ゲッターロボ大決戦! 早乙女達人編   作:Rakusai

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9.百鬼の脅威! 出撃、ゲッターロボ號

 恐竜帝国の壊滅と、新たなる敵である百鬼帝国との邂逅から三日。

 僕たちゲッターチームは、海岸線におけるメカザウルス残党の討伐とマシーンランドが崩壊した海域の調査を終えて研究所へ帰還していた。

 

「これは、ダメじゃな」

 

 格納庫の一角では、父さんが首を左右に振りながら灰色になったゲッター炉心を廃品送りにしている。

 それはゲッターロボGに使用されていた炉心で、シャインスパークの使用に耐えられず機能停止に追い込まれた物だった。

 

「父さん、Gの炉心は?」

「おお、達人。見ての通りじゃよ。シャインスパークを使うのなら、やはり炉心の設計は見直さねばならん」

 

 それを聞いて、僕らは親子そろって難しい顔をする。

 この三日で百鬼帝国に目立った動きは見られないものの、その予兆と思われる小さな報告はすでに届き始めていた。

 この情勢で強力な戦力となるゲッターロボGを遊ばせておくわけにはいかず、かといって不安定なまま予備の炉心を搭載するわけにもいかない。

 

「それじゃあ、予定通りに?」

「うむ。橘の提案に乗ることにした。早乙女研究所並びにゲッターチームは、橘研究所と同じくNISAR(ネイサー)に所属することになる」

 

 NISAR=新国際スーパーロボット同盟会議は、元々各国の軍・研究所の技術交流を目的にした組織だ。

 これが恐竜帝国の出現に際して軍事を含む協定を加えたものへと発展、昨日付けで百鬼帝国に対しても対応可能なようにシフトしていた。

 コレに参加することで僕や竜馬たちゲッターチームが国境を越えてゲッターロボを動かすことが可能となり、また補給等も受けられるようになる。

 

「では橘研究所でゲッター斬用の炉心をゲッターGに移植。以降はNISARの指揮下に入ります」

「こちらはG型炉心をシャインスパークに耐えるよう、早急に作り直す。可能な限りサポートはするが実戦はお前たちが頼みだ。すまん」

「ゲッターロボGはシャインスパークなしでも十分に戦えるさ。"アレ"のこともあるんだから、老け込むには早いよ父さん」

 

 肩を落とした父さんに、僕はそう言って笑いかける。

 

「ふふふっ、そうだな。"アレ"のためにも戦いなど早く終わらせんといかんな。……死ぬなよ、達人」

 

 父さんが顔を上げるとともに、ガコンと音を立てて格納庫と外をつなぐ巨大な鉄扉が解放された。

 その先にある滑走路には、太陽光を浴びながら巨大な鉄のクジラが青いボディに太陽光を浴びて着陸するところだった。

 

 

 

ゲッターロボ大決戦! 早乙女達人編

 第九話:百鬼の脅威! 出撃、ゲッターロボ號

 

 

 

 北海道・橘研究所は、NISARの基地に隣接した日本のスーパーロボット研究開発の本拠地をなしていた。

 政治の干渉を避けるため民間の宇宙開発用という体裁で動いていた早乙女研究所よりも、より政治に寄った半官半民と言った具合の経営を行っている。

 メインとなるゲッター線研究の他、早乙女研究所でも導入しているBT-23の国内用への再設計や生産なども手がけていて自衛隊とも縁深い。

 ただしゲッターロボ開発に関して言えば、恐竜帝国との開戦まで動けないでいた。日本特有の軍事事情が足を引っ張った形である。

 

「ようこそ橘研究所へ。竜馬君、隼人君、弁慶君」

 

 超大型輸送機『クジラ』を使い、ゲッターロボGとゲッターゼロとともに北海道を訪れた僕たちを、橘博士は自ら出迎えてくれた。

 黒髪黒髭で父さん(早乙女博士)よりも若く見えるが実は同窓生であり、ともにゲッター線を発見し研究を発展させたパイオニアの一人でもある。

 下駄履きに白髪頭で髭も整えない我が父に比べると、ピッチリと整えた口髭と顎鬚が際立つダンディな外見だ。

 

