かみゅキャン△ ── Camus Canp ── 作:Towelie
緑に囲まれたトンネルの中で白い煙が天井に伸びている、その下を囲むように少女達は座り込んでいた。
先ほどまで無邪気にはしゃぎ回っていたのに、今はただ焚き火の前で何かを考えているかのように黙っていた。
漆黒の夜に覆われた緑の木々の中、焚き火で暖を取っている。
初夏の六月でもそれほど違和感のない光景かもしれない。
けれどもこれは本物の夜なのか、それとも嘘なのか、何も分からないのだ。
焼くような炎の熱さや、じっとりとした雨の冷たさを感覚で理解出来るのに、常闇の夜の寒さを感じたことはなかった。
いくら初夏といっても夜になれば相応に気温は下がるのに、それを意識出来たことは一度としてなかった。
そしてそれを口にするものも誰も居なかったのだ。
銀の箱の中で静かにそして時折ぱちぱちを音を立てながら燃えている生命そのもののような真っ赤な炎。
だれも言葉を発しない。
この世のすべてから疲れたように赤い炎だけをじっと見つめていた。
箱の中の焚き木が熱で割れて、パキッと小気味よい音が耳に響く。
微粒な火の粉が飛翔し、一瞬だけの美しい花が瞳を楽しませた。
それを見た少女はそれまで使っていたはずの言語を思い出したかのように、ぼんやりと口を開いた。
「あ、クラムボンだ」
「クラムボン?」
何処かで聴いたことのある単語だったのでリンは聞き返す。
確か小学校の授業で習ったことのあるあの”クラムボン”の事だろうか。
でも何故に今言い出してきたのか。
「なんか火の玉とかそういうの見てると、あ。”クラムボン”って感じがしちゃうんだよねぇ……」
そういうホラー系が苦手なはずのなでしこが、自分から火の玉と言い出したことに少し疑問に感じていた。
(でも火の玉はそうそう見ないとおもうが)
「あっ、でも分かるなあ。言葉の響きから、なんか丸い玉のような物を連想しちゃうよねぇ」
「そうそう、”かぷかぷわらったよ”なんて書いてあるとすごく可愛い感じがするもんね」
燐も蛍も同じ意見の様だった。
二人共、小説や童話が好きだったので、それだけで時間を忘れたかのようにいつまでも語り続けることが出来るほどだった。
「でも……その後、結構残酷な展開になるんだよね」
リンも図書委員を務める程なので、ジャンルを問わず本には割とうるさいほうである。
ソロキャンプする理由だって、”静かに読書を嗜みたい”が主目的なのだから。
「えっ! どうなるの? この後まだお話続くのっ?」
興味津々のなでしこが身を乗り出して聞いてくる。
その顔は本当に知らないようであったので、他の三人のほうが驚いていた。
「言いだしっぺなのにマジで知らないのか……?」
リンは眉根を寄せて訝しげな表情を見せる。
「確か小学校の教科書だと冒頭までしか書いてないんじゃなかった? わたしの学校の教科書はそんな気がしたよ」
蛍が小さい頃の記憶を一つ一つ思い出すようにとつとつと話した。
話の全文を知ったのは中学校に挙がった頃のような気がしていた。
「まあ、あんまりいい表現じゃないから仕方ないかもね」
「そうだよね」
燐とリンは顔を見合わせて苦笑いをする。
小学校の教材にしては確かに似つかわしくない表現だったが、言葉の響きの良さ、所謂”オノマトペ”的な理由で選ばれたのかもしれない。
「えー、知りたいなー。クラムボンってどうなっちゃうの? まさかしんじゃうとか?」
「うん。そのまさか」
なでしこの問いに燐はあっさりと答える。
この話題は小学校の時にしてたことを思い出して、不意に懐かしくなってきた。
「しかも
クラムボンの解釈は子供だけでなく大人も論議の対象としてるらしく、今日まで様々な意見は出ているが、どれも判然としないものだった。
知る必要がないと講釈している人がいるが、ある意味その通りなのかもしれない。
「うーん、クラムボンの謎は深まるばかりだねぃ……」
なでしこが腕を組んで考え込む仕草をみせる。
クラムボンの謎を解き明かしても特に何かあるわけでもないのだが。
「なんか、”やまなし”って今のわたしたちの状況にどことなく似てるよね」
「えっ、山梨!?」
なでしこは思わずリンの方を見た。
この中で生粋の山梨県民と言ったらリンだけなのだった、引っ越してきてない限りは。
「いや、その山梨じゃなくて! 確か……果物の方の梨だよ、野生の梨。そのクラムボンの話のタイトルは”やまなし”なんだよ」
山梨県民=リンと結び付けられるのは何か嫌な感じがしたので、少し口を尖らせて反論する。
「確か中国から来た梨のことだよね、”やまなし”。で、燐、似てるって?」
