嘘でござる嘘でござる若、妖としての核は渡してはならんってのは重々承知してるから見限るのはちょっと、だからそこの悪魔……叢雲の話は忘れて?』

 

 凄まじい早口だった。

 

 「お前は何を言っている?」

 

 クォヴレーの言葉に同意だ。そしてロボットから放たれる周りに丸聞こえの音声で話題にされるお静にとってもこの会話は恥ずかしいだろうと推察できる気がしなくもない。お静と言うのはおそらくここ彩南町の高校で幽霊兼保健室の先生(代理)をしている女性の事だ。幽霊……実体が無いから保健室の先生が用意したバイオロイド体を使っている。

 彼女についてシロなりに知っている事を洗いざらい吐くと

 

 『はーん……………霊的メンテ施さなきゃ……ていうか実体(仮)を得ただと、拙僧も検診されたいな…………おいおら呆れないでくれ、取り憑く相手を間違えた?このやり取り四百年続けるの飽きたよ拙僧』

 

 らしい。なかなか大変そうだ。

 

 「だがこれだけは言える、守りたい者がいるなら帰れ。怨霊の塊であれ……その気持ちは尊重する」

 

 クォヴレーの言葉で、ダイヨウジンから法師の一息ついた声が漏れだした。

 

 『そういう訳だ……帰るぞ』

 

 法師の乗るダイヨウジンはアサキムの乗るシュロウガの肩にポンと手を置いた。随分と親しげな感じだった、おそらく彼との縁はたった今バトルしただけだろうに………アサキムはシュロウガの手でそれを払う。

 

 「帰るなら一人で帰りなよ、あの銃神の眼光が見据えているのは僕だけなんだから」

 

 『聞くがその方……(あやかし)の敵か?味方か?』

 

 「敵か味方かなんて区別で俺を当てはめるのは……よせ、そんなもの都合一つでなんとでも変わる」

 

 「目的はなんだい?聞かなくても分かるけど」

 

 「呪われし放浪者……ユニクロンを目覚めさせようとしたな?そうさせないためにと俺に頼んでおいて」

 

 「結構抑止力になったろう?」

 

 確かに噂では先代の王の再来と名高いディスの飛来によって、先代の王様の力を恐れた連中は大人しくなっていると聞く。代替わりしても、強いから宇宙を束ねられるようになったギド・ルシオン・デビルークの存在を恐れている人間達は未だにいるのだ。

 

 「そうだな……だが、お前はそれを無にしようとしている。それが癪だ、だからここに来た」

 

 「なるほどね……ならば、始めようか」

 

 ダイヨウジンがその場からいなくなった後、ディス・アストラナガンとシュロウガは上空まで飛んで、お互いの手に持っている武器で戦いを始めた。

 

 「すごい戦いだな」

 

 どれも建物以上の巨大ロボットだから、ある程度の大きさが保証されていて…………そしてどちらもスピードで翻弄するタイプみたいで、見る分には映画以上に手に汗を握ってしまいそうな攻防が繰り広げられている。

 

 「こんばんは……」

 

 リトとヤミがやってきた。

 

 「あ、王様達……どうしてここに?」

 

 「あれだけ大きなロボットが戦ってたら嫌でも目立ちますよ、ペケちゃんの時は間に合いませんでしたが……その内モモとナナも来ると思いますが」

 

 「まだ傷治って間もないんだから休んでなきゃダメだってヤミ」

 

 伴侶(の内の一人)を心配しているリトの声を聞き、自分が誰の近くにいるかを思い出してしまった。今気づかれてない内に…………

 

 「はぁ!!」

 

 シロはそこにあった頭だけを覆えるコーンをリトに被せた。

 

 「あれ、ヤミ……急に道が真っ暗になったぞ…………どこ?」

 

 上手く極まったのかシロがやったと気づかれてる様子もない。

 

 「ここです」

 

 「そこか……どこだ?って、うわぁ!!」

 

 「きゃあ!!」

 