「達人君も元気そうだな。早乙女のヤツは、まあ、心配せんでもいいか。どうせ研究漬けだろうからな」

「あはは……ご無沙汰しています橘博士。お元気そうでなによりです」

 

 で、まあ、その橘博士、僕にとっては大学時代の恩師に当たる方であり親子二代で縁がある。

 しかし橘研究所の設立と、僕が早乙女研究所の職員になってからは中々会う機会もなく、恐竜帝国の件があってからはなおさらとなっていた。

 

「よお、あんた等が早乙女研究所のゲッターチームだってな?」

 

 『クジラ』に残る隼人と弁慶を置いて橘博士に連れられて研究所に入ると、僕たちは黒髪を短く刈った青いパイロットスーツの青年に声をかけられた。

 青年は、口調こそ平然とした雰囲気だが、その視線はひどく挑戦的であり突き刺すような鋭いまなざしをこちらに向けてきている。

 

「おお、號か! 紹介しよう、一文字號。橘研究所で開発された新型ゲッターロボのパイロットの一人だ」

 

 攻撃的な視線に竜馬の口角が上がりきる前、橘博士が割り込んだことで一触即発だった雰囲気が霧散する。

 博士自身はおそらく意識しての行動ではなかったようだが、それで竜馬も青年……號も、この場で"じゃれあう"のは諦めた様子だった。

 

「あー、まあ、そう言うこって、よろしく頼むぜセンパイ」

「おう、こっちこそだコウハイ」

 

 言って、竜馬と號はニタリと笑い合ってギリギリと音がなるような握手を交わす。仲が良さそうで何よりだ。

 互いにヘッヘッへと笑いながらけん制しあっているが、どうせその内に勝手に格付けチェックし合うのでここは放置でいい。

 

「おい、こら號! 勝手に先に行くんじゃあない! 挨拶は一緒に行くって話しだっただろ!」

 

 そんな時、通路の奥から大股で歩いて来た男がいた。ガッシリとした大柄の体格や顔つきからは、武蔵や弁慶を連想させる。

 男は號のものとは同じ意匠で色違いの緑色のパイロットスーツを着ており、號との関係性は一目瞭然だろう。

 

「お前らがのんびりしてんのが悪いんだよ」

「この野郎ぉ……っと、すみません、おれは大道剴。こっちの號(バカ)と同じで新型ゲッターのパイロットしてます」

 

 「元はメカニックなんですけどね」と続ける大道くん。

 なんでも訓練時に本来の担当のパイロットが乗れなくなった時、たまたま近くにいた彼が號の手でコクピットに放り込まれたのがきっかけとのこと。

 ところが"乗れなくなった"パイロットがそのまま転属してしまったので、大道くんが専属になったと橘博士が補足してくれた。

 ……ところで橘博士は真面目で温厚で常識的ではあるが、うちの父さんと長年付き合えている男である。

 正規パイロットの人は何で転属しちゃったんですかねとか、そう言う問いはあるが、その、なんだ、うん。

 

「剴も、ブリーフィングルームの準備を私に任せて行くんじゃない……遅れました、橘翔です。他二名と同じく新型ゲッターの操縦を担当します」

 

 最後に現れたのは、赤いパイロットスーツを着た少し癖のある髪を長く伸ばした赤毛の女性だった。

 彼女……翔は、首を左右に振りながら號と大道くんに文句を言うと、チラリと僕の方を見て会釈をしてみせた。

 

「娘の翔だ。達人君とは久々になるかもしれんな」

「はーん、女っ気がねえと思ってたけど、達人さんも……いって!」

 

 僕はニヤニヤと笑う竜馬の後ろ頭を叩いて黙らせると、翔に向かって「久しぶり」と挨拶を返す。

 早乙女家と橘家は家族ぐるみの付き合いをしていて、翔はミチルと年が近いこともあって仲が良かったため僕にとっては妹分と言える相手だ。

 博士の言う通りここ何年かは顔を合わせてはいなかったが、季節の手紙をやり取りする程度の関係は続いていた。

 橘家と関わりが薄いのは年が離れている我が家の末っ子、元気くらいだろう。

 

