明久のワートリ生活   作:ただの名のないジャンプファン

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第三話

「よっと、少年肩を貸すよ」

 

ネイバーに襲われ警戒区域内で追い詰められた僕は目の前の迅って人に助けられた。

僕は迅さんにら立ち上がらせてもらいゆっくりと歩き出す。

 

「ありがとう、ございます」

 

「これぐらいいいってことよ、ほら君のガールフレンド達が外で待ってる」

 

「ハル」

 

「よく頑張ったな少年、君のおかげであの2人は助けられた。君があそこで自分を盾にしないとあの2人はどうなっていたことか」

 

「いえ、当たり前のことしただけです」

 

そう面と向かって言われると、なんかこそばゆい感じがする

でもよかったハル達は先に保護されていたのか。

と、ここで僕は一安心すると緊張が抜けて余計体の力が抜けてしまった。

膝を崩してしまい地面に跪いてしまった。

まぁあんなに走って最後は突進されたもんな、自分でも呆れるぐらい体が硬いなぁ。

 

「おっと」

 

「あ、すいません」

 

「大丈夫大丈夫、俺が君を背負うからしっかりと掴まっているんだ」

 

僕は、迅さんにおんぶされたので彼の体にしっかり掴まる。

 

「さて、ひとっ走りで一気に抜けるぞ」

 

すごい、まるで自転車を飛ばしてるぐらいのスピードが出てる。これなら確かにすぐに警戒区域の外につきそうだ。

迅さんの言う通り、彼の背中に掴まっていたら本当にひとっ走りで警戒区域の外に出ることができた。

あれからネイバーに出会うことも、トラブルが起こることなくハル達に合流する事ができた。

 

「アキ...君」

 

「ただいまハル」

 

ハルは僕の顔を見ると、迅さんに背負われているにもかかわらず僕の首に両手を回して抱きしめた。

 

「よかった、無事でよかったよ」

 

「痛い!痛いよハル」

 

ごめん、なんか色々ごめんって思うけど僕怪我しているんだよ。もう少し丁寧に扱って欲しいよじゃないと怪我に響いているし。

でも、結構心配させてしまったんだよね。ハルがこんなに悲しんでる何ていつ以来ってぐらい心配している。

 

「おぉ情熱的なハグだね。少年少し下ろすよ」

 

そう言うと迅さんは僕をハルに預けた。

ハルにもたれかかった僕は、余計な力が入らずただハルが抱きしめるるのを受け入れていた。

 

「くる、苦しいよハル」

 

「あ、ごめん」

 

ハルは慌てて僕の抱擁をとき同時に真っ赤に顔を染めた子供とニヤニヤして暖かい目でこちらを見ていることに気がついてハルと僕も顔が赤くなってきた。

 

「あ、助けて頂きありがとうございます」

 

「ありがとうございます」

 

「いいよ、俺が遅かったから少年をこんなに怪我させてしまったんだ。寧ろ俺が謝らないとすまない」

 

そんな、命の恩人に頭を下げられる何て。

僕もハルも慌てて迅さんに謝罪を取り下げさせようとする。

僕達の慌てた姿に迅さんは柔らかい表情になり僕達を家まで送ると言ってくれた。

 

「さて、じゃあ少年の怪我もあるし俺が君達を家に送るよ」

 

僕も1人では歩きにくいしかといってハルに介抱されるのも、女性にはだいぶきついだろうから迅さんがそう言ってくれたのはすごく助かった。

そしてまずは今回の事で警戒区域内がどれだけ危険かわかった子供達を親御さんの元に、次にハルを家まで送る。

 

「じゃあ、ハルおやすみ」

 

「うん、アキ君今日はありがとう」

 

そう言い残してハルは自宅に入り、僕は迅さんと2人きりになった。

迅さんに肩を貸してもらいながらゆっくり帰っている最中僕は迅さんにある質問をした。

 

「迅さん」

 

「どうした?」

 

「ボーダーってどんなところなんですが?」

 

「...何だよ、ボーダーに興味があるのか?」

 

「...はい」

 

「そうだな、最近は組織の規模も大きくなって人数も増えてきた。訓練内容も充実しているし人が増えて来ている割には増えた人数にあわせて様々な新しい物や制度もどんどん増えていってボーダーはもっと大きな組織になる筈だ。少年君はどうしてボーダーに興味を持ったんだ?」

 

「僕は」

 

僕が下を向き言葉が詰まると迅さんはこちらを覗くようにして顔を近づけてきた。

しかも飛びっきり何か含みのある笑みで

 

「にぃ、当ててやろっか」

 