 前が見えないため、リトはヤミを押し倒してしまう。

 

 「あ、いた」

 

 リトはヤミの胸を触って今そこにいる事を確認していた、夫婦がイチャイチャしているだけだ……と見れば問題は無いが見てるシロにはきつい。

 

 「あ、いた……じゃありませんよ、本当に……手、貸しましょうか?」

 

 ヤミが起きた後はリトに手を引っ張った、その後……手を繋いだ状態になっている。

 

 「ナンカゴメンナサイ」

 

 そういうのは屋内に留めさせるべきだろう。

 

 「良いですよ、シロ。それより……」

 

 ヤミは悲しそうな顔で、ライムを見つめていた。

 今、ライムは倒れている。そこにいるリトと似ている顔を、彼の妹と似ている髪の色を晒しながら。前回相対した時に引っさげていたブラディクスが証拠となっている。

 

 「ヤミ、このコーン取ってくれ」

 

 「今ヤミの手が、震えてた。何にそれだけ衝撃くらったのか俺……知らなきゃいけないと思うんだ」

 

 「じゃあ……いきます」

 

 コーンを取って、リトは改めてシロの近くで倒れているライムを見た。

 気絶して目を完全に塞いでる分、前に見た時より安らいだ面持ちだ。目の前の王様を人相悪くしたような顔を見せないで済んだのは不幸中の幸いと言うべきか。

 

 「これって……」

 

 もう、言い逃れはできそうにない。

 

 「実は…………」

 

 知っている事、洗いざらい喋った。

 

 「という訳だ」

 

 「シロ」

 

 一生の中で最も聞き慣れた二文字、それが異常に重く響く。

 

 「なんでしょう、王様」

 

 何故言わなかったのかと、怒られる覚悟を決めるしかない。だが、想定した言葉とは違っていた。

 

 「ありがとう、ライム(こいつ)の事……守ろうとしてくれて………ヤミも、こんな事知ってて………言えなくて、つらかっただろ?」

 

 リトは倒れているライムに駆け寄ると、しばらくうつむいた姿勢になる。

 

 「リトさん……」

 

 この状況、慰めるのは自分じゃない…………

 

 「顔を上げてください、デビルーク王」

 

 「夢かもと片付けて、結論を先延ばしにしてたから、ツケが回ったんだよ。きっと」

 

 「自分を責めないでください、デビルーク王。それをこいつは望んじゃいない、多分」

 

 デビルーク王が責任を取ろうとすればするほど、ライムは自分を責めるだろう。もう、自分はいてはいけない人間なのだという価値観に浸りきっている。

 さらに言えば、自分の両親より王妃やその他の妻達が悲しむ方を嫌と思っているのかもしれない。そうでなければ、彼の謝罪、というより煽りは嘘になる。

 

 「『オレなんか構うより、唯さんと華姉さんと彩ちゃんについてて(できうる限りの声帯模写)』って言いそうだし」

 

 「そうか…………」

 

 気のせいか、ブラディクスの輝きが少し増したような気がする……

 

 「…………………」

 

 シュロウガとディスはその上でずっと戦っていた。空中で斬り合ってるパターンが多いような気がする……

 

 「シロ……」

 

 クォヴレーの声だ、だがクォヴレーは今アサキムと戦っている……

 

 「念話だとでも思えば良い」

 

 「ああ……この前(※第十六話)のあれか」

 

 「シロ……因子が目覚めたのなら、お前の力を貸せ」

 

 「俺に……一体何ができる?」

 

 ハーディスは失った、変身能力は巨大ロボ相手では微力でしかない。どうすれば良いのだろう?

