途中っていうかほとんど最後らへんまでプロローグと一緒です。
最後だけ文が変わってます。
トンネル内の気温が下がっていく、ミラーと僕、そしてAK2012は地表に近づきつつあった
もうじき吹きすさぶ風の中へと出て、そこで待ち受けている悪夢と戦うことになるだろう
この長い旅もあと少しで終わる。だが僕に、最後まで見届けるだけの勇気が、残されているのだろうか?
荒れ果てたメトロのはしごを軋ませながら地上へと登っていく、すぐ上からは地表で唸る吹雪の音が聞こえてくるようだ…
「おい、アルチョム」
オーダーの指揮官であるミラー大佐から唐突に話しかけられる。
「自分の
僕は何も答えぬまま梯子を登っていく。最上段に辿り着き、今まで登ってきたはしごに振り返る
「2012大丈夫か?」
そう言いかけた瞬間2012が手をかけたはしごを固定してたボルトが外れる。
落ちそうになる2012の手を急いで掴む
「掴んだぞ! ぐっ…うぅ」
見た目は小柄な女性とはいえ彼女は
「ありがとう、助かったわ」
彼女はお礼を言うとすぐに今までの臨戦態勢へと戻る
「ごめんなさい、早く東の前哨基地を抜けて地上に出ましょう、アルチョム」
彼女の言葉の通り僕たちは歩を進める。
旧世界の扉を開きかつて地下鉄の駅だったものに辿り着いた、僕とミラーは地表の放射能や崩壊液の影響を防ぐためにガスマスクを被らなくてはならない
「もう少しだ、このコロレフ・ホールから塔は目と鼻の先だぞ」
ミラーはあと少しだと言うが地表はメトロと違い全域が過酷かつ危険な環境だ、手に持つ銃の弾倉を確認しいつでも撃てる状態であることを確認する。
最後の戦いだ、僕は、なけなしの
「来るぞ!」
「銃を構えて!」
二人が叫んだ瞬間、地上にでてきた久し振りの餌を食らうべく3匹のハウラーが僕たちに飛びかかってくる、躱しきれず一匹の爪が僕の右腕に食い込む、痛みに耐えハウラーの脳天に弾丸をたたき込む、血を流し動かなくなったハウラーから視線を外すと二人も丁度始末を終えてこちらに駆け寄ってくる。
「大丈夫か、アルチョム?」
「怪我してるじゃない、早く応急処置しなさい」
心配をかけてしまっただろうか、僕は急いで救急パックの中に入っている注射器を負傷部位の近くに刺す。
鋭い痛みに一瞬顔を歪めるが、すぐに薬品が痛みを抑え出血を止める
「心配をかけてすまない、行こうか」
僕は二人に伝えると
「心配かけさせないでよね、昔から変わらないんだから」
2012は冗談めかしながら僕を叱る。
「アルチョム、手伝え引っ張るぞ」
ミラーは長いこと放置されていたのであろうメトロのフェンスを指差した。
「わかった」
僕とミラーはフェンスを掴み引っ張る、すると錆びた金属特有の耳障りな騒音をたてながらフェンスが外れた。
「行くぞ!」
ミラーはいうと開けた出入り口に入っていく
「さぁ行きましょう」
僕は、2012のあとを続き外に出る
外に出るとそこには木々も車も何もかもが凍りつきまるで時間が止まってしまっているような風景が広がっていた、これが最終戦争が生み出した新しいロシアのありふれた風景だ
「ここだ、アルチョム我々のコールだ…」
ミラーは無線機に話しかける
「応答願う…ウルマン、応答願う…どうぞ」
すぐに返答は帰ってきた
「ハッキリ聞こえています…どうぞ」
「塔に到着した、繰り返す塔に到着した…そちらも到着したか、どうぞ」
無線の会話が続く
「はい、連絡を取りました、彼らは既に塔の近くにいます、どうぞ」
