METRO Dolls   作:kapebarasan

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閑話です。いわゆる過去編です。
完全オリジナルのお話になります。


閑話1-夢

 私はアルチョムとポリスへ辿り着き、一先ずの休息を得た。しかし希望は打ち砕かれ代わりに新たな旅をしなくてはならなくなってしまった。

 戦術人形は夢を見ない、それは皆承知の『常識』であったがこの日私は初めて夢を見た。

 

 

 「これからの戦いは更に激しさを増していくだろう、今日の所は休息を取るといい」

 

ミラー大佐の言葉に甘え私たちはポリスでの休みを得た、思えばエキシビションを出てからまともに休んでない気がする…

 私はそんなことを思いながら愛銃の手入れをしていたがふと気が付いた頃には私の意識は深い闇の底へと沈んでいた。

 

 気が付いた私は何処かの研究所のようなところにいた。

そこは以前ファシストの前哨基地となっていたI.O.Pロシア支社のようだが非常に整然としていてあの荒れ果てた場所とは思えない…

 

 「2012…2012!」

 

突然話しかけられ、私は驚いてそちらを向く

 

 「これからテストよ、ボケーッとしてる暇なんて無いんじゃない?」

 

長い銀髪の人形が目を閉じたままこちらに話しかけてくる

 

 「えぇ…そうね、そんな暇なんて無いわね忠告ありがとうAk-12」

 

私の意志とは別に口が勝手にAk-12と呼んだ人形へと返答をする。

 

 「そろそろ始まるみたいよ」

 

12はそう言うと少し見上げた位置にある観察室の方へと頭を動かす

 

 『Ak-12の通りよ、テストを開始するから位置に付きなさい』

 

若い女性の声の放送がテストチェンバーに響く

 

 「わかったわよ、ペルシカ博士」

 

私はまたもや勝手に話し出す。

 

 『まずは、基本的なハッキングをしてもらうわ』

 

放送はそう言うと部屋の中に2体のダイナゲートを放り込む

 

 『鉄血製のロボットよこいつをハッキングするのがテストよ、始めて』

 

放り込まれたダイナゲートは背中のマシンガンこそ外されているがとても従順そうには見えない

 

 「始めるわよ」

 

12はそう言うとダイナゲートへ意識を集中させハッキングを始める

 

 「わっ私も…」

 

私もダイナゲートをハッキングするべくダイナゲートへと意識を集中させる

 

-数分後

 

 そこにはダイナゲートが懐いた犬のようにAk-12の周りを駆け回る様子が、一方私は辛うじてハッキングできたもののその様子はまるで借りてきた猫のように身じろぎせず固まっている。

 

 『実験終了』

 

放送で伝えられると私達はダイナゲートをシャットダウンさせ部屋を退室する。

 

 「どうしてあんなに上手くハッキングできるの?」

 

私は思わずといった様子で12に聞いていた

 

 「不要なものに意識を向けすぎなのよ」

 

彼女はそう言うと待機部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

____

 

 ふと気付いたときには場面が変わり、私の周囲で研究者たちが慌ただしく駆け回っていた

 

 「ーーーッ?」

 

声を出そうにも声が出ない上に体もカプセルのような物に入れられ固定されてしまっている。

 

 「早く!時間がない!」

 

 「12はどうした?」

 

 「12は昨日の便で移送した!」

 

 「早く2012も運ぶぞ研究の成果が無駄になる!」

 

研究員や職員は書類や機械といったものを台車等に載せ何処かへと運んでいる。

 それらの様子を見ていると突然、私が入っているカプセルが動き出す。

 

 「【本体】の移送をするぞ!」

 

 「【ダミー】はどうする?予備のメモリーを積んでるのはこれなんだぞ!」

 

 「そんな余裕はない!本体が無事ならバックアップはいらない!」

 

誰かがそう言うと私は一台のトラックに載せられる

 

 「早く行け時間がない!」

 

そう叫ぶとトラックは慌ただしく発進する

 

 私が揺れるトラックの荷台の天井を眺めていると強烈な爆音と共にトラックが横転する。

激しく回転したトラックの荷台は砕け【私】を含めた荷物が辺りに散らばる

 

 「なんてことだ…これでは…」

 

ひどい怪我をした研究者と思わしき男がカプセルに取り付き泣いている…

 

 突然激しい閃光と爆発が再度私たちを襲い、私は激しい頭痛に襲われる。爆風はトラックの残骸や瓦礫が防ぐがあちらこちらで発生しているEMPが私の電脳を焼く…

 

 『メモリーに深刻な障害が発生しています』

 

 『被害軽減のため最低限の機能を残しシャットダウンします』

 

私の電脳がそのようなシステムメッセージを飛ばす

 

 『5』

 

私は赤く光る空を眺めている

 

 『4』

 

私は灰色の雲を眺めている

 

 『3』

 

私は崩れ行くビルを眺めている

 

 『2』

 

私は吹き飛ばされる人々を眺めている

 

 『1』

 

私は終わりゆく世界を眺めている

 

『0、シャットダウンします』

 

私はもう何も眺めていない…

 

 

 

 

_____

 

 「何だこれは?」

 

カプセルを誰かが叩いている?

 

 「人?…いや人形か?」

 

表面の汚れや氷が取り除かれるとガスマスクをつけた男が私を見ていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______

 

 「回収できたのか?」

 

どこかの施設で研究員が話している。

 

 「12の回収は完了したが…」

 

 「2012は間に合わなかった…」

 

そう答えるともう片方が口を開く

 

 「大変なことになったな、2012はある意味特別な個体だったのだが失われた今、私達の研究は大分遅延してしまった」

 

そう答える【博士】

 

 「少しでも遅れを取り戻すべきです、当初の予備プランのAN-94を使うべきです。」

 

研究員は博士に進言をする

 

 「それしか無いか…」

 

モニターの光が照らす暗い部屋の中で世界が終わってもなお計画は進められている。




デトロイトやfallout後はAIという映画に少し影響を受けてます。
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