 

 「お前の能力(いんし)は……時間さえあれば何度殺しても動く心臓と……大筒変形だ」

 

 「!?」

 

 「唱えろ……テトラクテュス・グラマトン」

 

 その詠唱は、以前ディスを呼んだ時の呪文だった。デビルークの、人々の味方としてここにいる男を、信じない理由はない。

 

 「テトラクテュス・グラマトン」

 

 シロが詠唱を唱えると、体全体が金属化し、銃になって巨大化した。

 

 「あれがシロだけの変身能力?」

 

 「来い…………来い!!」

 

 クォヴレーが叫び、ディス・アストラナガンが手を掲げると銃となったシロは回転して手に収まった。

 

 何に依るものかはさておき、何かエネルギーを蓄えているのが分かる。

 

 「デッド・エンド・シュート!!」

 

 『待った、かけてやろうか?』

 

─────────────────────────

 

 今度は…………女性の声。

 そして、一面何もない空間。

 体は変身能力を使用していない元の状態だ………ここは脳内の中か?

 

 『久しぶりだな』

 

 よく日に焼けたガン黒とかいう色に分類されるような肌、黒猫のような金色の目と伸びきった黒髪……紫系統のフリフリが利いた短めのスカートと黒い和服を着た少女が一人、目の前にいる。

 

 「誰?」

 

 顔写真のみだが似たような顔を見た気がする、名前は確か…………

 

 「ああそうだ、ネメシスだったっけか……」

 

 ネメシスはにやりと笑みをシロに向けた。

 

 『正確にはその1%分だがな、髪の毛一本すら組み上げられない非力な思念体だ……おかげでお前にしか干渉できなかったしユニクロンとやらにも選ばれる事も無かった。今やっとお前の脳内で意識に形を吹き込めるまでになった所だ』

 

 同じように研究施設で産まれたヤミとは違う。彼女の顔を、目を、見ていると何故か不快な気分になってくる。

 

 「なんであんたが俺の中にいるんだよ!?」

 

 『……プロジェクト・ネメシスが失敗と判断されたのと入れ違いで練られた変身兵器開発計画……プロジェクト・ブラックキャットで産まれた生体兵器と同じ顔をした奴が、ヤミを捕まえに宮殿に来たからな。覗いて同じ奴だと分かった、だから変身能力の目覚めるその時が来たら本体に知らせるタイマーの役割のため分離して、お前の中に留まってた訳だが……』

 

 まさかこっちをメインにしなければならない日が来るとは予想もしなかったそうだ。

 

 「プロジェクト・ブラックキャット?」

 

 突然の知らない単語に首を傾げるが、ネメシスはそれに答える気は無さそうだ。

 

 『それよりどうだ?自分が生体兵器だと知って』

 

 「びっくりした……でもそこ自体は重要じゃないんだ、良いも悪いも有りはしないと思う………もうそうやって産まれてしまったから……自分が恥じなくて良い生き方を選べればな……でも何かしら当てはめようとしてくる奴がいて、そいつらの態度はでかいし力も強い。そういう奴らを許す事はできない……例えばあんたのようなな」

 

 『ほう?』

 

 ダークネス計画に関して聞かされた時に思った事を口に出す。

 

 「ダークネス計画なーんてものを立てて、姉さん達を暗い暗い道に呼び戻そうとしたらしいな……兵器は闇の中でしか生きられないって」

 

 ダークネス計画……その昔に計画された、ヤミにリトを殺させ元の殺し屋に戻す計画らしい……ヤミは元々リトを殺すためにこの地球に降り立ち、以来そのまま殺さず(ころせず)にいるらしいが、そんな殺し屋稼業に支障が出る程情の湧いていった相手を殺させて、この町にいられなくし……より深い谷底にはまらせるために立てたろくでもない計画といった印象だ。

 混沌(カオス)やら兵器がどうとかデビルーク政権の転覆だの言っていたらしいがその事はどうでも良い、人のたくさん生きられる拠り所を壊そうとするのはどうでも良くはないが二の次だ。ヤミがどう思うか、別人格(仮)の(ダークネス)は良くても心のどこかで後悔してしまう彼女がいないか、一番重要なのはそこだと思う。

 

 『お前もそうだろう、罪人は償うべきといつかそんな事を言っていたな……』

 