「さて、こんなところで立ち話も何だ。奥へ行って今後の予定を話そう。茜たち斬チームも……」

 

 橘博士がそう言ってその場に集まった全員を促そうとしたその時、突如として爆発音と共に研究所全域に警報が鳴り響く。

 窓越しに外の様子を見れば、施設内の各所から黒煙が上がり研究所に向かってミサイルと思われる飛翔体が接近しているところだった。

 

「こちらエントランス、橘だ! 管制室、何が起きた!?」

「管制室です。周辺を警備中の船舶が何者かによって撃沈! 北方よりミサイル及び正体不明の飛来物多数!」

 

 最寄の通信機から周辺の情報が通達され、その場にいた面々の表情が険しくなる。

 正体不明とは言っているが、この情勢で橘研究所を襲撃するような相手に心当たりなど限られている。

 

「ちっ! 鬼の連中、ゲッターGが動けねえって時に来やがって!」

「へっ、それなら心配いらねえぜセンパイよ。オレたちが何とかしてやらぁ! 翔、剴、行くぜっ!」

「あ、おい、號! また勝手に!」

 

 イラついた様子の竜馬に、號はやや挑発的に言い捨てて駆け出していった。

 その後を大道くんが文句を言いながら追いかけ、翔はこちらに軽く一礼してからその後を追う。

 

「とにかく、僕らは安全な場所まで避難しよう。橘博士、すみませんが案内をお願いできますか?」

「うむ、ついて来たまえ」

 

 そうして橘博士の先導を受けながら、僕たちは先程の通信でやり取りをした橘研究所の管制室へと向かうのだった。

 

 

 

「状況は!?」

「橘博士! ご無事でなによりです。先程、ゲッター斬とゲッターゼロがスクランブル、北方から接近する敵に対して迎撃に出ています」

「ゼロのパイロットは隼人のヤツだな。くそっ、これなら俺もクジラに残ってりゃあよかったぜ」

 

 たどり着いた管制室では、大部屋に多数の職員が詰めて研究所防衛の補助を行っていた。

 外に面した強化ガラス製の窓の上には大型ディスプレイが設置され、そこには海上を飛ぶゲッター烈火とゲッターゼロの姿が映されていた。

 ディスプレイを見ると、竜馬の言葉通りにどうやらゼロには隼人が乗っているようだ。持ち込んだ武装は少ないが、隼人なら上手くやるだろう。

 

「號たちはどうした?」

「はい、新型ゲットマシンの最終調整を実施中です。ですが、その、機体コードが未設定でして……」

 

 號たちの担当らしい職員が、橘博士の質問に据付型のPCの一つを指し示しながら言う。

 なるほど、たしかにそこには本来示されているはずの機体の名前が入力されてはいなかった。

 

「なんだそりゃ、名無しのゲッターじゃ出撃できませんってか? ネオ・ゲッターでもニュー・ゲッターでもいいじゃねえかそんなもん」

 

 出撃できない状況に憮然とした表情で竜馬が言う。橘博士もそれにうなずき、職員は機体コードをネオゲッターと登録しようとした。

 その時である、新型ゲッターのゲットマシンから通信が割り込んできたのは。

 

「ちょっと待てよ! 俺たちのゲッターを、そんな適当な名前にされちゃあ困るぜ!」

 

 通信元はゲットマシン1号機の號で、その表情からはありありと不満が見て取れた。

 

「おい號、いまはそんな場合じゃないだろぉ?!」

「なんだと剴、テメエはいいのかよ! 大事なゲッターの名前を、行き当たりばったりで決められちまってよ?!」

「そ、そりゃあ、よくはないけどよぉ……」

 

 そこで状況が状況であるため號を諌めようとしたのは3号機の剴だったが、反論を受けて逆に黙り込んでしまった。

 後で聞いた話しによると、剴は新型ゲッターの開発当初からのスタッフで機体に並々ならぬ愛情を抱いているらしい。

 そんなわけで、この時も號の言葉に同意する部分があったのだろう。

 

