METRO Dolls   作:kapebarasan

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犠牲者ゼロ人


地下牢

 

 トンネルの喧騒もエアロックによって遮断された。この扉なら持ちこたえられる、そんな安心感があった。

 

 

 

 

 僕たちは扉を通り過ぎ、現状誰一人欠けることなく施設内へ入る。

 

 「よし、突破したな、速やかに終わらせよう。ウルマン、お前はアサルトチームの指揮を取れ。」

 

 ミラーの指示に続けてナガンが指示を出す。

 

 「74とアブザッツはこのお調子者の援護をするのじゃ」

 

 「よし、アルチョムと2012私から離れるな、残りのアルテミスはこちらの援護を頼む、よし始めるぞ!」

 

ミラーが作戦を立てた後ついにD6への侵入が開始される。

 

 「何故そんなに急ぐんです、大佐?腰を下ろして一服しましょうよ…みんな緊張しすぎですよ」

 

こんな環境にも関わらず『お調子者』ウルマンが軽口を言う

 

 「貧乏暇無しだ、知っての通りな!進め兵士たち!崇高な任務が待ってるぞ」

 

 「崇高な任務?歴史に名を残すことにあまり興味は無いんですが…」

 

 ウルマンはミラーの返答に対しても軽口を叩きつつ任務を遂行する。

 

 「見てください!誰かが残していった骨です!記念品に持ち帰りますか」

 

ウルマンのおふざけに影でアブザッツが笑っている。

 

 「ウルマン、冗談はいい加減にしろ!基地に戻ったら歯ブラシでトンネル掃除をしてもらうぞ!」

 

 「はい、指揮官ご命令とあらば!」

 

そんなやり取りを見て更に笑ってしまうアブザッツ

 

 「ほう、そんなに面白そうならお前も掃除に参加するかの?」

 

後ろからナガンに言われ顔を青くするアブザッツ

 

 「い、いいえ!面白くありません!」

 

必死になって『トンネル掃除』を拒否するアブザッツ

その様子で場の空気が多少ほぐれる。

 

 そうして通路を進むと巨大な金属隔壁が姿を表す。

 

 「よし、最初の難関だアルチョム、あのブレーカーのスイッチを入れろ」

 

ミラーの指示を受け僕はブレーカーを操作するも反応が無い

 

 「反応なしか、何処かに補助電源がある筈だ探せ」

 

 僕は補助電源を探し隣接する部屋へと入る。

 

 「アルチョム、あれじゃない?」

 

2012がいかにも発電機といった様子の機械を指す

 

 「あぁこれだ」

 

僕はそう言うと発電機の操作盤を動かすために手回し発電機を機械と繋ぎ電力を送る。

死んでいた機械のランプが点灯したことを確認し僕は発電機を始動させた。

モーターが回る音が響き部屋に明かりが灯る。

それを確認し、僕は再度隔壁のブレーカーを操作する。

今度は先程までとは違い金属が擦れる不快な音を立てながら隔壁が開いていく

 

 「よくやったぞアルチョム、勲章ものの働きだ」

 

ミラーは僕にそう言うとウルマンへ向きかえる

 

 「ウルマン、下水槽を調べろ」

 

 「へへっ行きたくありません、暗くて怖いですよ」

 

そう言いつつもウルマンを先頭に僕たちは奥へと入る

 

 「ブレーカーを上げろ」

 

指示を受け僕は更に奥の隔壁のブレーカーを上げる。

機械の作動音がした瞬間それに混じりミュータントの唸り声が響く

 

 「応戦だ!」

 

僕たちは隔壁が開くまで周囲を警戒する。

 

 「来たよ!」

 

その言葉を合図にダクトから飛び出してくるミュータントを攻撃する。

 

 「いやーここのところ戦えてとても楽しー!」

 

アブザッツはそんなことを口走りつつ飛びかかるミュータントをあっという間に肉塊へと変える。

 

 「あまり弾を使いすぎるなよ、先は長いんだぞ」  

 

74がアフザッツを諌めつつもミュータントの襲撃を捌く

 

 「空いたぞ!」

 

隔壁が開くと僕たちはそこを通り抜け先へと進む

 

 「まだ来るぞ!」

 

隔壁の先でも襲い来るミュータントを始末しながら進む

 