「うん。今のわたしたちの状況って、何も知らない川の底の蟹みたいだなーって思ってさ」
「水面上で起こってることは何も分からないのに、蟹のように横歩きしかできなくて。時折やってくる黒い影をカワセミと思って身を震わせて怯えてる、それでも目を逸らして横向きにしか歩けなくてさ、何だか滑稽に思えてきちゃったよ」
燐は自嘲気味に笑って、燃え盛る炎を見つめていた。
その炎の奥に映るものは、気持ちの離れた両親と、あの二匹の獣だった。
それらは燐を構成するものであったし、燐を苦しめているものでもあった。
「燐……」
蛍はそっと燐の手を握る。
焚き火の炎が燐の顔を赤く照らしているのに、その手はまるで氷のように冷たかった。
「でも、さ」
リンが急に大きな声で話したので、何事かと振り返る。
話の腰を折る形になったので、リンは謝罪して、言葉を続けた。
「あ、ごめんね。”やまなし”ってさ、蟹の親子が楽しみに待ってるじゃない、そのやまなしが落ちてくるのをさ。だから……希望はあると思うんだ、美味しく甘い希望がね」
リンも燐のもう片方の手を静かに握った。
こんなこと知り合ったばかりの子にいきなりするもの何だけど、今はしてあげたかったんだ、ただそれだけなんだ。
「蛍ちゃん、リンちゃん……」
燐は二人の顔を交互に見やる。
二人とも微笑んだままで、すべて分かってるかのように頷いてくれた。
すべて無くしたと思ってたけど、今はこんなに素敵な友達がいるんだ。
その想いだけでとても幸せだよ。
燐は二人に握られたままの手を自身の頬に寄せた。
温かい二人の間に包まれているようで顔がほころんでいく。
「ごめんね、変なこと言って、わたし色々弱ってるのかもね。でも、本当にありがとう」
「燐。わたしはずっと一緒にいるから、いつまでも一緒にいるよ」
蛍の決意は揺らぐことなかった。
むしろ燐への想いはどんどん強くなる、自覚できるほどにはっきりと。
「私も、燐ちゃんと一緒にいるよ」
リンはみんなとある約束を取り付けたかった。
その為にも四人で帰りたい、燐と蛍となでしこも一緒に。
三人は手を固く握り合った、お互いの体温は焚き木の火よりも暖かく、とても優しかった。
「……ま、また仲間外れになってるよぅぅ……私だって友達だよぉぉ~」
焚き火を挟んで反対側に一人座る少女──各務原なでしこはすっかりいじけていた。
(みんな仲良しさんでよかった、よかった……それにいつの間にかリンちゃんもちょっとコミュ障なぼっち少女じゃなくなってるし! ……ママ、寂しいけど嬉しいよっ!)
焚き火を挟んで明と暗が分かれていた。
なでしこ、いや、ママしこは遠い目をして成長したと思われるリンを見守る、その瞳は母性の様な感情で満ちあふれていた。
「やっぱり私の友はキミだけだよっ!」
なでしこはすっかり元のふわっと感になった富士山マスコットをきつく抱きしめる。
あまりに力を込めて抱きしめるので、再び平たい富士山になりそうだった。
「あ、そうだ。少し火の勢いが落ちてきたら、薪を足さないと。なでしこー」
リンが急に思いついたように、ぬいぐるみを抱きしめるなでしこに声を掛ける。
「な、なにっ?! り、リンちゃん!!」
すっかりいじけていたのだが、リンに声を掛けられるとぱっと顔を明るくした。
そうは言っててもやっぱり一人は寂しいんだよっ。
「それを火種にするからこっちに投げてくれないか?」
リンの指がなでしこの胸……にある富士山のぬいぐるみに注がれていた。
「うん、いいよ~~。それじゃあ投げるねぇ~……」
富士山のマスコットを片手に、上から放り投げる動作をみせたなでしこだったが……。
「あっ! だっ、だだだ、ダメダメダメっ!! これは私の心の友なんだからぜったいにダメだもん!!」
なでしこはリンから隠すように富士山ぬいぐるみを更に抱きしめた。
そのせいで更に押しつぶされて、火口の部分から綿が漏れそうになっていた。
「全くもう、油断も隙もあったもんじゃないよ、ね~? 富士山は悪い2号から絶対に守ってあげるからねん」
物言わぬ富士山ぬいぐるみに話しかけるなでしこ。
すっかりぬいぐるみだけが友達となっているメルヘン少女のようだった。
「やれやれ、すっかり嫌われたな」
リンが肩をすくめておどけた素振りを見せる。
そんな二人のやり取りが可笑しくて蛍も燐もくすくすと笑いだしてしまった。
「あ、そういえば!」
突然思い出したようになでしこが立ち上がる。
さっきから立ったり座ったりと忙しいメルヘン少女だった。
「どうしたのなでしこちゃん?」
さっきから挙動不審な、なでしこを気遣って蛍が声を掛ける。
リンはほっとけば良いのにという瞳を向けていたが、口にはしなかった。
