注)今回は実況風ではなく、深夜テンションで書いた怪文書です。お兄さん許して。次回からは戻すので許してください!何でもはしませんけど!
特異点、そう呼ばれる場所に俺達は転移したらしい。正直所長の説明を聞いている時は頭がボーっとしていたというか寝ていたのでよくわからなかったが、実際に現地に来た事で事の重大さを理解した。まだレイシフトやサーヴァントとかの細かい事は理解できていないが、所長からこの異常をなんとかしないと人類が滅亡する事、他のマスターは全員重傷でまともに動けるのは俺と玲瓏館さんしか居ない事を聞かされ、俺がやるしかないと決意を固めた。正直逃げ出してしまいたいが、俺が諦めれば人類滅亡待ったなしな状況だ、好き勝手言ってられない。
何故かデミ・サーヴァントになっていた後輩のマシュと、レイシフト適正が無いらしいのに何故かこの特異点に居る所長、そしてシャドウサーヴァントに襲われた時に助けてくれたキャスターの助けもあって俺達は4体のシャドウサーヴァントを退け、異変の元凶らしいセイバーの元へ向かったのだが...
「...ドクター、玲瓏館さんはまだ見つからないの?」
『うーん、さっきの爆破テロでレーダー含め殆どの機材が破損してしまっていてね、今は君達の周りを観測するので精一杯なんだ。彼女も管制室に居たから此処に転移している筈なんだけど...』
「そうなのですね...無事だといいのですが...」
同じくこの特異点に転移してきたであろう玲瓏館さんとは未だ再会できていない。サーヴァントが付いているならまだしも、恐らく今彼女は一人きりだ。キャスターの言っていたバーサーカーにもし会ってしまっていたら...駄目だ、考えたくない。
「お仲間の心配をするのはいいが、もうすぐセイバーの根城だ、気ぃ引き締めろ」
「藤丸、今は玲瓏館の心配よりも自分の心配をしなさい。相手はあのアーサー王よ?集中しなければすぐにやられるわ」
「...はい」
今は彼女の無事を祈るほか無い、何もできない自分を殴りたくなる。彼女に対して俺はまだ何も恩を返せていない、今度こそ、今度こそと彼女を助けようとしたが、結局はドジをやらかして逆にこちらが助けられるばかり。このまま何も返せないで今際の別れなんて絶対に嫌だ、頼むから生きていてくれ...
「温い、実に温い!貴様らの覚悟とはこんなものか!」
大空洞の最深部、そこに居たアーサー王は何故か女性だった。持っていた
──アーサー王の強さは圧倒的だった。キャスターと所長の魔術は効く素振りも見せず軽くあしらわれ、マシュは高速の剣戟を防ぐ事で精一杯。俺はなんとか使える魔術を使ってマシュを援護しているがそれでも焼け石に水で、だんだんとマシュは押されてきている。駄目だ、このままでは──負ける。
「エクスカリバー...」
「なっ──!?不味い、お前ら急いで避けろ!」
キャスターに言われるまでもなく全員がセイバーの前から退避する、魔術に疎い俺でも分かる、あれに巻き込まれれば...
「モル...ガーン!」
直後、途轍もない衝撃が俺達を襲った。大地が軋み、黒い熱線が背後にあった壁を飲み込む。さっきと同じ宝具だが、明らかに威力が段違いだ。あんなの、防げる訳がない。
──そして、熱線が途切れた先に、壁は無かった。いや違う、正確には溶かした飴のようにドロドロに溶けていた。これが宝具本来の威力なのだとしたら、さっきのは何だったんだ?小手調べか、はたまたお遊びか。少なくとも、マシュの宝具ではもう防げない。その事実は、俺の心をへし折るには十分過ぎた。
「嘘...」
「この火力馬鹿が!少しは威力を抑えやがれ!」
ルーン魔術が効かないと判断したのだろう、キャスターは自身と杖に強化を施して、まるで槍を扱うかのような動きでセイバーに近距離戦を仕掛ける。
「ふん、ランサーではない貴様の実力などたかが知れている。遊びにすらならん」
「へっ、どうだか。その鼻っ柱、へし折ってやらぁ!」
セイバーとキャスターによる高速の打ち合いが繰り広げられる。互角に見えるが、段々とキャスターの方が押されてきている、やはりキャスターでは武器を扱うのは向いていないのか、苦しい顔をしている。ランサークラスで呼ばれていればまた違ったのだろうか。
「終わりだ、光の御子よ」
「がっ──」
何度目の打ち合いだろうか、ついに耐えられずキャスターの杖が折れた。セイバーはその隙を見逃さずすぐさまキャスターを岩壁に叩きつけ、間髪入れずに宝具を放った。──満身創痍のキャスターが避けられる筈も無く、彼は再び放たれた黒い熱線に呑み込まれた。
「キャスター!」
「他人の心配をするとは余裕だな、逆に感心するぞ」
