ソードアート・オンライン - トワイライトブレイズ - 作:弥勒雷電
•プロローグ〜第6話
ALO編オリ主のCPは誰?
•第7話〜第15話
ALO編オリ主の種族は?
•第16話〜最新話
ALO編オリ主の旅の相棒は?(CP以外)
ALO編プロット見直しの参考にさせていただきます。
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「なぁ、そういやリズさっきの本どれ?」
ヘルブレッタさんが戻ってこないうちにここから出ようと思ったが、先程リズが見ていた本の内容が気になって聞いてみた、
リズは体をビクッと反応させ苦笑いを浮かべる。
「へ?んーっと、それがさどこに片付けたか分かんなくなっちゃったんだよね…ごめん」
リズは頭を掻きながらそう言い、部屋から出て行こうとする。明らかに様子がおかしい。彼女は嘘をついていると直感で察した。
「内容は?」
続けざまに聞いた俺の質問にゆっくりと振り返る。
「いや、別に大した内容じゃなかったし、ラ、ラズエルの過去に関わるような話はなかったよ。それよりここを早く出よう」
そう言うとリズは踵を返し、そそくさと姿を消した。
嘘を付くのが下手くそ過ぎる。何かあったと考えるのが妥当か。
俺はさっきリズが本を戻しただろう本棚を眺める。
だが、どれが正解なのか本当にわからなかった。諦めたように俺は視線を脇のテーブルに移した。ふとその時無造作に置かれたあるものに俺は気がつく。
「こ、これは…」
それを手に取ると全身から血の気が引いていく感覚に襲われる。生地はボロボロになってはいるが、漆黒のフードコートを徐に持ち上げる。あの気味の悪い声が頭の中に過ぎった。
早くヘルブレッタさんを探さないと。俺は嫌な予感を感じ、足早に外に出た。
「おい、リズ待ってや」
俺が家の外に出るとリズは既に先の方を歩いていた。慌ててその後ろ姿を追いかける。やはりあの本の話をしてから様子がおかしい。
「おい、リズ!」
俺は彼女に追いつくと彼女の肩を掴んだ。
「もう何よ?しつこい男は嫌いだし、そんなに気になるなら自分で探してくればいいじゃない?あたしは酒場で待ってるから」
リズはいたって不機嫌…に振舞っている。だが、これ以上何を言っても教えてくれそうにはないとも直感した。
「はぁ、分かったよ。そんなに言えない内容たやった?」
「まぁねー」
リズの人を食ったような相槌にいつもの彼女が戻ってきた気がする、
俺のただの気のせいなんやろうか。
「それよりヘルブレッタさんを探そう。まだそんなに遠くには行ってないはずでしょ?」
リズはそう俺に提案してきた。もちろんその提案を飲まない訳がない。
「まずは町の入口付近の道具屋に行ってみよう」
確かに今はリズが何を隠してるかよりもヘルブレッタさんを探す方が先決や。それに俺だってさっき見た漆黒のフードコートの事を彼女に伝えれずにいる。ある意味お互い様だ。
そんな事を考えながら、俺はまず町の入口に向かって歩き始めた。
———————————
あたし達は町の入口付近の道具屋にいた。
正直さっきは迷った。正直に話をした方がいいのか。時が来るまで待つべきか…。正直何が正解かは分からない。でもあたしは直感的に今は言わない事を選んだ。
「ヘルブレッタ?見てないなー。大概ここを通るプレイヤーには気をかけているし、ヘルブレッタのやつは目立つからな。通ったら分かるはずさ」
好々爺のような道具屋主人の言葉にラズエルは少し考え込む素振りを見せる。彼が見ていないという事はここは通っていない。つまりはまだ町のどこかにいるということになる。
「ありがとうございました」
ラズエルはそう頭を下げると道具屋を後にする。私もそれに従った。
「町から出ていないという事は多分あそこだろうな」
あたしはラズエルの考えに同意した。そして次の目的地に足を向ける。ラズエルは今はヘルブレッタさんの居場所を探すことに集中している。さっきの本の事は頭の隅に置いてくれているらしい。
その事に少しの罪悪感と安堵を感じる。
あたし達は元来た道を戻ると酒場の角を曲がり町のはずれに向かう。そうあの展望台にむかっているのだ。そこにヘルブレッタさんがいるかもしれないとラズエルは言う。
あたしにも直感的にそうだろうと言う予感があった。予知を気取るつもりはないけど、多分彼はそこであたしたちを待っている。
そんな気がした。
でも…あたしには正直ヘルブレッタさんと対峙した時に平静を保てるか自信がなかった。
—————————-
やはりリズの様子がさっきからおかしい。
その理由はおそらくあの本の内容とさっきのヘルブレッタさん達の会話という事は安易に想像できる。でもそれが彼女とどう繋がっているかなんて分からない。正直彼女の様子が心配だ。
しかし、俺には彼女にかける言葉を見つけられない。
俺たちは無言のまま展望台にたどり着く。俺たちの心情をよそに展望台では何やらイベントをやっているようだった。閑散はしているが、テキ屋が並び、この町には珍しく幾人かのプレーヤーの姿も見て取れる。
「え?」
俺はその時目を疑った。ここにいるはずのない男の姿が的当ての出店の裏側に見えたのだ。髪は短髪になっていたがあの顔を俺が忘れるはずはない。