「はい?」

 

「あの女の子だろ?可愛いからなあの子」

 

「う」

 

「で、少年はどうしたいんだ。今日みたいな事からあの子を守りたいのか?それともただボーダーに入ってたカッコイイってアピールしたいのか?」

 

「どっちかと言うと後者...かな」

 

「へぇ、そりゃ意外だ」

 

僕がボーダーに興味を持ったのはハルと同じ高校に行くため、だから雄二、僕の友達がボーダーに入った事やその友達からボーダー推薦があると聞いたから僕はボーダーに興味を持った。

そう迅さんに話した。

うぅ、顔を上げることができない、物凄く自分本位だしあってまもない人に自分はバカだって言ってるし

 

「ほんとごめんなさいこんな変な理由で、他に真面目に戦っている人達にも悪いですよね」

 

やっぱり恥ずかしいなこんな理由なんて、不純にも程がある。自分ことばかりでなんて恥ずかしいんだろ。

あぁ、穴があったら入りたいそしてそのまま埋められたい。

 

「少年」

 

「なんですか?」

 

「あげせん、食う?」

 

「え?」

 

迅さんはいつの間にか手の持っていたあげせんを僕に進めてきた。

ってかそのあげせんどこから取り出したの?

 

「ほら、どうだ美味いぞ〜」

 

「い、頂きます」

 

「少年、さっき言ったようにボーダーはだいぶ大きな組織になった」

 

「...はい」

 

あげせんを袋ごと僕にくれた迅さんは

 

「だから、最近は色んな入隊理由で入ってくる人達もいる。ネイバーに復讐だったり、たんにお金を稼ぎたいだったり、そしてボーダーに入って目立ちたいなんて奴もいるくらいだ」

 

何か意外だった、僕が思うのもあれなんだけどそんな理由で入る人がいるんだ。

もっと厳しく市民の為に命張れるとか、ヒーローみたいにただ守り続けたいとかそんな理想みたいな人達ばかりだと思っていた。

 

「少年、ボーダーにとって始める動機は本当に何でもいいんだ。君のように純粋な恋でも、強くなり続けて、そして結果を出すことができるそんな人を望んでいる」

 

「じゃあ、僕には向いてませんね」

 

産まれてこの方僕は結果なんて出せたことは無い。ただがむしゃらに周りを巻き込んで色んな人に迷惑をかけたそんな生き方を10年以上していたんだ。

そんな僕に...向いてるわけ

 

「俺は、そうは思わないよ」

 

「え」

 

「今日の事、本当にとても危険で君は死んでいたかもしれないだから褒めるべきじゃないんだけど、君は守りたいって思って自分の身も顧みないで警戒区域内に侵入、そして彼女達を逃がすためにトリオン兵に立ち向かった。君が勇気を振り絞ったからあの子達は無事っていう結果につながったんだ」

 

「!?」

 

「今日彼女達を守ったのは俺じゃない。少年!君なんだぜ」

 

僕は、生まれて初めて人に賞賛された気がする。

いつも怒られ、反省しろとか謝れとかお前のせいだとか散々言われたけど、この人は誇れと言ってくれてる。

なんだろ目頭が熱くなってくるやばい涙が止まらない。

な溢れ出涙は決して悲しいとか怖かったとかそんなんじゃない。ただ素直に認められた事が嬉しいんだ。心の奥が燻るこの感覚、むず痒いが決して嫌ではない。

でも恥ずかしい中三にもなって、褒められて嬉し泣きとかすごく恥ずかしい。

 

「う、う」

 

両手で溢れてくる涙を拭く僕を迅さんは優しく頭を撫でてくれた。

その大きくて暖かい迅さんの手がすごく気持ちよくて僕は子供になったかのように迅さんに甘えてしまった。

 

「おぉ、全く若いっていいな」

 

そしてそのまま泣きじゃくる僕を迅さんは家まで送ってくれた。

すごく恥ずかしかったけどすごくいい時間だったと僕は思う。

 

「ありがとう迅さん」

 

「いいってことよ、これ土産にやるよ」

 

そう言うと、迅さんはまだ開封していないあげせんを僕にくれた。

僕はそれを受け取りまた礼をいいお別れの挨拶を言った。

 

「それじゃあ、おやすみなさい迅さん」

 

「あぁ、とその前に最後にひとつ」

 

改まってまた迅さんが僕に何かを言おとしたから僕は迅さんと面と向かい迅さんの言葉を聞く。

 

「ボーダーに入るかどうかは君が決める事だ。だけどこれだけは言っとく、君がボーダーに入って後悔することは無いよ」

 

