艦長からの許可を得てマクロス・スフィアを離れたガイアは、相沢と共にある場所へ向かっていた。
「相沢さんが『星間企業体 ケイオス』の元社員だったとは知りませんでした」
「まあ、俺が誰かに話したことは無かったし在籍したのは1年半だから、向こうの記録にもあまり残ってないんじゃないか。恐らく事務所の社長くらいしか知らないと思う」
「…でどこに向かうのよ」
「…なんで付いてきたんだ。天」
「興味があるからよ」
「『ケイオス』ってあちこちの銀河に拠点を持つ一大企業だけど、お前が興味を持つような事業なんて」
「『戦術音楽ユニット ワルキューレ』。彼女達をプロデュースした企業よ」
「『ワルキューレ』…。バールシンドロームの鎮静化に多大な貢献をしたって言うあのアイドルグループか」
「そうよ。そして私の予想が正しければ、行き先は」
「天ちゃんご明察。『惑星 ラグナ』だ」
「やっぱり。『ワルキューレ』の拠点だった『ラグナ』ね。これは私が更に魅力的なアイドルになるのに間違いなく役に立つわ」
(ケイオスか…ここに、俺の進むべき道のヒントが)
ラグナの宇宙港に到着した3人を、1人の女性が出迎えた。
「初めて、ケイオス・ラグナ支部で芸能部門マネジメントリーダーをしています。『カナメ・バッカニア』です。貴方の案内をさせて頂きます。よろしくね」
「お久しぶりです。カナメ先生」
「本当に相沢くんなのね。元気にしてた」
「お二人は知り合いなんですか」
「カナメ先生は、俺が芸能部門に入社した時から一人前になるまで指導してくれた方だ」
「懐かしいわね。相沢くん優秀なんだけど、どこか抜けてて指導が大変だったわ」
「先生その話しは蒸し返さないでください」
「ゴメンゴメン」
「お逢い出来て光栄です。カナメ・バッカニアさん」
「貴女が雲間天さんね、活躍はよく耳にしてるわ」
(カナメさんって有名人なんですか)
(カナメ先生は『ワルキューレ』の初代リーダーだった方だ)
「この人がワルキューレの初代リーダー」
思わず声を張り上げたガイア。周囲の人が反応し押し寄せてくる。
「カナメさん。サインください」
「私も」
1人1人に丁寧に応対するカナメ。
「ガイアのせいでだいぶ時間押しちゃったじゃない」
「すみません」
「気にしないで…」
「カナメ先生どうかしましたか」
「有り難いなって。私がワルキューレで活動していたのはもう30年くらい前なのに、今でもこうして私のことを覚えていてくれるファンの人達がいるのって、私は幸せ者だわ」
「カナメさん…」
(この容姿で年齢は50代なんだぜカナメ先生は)
(そうなんですか…)
「相沢くん。なにか言った」
「いえ。なにも」
「そう…。まあいいわ、案内するのでついてきてください」
ラグナの町をカナメに案内されながら、目的地にたどり着いた3人。
「えっと、ガイア・ウッドロードくんは」
「俺です」
「ちょっと待っててね、担当の人を呼んでくるから。雲間さんと相沢くんは私についてきて」
「じゃあガイア。健闘を祈っているよ」
3人は奥の方へ進んで行った。
(俺の担当どんな人なんだろう。関係者ってことはやはり軍事部門の人なのかな…)
「貴方が、ガイア・ウッドロードさんですか」
「はい」
そこには、紫の髪をした地球人とゼントラーディー人のハーフの女性が立っていた。