僕は会話を聞きながら空を見上げる、そこにはその塔がそびえ立っていた、取り残された旧世界の遺物、だが今はここに辿り着かなくてはならない、そう辿り着かなくてはならない
「了解、塔の最上部に到着したらまた連絡する、その後、こちらの位置を確認してくれ…どうぞ」
無線を切ったミラーは僕と2012に
「行くぞ、他の連中も来ているはずだ」
そう言うと足早に目的地へ向かう
少し開けた広場に辿り着くと後方からホーンが鳴らされる、驚き思わず足を止めて振り返ると荷台に機関銃を備え付けたトラックがこちらに向かってきていた。
トラックは僕たちの少し先に停車すると、車の中から一人の男と
「どうも、大佐」
「待たせたのぅ」
握手し、一先ずの合流を喜ぶ
「今の聞こえたか…ほら!ありゃなんだ…?」
トラックの銃座についていた兵士が遠くを見ながら言う
僕は、遠くから響いてくる地響きを感じ警戒する。
「陣形を整えろ!」
ミラーが命令をする
皆で押し寄せてくるモノに対処をするためにトラックの周りで陣形を整える
「慌てるな…なんだ?背後に気をつけろ」
ミラーの言葉の通り皆で全周囲をカバーする。この周りを無数の四足歩行のミュータントが走り回っている。
ついにそのうちの一匹がこちらに気づき飛びかかってくる
「くそっ気張れ!」
ミラーの怒声が響くと周囲のミュータントに対して銃撃が加えられていく
僕が銃の装填をしていると、ミュータントが飛びかかり体制が崩れ転んでしまう、ミュータントにナイフを突き立てる。
兵士の一人が空を指差して叫ぶ
「デーモンだ!!」
空を見ると塔の周囲を飛ぶ何かが見えた。
なんとか後方へ下がるとデーモンと呼ばれたミュータントがトラックを引き倒し、トラックが横転していた。
デーモンがこちらをめがけて飛んでくる、時間が遅くなるような感覚に陥るとともに視界が暗くなる感覚に襲われる。
「ここまで来て…」
僕はそう漏らすが、僕は死ななかった。
「アルチョム!」
2012は僕の前にたちデーモンを撃つ!
しかし勢いは収まらずデーモンは2012に衝突する。
2012は地面を何度か転がり、体を瓦礫にぶつけ止まった。
「2012!」
僕は急いで立ち上がると2012に駆け寄る。
「大丈夫か?」
僕は彼女の肩を抱き尋ねる。
「えぇ…大丈…夫よ」
弱々しく答える彼女の顔は何処からか人工血液が漏れたのか赤く染まっており、左目はデーモンに引き裂かれてしまっている。
「アルチョム!大丈夫か?」
ミラーは倒れこんだ僕たちを見つけ駆け寄る。
「2012!」
ミラーは2012の惨状を見ると大声で助けを呼ぶ
「アルテミス!居るんだろ!こっちに来い!」
ミラーが怒鳴ると暫くして74が現れる。
「大佐!敵の攻撃が止みました!前進を!」
74はミラーに言う。
「わかってる!それより負傷者を救護しろ!2012を後方へ下げさせろ!」
ミラーが指示すると74は頷き2012の肩を支えると後方へと消えていく
「アル…チョム!」
2012は抱えられながら声を出す。
「あまりエネルギーを無駄にするな!」
74は2012を諌めるが2012は続ける。
「絶対に…戻ってきなさい…よ…待ってる…から…」
2012はそう答えると限界を迎えたのか目を閉じる。
「2012!」
僕は大声を出す。
「心配はないよ今はねエネルギー消費を抑えるためにフリーズしたのさこっちで手当てするから早く行きなさい!」
74に言われ僕は頷きミラーを見る。
「言われただろ!行くぞ!アルチョム一瞬たりとも止まるな!」
ミラーが駆け出し、僕はその後を付いていく全てを終わらせるために…
次回かそのまた次回…METRO2033最終回予定