「あ.....」
叫ぶ間も無く正面にセイバーが立ちはだかる。恐怖と絶望に襲われて動く事はおろか、声さえ出すこともできない。
「さらばだ、藤丸立香よ」
目の前で剣が振り上げられる。俺もキャスターのように塵一つ残さず消えるのだろうか。
「先輩──!」
マシュの声が遠く聞こえる、駄目だ、もう助からない。振りされた剣は容易く俺を両断するだろう。最早これまで、俺は諦めて目をゆっくりと瞑り──
「──死なせる、ものかぁぁぁぁぁぁ!!!」
──最後に、セイバーが突如現れた馬車に吹っ飛ばされるのを見た。
ーー
それは突然の事だった。キャスターは消え、無情にもセイバーの剣が藤丸立香の命を今にも奪おうとしていた。まさに絶対絶命、逆転の手段など此処には無かった。
だが、奇跡とは案外簡単に起きる物である。セイバーの剣が藤丸を切り裂こうとしたまさにその時、突如現れた謎の物体がセイバーを壁へ吹っ飛ばしたのである。
『新たに4騎サーヴァント反応!?馬鹿な、もうこの特異点に残っているサーヴァントはもう彼女とバーサーカーしか...いや、まさか』
セイバーを吹っ飛ばした馬車のような物は、そのままの勢いでマシュ達に向かってUターンした後、4人の人影を置いて虚空へと消えた。
「ケイローンは藤丸の救助を、土方は二人の安全確保を、沖田は私と共にセイバーを。
「なんですかアレ!?並みのジェットコースターよりもスリル満て──こふっ!?」
「すまんがマスター、今
「...沖田ってもしかしてハズレ?まぁいい、それならば私一人でやる」
「いや二人とも沖田さんの扱い酷くありませんか!?」
沖田と呼ばれたセイバーと似ている顔の女性が吐血しているのは取り敢えず無視するとして、その場にいた全員は彼女らに指示をだした女性へと注目した。見慣れない鎧こそ纏っているが、彼女は──
「玲瓏館...さん?」
──行方知れずだった玲瓏館静香その人だった。
『──ああもう色々起きすぎて頭がパンクしそうだ!玲瓏館ちゃんが生きていて、3騎のサーヴァントを召喚していて、それに彼女自身からもサーヴァント反応だって!?どういう事なんだほんと!』
「事情は後で話す、今は彼女を倒すのが先」
そういうと彼女は腰のベルトに付けたホルダーから剣士が描かれたカードを取り出し──
「
簡単な術式を唱えると同時、光に包まれた。一瞬全員が目を瞑り、そして開いた時、彼女の姿は先程の鎧とは別物に変化していた。
「ほんと、どういうことなの...?」
「時間は掛けない、一撃で葬る」
その姿はまさにあのセイバーと瓜二つ。黒と青、そして髪という違いこそあるものの、その点を除けば彼女の容姿は完全にセイバーと一致していた。
「
そして彼女は流れるように
「今のは少し効いたぞ、何処の誰だか知らぬが、やるではないか──っ!」
セイバーがようやく壁から這い出てくる、そして彼女の姿を目にするなり顔を歪ませた。
「貴様、何故その剣を構える。お前にはそれだけの勇気が、覚悟があるのか。例え全てを失っても構わないという強い信念があるのか」
「──輝けるかの剣こそは 過去現在未来を通じ、戦場に散っていく全ての兵達が、今際の際に懐く悲しきも尊きユメ──『栄光』という名の祈りの結晶。」
「...聞く耳持たず、か。まぁいい、私程度倒せぬようではこの先持たぬ。ならば貴様を試すとしよう。何、此処で倒れれば貴様はそれまでという事だ」
二つ、同じでありながら相反する星が創造せし「
「その意志を誇りと掲げ、その信義を貫けと糾し 今、常勝の王は高らかに、手に執る奇跡の真名を謳う。 其は──束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流」
「卑王鉄鎚、極光は反転する。──光を飲め!」
大地が軋み、空は嘶き、二降りの剣は更に輝きを増す。白と黒、相反する二色。最早この空間が持っているのが奇跡、そう思えるほどに傍観者達は圧倒されていた。
「「
二人の戦士に交わすべき言葉は在らず、思いは剣に、心は眼に。互いの信念が今、激突する──
「「
振り下ろされ、拮抗する二つの
「......っ!!」
「...そうか、それが貴様の選んだ道か──」
黒き騎士王は何を察したのか、自ら剣を手放した。黒い光は消え、彼女は白い光に呑み込まれる。何故こんな行動を取ったのかは彼女ですらわからない。ただ、一つだけ確かな物がある、それは──
──光に呑まれ、消え行く騎士王の顔は、とても晴れやかな物であったという事だ。
激突!エクスカリバー
これでもかなり威力は控えめらしい、本気をだすと(特異点Fが)壊れちゃーう。