「──お腹すいたよねぇ……」
その言葉には三人共絶句するしかなかった……。
富士山のマスコットも空腹を訴えるかのように、なでしこの胸の中でまた薄い煎餅のようになっている。
空腹ではメルヘンも何もあったものではないようだ。
しゅぼっ、とシングルバーナーの青白い火が小さな銀のテーブルの上に灯る。
その上に備え付けのクッカーを乗せて、燐から受け取ったペットボトルの水をそこにすべて注いていった。
後はお湯が沸くのをじっと待つだけだった。
「リンちゃんは色んな装備持ってるよね。ちゃんとバーナーも持ってきてたんだ。おかげで助かっちゃったよ」
感心したように燐がシングルバーナーと付属のクッカーを見つめていた。
小さいながらも風の影響を受けづらいそれは、登山家も愛用する程の一品であった。
青いドアの家でオオモト様が熱いお茶を入れてくれたが、あの家は電気だけでなくてガスも引いているのか、或いは家具はすべてオール電化なのかそれすらも分からない。
ただ今はこれのおかげでお湯が沸かせそうだった。
「ソロだと重宝するんだよねこれ……それに助かったのはこっちだよ。
リンがちらりと焚き火の方を見ると、なでしこが両手にカップ麺を持って、うんうんと唸っていた。
「どっちにしようかなぁ……カレーは大好きなんだけどシーフードも捨てがたいんだよねぇ……?」
どちらを食べるか悩んでいるらしく、二つを見比べて真剣に悩んでいるようだ。
その様子に苦笑いの蛍、こんなことで真剣に悩めるなでしこがなんか羨ましかった。
「う~、私じゃ決めがたいから蛍ちゃんが決めてっ! それに元々は蛍ちゃん家のものなんだからっ!!」
なでしこは両手に持ったカップ麺を蛍の前にずいっと差し出した。
更に困った顔をしてしまう蛍。
蛍の家のものと言われても実際にそれを持ってきたのは燐だったのだから。
燐はいざという時の為に菓子パンと共に、荒らされた台所で転がっていた未開封のカップ麺を二つ、バックに仕舞っておいたのだ。
ただ、食べるのにはお湯が居るし、それにそこまで食欲が湧かなかったことが今まで残っていた要因だった。
だからそのままカバンのなかで寝かせて置いていたのだけど。
けれど、こんな形で日の目を見るとは燐は思わなかった。
人数が増えるということは、それだけ食料が必要になることでもあったのだ。
「わたしはどっちでも良いから、なでしこちゃんが食べたい味にしていいよ」
実際のところ蛍は甘党であったので、必然的に辛いのは苦手だった。
けれど思い悩むほどに空腹を訴えるなでしこを見てると、何となく言い出せなくなってしまった。
それに、このカップ麺のカレー味はそれほど辛くないので、スープさえ飲まなければなんとかなりそうだった。
「……」
燐には蛍が遠慮していることは明白だったが、あえて何も言わず蛍の考えを尊重することにした。
それは蛍の無償の優しさを誰よりも知っていたからだった。
一方、クッカーの前でお湯が沸くのを見守っているリンはある妙案を思いついていた。
前に動画サイトで見た、カレーとシーフードのカップ麺を半分づつ混ぜて食べると違った味になって美味しい、というちょっと考えると眉唾ものの動画を思い出していた。
これならば取り合うことなく二つとも同じ味になるはずである。
いつか実践したいと思っていたのだが……今がその時なのかもしれない……。
──だが、奇怪な目で見られるのは間違いないだろう。
その証拠の動画もスマホが使えない今見せることは出来ないし、それになにより……。
(失敗したときが恐ろしいことになるな。一回も試したことないし……)
食べ物が貴重なときにやるもんじゃないネタだなこれ。
リンはそう思い直し、この件をみんなに提案するのを止めた。
我ながら懸命な判断だったと思う……ちょっと残念だが。
「うーん、じゃあシーフード! と見せかけてやっぱりカレーだぁぁ!!」
シーフード味のカップ麺を前に出したかと思うと、即引っ込めて右手に持ったカレー味を高らかに天井にかざした。
カップ麺の味を選ぶだけでここまで盛り上がる人間はそうそういないだろう。
(やっぱりカレーか。まあ、そんな気がしてたけどさ)
先ほどまでの自分の提案はさておいて、リンは少し呆れたような目で見つめていた。
でも、なでしこの決定には蛍は内心ほっとしていた。
確かにカレーを食べられないこともないがスープまで飲むのは些か大変だし、残したあげくに捨ててしまうには抵抗があったから。
シーフード味なら最後まで食べきることが出来そうだった。
(でも、もしかしたら、なでしこちゃん、気を遣ってくれたのかな?)