「え?」

 

「これは俺が保証する。」

 

迅さんの言葉には何故かわからないが、信頼できる何かを感じられた。

不思議な人だ、そしてそれと同時に僕はこの人を今まで見たどんな人よりも格好いいと思っていた。

 

「じゃあまたなアキ、いい夢見ろよ」

 

そして彼はトリガー起動の掛け声とともに夜の闇夜に消えていった。

そして僕は扉を閉めて暫くその場から動かなかった。ただ何となく彼の後ろ姿がぼんやりと目の前にまだあるみたいに思っていたから、

 

(君がボーダーに入って後悔することは無いよ)

 

僕はあの人の背中を追いかけてみたい。すごく格好いい大人になりたい。

そして僕は靴を脱ぎ貰ったあげせん食べて、電話をする。もちろん相手はあの子だ。

 

「もしもし」

 

『もしもしどうしたのアキ君?』

 

「家に無事着いたからその報告」

 

『そっか』

 

「ハルは今何してるの?」

 

『私?私はいつもの様に勉強中だよ』

 

も今日ぐらいもう疲れてベッドで休んでいるかと思っていた。でもハルは今日怖い目にあったにもかかわらず日課の勉強をしているとは本当に強い子だな。

 

「今日あんな目にあったのに、さすがはハルだね」

 

『何それ?私だって怖かっんだよ。でも今不思議と安心しちゃってね逆に何かしとかないと落ち着かないんだ』

 

「そう、それなら僕も安心できる。ハルにとって今日がトラウマにならなくて良かったよ」

 

『...あ、あのねアキ君「ハル」なに?』

 

「聞いて欲しいんことがあるんだ」

 

『どうしたの?改まって』

 

「僕、ボーダーに入隊したい」

 

『!そう』

 

ハルはそこまで慌てず淡々と呟いた。

 

「あれ、これって結構な告白じゃないの?」

 

『そうだね、でも不思議とやっぱりって思うんだ。アキ君は多分ボーダーに向いてそうだから』

 

「さっき迅さんにも言われた。何僕ってそんなに軍人とか向いてると皆思ってるの?」

 

『ふふ、自衛隊とかは向いてなさそうだけどね。多分一日で規則破ってクビになってそう』

 

「ちょっと!一日って何さ僕もっと大人しいよ、しかも規則破って速クビってどんなに重い規則破ってんのさ!!」

 

『ふふ、アキ君入学してすぐボタン掛け間違えてすぐに目立った人がそれ言える?』

 

「う、僕の黒歴史の1つをそんな簡単に掘り出さないでよ」

 

『ごめんごめん』

 

「いいよどうせ僕は、朝食すぐに先輩の頭に味噌汁ぶっかけて騒ぎ起こしてそうだよどーせ」

 

『ぷ、ふふふ本当に...してそうでごめ』

 

「おぉい、そこはフォローしてよ。そんな事ないよとかそこまではさすがにとか言ってよ!」

 

まだ自虐しすぎってひかれた方がマシだよこれなら。

 

『そ...そこまではさすが...』

 

「ハル、声を抑えていても今笑ってるのわかってるんだからね」

 

『まぁ、それは置いておいて』

 

「僕の抉られた過去の傷はそのまま放置ですか」

 

僕の心の傷は誰も絆創膏を貼ってくれないというのがよくわかった。

 

『向いてるって言ったのは私が実際助けられたから』

 

「それって今日のこと?」

 

『ううん、今日もあるけど大規模侵攻の時の事。私がお父さんとお母さんと離れ離れになっていた時、アキ君が来てくれたあの時』

 

「あ、あれは前にも言ったじゃないか、僕も迷子になってたまたまハルがいたから。だからたまたま助けたんだよ」

 

「嘘、あの後おばさんに聞いたよ。アキ君私がいないって知ったあといつの間にか避難所からいなくなってた」

 

「うっ」

 

『一々隠さないでいいのになんで嘘で誤魔化すかの?』

 

「だって恥ずかしいじゃない、それにこういうのって言わない方が格好いいっていうか...」

 

ほら、よく言う言わぬがバナナってあれだよ。

あれなんか違うな?

