ファシスト側のトロリーとの銃撃戦も終わり、旅路も少しは楽になるかと思われた。無論、ぬか喜びに過ぎなかったが
僕たちはレールカーに乗り線路を進む
「もうすぐだ、ウルマンがブラック駅で待ってるはずだ…」
74はレールカーの運転をしながら僕たちに言う
「不気味なところだ…トンネル内では警戒を怠るな。」
「数秒の油断が死を招くよ。前にもあった…レールカーに残ってたのは、連中のブーツだけだったよ」
74はこう言いつつ僕たちに警戒を強めるよう言う
「ブラック駅まであとどれくらいだ?」
僕は運転をしている74に尋ねる
「もうそろそろよ…間もなく駅に接近する…無人の駅の筈だけど注意して」
74は答える
「明かりよ、誰かいるわ」
2012が線路の先を指差す
「警報!レールカーだゲートを閉じろ!」
明かりの向こうから男たちの怒声が聞こえてくる
「ファシストの旗だ…突破するぞ」
74は駅に掲げられている旗を見るなりレールカーの速度を早める
「あいつ等を止めろ!」
敵の士官と思われる兵士の指示で僕たちの乗るレールカーに対する攻撃が始まる
レールカーの装甲部分に身を隠し、ファシストに反撃をする
「逃がすな」
敵の声を通り過ぎ僕たちは駅を無理矢理通り過ぎた、去りゆくレールカーに攻撃をしているのだろう後方から弾丸が飛んでくる
「伏せろ!」
74がいい僕たちは姿勢を低くする。
やがて声や銃声は止み辺りはレールカーのエンジン音のみになる
「連中にレールカーが無くてよかった、でなきゃ殺られてたね」
74は吐き捨てるように言うとレールカーの速度を少し下げ運転を続ける
突然進行方向から銃弾が飛んでくる
「奴ら道を塞いだのか」
よく見ると進行方向の線路は隔壁やバリケードよって塞がれている。
「左よ!」
2012はそう言うと線路のポイントを撃ち線路を進行方向を変える、そのままレールカーは薄い木で塞がれた線路へと突き進んで行く、線路は下り坂となり勝手に速度が上がっていく
「捕まってろ!」
74が叫ぶと同時にレールカーは打ち付けられていた木の板に衝突しコレを弾き飛ばす。
レールカーはブレーキを掛け速度を落とす。
「危機一髪だったな」
74はそう言うと運転を続ける
僕たちが迷い込んだ新たな道は手入れが全く入っていない様子で湧き出た地下水で線路は水浸しになっている。
「なんだこれは?」
僕はトンネルが突然広くなったかと思うと朽ちた列車がところ狭しと並べられた空間に出て呟く
「車両基地だ!話には聞いていたけど、こんなところだったとはね…」
列車の上を影が通り過ぎる
「何かいるわよ!」
2012が影に気がつくなり言う
「ノサリスか?殺せ!でやきゃここから出れないぞ!」
74が叫ぶと廃列車の窓や天井からノサリスが顔を出し僕たちのレールカーに飛びかかる
「撃ち落せ!」
僕たちはレールカーに取り付くノサリスを撃ち落としつつ先へと進む
死角から一匹のノサリスが僕に飛びかかり衝撃で僕は姿勢を崩してしまう
「いつになったら終わるのよ!」
2012は叫ぶと僕に飛びかかってきたノサリスを撃ち殺し遺骸をレールカーの外へ蹴り出す
「これでもくらえ!クソッタレめ」
74も列車に取り付いてきたノサリスを撃ち落とす
やがてノサリスは現れなくなり僕たちは一息付く
だが…
「不味いことになった」
74が呟く
「どうかしたのか?」
僕は彼女に尋ねる
「どうやらブレーキがイカれやがったらしい」
彼女は僕の問に答える、坂道に入りレールカーの速度がどんどん上がっていく
「ここからはジェットコースターだしっかり掴まれ!」
74がそう言うと僕たちはレールカーに捕まる、レールカーは速度を上げ瓦礫を弾き飛ばしやがて線路が途切れる
「線路がないわよ!」
2012が叫ぶ
「飛べ!」
74が大声で叫び僕たちはレールカーから飛び降りる、レールカーは線路から飛び出し物凄い衝撃と音を発しながら転がっていく
「畜生!酷い目にあった」
74は服や体についた汚れを払いつつ立ち上がる
「おい!生きてるか?」
僕と2012に対して無事かどうかを尋ねる。
「あぁ『えぇ』大丈夫」
僕と2012はほぼ同時に返事をする
「生きてたか、レールカーは壊れちまったがまだ私たちには足がある、先へ進むぞ」
74の言葉に頷き僕たちはブラック駅に向けて進み始める。