 確かにそういう事も言っていた、否定はできない。兵器として産まれたから人を殺さなきゃいけないと迫るのと、人間として生きるならこれまでやってきた事の責任取れよ、ハーレムに入って終わりだと思うなと迫るのは違うと抗議はしたいが……

 

 「今はそう思えない、姉さんについて俺が言える事はもう何も無い………」

 

 ヤミはガーランド、息子を失った。昔殺した標的の家族による敵討ちによって…………因果応報、それでも足りないぐらいと彼女の伝説の礎になった者達の家族は言うかもしれない。だが、ガーランド自身が何かをした訳ではない。彼女の罪に子供は関係ない、そんな関係ない人間が彼女への罰として犠牲になるのなら……もうそれ以上は償わせるということにはならないのではとシロは思う。

 

 『姉さん……か』

 

 「棚に上げて言わせてもらうが、兵器ってなんなんだよ……俺達は力はあるけど兵器じゃない、人間だ……それで良いじゃねえか?人間と同じ顔で、好きな食べ物食って、好きな人間と一緒にいられりゃ楽しい。どこが違うんだ!?」

 

 兵器だから人をたくさん殺さなければいけない…………そんな道理があって良い筈は無い。

 

 『兵器として産まれたなら、兵器として生きろと言っているだけだが?』

 

 シロの考えは違った。

 

 「兵器は道具だ……兵器だって位置付ける以上………人の道具なんだよ」

 

 愛銃、ハーディスの事を思い出した。銃……戦車……爆弾……自分達と毛色は違うが兵器の代表格。

 

 「人に使われて、人に害を与えて、人に嫌われて、それがどれだけつらくても何も言えない!!…………俺はごめんだね、そんなもの。あんたはそれで良いのか!?」

 

 シロの見るネメシスは、そういうのは嫌いそうに見えた。

 ネメシスはシロの胸ぐらをつかんだ。

 

 『その激情で一体どのくらい………』

 

 「………?」

 

 『……………………(シロを解放する)使うのは私達だ…………そう思って動いてきたよ』

 

 「?随分"兵器"や“私達"って言葉にこだわるんだな」

 

 兵器、私達……私達、兵器……

 シロの推論だが、ネメシスにとって兵器という言葉には本来それ自体が持つ意味以上のものを持っているのかもしれない。それはアイデンティティに基づいたもの、例えば…………

 

 『……………それ以上今思ってる事について考えるな』

 

 ネメシスはアイアンクローをくらわせ、シロの思考を妨害してきた。現実世界とは違うはずなのに、頭蓋骨を締め付けられる感触がする。

 

 「あたたたた」

 

 外見に相応しい、滑らかで柔らかな指だが圧が強すぎて次第に指の感触がどうでもよくなってきている。

 

 『話を脱線させすぎたな、昔ならもっと白熱させても良かったが私はお前と口論するために話しかけた訳じゃないんだ』

 

 やっと解放された、そう思うと、本能的に大きくため息がこぼれでる。

 

 「ハァ………じゃあ、なんの用だよ?」

 

 『次の一手を選ぶ猶予をくれてやろうと思ってな……お前が変形して、そして放つのは丸々ダークマター……この惑星の大気中の濃度を薄めるぐらいの量をかき集めて撃つ。それはそれはすごい威力だ。ご丁寧にサイズアップしているしビルなんか消し飛べるだろう』

 

 「マジか……」

 

 『マジだ、撃つならその辺りをよく考えて撃つんだな』

 

 犠牲が出るかもしれない、ならばどうすれば良いかは分かり切っている。だがしかし、エネルギーを充填している状態で無理に変身を解けば多分爆発するかもしれない。そんな中で取れる手段は………?