蛍はカップ麺を手に踊り出しているなでしこを見る。
こんな風に毎日を楽しく過ごせたら悩みなんて何もないのかもね、そう思いながら見つめていた。
ふと目が合うと、とてとてとこちらに近づいてきたなでしこは小声で話してきた。
「はい、蛍ちゃんと燐ちゃんの分。
なでしこはウィンクを決めると、そのままリンの元へ走っていった、そろそろお湯が沸いたに違いない。
(そっか、なでしこちゃん。元気のないわたしたちを気遣ってくれたんだね)
蛍はなでしこの細やかな優しさに心の中で感謝の意を唱えていた。
「「いただきます!」」
小さなテーブルに二つのカップ麺が置かれていた。
テーブルを挟んで二人づつ座り、その前にカップ麺が一つ置かれている。
二人分のフォークこそはあったが、取り皿も含めこれ以上は用意しなかった。
洗うのが面倒だったし、何より飲料水は残り一つだけだったのでこんなことで使いたくはない、それにいざ逃げる時に備えて余計な物は出したくなかった。
したがって一つのカップ麺を二人で交互に食べ合うことにしたのだ。
「はい、燐。先に食べてもいいよ。わたしは残ったのを少し貰えばいいから」
蛍が燐の前にカップ麺を置いて、先に食べることを勧めてきた。
シーフードラーメン特有の甘じょっぱい臭いが立ち込めてきて食欲をそそってくる。
その甘い臭いを振り切って燐は蛍にカップ麺をそのまま返した。
「ん、蛍ちゃんが先に食べてよ~。わたしこそ残り物で大丈夫だから、ね?」
以前の燐なら蛍に遠慮せずに食べていたかもしれない。
それは遠慮するとかえって蛍に余計な気を遣わせてしまうからだった。
でも今は少し違っていた。
蛍をとても大切に感じる、だからこそ蛍に何でもあげたくなった。
それこそこの身さえもすべて捧げるほどに。
そんな燐の想いを感じ取ったのか、少し真剣な眼差して蛍が見つめてきた。
でもすぐにニコッと笑うと、燐に直接カップ麺を手渡してくる。
「燐、遠慮しないで食べて。そしてまた元気な笑顔を見せて欲しいな。わたしはそれだけで充分こころ満たされるから」
燐の気持ちは痛いほどに分かっていた。
でも蛍にはどうしようもない、それは燐自身が決めることだから。
だからせめて燐には元気になって欲しかった、そうすればきっと燐なら大丈夫、そう蛍は信じていた。
「もー蛍ちゃんそんな健気なこと言わないでよ~。わたしとてもじゃないけど先に食べられないよ~」
そのまま蛍にお返しする燐。
蛍にそんなことを言われたら食べるどころじゃない。
「燐が食べて、ね」
再び燐の手に持たせる蛍。
「蛍ちゃんが先に食べてよ~」
燐も負けじと蛍に返した。
二人の間でカップ麺が行ったり来たりする。
その光景はなんとも奇妙なものであったが、ずっと見ていたいほどに微笑ましいものでもあった。
……麺がのびてしまうことを考慮しなければだが。
「……
そんな二人のやり取りをリンは微笑みながらも鑑賞していた。
仲のいい二人だとは思っているけど、何もこんなことでも発揮しなくてもねぇ。
呆れるやら羨ましいやらで複雑な気分だった。
「このままだと麺がのび切っちゃうよねえ? ん、なでしこ……?」
さっきからやけになでしこが大人しい、どうかしたのかとリンは隣で座っているはずのなでしこに目をやると……。
もっ、もっ、もっ。
なでしこが一心不乱にカップ麺に噛り付いていた。
麺を口いっぱいに頬張って、これでもかと言わんばかりにスープを啜っている。
リンなどまるで眼中にないぐらいに、カップ麺に食らいついていた。
「ちょ、おまっ! なに一人で食べまくってるんだ! ちゃんと私の分は残しておけとあれ程……」
リンはなでしこの手から強引にカップ麺を引きはがした。
そのスピードは、なでしこも目を丸くするほどの早業であった。
だが、一番驚いているのはカップ麺の中身を目にしたリンのほうだった……。
「ほ、殆ど食い終わってやがる……」
長細いカップ麺の容器の中には、全体の三分の一にも満たない黄色いスープと幾ばくかの麺の残りかすが残っているだけであった……。
「ねぇ、リンちゃん。食べた後でいいからちょっとだけ残り汁もちょうだい。最後にあれを飲まないと食べたって気がしないんだよねぃ!!」
ここまで食べたのにまだ要求をしてくるのか……。
これで残りのスープまであげたら、空の容器しか残らないじゃないか。