 

『ふ〜ん。でも確かに格好よかったよ』

 

「え?」

 

『私がこの話をおばさんに聞いた時すごくときめいた。私が君の事を意識したのはやっぱりあの時からかな』

 

「ハルは結構大胆に言ってくるね」

 

『アキ君が鈍感だからね。間接的にアピールしても気がついてくれないのはよく知っている』

 

「カンセツテキ?」

 

『アキ君明日お勉強ね』

 

「何故に!?」

 

『でも、アキ君今日言ってたよね私の事が大好きって』

 

う、確かに僕も今思えばあんなところで告白するなんてしかも近くに子供だっていたのに、思い返すだけで悶えてしまいそうになる。

あれ?確か僕が言ったのは確か

 

「あれ、確か好きだよって言ったはず」

 

『だ・い・す・きだったよ』

 

おっと、多分これはハルの地雷を踏んでしまったな。

 

「そうだね、はいそうでした」

 

『それで、そのこれからは交際って事でいいのかな?』

 

「あ、その事なんだけど」

 

『何?まさか取り消すって』

 

「違う違う!取り消すとかじゃないよ、今日のは本当の僕の気持ちだから」

 

『...そう、ありがとございます』

 

「え、どういたしまして?」

 

あれ、何でお礼言われたんだ?

 

『それで、じゃあ何があるの?』

 

「僕、ボーダーに入ってボーダー推薦を狙う。それからハルが第一志望にしている高校を受験する」

 

『え?アキ君私がどこ志望してるか知ってるの?』

 

「六颕館でしょ、前に話してくれたじゃん」

 

『そういう意味じゃなくて、アキ君じゃ学力的に無理だよ?』

 

「うっ、雄二にも言われた。そりゃ僕が馬鹿なのは知ってるよけど、でもそこはボーダー推薦で」

 

『いくら推薦があっても学力が全くなかったら受からないよ』

 

「わかってる、ハルが言ってることは全部正しい。でもそれぐらいしないと駄目...なんだ」

 

『だめ?なにが』

 

「君の彼氏になるなら、僕は僕自身胸を張って隣に立てるようにならないとそれが僕が今までわがままに生きてきて、それでもわがままを言うんだから、それぐらいしないと僕は僕を認めることができないんだ」

 

『はぁ、推薦を受けるなら正隊員にならないと行けないんだよ?』

 

「わかってる」

 

『訓練の片手間にアキ君勉強も疎かにしちゃだめ何だよ?』

 

「...わかってるよハル」

 

『アキ君自分で勉強できる?自分でわからない所を理解しようとすることが出来る。というよりアキ君1人で考えてたら頭ショートしてそうだけど』

 

「がはっ!あのハルさん」

 

そうです、まさにそれは現実に起きるであろう。

 

『何かなアキ君』

 

「僕に勉強を教えて下さい、というより勉強見てください」

 

『ぷ!何それさっきまで格好つけてたのに。そこは意地張っそんな事ないよ自分でやるもんって言う所じゃないの?』

 

「いいんだよ素直で自分の事をよくわかってるのは僕の美徳なんだから」

 

『わかった、ただし条件がある』

 

「条件?」

 

『絶対弱音を言わないこと』

 

「はい」

 

『それと、もう学校で問題起こさないように』

 

「2つ目!」

 

『文句ある?受かりたいんでしょ、そして最後に』

 

僕は唾を飲んでハルが出す最後の条件が何なのか構える

 

『絶対、合格すること』

 

「...わかったよ」

 

『約束ね』

 

「うん、約束する」

 

この時僕はふと左手の小指を立てていた。

この条件はハルの願いだってわかったから、絶対叶えてあげないといけないそんな義務感が生まれていた。

 

『なら、引き受ける』

 

「ありがとう」

 

『ちなみにアキ君』

 

「何改まって?」

 

『ボーダー試験の申し込みそろそろ締め切られちゃうよ』

 

「え!?嘘早くしないと」

 

『じゃあ、アキ君おやすみなさい』

 

「え?あ、おやすみ」

 

僕は電話を切りすぐさまボーダーのホームページにアクセスして申し込んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、さっきまで彼とつながっていた電話を抱きしめた。

さっきまで愛おしい彼の声が耳元で囁かれるあの感覚が何となくこそばゆくて、でも終わってしまった今では物足りなさと寂しさが私の中で渦巻いている。そんな気持ちをこの電話に残っている熱でとかそうもしているのかもしれない。

そしてふと自分の小指を見る。あの一瞬私はアキ君と指切りをしていた気がしていた。多分アキ君も約束って言ってくれたから指を立てていた気がしたんだろう。

全く格好つけてたくせに、最後の方は完全にいつもの状態だったじゃん。腰が低くて自分の意思も基本的には他人に譲りがちな所は本当に男の子としてならどうかと思うあの可愛らしさ、でもその全てが...

 

「...がんこ者」

 

そう呟いて私は今開いている参考書を閉じて、違う参考書をノートにまとめ始めた。

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