マクロスT   作:naomi

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第8話 選んだ道

「レーダーに反応。オリオン銀河皇国のバルキリー部隊です」

 

「遂に見つかったか、コニー大尉に発進準備を急がせろ」

 

マクロス・スフィアはガイア達が惑星ラグナに出発してから二月あらゆる手段を使いオリオン銀河皇国から姿を隠していたが、遂に見つかった。

 

「お前ら、志願してくれてありがとう。いいかバルキリーの乗り方を教えただけだ。お前達はただマクロス・スフィアの周囲を飛び回って数を誤魔化してくれればいい。ひたすら飛んで逃げ回れ。いいな」

 

「はい」

 

マクロス・スフィアからバルキリーが4機出撃する。

 

(志願兵募って囮として使う…我ながら最低な作戦だ)

 

 

「マリス様。マクロス・スフィアからバルキリーの出撃を確認、4機です」

 

「各機散開。常にスリーマンセル…最低限でもツーマンセルで各バルキリーを追い込み撃破だ。その後敵艦をやる」

 

「了解」

 

(くそ挟み撃ちか、これではあいつらの援護に行けない)

 

数々の戦場を潜り抜けてきたコニーだが3対1の状況では自分を守ることで精一杯であった。

 

(このバルキリー。反撃する気はないのか…)

 

「マリス様。戦列を離れてどちらへ」

 

「私は敵艦をやる。お前達でそのバルキリーを仕留めろ」

 

「ですが…」

 

「そのくらいの相手ならお前達でも充分やれると判断した。どうだ」

 

「やってやります。マリス様の期待にお応えしてみせます」

 

「よく言った。あとは頼む」

 

「敵バルキリー1機。急速に本艦に接近」

 

「全砲門を集中し撃ち落とせ」

 

(まさかもう悟られたのか)

 

(このままではマクロス・スフィアが)

 

敵に囲まれ身動きのとれないコニー。

 

「隊長助けてください。隊長」

 

「スフィア3落ちつけ、振り切れ」

 

コニーの目の前で爆散するバルキリー。

 

「ちくしょう、よくもナイルを」

 

「スフィア1やめろ。攻撃するな」

 

「このこのこの…かっ囲まれた。うゎー」

 

「スフィア1ー。…ちくしょうがスフィア2いいか、絶対に手を出すなひたすら逃げまわれ」

 

「でも隊長。燃料が残り僅かです」

 

「なんだと」(実戦経験のない素人がいきなり戦場を飛んでるんだ。必要以上に燃料を使ってしまったか)

 

「スフィア2。マクロス・スフィアの付近にある岩陰に身を隠せ」

 

「そんなことしたら全機隊長に」

 

「死にたくねーなら黙って従え。バカヤロー」

 

あさっての方向に飛ぶスフィア2。敵前逃亡と判断した追ってのバルキリー達は標的をコニーに変えた。

 

(総勢11機…遂に俺も終いかな)

 

コニーを追っていたバルキリーが2機撃ち落とされる。

 

「なんだ」

 

「どこから」

 

(コードVF-31ジークフリート…まさか)

 

「こちらケイオス・ラグナ支部所属。ミラージュ・ファリーナ・ジーナス。マクロス・スフィアからの救援要請を受け援護に来ました」

 

「こちら、新統合軍直属第133次長距離移民船団サークル船団旗艦マクロス・スフィア所属スフィア小隊隊長コニー・マカロニ大尉。援護感謝する。あいにくなんだが旗艦であるマクロス・スフィアが敵バルキリーに標的にされているそちらの援護に向かってくれ」

 

「大丈夫です。そちらは彼らが向かいました」

 

「彼ら…」

 

「艦長。ピンポイントバリアダメージ甚大これ以上は持ちません」

 

「総員。衝撃に備えよ」

 

(9時方向から攻撃…)

 

マリスはマクロス・スフィアから距離をとり攻撃を交わす。

 