その時、1組のパーティが前を立ち止まる俺の前を通っていく。一瞬だが視界が遮られた。彼らが通り過ぎた後、そこには男の姿はなくなっていた。
一陣の風が頬を打つ感覚に襲われる。いつもなら心地良いこの風も、不快感しか運んで来ない。
「笑っていた」
俺の呟きにリズが「え?」っと反応する。俺は「あ、いや」と答えると足を前に進める。テキ屋街を抜け、町全体が見渡せる場所へと出た。
男は笑っていた…。
そう俺をあざ笑うかのように…
その笑顔の中に感じた感情はまさに…
憎悪
———————————
さっきの言葉はなんだったんだろう。ラズエルは急に立ち止まるとどこか一点を見つめる。あたしもその方角を見るが、出店テントに遮られ、何がそこにあるのか分からなかった。
「笑ってた」
1組のパーティが目の前を通り過ぎた後、ラズエルがそう呟く。突然のことで、あたしは「え?」っと反応してしまったが、彼は何も言う事なく足を前に進める。
そしてテキ屋街を抜けると視界が急に開けた。季節設定上、冬が始まる時期ではあるが心地良いそよ風が頬を叩いた。
「ヘルブレッタさん」
ラズエルが展望台から町を見下ろしている白髪中肉大柄の中年の男性、あたしたちの探し人であるヘルブレッタさんに話しかける。
「そろそろ来る頃だろうとは思っていたよ」
顔だけをこちらに向けたヘルブレッタさんはそう言葉を返すとあたし達に向き直る。あたしは少しラズエルの少し斜め後ろ、その体に隠れるように身構えていた。
「今日はあなたに聞きたいことがあって来ました。俺の本当の事を教えてください。俺は思い出したんです。SAOが始まったとき、俺は高校時代の仲間とギルドを組んでいた。あなたと一緒におったなんて事実はないんです。あの事件のあと、俺は一体何をしていたんですか?そしてなんで記憶がなくなっていたんですか?」
俺の問いにヘルブレッタさんは小さくため息を吐く。そして展望台から外に視線を向ける。
「そうか。思い出してしまったか。やはりこの世界は不完全な事が多過ぎる。そして寄り道をしたとしてもすぐに修正が入ってしまう。まぁ、今回はそれなりの時間が経ったようにも思うが」
あたしはヘルブレッタさんが何を言っているのか理解出来なかった。それはラズエルも同じだったようで難しい顔をしてヘルブレッタさんを見ている。
「それに君はさっきの私達の会話を聞いていたのだろう?だからここに来た。違うか?」
続けられた言葉にあたしは飛び上がるような想いだった。やはり気付かれていた?ラズエルとあたしがあの部屋にいた事。嫌な汗が顳顬から頬を伝う。
「なるほどな。むしろ俺らのことを知っていて奴の存在を知らしめるため、あの部屋に連れてきたのか?」
ラズエルは冷静にそう答える。するとヘルブレッタさんは満足したように頷き、「まぁ、彼は気付いていなかったと思うが」と笑った、
「どういうつもりですか?あなたは何者ですか?」
思わずあたしはそう口走っていた。その質問にヘルブレッタさんは笑みを浮かべたまま、視線を周囲に巡らす。あたしの声に何人かのプレイヤーがあたし達を見ていた。
「ここでは話辛いな。場所を変えよう」
そう言ったヘルブレッタさんから笑みが一瞬消えたのをあたしは見逃さなかった。
——————————-
「本当に行くの?」
あたしはヘルブレッタさんの後に付いて行こうとするラズエルにそう尋ねる。彼は真剣な眼差しをあたしに向けると首を縦に振った。
あたし達は既にサバナの町を出て街道を外れ、町の外周を歩くような形で歩を進めている。
「もう手がかりはあの人しかおらへん。危険かもしれへん、でも俺はやっぱ確かめたい」
「でもやっぱ怪しいよ。だってあの人は元…」
そこまで言いかけたとき、ヘルブレッタさんが足を止めた。刹那、あたしとラズエルは身構える。
「すまない。2人とも」
ヘルブレッタさんはそう呟くと背後から人の気配がした。咄嗟にあたし達は左右に飛ぶ。そこに現れたのは黒ずくめのフードコートの男。しかも1人ではない。1.2.3.4…5人もいる。
「どういうつもりや!ヘルブレッタ!」
ラズエルがそう叫ぶと弓を手に展開する。
「すまない。だが、こうするしかなかったんだ。そこの女、俺の部屋の本を見たのだろう。中には何が書いてあった?」
急に話を振られ、あたしの脈げ早くなるのを感じる。体が極度の緊張状態になる。
あたしが何も答えないでいるとヘルブレッタさん、いやヘルブレッタの瞳が急に鋭くなった。その時ヘルブレッタさんの背後からもう1人黒いフードコートの男が現れる。これで敵は全部で6人…
「ヨクヤリマシタネ、ヘルブレッタ。アナタノオカゲデ、カレヲタブラカシタオンナヲシマツデキマス」
ヘルブレッタの背後から現れた気味の悪い声に一同の視線があたしに集まるのを感じた。
「あの女は例の件を知っている可能性はある、たが、ラズエルはおそらく知らない」
ヘルブレッタの言葉に黒フードの男の瞳が光ったように感じた。
「ヨシ、ヤレ」
黒のフードコートの男の一言で一斉に他の奴らがあたしに向かってくる。「やめろ!」っとラズエルが叫ぶ。
「いやああああ」
その異様な光景にあたしは悲鳴をあげる。しかし刹那、少し離れた場所で眩い光が弾けた。
第13話『再会は光か闇か』 完
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