外でごはんを食べると三倍美味しくなるとの見解があるようだが、これは
カップ麺を握ったまま、目の前で起きたことに呆然自失となるリン。
それを見たなでしこはこれはチャンスとばかりにリンの手から再びカップ麺を奪って両手で持つと、そのままごくごくと一気にすべてを飲み干してしまっていた。
「ぷは~、この一杯がたまらんのですよ~!」
酒好きの顧問の先生のようなことをのたまうなでしこ。
結局一滴も残すことなくすべて自分の胃袋の中へと収めていた。
リンには再び何が起こったのか理解不能だった。
目の前の惨状を脳が理解してはくれなかったのだ。
だがなでしこは悪びれることなく言ってのけた。
「もう、リンちゃん要らないなら最初からそう言ってくれれば良いのにぃ。でもご馳走様でした。美味しかったよん!」
要らないなんて、そんなこと一言もいったことないのに……。
リンの中で怨嗟と混乱が巻き起り、もはや制御不能に陥っていた。
「なでしこ吐け、吐くんだ! 私の分のカレー麺を返せー!!」
あまり感情を露わにしないリンが珍しく憤っていた。
よほど食べたかったのだろう、目を真っ赤にして抗議していた。
「ぐえー、リンちゃんやめれぇ! カレー麺が鼻からでりゅぅよぉ!」
なでしこは肩をガタガタを揺さぶられて、目を丸くしている。
このままだとリンの言う通り、色々な場所から吐きだしかねなかった。
そんな二人の食い物にまつわる諍いがすぐ傍で起きていたのだが……。
すぐ隣の喧噪が耳に届いていないかのように二人だけの世界を作っていた。
「はい、燐。あ~ん」
「えー、本当にやるのぉ?」
蛍の手にはフォークが握られており、燐に食べさせるつもりのようだ。
「もう、さっきジャンケンで決めたじゃない。勝った燐から先に食べる約束でしょ?」
「だからって、自分で食べられるよぉ……」
蛍は事前の取り決めが合ったことを再確認する。
だが、燐は無性に恥ずかしくなり拒否している。
「だめだよ燐。ほら口を開けて……はい、あ~ん」
「もう蛍ちゃんって結構強引だよねぇ……あ、あ~ん?」
少し強い口調の蛍に尻込みしつつも、燐は素直に口を開けた。
口の中にフォークに巻かれたままのラーメンの麺が入れられて、それをもぐもぐと食べる。
恥ずかしさが勝って正直味は分からなかった。
「どう? 美味しい?」
「う、うん。美味しいよっ」
曖昧な返事をして燐はそれに答えた。
実際のところ麺はすでにのびきってっており、美味しいとか以前の問題なのだが、蛍のその気持ちだけはとても嬉しかった。
お腹はそれほど満足しなかったが、心がとても満たされた気はした。
「本当? なら良かった。じゃあほら、もう一回。あ~ん」
「え~、もういいよぉ。今度は蛍ちゃんにしてあげるよ」
こんなこと何度もやられたら気がどうにかなりそうなので、今度は蛍にしてあげようと促した。
それにこの麺を何度も食べるのは胃によろしくない気がしていたし。
「じゃあ、もう一回だけ、それで交代しよ?」
「う、うん。もう一回だけだからね」
蛍は燐に食べさせる行為がよほど嬉しいのか、再度それを勧めてきた。
蛍としてはなんとしても燐に元気になってほしいという強い願いがあるのだが、燐にはその想いだけで充分であった。
「はい燐。あ~んして」
「うっ……あ、あ~ん」
恥ずかしいので目を瞑って麺を口で再び受け止める。
味はともかくすでにのびているので、あまり食感は良くないが今更だった。
それでも外ごはん効果があるのか、割と美味しい気もするから不思議である。
「ありがとう蛍ちゃん。とっても美味しかったよ」
燐はなぜか顔を赤くして微笑んだ。
それは外ごはんとは関係なく、蛍の献身な気持ちが嬉しかったから。
(蛍ちゃんを食べてるみたい……とか言ったら怒られるね、きっと)
「そう、それなら良かった」
燐の気持ちのこもった感想に蛍はニッコリと微笑んだ。
だって燐の顔に嘘は微塵もなかったから、それが一番嬉しかったんだ。
「じゃあ今度は蛍ちゃんの番だね。あ……」
燐は蛍からフォークとカップ麺を受け取って中身を確認する。
すでにスープは全て吸っており、中には膨張した麺しか入っていなかったのだから。
「うん? どうしたの燐?」
「あ、ううん。なんでもないよ、それより蛍ちゃん。はい、あ~ん」
「うん、あ~ん」
燐もフォークに麺を絡めて蛍の口へと近づける。
