METRO Dolls   作:kapebarasan

33 / 34
人類は勝利を手にしたのか…それとも…


終末

 ミラーは無線を終えると僕の方を見やる

 

 「それじゃあアルチョム、お前を上に上げる方法を考えなくては」

 

そう言いつつ辺りに使えそうな物がないか軽く一瞥しながら話す。

 ところがミラーは突然塔の外を見ると大声を出す。

 

 「クソッデーモンだ隠れろ!」

 

ミラーが叫ぶと同時に僕の目の前をデーモンが飛び、空中で僕の方を見るとこちらへ向かってくる。

僕は登って来たエレベーターの中へ逃げる。

デーモンはエレベーターの入り口に向かうが自身の体躯ではエレベーターに入ることができないということを知るなりその手をこちらに伸ばし僕を掴もうとする。

しかし手はギリギリの所で僕に手は届かず僕を掴むことができないと気付くなり僕に吠えると何処かへ飛び立っていく…

 

 「助かった…」

 

僕はエレベーターの隅で固まりつつ呟く

 

 「いなくなったぞ!今のうちに上がる方法を見つけろ!」

 

やり過ごすやいなやミラーが僕に向けて指示を出している。

怖いが目的を達成しなければならないという義務に駆られ僕はエレベーターの外へ出る。

強い風が僕にふきつけているも僕は塔の奥へと続く道を見つけそこへ飛び込む

 その瞬間今まで僕がいた場所にデーモンが飛び付く…どうやら空中で僕が出てくる所を待ってたらしい

 

 「クソ、死ねよ!」

 

デーモンに悪態を付きつつも僕は奥へと進む、崩れた通路を進み今にも崩れてしまいそうな瓦礫をよじ登り上へと向かう、登りきった瞬間にデーモンが僕を背後から突き飛ばす。

 

 「ウグッ!」

 

僕は塔の内部へと吹き飛ばされ、デーモンが僕にトドメを刺すべく近寄ってくる。

 

 「こっちだクソ野郎!」

 

ミラーがデーモンを撃ち注意を惹きつけてくれている。

デーモンは唸り声を上げミラーへと突進する。

 

 「ウグァ!」

 

ミラーはデーモンに突き飛ばされ塔の機であったものに体を強く打ち付け倒れる。

 

 「今だ…アルチョムやれ!」

 

ミラーの言葉を聞き僕はありったけの軍用弾薬をデーモンの頭に撃つ

 

 「空飛ぶクソッタレめ!さっさと死ね!」

 

弾倉が空になる頃には流石のデーモンとはいえ正規の弾薬を40発近く頭に撃ち込まれた事により力尽き倒れる。

僕はデーモンが死んだことを確認すると突き飛ばされたミラーのところへ向かう

 

 「よくやった…アルチョム」

 

ミラーは僕にそう言うと無線機を取り出す。

 

 「応答せよ…ウルマン。たった今、アルチョムがデーモンを撃退…した。これからてっぺんを…目指す。」

 

 無線で返すとすぐさま返信が入る。

 

 「応答せよ!大丈夫ですか?何があったんです?」

 

無線はミラーの体調を気にかけている。

 

 「ウルマン…私は負傷した。上へはアルチョムが行く…今後はアルチョムと連絡を取れ。どうぞ」

 

 ミラーは無線で話す。

 

 「わかりました…大佐、どうぞ…」

 

ウルマンは察したのかそう答えると無線を切る。

ミラーは僕の方を見ながら話す。

 

 「手酷くやられたな…アルチョム無線で…言ったから聞こえたと思うがここからは…一人で上へ…行け…ここじゃ…レーザーは役に立たん、…アルチョム…雲が厚すぎる…できるだけ上まで登り、誘導システムをセットしてくれ…進め!…全てはお前にかかってる…」

ミラーに言われ僕は倒れる大佐を置いて

上へと登る梯子が崩れ落ちそうになるが必死に堪え上へと登るうちに音が消え辺りが一層暗くなった感覚を覚える。

 

 「彼はここに」「我らの声が聞こえる」

 

誰かの声が頭の中を木霊している。

遠くからまた別の声も聞こえる。

 

 「聞こえるか!アルチョム!応答しろ!」

 