「急速に接近するバルキリーが1機。本艦所属ではありませんがパイロットシグナルに該当者…」

 

「帰ってきたか」

 

「こちらケイオス所属ガイア・ウッドロード。旗艦を援護する」

 

「それが。貴様の見い出した答えか」

 

「俺は新統合軍はもう信用出来ません。これからの出来事は自分で考え、自分で決めます。そして自分は今マクロス・スフィアとの専属契約を交わしたいと思います」

 

「ふん青二才が…。契約期間はオリオン銀河皇国との紛争が終結するまで。どうだ」

 

「交渉成立。これより正式にマクロス・スフィアの所属機として援護する。あと1機輸送船の保護を要請する」

 

「好きにしろ」

 

「ありがとうございます。艦長」

 

敵バルキリーに向かい飛び立つガイアのVF-31カイロス

 

(VF-31カイロス…確か星間企業体ケイオスに配備されていたバルキリー)

 

ガイアとマリスのドックファイトが始まる。

 

「こいつ、動きを読んでいるのか全然当たる気がしない」

 

(悪くはないが、俺の予測の範囲内で対処出来るか…マクロス・スフィアから歌だと。まさか)

 

「この声は…彼女も帰ってきたか」

 

(さぁ、見せてあげなさい。貴女の歌に対する想いを)

 

マクロス・スフィアに設営されているステージにあの歌姫が戻ってきた。

 

「私の歌よ…皆に…届けーーー」

 

雲間天によるライブ。艦内のモニターにも映し出され、絶望の淵に立たされていたマクロス・スフィアに残された人々は、自然と笑みが溢れ始めた。

 

(機体性能が雲間天の歌で向上してるがこれは…この前と比べると段違いだ。この機体ポテンシャルなら切り抜けれる)

 

(VF-33コスモスは『歌の力』をバルキリーに引き立たせるために予め機体内部に『メロディーコア』と呼ばれる装置が内蔵されているから機体性能向上はわかる。しかしVF-31ジークフリートやカイロスが開発された頃は『メロディーコア』は内蔵されていないはず。しかも機体性能の向上の仕方がVF-33コスモス以上だと…)

 

「あのジークフリートは特別仕様なのです。ガイル艦長」

 

「貴女は」

 

「雲間天の専属マネージャーに着任しました。ケイオス芸能部門のカナメ・バッカニアです」

 

「カナメさん…特別仕様とは」

 

「あの機体はVF-31ジークフリートW及びカイロスW。今の最新鋭機に合わせ改良した機体です。『メロディーコア』内蔵は勿論のこと、かつて歌姫達と共に戦ったとある小隊の記録をもとにケイオスラグナ支部が独自開発した『歌の力を最大限反映』出来る機体となります」

 

「ラグナ支部独自開発…確かにそのようなバルキリーも開発出来そうですな」

 

(この歌に吊られてか、このバルキリーの動きが格段とよくなった)

 

「マリス様。敵機体が急に反抗を我が部隊の半数が撃墜されました」

 

「そうか…撤退だ」

 

「撤退ですか」

 

「恐らく敵は皇女殿下のような『歌に力を込められる』人間を手にしている」

 

「この嫌悪感のする歌声はやつらの…」

 

「左様。しかし我々は今皇女殿下のお力をお借り出来ない。このままでは機体性能に圧倒され壊滅も時間の問題だ。無意味に血を流す必要は無い。退くぞ態勢を立て直す」

 

「敵バルキリー部隊の撤退を確認」

 

「なんとか…生き残ったか、助かりましたカナメさん」

 

「いえ。それでですねガイル艦長。ガイアくん同様、私カナメ・バッカニア及びもう1人ミラージュ・ファリーナ・ジーナスもオリオン銀河皇国との紛争の間お手伝いさせて頂けませんか」

 

「それはそれは大歓迎です。是非我々にをお貸しください」

 

「では、よろしくお願い致します」

 

こうしてマクロス・スフィアはケイオスから戦力を補充することに成功した。

 

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