雪が溶け、細く繋がった紐は結ばれ、色彩豊かな春は来る。 作:佐倉彩羽
UA1000越え、ありがとうございます。最初のストーリー、主が初めて文章を書いた時のものなのでかなりの駄文でしたが、沢山の方にご覧にいただき、嬉しさと恥ずかしさでいっぱいです。
だらだら続くストーリーに、ぜひ最後までお付き合い下さい。
一色と別れ、俺は自宅の方へ自転車を進めて行った。
真冬の一月、二月上旬に比べては暖かくなったが、まだ肌寒い。
思えばもう一年。俺が雪ノ下雪乃という女の子と出会い、
奉仕部として活動を初めてから、様々なことがあった。
由比ヶ浜結衣という女の子の小さな、
けれど強い思いのこもった依頼から始まり、
現在は一色いろはという女の子の、
生徒会活動の手伝いまでやらされている。まぁ俺が悪いんだけど。
この一年、様々な人と関わり、対立し、時には協力し、
俺史史上最も濃い一年だった気がする。
そんなことを考えているうちに自宅に着いた。
「ただいまっと。」
「あ、おかえりお兄ちゃんっ!お風呂湧いてるからね〜」
マイスウィートエンジェル、小町のお迎えだ。
受験生なのにこんなに家事をやらせて申し訳ない。
やはり俺は小町のためにも専業主夫のスキルを磨き
小町の高校生活に支障をきたさないようにしなければ……
「おぉ、すまんな。お前も早く寝ろよ。受験、近いからな。」
「うん、ありがと、おにーちゃん。
で、今日のデートはど〜だったのかなぁ?」
「は?デート?」
「うん!誰といったんですかな〜?結衣さん?それとも雪乃さん?」
小町がなんか楽しそうな勘違いをしてる、あらやだ! 勉強のしすぎ?
「いや、違う。それにデートじゃない。」
「え……?結衣さんや雪乃さんじゃないってことは……?陽乃さん?」
「そんなわけないだろ」
実際雪ノ下さんが俺を買い物に連れ出すなんてありえない。
いや、有り得るかもしれないけどありえないことにしておこう。
あの人はあとあと怖いからなぁ……、想像しただけで身震いする。
「じゃあ誰?」
「はぁ……一色だよ」
「誰?」
「生徒会長様だ。あの。」
「あー。顔はわからないけどお兄ちゃんの口からよく出てくる人だ!」
「俺そんなに一色一色言ってないと思うぞ。」
「ちーがーうーの!
数少ないお兄ちゃんの知り合いの中でよく聞くってこと!」
そうですねお兄ちゃんの知り合いは少ないですねよくわかりました。
「あっそ。で、お前ははよ寝ろ。受験近いんだし。
体調崩したら元の子もない。」
小町は何か考えたような顔をしたり、
ちょっと不安そうな顔をしている。
も、もしかして体調が悪いのか……?
これはいけない。この話を切り上げて早く寝かそう。
「お兄ちゃん、それ、結衣さんや雪乃さんは知ってる?」
「知らない。なにせ部活がないって聞いて、
早く帰ろうと思ったところを捕まったからな。」
また小町は何か考えた顔をする。何考えてんだこいつ。
こんなことより小町は早く寝るべきなのだ。
「おい小町、ほんとに寝ろ。
受験近いしお前が体調崩すと俺が心配になって
一日中お前の看病につきっきりになるから寝ろ。」
「うわそのシスコンっぷりはさすがの小町でも引くよ……」
引かれちゃった☆てへっ!
……なんて可愛くないですね。こういうのは戸塚が似合う。
「お兄ちゃん、わかったから寝るけどさ、
あんまりその……一色さん?ばっかと遊んじゃダメだよ?
結衣さんや雪乃さんとも遊びに行ってね!
小町はお兄ちゃんの幸せを願ってるから!