僕はダークワンの声を感じ、奇妙な感覚に陥っていた。

他の誰かの思考が僕の頭の中で響いている様だ…しかしアルチョム今までは仲間が2012が側に居たが今はいない…誰も助けてはくれない…人類の運命は僕の手に委ねられている。

 僕は崩れた通路を這い進み上へ上へと登り続ける。

 

 「なぜ彼らはここに?」

 

 「彼らは死を運んできた…」

 

突然頭の中に大きく響く声が聞こえたかと思うと僕は不思議な空間にいた。

暗闇の奥からダークワンが僕に歩いてくる。

  

 「アルチョム聞こえるか?応答しろ!」

 

ウルマンの声で僕は現実に戻される。

 

 「あぁ聞こえている。もう少しでてっぺんだ」

 

僕は無線にそう返すと最後の梯子を登りきり塔のてっぺんへと辿り着く、僕は塔の端でナガンから預かった誘導装置を組み立て始める。

ようやくこれで全てが終わる…僕はそう思

 

いながら装置を設置し起動する。

 

 「アルチョム、信号は完璧だあと1分持ちこたえろ、やれるぞ」

 

無線の声を聞きつつ待っているとまた気がつくと別の世界に僕はいた。

 

 「なぜだ…?」

 

 「彼は許されざる者…」

 

ダークワンが僕を指さしながら言う

 

 「人はいつもそう…」

 

突然目の前が明るくなる。

遠くで大きな爆発が起きており、あたりには人間の死体が転がっている。

 

 「人は変わらない…」

 

 「お前を止める…」

 

僕は気がつくと塔の縁に立ち今にも落ちそうになっていたが意識がまた飛ばされてしまう。

 

 「彼を止めろ…」

 

僕は迷宮を彷徨っていた、ダークワンの追跡を逃れつつ迷宮を逃げ回る

 

 「我らを倒しに来た…」

 

 「彼は許されざる者…」

 

ダークワンの声が頭の中を絶えず響いている。

 

 「アルチョム!」

 

誰かの声が聞こえる。

僕を呼んでいる。

 僕は声のする方へと走った

 

 「急げ!」

 

声の方へと向かうが辿り着く前に床が消え僕は落ちる。

地面に叩きつけられることは無いが別世界の別の場面へ移り変わる。

 

 「降伏せよ…」

 

後を追いかけてくるダークワンから逃れるために僕はダークワンとは別の方向へ走る。

絶えず流れてくる言葉が頭の中をかき乱す。

僕は逃げつつも余りの苦しみに悶え倒れてしまう、倒れている僕の側に誰かが立っている。

 

 「誰だ?」

 

僕は『彼』の方を見ると彼は無言で僕に銃を渡す。

 

 「敵なら…殺せ」

 

『彼』はそう言うと光の中へと消えていく…

僕は手に持つ銃を構える。

 

 「彼を止めろ…」

 

僕は、こちらへ向かってくるダークワンへ銃を向け引き金を引いた…

 

 「すべて…死ぬ」

 

 「何故だ…答えは…⁉」

 

そう言うとダークワンは倒れ、僕も倒れる。

 気が付くと塔の上で倒れていた。

 

 『まいた種は刈らねばならん、アルチョム。武力は武力を呼び、戦いは戦いを生み、死は死しかもたらさない、この悪循環を断つには、考えや疑いを持たずにただ行動するだけでは駄目だ』

 

 

 「誘導完了まであと20秒」

 

無機質な音声が聞こえ、そちらを見ると血を流しながら倒れ苦しむダークワンがそこにいた

 

 「誘導完了まであと10秒」

 

音声が聞こえ、ダークワンは必死に手を伸ばし装置を止めようとしているように見えるが、手は届かず力尽きる。

 

 「5」

 

 「4」

 

 「3」

 

 「2」

 

 「1」

 

 「誘導完了」

 

機会音声は無機質に誘導完了を伝える。

僕はダークワンの巣に撃ち込まれる瞬間を見ていた。

僕は巣が炎に焼き払われる瞬間を見つつ取り返しのつかない事をしてしまったのでは無いかと言う気持ちに襲われる。

 

 「アルチョム!やったのね!」

 

無線から2012の声が聞こえる。

 

 「あぁ…終わったよ…何もかも」

 

僕はそう答えると炎に包まれるダークワンの巣を眺めていた。

 

 

 

 

               METRO dolls 2033 完




2033編終了になります。 
ラストライト編も近々やりたいと思ってるのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。