いいんです。期待してなかったし。
合格率は落ちたけど。
「ばぁ~~~!」
「うわぁーっ!」
「フフフフ·········いい具合に驚かせれた·····」
私の気分はすこぶるよかった。
何故か?
あの恐ろしい東風谷早苗にもう五日間会ってないからさ!
あの日人里で攻撃されて夕方目覚めてから私は二日間引きこもった。
引きこもったが!私は勇気を振り絞り外に飛び出した。
初めは怖かった。あぁ、怖かったよ。
でも、それからずっと私はあいつに会ってない!
あれは運が悪かっただけだったのさ!
私は立ち直った。
それから私は毎日人を驚かせている。
今日は夜に人里の近くの道だ。
今、若い男を驚かせた。
悲鳴をあげながら無様に逃げていった。
叫びながら逃げていくのはすごくいい。
気分もいいし、実際存在するのには十分な量のエネルギーだ。
さて、もう帰ってもいいけど調子がいいから次のやつが来るのを待とう
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《2時間後》
「こ、来ない··················」
どれくらい待っただろうか。
もう大分待ってるけど誰も来ない。
もう今夜は人が来ないんじゃないか·············?
そう思っていた矢先、物音が聞こえた。
それは足音のようで、もう少し先から誰かが歩いてきているようだ。
誰か?
わからない。人間のことなんか知らない。
知ってるやつなんて少数だ。
だからどうでもよかった。
問題はない。
あとは、驚かすのみ。
私は息を潜めた。
一秒一秒が何故か長かった。
そうして待っていると来た。
行け!
私は飛び出した。
「当たって砕けろうらめしやー!」
どんなやつだ?暗いせいかあまり見えない。
私は振り返った。どうでもよかったから逃げようとした。
まぁ、いいや。あとは逃げるだけだろう。
そう考えていると、言葉が私を引き留めた。
「あなたあの傘の妖怪ですか···········?」
背筋がぞっとした。
引き留めたとは言うべきではないかもしれない。
固まってしまったという感じだ。
この声。あの声だ。若い、女の声。少し高い声。
東風谷早苗の声。
私は振り替えれなかった。
誰かが分かってしまったから。
逃げようとしたが恐怖のせいか体が硬直してしまっていた。
体が動かない。石のように動かない。自分のものじゃないみたいだ。
どうにか動かそうと頑張っていると、その足音が私の前に来た。
さっきは見えなかったのに今は見える。
やはりその正体は東風谷早苗だった。
私は息を止めてしまいたかった。
もう意識が途切れて欲しかった。
恐怖を味わうくらいならその方が良かった。
「ごめんなさい·········」
最早期待などしていなかった。
どうせ許されない。期待するだけ無駄だ。
私が絶望していると彼女は言った。
私はその言葉を予想できた。
あぁ、きっとあの言葉を発するんだなと。
理解していた。
そして彼女はその言葉を予想通りに言った。
「絶対に許早苗」
あぁ、分かっていたよ。
きっとそうだと。
きっと私は許されない運命なんだろう···········。
もういいや·············諦めよう。
頭に鈍い痛みが走った。
また攻撃されたのだろう。
私は慣れてしまったのか気絶する寸前に少し考えられるようになっていた。
しかし、そんな時間はいらなかった。一瞬で気絶する方が良かった。
しかし、私はその一瞬で考えた。
『運命は怖いもんだなぁ········』
と。
明日受験です。優しい人は応援してください。