 「畳み掛けろどうせ二度は死ねん!」

 

ミラーもそう言いつつ手持ちの武器でミュータントの頭を吹き飛ばす。

 

 「よし、次を開けろ!」

 

僕は次の隔壁のブレーカーを上げる。

 

 「壊れてる…」

 

ブレーカーのストッパーがイカれておりずっとレバーを手で上げ続けなければならなくなっていた。

 

 「来るぞ!」

 

そんな事情も関係なくミュータントが襲いかかってくる。

 

 「早く開け!」

 

僕はそう言いつつ少しずつ開く隔壁を見ていると隔壁が開いた瞬間に隔壁の向こうからミュータントが這い出してくる。

 

 「クソ!」

 

ミュータントに悪態をつくも這い出して来たミュータントは僕を見つけ飛びかかる。

僕は鋭い牙で噛まれまいと必死でミュータントを抑える。

 

 「アルチョム!」

 

異変に気が付いた2012はこちらに駆け寄ると僕にのしかかっているミュータントを蹴り飛ばし頭を撃ち抜く

 

 「大丈夫?ケガは?」

 

2012は僕を心配し声をかける。

 

 

 「あぁ…ケガはないありがとう」

 

僕は礼を行った瞬間、2012に別のミュータントが飛びかかる。

 

 「この!離せ!」

 

2012は足を捕まれ奥へと引きずられていく

 

 「離せ!」

 

僕は自由になった手で2012を引きずるミュータントを撃つ

ミュータントは体中を撃たれ絶命する。

2012が少しふらつきながら立ち上がる。

 

 「良かった。」

 

僕は2012に駆け寄る

 

 「ありがとう、心配させたわね、もう大丈夫」

 

2012はそう言うと銃を構え直す。

 

 「危なかったな」

 

ミラーはそう言い2012を心配する。

 

 「えぇ、迷惑かけたわねもう大丈夫だから」

 

2012の無事を確認し僕たちは先へと進む

 

 「また隔壁かよ、何度も何度も邪魔だなぁ」

 

アブザッツが何度めかの隔壁に対して悪態をついている。

 

 「これは、電子制御か…厄介だな開けられるか?」  

 

ミラーは隔壁を確認するも今までとは違う仕組みになっているとこに気付く

 

 「開けられると思いますが…時間がかかりますよ」

 

ウルマンはミラーの問いに答える。

 

 「あまり時間は掛けられないが…仕方ないか…」

 

ミラーが言った瞬間2012が話す。

 

 「私がやるわ」

 

突然の発言に僕を含め全員が驚く  

 

 「出来るのか?」

 

ミラーが尋ねる

 

 「できる筈です…」

 

そう答えると2012は制御盤に近寄り手をかざす

 

 …………

 

数分たった頃に今までうんともすんとも言わなかった扉が開き始める。

 

 「やったな2012」

 

ミラーがそう言うも返事がない

 

 「2012?」

 

僕が2012の方を見ると2012が倒れ込むところであった。

 

 「2012!」

 

僕は駆け寄り2012を抱き起こす。

 

 「ごめんなさい、少し立ちくらんだだけよ…大丈夫…だから…」

 

そう言うも様子がおかしい

 

 「メンタルに負荷をかけすぎたのね…肩を貸すから少し休みなさい」

 

74がそう言い2012の肩を抱き立ち上がる。

 

 「ごめんなさい」

 

2012は弱々しく謝る。

 

 「謝ることないぞ、あの扉を開けたんだからなでも今後あまり無茶はするなよ」

 

74は2012にそう言うとミラーに前進するように言う

 

 「あぁ、進むぞ…だが2012が良くなるまでカバーし合うんだ」

 

 ミラーに言われ少しずつ奥へと進む

 

 「有毒ガスじゃ!」

 

ウルマンと前方で警戒していたナガンがガスに気が付き警告する。

 

 「よし、マスクを付けろ」

 

ミラーが指示し僕とウルマンはガスマスクを装着する。

 

 「よし、ウルマン先を偵察しろ」

 

ミラーが支持を出す。

 

 「へへっいつも面白い仕事ばかりやらされるなぁ」

 

相変わらず軽口を叩きながらも前進し辺りを見回す。

 

 「敵映なし!」

 

ウルマンは偵察結果を報告する。

 