今の小町的にポイント高い!」
「最初から八幡的にポイント低いよ……?おやすみ、小町。」
「はいはーい!おやすみなさい!」
俺は小町が準備してくれたお風呂に入った。
ここまでお膳立てされたり、色々言われたりしたら
察してしまうだろう。
それはそこら辺の感覚は酷く敏感だ。
男という生き物は八割型こいつ俺のこと好きなんじゃね?
って思って生きている。ソースは中学時代の俺。
そのため、いつもそんなことは無い、と自分に言い聞かせている。
けれど、俺は、俺たちは、
いずれ選択しなくてはいけない時が来るのだ。
それが例え、間違った選択だとしても。
朝七時十五分。いつもより十五分近く早く目覚めた。
昨日の夜から色々と考え事をしていたせいだろう。
体の疲れがまだ抜けきれていない。
小町が用意してくれたご飯を食べ、出発の準備をする。
いつも通り小町を中学まで送り届けたあと、
俺はいつもの登校道を通り、学校へ向かう。
校門についた頃は時間がぎりぎりだった。セーフ。
昇降口を登ると、そこには赤みがかった茶髪のお団子の少女が
靴を履き替えていたところだった。
「あ、ヒッキー!やっはろー!」
その挨拶馬鹿っぽいからやめろ。
「よう。」
「テンション低っ!?あ、さいちゃんだ!やっはろー!」
なに!?戸塚だと!?どこだ!どこだ!
「やっはろー、由比ヶ浜さん。あ、八幡も一緒なんだ!やっはろー!」
何それ可愛い。もっと流行らせようぜ。
「よう戸塚。今日も可愛いな。」
「ちょっと八幡、可愛いとかやめてよ……」
やばい。可愛い。あと三時間は見てられる。最高。
「ちょっとヒッキー!?もう時間やばいよ!さいちゃんもいそご!」
戸塚が可愛すぎて忘れてた。時間ギリギリだったこと……
「戸塚、行くか。」
「うん、急ごう!」
いつもの通り平塚先生のホームルームを終え、
今日の授業を確認する。
……数学だな。寝よう。昨日ぐっすり寝れなかったし、
しっかりと睡眠時間を取ることは大切だ。
授業の準備を一応して、机につっ伏すその瞬間だった。
「なーなー、ヒキタニくん、ちょっといい?」
金髪お調子者の戸部だ。
おい、鈍重優柔不断の大和と童貞風見鶏の大岡はどうした。
普段俺に一切話しかけてこないはずの彼が、
俺の傍まで来て話をしにくる。
普段だったら大声で俺の話だろうがなんだろうが
話しているはずなのに、なんだろうか。
そこで一つアンサーが出る。海老名さん関連だ。
「ん。なんだ。」
「ヒキタニくんっていろはすと付き合ってるってマジ?」
「は?」
クラス中がこちらを向いた。
なんでこの距離でそんな大きさの声で話すんだよ……
え……、あいつが一色さん付き合ってるの?
釣り合わね〜ていう目線やひそひそ声が聞こえる。
葉山と由比ヶ浜は衝撃を受けたような顔をしてこちらを向き、
由比ヶ浜はすぐに俯き、表情がこちらに見えない。
「付き合ってない。第一に俺と一色が釣り合うわけがない。」
「っべー。それはないわー。昨日ヒキタニくんといろはすが
駅前のゲーセンに手繋いで入ってるの見たって人いるけど?」
あの時か。
どちらかと言うと引っ張られているんだが、説明しても無駄そうだ。
それを聞いた瞬間、クラスにどよめきが走る。
俺は最悪どうなってもいいが、これだと一色に申し訳ない。
相手が葉山レベルならまだしも、
クラスカースト最底辺活学校の嫌われ者の俺だ。
「あ、チャイムなったわー、っべー。
ヒキタニくん、後で色々と教えてくんね?
俺も参考にしたいっつーか、海老名さんおとしたいっつかーさ、
だから、ヒキタニさん、オナシャス!」
あれ、戸部ってそこまで悪いやつじゃないんじゃね?