正直に蛍にこんなものを食べさせていいのか迷ったが、いちおう自分も食べたので多分大丈夫だろう。
燐は覚悟を決めて蛍の可憐な口の中にフォークを差し入れた。
それをもぐもぐと疑うことなく食べてくれる蛍、なんだかとても愛おしくなってくる。
蛍もこういう感情を自分にもっていたのだろうか。
胸がきゅんと鳴った気がした。
(なんか餌付けしてるみたい……)
「だ、大丈夫蛍ちゃん。美味しくないでしょ?」
燐は思わず口を滑らせてしまっていた。
それは自身が思っていたことであったので、つい本音を零してしまっていたのだ。
だが、蛍は首を振って否定すると燐に笑顔で答える。
「ううん。すごく美味しかったよ。ありがとう燐」
ただ食べさせてあげただけなのにこんなに素敵な笑顔で言われたら、誰だって嬉しくなってしまうだろう。
それぐらいの笑顔で蛍は答えてくれたのだ。
すでにのびてしょっぱいはずの麺なのに。
「ど、どうする? まだ食べる?」
燐はいちおう蛍に聞いてみた。
このカップ麺をこれ以上食べさせることに一抹の罪悪感があったからだった。
「うん、お願い」
蛍は短く答えると、瞼を閉じて自ら口を開けていた。
蛍の無防備な口の中が全て見えて、なんだかいけないものを見ているような気がしてくる。
「じゃ、じゃあいくよ……」
燐はなぜかとても緊張していた。
手が小刻みに震えて、フォークが歯に当たらないか心配になってしまうほどに。
口に入ったことを察知したのか、蛍ははぐはぐとそれこそ上品に麺を頬張ってくれていた。
こういうところにこそお嬢様っぷりというものは出るものであると、燐はいたく感心していた。
「うふふ、ご馳走様でした。わたし燐が食べさせてくれたら、なんでも食べられそうかも? 今だったら生クリームもいけるかもね」
口をハンカチで丁寧に拭いた後、蛍は眩しい笑顔を向けていた。
その笑顔は燐だけにみせる特別なものであったから、すごく嬉しかった。
「もう、蛍ちゃんてば調子に乗り過ぎ~。でもちゃんと食べてもらえてよかった~」
燐としては蛍にちゃんと食べてもらえるだけで良かったのだ。
蛍のほうが食が細いのは承知してたが、この常闇の世界になってからは更に食べなくなっていたので密かに心配していたのだった。
「燐ってば心配しすぎだよ。さ、今度はまた燐が食べる番だからね」
「流石にもういいんじゃない? これだけで十分楽しんだんだし」
蛍と食べさせっこしあうのは正直楽しかったが、それのせいで麺はのびてスープもなくなってしまったわけで、燐としては遊びすぎな気がしていた。
「最後まで食べないとダメだよ。残してもゴミになっちゃうわけだしね」
「ま、まあそれはそうだけどぉ……」
蛍は基本自分が食べられる範囲でしか食事を採らないので、食べ残すなんてもっての外だった。
それはたとえ相手が燐であっても妥協しないようで、じりじりと詰め寄ってくる。
「わ、分かったからそんなに近づかなくてもいいよぅ、顔が近いよ蛍ちゃん」
「うふふ、燐が嫌がるなら口移しで食べさせてあげようかと思って……」
「ぎゃー! それだけはダメー!」
「えー。そんなに拒絶されるなんてなんかショックだなー。燐はわたしのこと嫌いなのかなぁ……」
寂しそうな口調で蛍がわざとらしくいじけた仕草を見せる。
燐もそれはわざとだと思っているのだが、それでも構わずにはいれなかった。
それだけ蛍の物寂しい様子はとても色っぽく映ったからだった。
「ごめんね蛍ちゃん、そうじゃないの。でもでもそんなことになったらすごく恥ずかしいし、それに……」
「それに?」
小首を傾げる蛍。
その様子もまた可愛らしいものだった。
「な、なんでもないっ。うー、じゃあ、普通に食べるから変な事はしないでね」
「燐、それって振りなの?」
「振りじゃないからっ!」
このまま話続けるのがとても恥ずかしかったから、燐は頼まれてもいないのに自ら瞼を閉じて三度口を開けた。
変な事をしないでと蛍に伝えたが、意識してしまっているのか心臓がどきどきして、息が荒くなっていくのは、意識しないことを意識しているからだ。
期待してる、わけじゃないはずだけど自然と物欲しそうな口の形になっていた。
期待感の混ざった仕草を見た蛍は燐に覚られないように、こっそりと微笑んだ。
(燐ってば、やっぱり期待してるんだね。だったら、いい、よね……?)