「っだぁ! いいから早く出撃しやがれ! さもなきゃ俺と代われ!」

 

 とは言え、当然そんなことは知るはずもない竜馬は、確実に後半部の方が本音だろう声を怒り混じりに上げた。

 画面越しに、號と竜馬の鋭い視線が交差する。

 

「機体コード送信、ゲッターロボ號、ゲッターロボ翔、ゲッターロボ剴」

 

 そんな場の空気を打ち払ったのは、翔の2号機から送られてきた通信と問答無用の名称登録だった。

 ディスプレイには翔が口にした通り、號・翔・剴、三つのゲッターの名前が登録されていた。

 

「あ、ああー! てめ、翔! なんてことしやがる!」

「うるさいぞ號、そもそもゲッターの名前は三人で事前に決めていただろう。父さん、出撃の許可をお願いします」

「ふっ、よしゲッターロボ號、出撃せよ!」

 

 號と翔のやり取りに軽く頬を緩めた橘博士が、職員に指示を出して出撃を承認した。

 大型ディスプレイにはゲットマシン格納庫の様子が映し出され、青の1号機、赤の2号機、濃緑の3号機の各機が設置されたカタパルトが稼動する。

 

「くっそぅ、せっかくこの俺がビシッと名乗りを上げるつもりだったってのによ! この鬱憤は実戦で晴らしてやる! 行くぜっ! 翔、剴!」

 

 気勢を上げた號は、ゲットマシン1号機のバーニアを吹かしてカタパルトを作動させ、大空に向かって真っ先に飛び出していく。

 翔、剴のゲットマシンもそれに続き、三筋の飛行機雲が橘研究所の上空を駆け抜けた。

 

「博士、湖水内部に反応出現! 来ます!」

 

 そしてゲットマシンが出撃すると時を同じくして、橘研究所に隣接する湖の湖底から人型に角という共通の特徴をもったロボットが出現した。

 湖は海とつながっている汽水湖のため、海底を通って通って侵入してきたと思われる。空中の敵を迎撃に出たゲッター斬は無視された形だ。

 出現したのはブライが呼称していた百鬼メカと総称される百鬼帝国の兵器であり、筋肉質のフォルムをした一本角のメカだ。

 

「敵機確認、メカ一角鬼! 数、5!」

「「「了解!」」」

 

 ゲットマシンから號たちの返事が届き、空中から急降下した三機の航空機が百鬼メカの集団に攻撃を仕掛けた。

 しかしゲットマシンの機関砲では、見るからに重装甲である一角鬼に対して有効なダメージを与えられていないらしい。

 

「ちっ、やっぱこのままじゃダメか。剴、まずはお前に任せんぞ! へまするなよ!」

「分かってるよ! チェンジ、ゲッター剴!」

 

 埒があかないとみたのは戦っている號たちも同様だったのだろう、通信越しのやり取りに続いて三機のゲットマシンが弧を描いて上昇する。

 そうして三つの機影が重なり形を成そうとする時、メカ一角鬼たちがその頭部から一斉に光線を撃ち放つ。

 合体の瞬間を狙っての攻撃をが過ぎ去ると、空中から湖面に向かって巨大な影が落下して盛大な水柱を立てる。

 落着点に対してジワジワと距離を狭める一角鬼軍団。

 

「ハープーンキャノン!」

 

 そして、水煙の向こうから百鬼メカを出迎えたのは、合体したゲッター剴の下半身部から射出された金属アンカーによる洗礼だった。

 ゲッター剴はいわゆるゲッター3タイプの機体であるが、その下半身部分に搭載された砲身から戦車的なイメージを強く受ける。

 その砲身から射出されたアンカーは一角鬼の内、前衛に立っていた二機の装甲を貫くと、接続されたワイヤーをギャリギャリと巻き取っていった。

 

「うぉぉぉりゃあ!!」

 

