METRO Dolls   作:kapebarasan

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カーン-3

 

僕たちはレールカーの車体前に乗る

 カーンがエンジンをしたようだ機械が唸り声をあげ車体が揺れる

 

 「アルチョム、2012君たちには崇高な任務がある。本当にポリス駅助けを得られると思っているのかね?それとも、他に信じられるものが無いだけでは?」

 

カーンが僕たちに質問をしてくる

 

 「答える必要はない」

 

カーンはそう言うと運転に戻る

 

 「間もなくカース駅に到着する。モンスターの攻撃は衰えを見せず、大半の人は駅から去っていった、一部の留まった不運な人々は、他に行き場がない」

 

そう言うと次第に駅が見えてくる、僕は先程のカーンの質問のことを考えつつ駅に入っていった。

 

 

 

 カース液に到着すると、「呪い」を意味する駅名の由来が納得できた、住民は生き延びるための戦いを強いられていた

 

 

 

 駅に降り立つと僕たちはすぐさま駅の異変を感じ取る

 

 「また駅が攻撃されている」

 

 「行こう、防衛側が助けを求めているかもしれな」

 

カーンがそう言うと僕たちも走ってカーンについていく

 駅の中は殺されたミュータントの死骸が山のように積み重なっている

 

 「カーンか?こっちだ」

 

声の方向には駅の防衛をしていた人が三人ほど立っているが全員満身創痍で疲れ切っていた

 

 「新たな攻撃か?」

 

カーンが男に尋ねる

 

 「あぁ、奴らは外周の防衛線を破ったんだ。生存者は全員ここにいる。あと一日持たないかもしれないな」

 

男は悲観的に答える

 

 「モンスターは一体どこから来ているんだ?」

 

カーンは男に更に尋ねる

 

 「いつもと同じ左のトンネルだ、上からもだ」

 

 「現地に爆破部隊を送ったが、戻らなかった、更に増援を遅れるほどの余裕は無かったんだ」

 

男はカーンに答える

 カーンは僕たちの方に向き

 

 「君たちは自分の駅の破滅を食い止めたいんだろう、違うか?そして、ここには破滅が訪れている、助けてやらねばな」

 

 「爆破部隊の持っていた爆弾を見つけ出すんだ、左のトンネルの一番奥まで進み、爆弾をセットして逃げろ、爆発は強烈だぞ」

 

 「上の通路の方は一度塞いだが、どうやらノサリスが穴を掘り始めたようだ。近くにエアロックがあったはずだそれが開いた状態に違いない、エアロックを閉じるか崩落させるんだ」

 

 「私はここで生存者を守る」

 

 「モンスターの大群に襲われたらここに戻ってきなさい援護をする」

 

 「頼めるな」

 

カーンに言われる 

 

 「分かったわ、行くわよアルチョム」

 

2012はそう言うと駅の中に進んでいく、僕もその後をカバーするように進む

 

 奥へ進んでいくと後ろから銃声が響き始める、向こうにミュータントが襲いかかっているようだ、早くトンネルを爆破しなければならない

 僕たちは目的のトンネルに近づく

 

 「あそこ!」

 

2012が指差す先に爆破部隊と思われる亡骸が数体倒れているのを見つける

 

 「早く爆弾を確保しましょう」

 

そう言い僕たちは彼らの付近を調べる

 

 「あった」

 

僕はポリタンクに爆発性の液体を詰めた手製爆弾を見つけ手に取る

 

 「危ない、アルチョム」

 

2012が叫ぶと同時に物陰からミュータントが飛びかかってくる

 

 「クッ…」

 

鋭い牙を僕に突き立てようとするのを阻止するために僕はショットガンを盾にする

 

 「死ね!」

 

2012がそう言い動きが止まったミュータントのの脳天を撃ち抜く

 

 「大丈夫、アルチョム?」

 

2012が尋ねる

 

 「あぁ大丈夫だ、でもショットガンが駄目になった」

 

そう言い僕はユージーンから譲ってもらったショットガンを捨て爆破部隊の亡骸から新しいショットガンを拾い上げる。

 6連装のショットガンだ、僕は弾を装填する

 

 「じゃあ行くわよ」

 

2012がそう言うと僕たちは爆弾を抱えトンネルへと進む

 ミュータントの攻撃を退け僕たちは目的のトンネルの奥へ辿り着く

 

 「ここね、早く爆弾を設置しましょう」

 

2012の言葉に従い爆弾のピンを抜き導火線に火をつける

 

 「早くここから離れましょう」

 

僕たちはトンネルを走って戻っていく

 

 「早くアルチョム!」

 

僕は全速力でホームに向かって走る、チクタクと爆弾の起爆時間が迫る

 

 「こっちよ!」

 

僕はひと足早くホームに辿り着いた2012が伸ばした手を掴みホームに這い上がる、その瞬間トンネルが大きく揺れ先程まで立っていた線路の上を爆風が通り過ぎる

 

 「危なかったわね」

 

 「次は上の出入り口よ」

 

そう言うと僕は頷き駅の上へと上がっていく

そこにはエスカレーターだったものがありその下からミュータントが湧き出ているような有様であった

 金属製の柱が金属製の隔壁が閉じるのを邪魔している

 

 「この柱を崩すぞ」

 

僕は2012にグレネードを渡し一緒に柱に括り付ける

 

 「できたわよアルチョム」

 

2012が言う

 

 「よし、起爆させるぞ」

 

ぼくはそう言うとグレネードに火をつけ先程と同じように退避する。

 後方から爆発音がし続いて重たいものが一気に落ちる音が聞こえる、隔壁が閉まったようだ

 

 「戻りましょう」

 

2012に従い僕はカーンの所へ戻った

 

 「小さな駅での大きな勝利だ、ここからは一緒に行けない。まだここには私の助けが必要だ」

 

 「トンネルは崩落した、それでもポリスに行きたいと言うなら迂回しなくてはならない」

 

 「ここからアーモリーに行ける、その後は共産主義者やファシストが支配する駅を抜けていかなければならない」

 

 「進もう」

 

ここまで言うとカーンは駅の奥へと進み始める

 

 「アーモリーは、独立駅のため問題無く進めるはずだが、共産主義者は別だ。奴らが築いた新たな社会では、警察国家的な『ボーナス』制度が設けられ、人々が互いを密告している、最近は戦力のために人形の発見も『ボーナス』の対象だ、彼女はパッと見では人形だと気付かれにくいだろうか用心するに越したことはない」

 

 「アーモリーに着いたら探してくれ、鍛冶屋のアンドリューを、私の名を出せば力を貸してくれるだろう」

 

 カーンは駅の奥の壁が崩れてできた細穴に入っていく

僕たちもあとに続く、少し進むと広い空間に出る、そこには明かり等で照らされた神秘的な空間が広がっている

 

 「ここは?」

 

僕はカーンに尋ねる

 

 「希望の社…こんな時代であっても、人を人たらしめるには必要な場所だ」

 

 そういうとカーンは社の床の一部を持ち上げる、そこには梯子が隠されていた

 

 「ここだ、入りなさい」

 

カーンに言われ僕と2012ははしごを降りる

 

 「いいか、すべては君次第だ。頼れるものはいない、また会おうさよならアルチョム、2012」

 

そう言うとカーンは床を閉じる

 僕たちの任務が失敗すればエキシビションが、カースのようになってしまうことを思い知らされた。

このような悲劇を起こさないためにもこの先どんなことがあっても必ず任務を成し遂げなければならないと痛感した。

 

 

 

 

 

 




カーン編終了
ちなみに共産主義の人形に対する考え方は便利な戦闘マシーンって感じ
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