鬼滅の刃ー彼岸の剣士—   作:キモ傘

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ここまで何も考えずに書いてる小説は初めてです


育手

 明さんと歩き近くの町に向かう途中、俺達は夜明けを見た。

 朝日を見てやっと生き延びたのだという実感を持つ事ができ、情けない話だが涙を流してしまった。隣の明さんはそんな僕を見ても何も言わず、僕の涙が治るのを待っていてくれていた。優しい眼差しで。

 

「もう大丈夫です、行きましょう」

 

 回復した俺は明さんにそう言うと、先導して町へと歩き始めた。

 町までは意外と距離があり、その間は今度は俺の話を明さんにした。といっても、明さんの話と比べるとしょぼくなってしまうけど。

 俺は母と父を鬼に殺され、姉と二人だけになってしまった。そんな中で俺と姉は育手の人の元で修行を積み、無事に最終選抜を生き抜いて鬼殺隊となったのだ。

 正直な所、姉には鬼殺隊には入って欲しくなかった。姉には……平和の中で暮らして欲しかった。

 だが、入ってしまったら仕方ない。二人で全力で生き抜くだけだ。とか言っときながら今回死ぬところだったわけだけど。

 そこでふと気がついた。明さんが鬼殺隊に入ってくれれば、あの力を貸してくれれば、鬼殺隊にかなりの戦力が入る事になる。

 思いついたなら、後は実行に移すだけだ、

 

「明さん。単刀直入に言います。鬼殺隊に入ってください」

 

 俺がそれを言ったのは、町がもうすぐそこに来た時だった。

 

「済まないが、それは出来ない」

 

 この答えは、予想できた。

 明さんの目的は、雅を殺す事。そして、吸血鬼を撲滅させる事だ。

 鬼殺しは……それに含まれていないだろう。

 だが、まだ交渉は終わっていなかった。

 

「“呼吸”という技術を知っていますか?」

「呼吸? 普通に、俺が今している様な物か?」

 

 勿論違う。

 

「“呼吸”とは、簡単に言うなら身体能力の強化です。特殊な"呼吸"を行う事で、本来よりもかなり高い身体能力を得る事が出来ます」

 

 明さんは、俺の話を興味深そうに聞いていた。当たり前だろう。雅を倒すためのかなりの助力となる可能性のある話なのだから。

 

「俺でも、超人的な身体能力を持つ鬼と戦う事が出来るくらいには強化されます」

 

 なるほど、と明さんはうなずく。その顔は、すでにこの話に興味を持ち始めていた。

 

「呼吸は鬼殺隊でなければ使えません。そこで明さん。もう一度お願いします。鬼殺隊に入ってください」

 

 明さんは少し考える素振りをした後

 

「まあ、元の世界に戻る方法はまだ分からないからな。それまでの間なら良い」

 

 やった、と心の中でガッツポーズをとる。今後も明さんと行動を共にできたら良いが……まあそこは大丈夫だろう。

 

「では町に入りましょう」

 

 鬼殺隊に入る前に育手と会わなければいけないが、それはどうすれば良いのか。それを明さんに話していないことに、俺は気付かなかった。

 町に入り、宿をとった俺達は、町を散策し始めた。と言っても、俺は何度か来たことがあるので明さんに紹介、と言った感じだが。

 

「鬼殺隊に入るって決めたは良いが、どうするんだ?」

「そうですね。一度……」

 

 そこで俺は、不思議な男を道で見た。

 天狗面をつけ、水色の着物を着ている男が、そこにはいた。

 その男は、音もなくこちらに近づくと

 

「この男が、件の男か」

 

 明さんを見つめてそう言った。

 

「だ、誰ですか?」

 

 俺がそう聞くと、お面の男は俺を無視して明さんに告げた。

 

「激しい怒りを内に秘めている。なるほど、お館様が直々に儂に命じたのも理解できる」

 

 お面の男はお面を外す事なく、明さんをジッと見続けた。……いま、お館様と言ったか? 

 お館様。鬼殺隊の頂点に立つ人。そんな人から直々に命じられるなんてこの人は一体何者だ? 

 

「儂の名は鱗滝左近次。お前に水の呼吸を教えてやろう。勿論お前がその気ならば、だが」

 

 育手……だと。

 なぜ、どうして、よりも先に衝撃がやってくる。

 ちょうど良いところにいてくれて良かったが、本当になんでいるんだ。というか、なんで明さんのことを知っているんだ。

 色々と聞きたい事はあったが、明さんが口を開いたので何も言わなかった。何も言えなかった。

 

「ハ、願ってもいない話だな。丁度その話をしていた所だ。その話請けよう」

 

 明さんの言葉を聞いた鱗滝さんは、ついて来い、というと町を出ようとし始めた。明さんはそれについていく。

 俺は、一瞬だけ明さんを呼び止めて、なけなしだが金を渡した。

 ほんの少し、本当に少しだけだが、助けてくれた礼をしたかったのだ。

 明さんは一瞬俺を申し訳なさそうに見たが、すぐにありがとう、といい金を胸元にしまい、鱗滝さんの後を追った。

 ……本当に不思議な人だ、明さんは。強いのに、あんなに親しみやすい人は初めて見た。

 家に帰ったら姉にこの話をしてやろう、と意気込み、俺は宿へと向かった。布団に潜り込むと、疲れが一気に飛び出す。

ウトウトしながら俺は、明さんの無事を祈っていた。




擬音少なかったな。後展開訳わからなかったな。
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