 

 「そうだ、あんたがネメシスならさっさと俺の体から出て王様の所に顔出せよ、多分喜ぶ」

 

 『1%だからまだ時間がかかる、しばらくお前の中にいさせてもらおう……じゃあな』

 

 「ああ」

 

──────────────────────────

 

 たっぷり時間が経ったような気はするがクォヴレー達がそれについて訝しんでいる様子もない、今正に引き金を弾こうとしているからそんなに時間は経っていないのかもしれない。

 

 「デッド・エンド・シュート!!」

 

 範囲をできるだけ狭めて、確実にシュロウガを狙う。

 そして放たれるのは、勢いの良い水鉄砲……もといレーザーガンみたいに真っ直ぐ飛ぶ黒くて禍々しいビーム。ネメシスは全てダークマターと言っていた、ダークマターはこの世界では食べ物として通用する物だ、そのため食べ物を粗末にするなと、クォヴレーとも、ネメシスとも違う内なる声が聞こえてくる。

 

 シュロウガに命中する、だが特に効果は無さそうだ。

 クォヴレーが何やら考え込んだ後銃となったシロを動かすと、シュロウガに当たっているビーム状のダークマターが移動し、爆発した。

 範囲を狭めたからこうなったが、狭めていなければと思うとぞっとする。

 

 「出力が少ないな、シロ……そんなものではない筈だ」

 

 「これ以上はノウ!!」

 

 大体溜まった分を消費しつくしたシロは急いで元の体に戻り、ディス・アストラナガンの手のひらに着地した。

 

 「何!?」

 

 クォヴレーにとってその行動は予想外だったようで、驚きでいっぱいのようだった。

 

 「だって建物とかこの辺いっぱいだし」

 

 「そうか……ならば仕方ない……帰るならこれを使え、スピン、ドリフト、インディー!!」

 

 恐らく言語として、電子音を鳴らしているであろうロボット三体が集い、合体する。

 三体のロボットは黄色くて、大きなボードに合体した。

 

 「コスモテクター、これでお別れだ。行け!!」

 

 コスモテクターと呼ばれた大きなボードは、シロを乗せて飛び立って行った。その時クォヴレーは呟く。

 

 「因子を使わせてくれてありがとう……だな」

 

 礼を言いたいのはシロの方だった。クォヴレーとディス・アストラナガンはシロとハーディスとは比べようが無い程に強く、いるだけで宇宙に益をもたらしてくれた。

 

 「こっちこそ…………ありがとう」

 

 シュロウガは破損した腕を元通りに直し、ディスの前に立つ。

 

 「ユニクロンの仔、しかも封印を解く鍵じゃないか。しかも盾として使える」

 

 「新天地を探していたらしくて、宇宙を飛び回っている間に拾った」

 

 「何故今さっき使わなかった?」

 

 「防いでもいいが、防ぐ事で発するエネルギーをここで出す訳にもいかない」

 

 「なるほどね」

 

 二人のロボットを駆る野郎共が会話をしている間コスモテクターに乗ってスノボーのように飛んでいる時、リトの邸宅が見えた。そこの窓から王子のラズと、元アイドル兼メモルゼの王女の人が見えて、何か喋っている。

 

 が・ん・ば・っ・て・く・れ・よ

 

 あ・ぶ・な・い・か・ら・こ・っ・ち・よ

 

 窓の外からラズ王子がディス・アストラナガンを応援して、若干上の階層の窓の外だったから元メモルゼの王女に厳しく咎められているようだった。遠目にしか見えないから、読唇術によっての解読だが。

 

 「……………………懐かしい面だ……あいつは元気にしているだろうか?」

 

 クォヴレーは何故か嬉しそうに変な言葉を呟く。

 

 「?」

 

 『勇気』

 

 よくわからないが、嬉しそうなクォヴレーはやる気(バフ)に満ち溢れていた。

 

 「ほう……これは…………」

 

 そして今、アサキムは困っているのが分かる。

 




いかがでしたか?
後付けスマソ、でもシロが覚醒する時声出てたし多少はね?
あーまだデネブ来るのには時間かかりそう、生暖かく見守っていただけたらと思います。
では……ビギュン(効果音)

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