テーブルの上に音を立てないようにカップ麺を置いた。
こと、っと静かな音がするが燐は気づいていないらしい。
蛍は膝の上にちょこんと乗せられている燐の両手に手を重ねて、顔をより近づけた。
その違和感に燐は
(え? 蛍ちゃん手を握ってきたってことは……何ももってないの?! 嘘!? まさか……)
燐の疑問が確信に変わる前に、蛍の唇が燐に重なられそうになった瞬間──。
「助けて~! リンちゃんに襲われちゃうよぉ!!」
泣きわめきながら、なでしこが二人に駆け寄ってきた。
その突然の出来事に蛍と燐は時が止まったかのように、呆然としてしまう。
実に後、数センチのところであった。
燐の柔らかそうな唇が当たったことを想像して、蛍は思わず口を抑えていた。
名残惜しいかのように唇を色っぽくなぞっている。
その仕草で燐は蛍が何をしようとしていたのかを瞬時に察知した。
「蛍ちゃん。も、もしかして……」
「だって、燐が物欲しそうにしてるんだもん。期待に応えないとね」
蛍は一刻も悪びれることなく、夢うつつに答える。
心ここにあらずと言った感じで、どこか”ふあふあ”としているようだ。
「だからって……」
燐は照れ隠しの為か蛍に詰め寄ろうしたのだが。
「助けて1号~! 2号が今まで見たことのない形相でこっちにくるよ~!」
すっかり忘れていたが、半泣きになったなでしこが助けを求めてきていたのだった。
もうそれどころじゃないのに、燐はため息をついてなでしこの指差す方向を見る。
そこには……。
──ひとりの修羅がいた。
「カレー麺……私の大事なカレー麺を返すのだ~! なでしこ~!!」
普段どちらかというとポーカーフェイスの志摩リンがまさに鬼の様な形相でこちらに近づいてきていた。
手にはぐにゃりと潰された、富士山のマスコットを手にしている。
その富士山の顔は泣いているように見えたが、なでしこは助けようともせずにただ燐にしがみついて怯えていた。
「こんな怖いリンちゃん今まで見たことないよっ!」
お腹に手を回したなでしこが更にぎゅっとしがみついてきて、先ほど食べたものが出そうになった。
だが、そのことであることを思いついた燐は、テーブルの上のすっかりのびきったシーフードのカップ麺を手に取って、必死の形相のリンに訴えかける。
「リンちゃん落ち着いて、ほら! わたしたちのカップ麺をあげるから、少しのびちゃってるけどこれで我慢して、ね?」
余計なことも言ったかもしれなかったが、嘘を
「嫌や! カレーが良いんや! あのカレー麺が無性に食べたかったんや~! うえ~ん!」
普段言わないであろう
それは魂の叫びであり、カレー麺への愛の証でもあった。
「あっ、リンちゃんが泣いちゃったよぉ! ぐすっ、リンちゃん可哀想だよ~! 私も泣きたくなってきちゃうよぉ~!!」
なでしこはリンに同情したのか目を赤くして鼻を啜った、この騒動の張本人のハズなのに……。
泣きたくなるのはこっちの方だよ、胸の内で呟く燐。
小さくため息をついて線路上で泣き崩れるリンの背中を擦ってあげた。
「よしよし、大丈夫、大丈夫。お腹、空いたんだよね。シーフードだって案外いけるんだよ。ほら、口あけて、ね」
先ほどまで蛍としていた
その問いに戸惑いをみせるリンだったが燐に絆されたことで、たどたどしくも口を開けた。
あまりに素直だったのでちょっと拍子抜けしたが、同じようにフォークに巻き付けた麺を口に運んでみる。
すると既にのびきった麺だったが、むぐむぐと可愛らしく頬張ってくれた。
「ごめんね、リンちゃん! どう、美味しい?」
なでしこも近くまできてリンに謝りつつも、その味を聞いてみる。
リンはそれに答えることはなかったが、こくこくと頷いてみせた。
美味しくはないだろうな、と燐は内心思ってはいるが、残っているのはもうこれだけなのでどうしようもない。
だが、外ごはん効果だろうか、予想に反してちゃんと食べてくれていたので、試しにもう一度聞いてみる。
「まだちょっと残ってるけど、どう、まだ食べられる?」
「……うん。食べる……」
先ほどと同じ様にフォークで巻き付けてリンの口元に持っていく。
少し照れた表情を見せるが、それでも素直に食べてくれた。
……結局、残りはリンが全て平らげていた。
空になった容器を見て燐が複雑な笑みを浮かべていると、照れたような声色でリンが話しかけてくる。
「ごめん……私、子供っぽかったね。たかがカップ麺なのに……ホント、自分が恥ずかしいよ」
リンは照れたように俯きながら謝罪をする。
それは小さい子が叱られてるかの様だった、それを見た燐はリンに優しく微笑み返す。
「お腹がすいたら誰だってそうなるよ。それにわたしだってさっきまで一人でいじけてて、まるで子供みたいだった」
今やっと分かった。
こうしてみんなで行動してる時点でもう友達なんだ。
今さらだけどそれが理解出来た。
それぞれは個の存在だけど、なんでも一人ってわけでもないんだね。
急に肩が軽くなって気持ちも楽になった気がした。
「よかったねリンちゃん。一時はどうなることかと思ったよ~」
鼻を赤くして瞳を潤ませたまま、なでしこが安心したようにため息をもらしていた。
(誰のせいだと思っているんだろうか?)