普通だったら、「ヒキタニくんが?は?」ってなるんじゃないんですかね。
というか名前間違えてるし。言葉遣い治ってないし。
まぁ戸部がいいやつかなどどうでもいい。
まずは誤解をとくところからだ。
一色に会うのは流石にリスクが高すぎる。
かといって二人で口裏を合わせないと、また誤解を生んでしまう。
こういう時、葉山ならどうしていただろうか。
そして、由比ヶ浜が何故あんなに辛いような、
暗い顔をしているのか。
それは昨日の小町の話しぶりからして……
いや、断定するのは良くない。
俺はもう勘違いをしないと決めたはずだ。
しかし、勘違いをしなくてはいけないのかもしれない。
一体どうするべきか……。
授業中、ブーンとスマホに振動が来た。
普段一切連絡が来ない俺のスマホに、だ。
確認すると、送信者は知らない番号。念の為、確認する。
『昨日の件、勘違いされてるっぽいですね。
昼休み、生徒会室で待っています。』
メールの主は一色だった。
文面から察するに、一色も困っているのだろう。
俺はすぐに返信する。
『それはまずい。今二人で会うのはリスクが高すぎる。
連絡ならメールで済まそう。』
数分後、一色からまた連絡が来た。
『なら放課後、奉仕部へ集合しましょう。
どうせ結衣先輩や雪ノ下先輩も勘違いされてそうですし、
説明しときましょう』
『了解。』
放課後、彼女たちにどう説明するか。今から考えておくべきだ。
雪ノ下は話が通じるかもしれないが、由比ヶ浜に関しては、
わんにゃんショーの件もある。葉山隼人なら、どうするんだろう。
昼休み。
授業が終わるとすぐにベストプレイスへ逃げる。
今の教室で俺が残ると質問攻めされかねない。
彼らにどんなに否定しても無駄だろう。
彼らの頭の中には、リア充(笑)や、青春(笑)しかないのだ。
購買で買っておいたパンをかじりながら、潮風にあたる。
今日この時間が一番好きだ。
「やっぱりここにいるんだ」
後ろから声がした。くるりと振り向いたらそこには天使がいた。
「おう、戸塚か。飯はどうした?」
「まだ食べてないよ。隣、いいかな?」
「いいぞ、いつでもウェルカムだ。」
戸塚は俺の隣にひょっこりと座る。近い近い可愛い可愛いいい匂い!
戸塚は袋から俺と同じパンを出した。
「あ、八幡もそれ買ったんだ。一緒だね」
天使のような笑顔でそう言われる。これが、恋か……
「そうだな。奇遇だな。」
二人でテニスコートの方を見ながら、ご飯を食べる。
戸塚と一緒にベストプライスでご飯。なんて幸せなんだろう。
「ね、ねぇ八幡。聞いてもいいかな?」
「どうした、戸塚?」
「あのさ、一色さんの事なんだけど……」
戸塚も気にしていたようだ。戸塚にだけは嫌な思いはさせたくない。
あと嫌われたくない。戸塚に嫌われたら、
はちまんはめのまえがまっくらになって、
センターに逃げ込まなきゃいけない。いや何モンだよ。
「どうした?俺と一色にはなんもないぞ?」
「だよね、でも、昨日ゲーセンに手を繋いで行ったって……?」
「見方によればそうかもな……」
「えっ、それって……」
「ゲーセンには行った。ただ手を繋いでない。
あれは引っ張られたというんだ。
俺が一色に連れ回らされる姿、目に浮かぶだろ?」
「確かに……。八幡、いつも一色さんに連れ回されてるし、
少しわかるよ。」
戸塚が苦笑いしながら言う。
「昨日は一色に買い物に連れてかれて、
そのままゲーセンに引っ張られただけだ。問題は無い。」
今小さい声で良かったぁ……って聞こえたんですけど、
これ戸塚は女の子ってことでいいですか?