 完全に巻き取られたアンカーにつながれた一角鬼の頭部を、ゲッター剴の巨大な手ががしりと掴み上げる。

 グシャリ。

 硬質な装甲をものともせず一角鬼の頭部が砕け散り、そのまま湖底に叩きつけられると残った部分も爆発の中に消えた。

 

「オープンゲットォ!」

 

 爆風の巻き起こす水飛沫の中から、ゲットマシンが飛び出して合体する。

 

「チェンジゲッター、翔!」

 

 現れたのは女性的な特徴を持った赤のゲッターロボ。

 全体的なフォルムと腕部のドリルから明らかな通りゲッター2系列の機体であるが、その速度は陸上ではなく空に置いて発揮された。

 百鬼メカの迎撃をすり抜けて音速で飛んだゲッター翔は、その腕からワイヤーを射出して二体の一角鬼を絡め取っていく。

 

「ストリング、アタック! ブレストボンバー!」

 

 足元に絡めたワイヤーによって転倒した一角鬼に、ゲッター翔の胸部に搭載された大型ミサイルが発射された。

 ミサイルは敵機に着弾するとそのサイズに見合った破壊力を発揮して、メカ一角鬼を破壊してみせる。

 

「オープンゲット!」

 

 そして残る一体からの追撃を回避すべく、ゲッター翔は分離して空を舞う。

 数の利を失った百鬼メカは、ゲットマシンの動きに翻弄され三機は悠々とした様子で再び一つになった。

 

「チェンジ、ゲッター號! んだよ、俺が余りもんかよ……」

 

 青い上半身に三又の角を持つゲッター號から、パイロットである號のぼやくようなセリフが聞こえてきた。

 しかし、それでやる気を失ったわけでもないらしく、色々と溜まっていた鬱憤を晴らすように苛烈に踊りかかっていく。

 

「レッグブレード!」

 

 まず放たれたのは強烈な連続蹴りであり、また脚部に仕込まれていたカッターが展開されて一角鬼の装甲を斬りつける。

 號は体勢を崩した相手に対して横合いから拳を一発。

 

「ナックルボンバー!」

 

 決め手は痛烈なアッパーカット。さらにはゲッター號の腕部に装備された、拳部分が伸び上がり威力を増すアームパンチ機構が作動する。

 ほぼ無防備の状態でそれを受けた一角鬼の首は高く飛び、湖にポチャリと落ちて沈んでいった。

 その間にもゲッター號は、なおも動こうとする一角鬼の首から下の部位に蹴りを叩き込んで完全に沈黙させていた。

 

「コウハイのやつ、中々やるじゃねえか。キックボクシング、でもねえな。ありゃあ"なんでもあり"のごちゃ混ぜで戦ってきた動きだぜ」

 

 號たちの一連の戦闘を見ていた竜馬は、その戦いぶりに機嫌を持ち直していた。

 どうやら荒っぽい格闘戦を展開した號については特に気に入った様子で、後でやる予定の『レクリエーション』について考えているようだ。

 僕も巻き込まれかねないので、その時は潔く諦めて全力で抵抗しようかと思う。最近は鈍りがちだったので、丁度いいかもしれない。

 

「號、翔、剴、ご苦労だった。初めての実戦で疲れただろう、いったん補給に戻って休んでくれ」

「博士よぉ、俺はものたりねえぜ。一匹ぶっ潰して終わりじゃ、ふかんぜんねんしょーってヤツ。もうちょっと手ごたえも欲しかったぜ」

 

 そんな號の不満に応じたわけではないのだろうが、研究所内に再び大きな警報が響き渡った。

 発信源は湖底。どうやら再び海底を通じて侵入してきたらしい敵がいるようだ。

 

「號、たったいま研究所のセンサーが敵をキャッチした。だが反応が今までのものよりもかなり大きい、注意してくれ」

「へっへ、言って見るもんだ。博士、心配しなくても大丈夫だぜ、ちょうど腹減ってた気分だったんだ、大物だったらむしろ歓迎ってな」

 

 来る敵を待ち構えるゲッター號の目前で、湖面が大きく波立ち咆哮が空に響く。

 新たに出現した敵の姿、それは巨大な竜の形をしていたのである。

 

 

 

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