 「よし、進むぞ」

 

ミラーが指示し僕たちは下層へと降りる。

 

 「ここからどうします?」

 

ウルマンがミラーに尋ねる。

 

 「先の通路しか道はないな静かに進むぞ」

 

そう言うも直ぐにミュータントの鳴き声が辺りに響く

 

 「見つかったか…2012を護れ陣形を組むんだ!」

 

ミラーの指示どおり2012と彼女を支えている74を守るように陣形を組む

 

 「来たぞ!」

 

少しして飛び出してくるミュータントに攻撃をする。

しかしミュータントの数は増していく

 

 「奴らを通すな!好きに撃て!」

 

ミラーが叫び僕たちはミュータントに向けて攻撃を続ける。

 

 「脱出するぞ!」

 

勢いが弱まった瞬間を狙いミラーは通路の奥へ進むように指示する。

通路を進み追手を倒す。

やがてミュータントの襲撃が収まり僕は血に濡れて視界が悪くなったマスクを拭う

 

 「これがD6へ繋がる扉だ!」 

 

 ミラーが言う

 

 「やっとか…」

 

僕はそう漏らす。

 

 「クソっこっち側の制御盤が壊れてやがる」

 

ウルマンはそう言うと装置を起動するが扉が全て開ききらない

 

 「よし、アルチョムこの隙間を通って向こうから扉を開けろ」

 

僕は指示に頷き少し空いた隔壁の隙間へと体を滑らせる。

 

 「よし、入った。」

 

僕が報告した瞬間隔壁が閉じてしまう

 

 「アルチョム!」

 

隔壁の向こうから2012の声が聞こえる。

 

 「大丈夫だ」

 

僕は返事をする。

 

 「機械が完全にイカれたこっちは別の道を探すそちらも先へ進み合流してくれ」

 

ミラーの新しい指示を受ける。

 

 「何だこれは…」

 

隔壁から向きかえるとそこは蜘蛛の巣やそれに包まれた謎の卵のようなもので埋め尽くされている。

 

 「ッ!?」

 

視界の端で何かが動く、そちらを見ると巨大な蜘蛛のような生き物がこちらに突進して来ている。

僕はその生き物に銃を撃つが弾かれる。

 

 「嘘だろ」

 

僕はそう言いながら蜘蛛に対峙するがライトの光を浴びた蜘蛛が突進をやめ後ずさる

 

 「光か」

 

僕はヤツは光に弱いということに気が付くとソイツにライトの光を当てる。

蜘蛛は光から逃れるように逃げていき姿を消す。

僕は蜘蛛をライトで避けつつ先へと進む、崩落したトンネルや配管を通り、蜘蛛を追い払うそうしてようやく明るい広間へ辿り着く

 

 「アルチョム!無事だったか」

 

明かりの下に仲間たちがいた。

 

 「良かった。アルチョム」

 

2012が安堵したように呟く、先程までより調子が少し良さそうに見える。

 

 「再会を喜んでいるところ悪いがトンネルからなにか聞こえてこないか?」

 

ウルマンがそう言い耳を澄ますとトンネルの奥から響いてくる音がきこえる。

皆トンネルの方に銃を向け警戒しているとトンネルの奥から乗り物らしきものがやってくる。

 

 「これはこれは、自動で動いてるのか…」

 

自動で動いている列車を見て全員が驚く、僕もそうだ今の今まで動き続けている戦前の列車を見たのはこれが初めてだった。

 

 「調べてみます。」

 

ウルマンはそう言うと列車を調べ始める

 

 「敵映なし」

 

 「他に道は無さそうだな」

 

列車を調べていると後ろから騒音が聞こえる。

 

 「しっかりとしたシートだ!」

 

アブザッツが列車のシートで寝転んだり飛び跳ねたりしている。

 

 「コラ!やめんか!壊れたらどうする!」

 

ナガンに怒られるまでがセットだ…

 

 ミラーが操作パネルを操作すると列車が動き始める。

 

 「少し休んだほうがいい」

 

74に言われ2012はシートに座る。

 

 「次の駅はD6か…」

 

ウルマンの呟きを聞きながら僕たちは列車に揺られていく…




実践で初めてハッキングした2012しかし負荷が重すぎてとても使えたものじゃない現状…
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