戸塚なら俺は付き合えるし付き合いたいまである。
「八幡、何か困ったことがあったら言ってね?僕も手伝うから!」
「おう、ありがとう戸塚。やっぱり戸塚は天使だ。」
「八幡ったら!もう……、そういうの禁止!」
やっぱり戸塚は可愛い。
午後の授業はすぐに終わった。
現国だったが今日はちゃんと聞いていた(風)だったので、
平塚先生から呼び出されることは無かった。
そして放課後。
由比ヶ浜はまだ三浦や海老名さんと話しているようだし、
先に行くとする。
特別棟はやはり静かな雰囲気を醸し出している。
そして奉仕部の教室の前へ。
「せんぱい」
一色だ。後ろからついてきていたのか。
「おう、悪いな。わざわざ。」
「いいんです。とりあえず、さっさと中に入りましょう。」
「あら、一色さんと……、えぇと、ひき、ひきざわ君だったかしら?」
「ひきざわくんって誰だよ。同じ部活だろ。」
雪ノ下はいつも通り、だろうか。
入ったら罵倒が飛んでくるのはいつも通りだが、
どこか表情がパッとしない。
「やっはろー!」
「おう」
「やっはろーです、結衣先輩!」
「こんにちは、由比ヶ浜さん。」
「いろはちゃんも来てたんだ!どうしたん?何か依頼?」
一色は何か話しにくそうな顔でこちらを見る。
由比ヶ浜は折角修復してきた雰囲気を壊さないように
普段通りに過ごしているつもりだ。
しかし、この誤解は解くべきだと思う。
かつて、問題は問題にしない限り問題にならないと言った。
けれど、問題にしなければいけないものもあるのだ。
俺は一色に頷くと、彼女はゆっくりと口を開けた。
「……先輩方、噂は聞きましたか?」
雪ノ下、由比ヶ浜の表情が驚いた顔をすると、彼女らは頷いた。
「あ、あれ、ホントなの?ね、ヒッキー。」
「そんなわけないじゃない、
比企谷くんがまともな男女交際が出来るとでも?」
「あはは……。確かに嘘なんですけど……。」
そうすると、二人は少し安心した表情をする。
「なんだ……。いろはちゃんならあり得ると思っちゃった、から。
ヒッキーいろはちゃんに甘いし」
「私は決してありえないと思ったけれど」
由比ヶ浜は笑いながら、雪ノ下はプイと顔を逸らしながら言う。
二人とも、先程と比べて表情は明るい。
「つまり、そういうことだ。だから一色を呼んだ。」
「呼ばれちゃいました〜」
なんだこいつ。すんごくあざとい。
いちいち敬礼するのが余計あざとい。ついでにあざとい。
「この噂、ゆきのんのクラスまでいってるんでしょ?
ヒッキーやばいじゃん!」
「近しい人だけが知ってくれてればいいんだよ。
人の噂は七十五日っていうしな」
「ヒッキー……」
「……そうね、あなたが欲しいものは見つかりそう?」
「見つからねえよ、だから探すんだ」
「おー、なんかヒッキーがかっこいいこと言ってる。……きも」
「るせ、ほっとけ」
そんな会話をしていると、一色がバッと、立ち上がる。
「では、要件が済んだので生徒会の仕事あるので終わらせてきますね、
ではでは、お邪魔しました〜 」
「あ、バイバイ、いろはちゃん!」
「じゃあな」
「さようなら、一色さん」
これで一段落、解決と言っていいだろう。
うわあああああああああああああああああああ!
ワープロにあったものを読みながら、すんごく駄文だ!
恥ずかしい……恥ずかしい……けど公開しないと本編分かりずらくなるんですよね、変に書き直しするより投下します。
次回から本編に移ります。多少は語彙が上がっていると思いますので最後までお付き合い下さい。
ではでは、このあたりで筆を置かせていただきます。
2月某日、花粉と戦いながらベッドに潜りつつ 佐倉彩羽
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