燐とリンは偶然にも心の声がぴたりと一致していた。
「さ、食事も採ったしそろそろ片づける準備しよ。アイツらが来るとも限らないんだし」
燐は二人に声を掛ける。
この先に行っても希望なんてないと思っていたけれど、今は少し違ってみえる。
志摩リンと各務原なでしこ、この二人に出会ってからは何かが変わった気がする。
上手く言えないけど、
「うん」
「うんっ!」
リンもなでしこも元気よく返事を返してくれる。
それだけで胸が熱くなる思いがした。
少女達は撤収の準備を進める。
火を消して、ごみを片づけ、必要なものをバッグへとしまい込んだ。
あのクマよけの鈴はそのままにしておこう、リンはそう考え回収に向かわなかった。
まだ列車が来ないとは限らないわけだしね。
木の焦げた臭いが辺りに充満すると、楽しかった時間の終わりを告げているようで、妙に寂しくなった。
銀の箱のなかで激しく燃えていた焚き木も今は炭と灰の塊になっているので、後は熱が冷めるのを待つだけだった。
やることはやったし後は、元の生活へと帰るだけ。
ただそれだけだった。
何か忘れている気がしたが……。
「あっ! 蛍ちゃんのこと忘れてた!」
………
……
…
「燐……わたしたちもう子供じゃないんだし、いいよね……」
蛍は線路に一人座ったままで、甘い夢想に浸っていた。
────
──
─
”密”を避けたいのです。
でもですね……。
スーパーに買い出しに行ったら、沢山の人が来てレジ行列の”密”に遭うし、魚屋に行っても狭い店内なのに人がいっぱい来て大変な”密”に遭うし、コンビニ行ってもやはり狭い店内に人が来て”密”に……一体どうすればいいのかーー。
行くところが制限されてるせいなのか、スーパーやコンビニのような小売店に人が集中している気がします。
それと皆さん動きが直線的になっているような気がします。真っ直ぐ向かってくる人をこちらが避けることが本当に多くて、そういう人に限ってマスクすら付けてない状態なのです。
正直、近くに寄って来ないでっ!って言いたくなります、いや結構マジですこれは……。
いっそのこと自撮り棒っぽいのでも持ってたほうが人が寄り付かないかもしれないですねぇ。
さてさてのっけから愚痴ってしまいましたが、今回は……。
ゆるキャン△ の主人公問題を取り上げようと思いましたが……やっぱり止めにします。
理由としましては自分がアニメ版をほぼ未視聴なことと、いくつか疑問点をあげてみたら、ネガティブ発言が多めになりそうなので止めておきました。
ざっくり結論だけ言いますと、ゆるキャン△ は志摩リンと各務原なでしこのダブル
どちらが主役とはどうでもいいことなんです、楽しくゆるくキャンプする。それでいいんです!
ちなみにダブルヒロインは青い空のカミュも一緒ですね。
燐も蛍も主人公でヒロインです。
そういうところも両作品の共通点の一つなのではと思っています。
青カミュと言えば、一周年記念イラスト兼、壁紙の事なんですが、綺麗なんですけどちょっと惜しいのです。
蛍はともかく燐が完全に背を向けたイラストなのが───でも、この風車の世界の時の燐は悲しみに暮れていたから仕方ないのかもしれないですけど、それでもせめて横顔だけでも見せてくれたらなあ……。
と、色々気にしていましたがスマホの壁紙にしたら、そんなことはどうでもよくなってしまいました。
スマホの画面を見るだけでにやにやしちゃってますよ自分──単純ですねぇー。
でも私はこれで良いのです。
青カミュ超好きですしねー、これだけでテンションがあがる自分は安上がりです。
さてさて、まだまだ混乱は続いてますが、それでも家で没頭できるもの(拙い小説作り)があるだけ良かったんだなあと思ってます。
でも、さすがにこうなることを予見したわけはないのですけど。
家に籠るのは割と好きですけど、出るなと言われると出たくなるのが世の常のような気がしてます。
でもなるべく我慢して自宅にいるようにしてます。
あ、そういえば某会社からソーシャルディスタンスに関するメールが来てたので読んでみたのですが、むう、今更なことを言ってる気がするぞ、っていうか私が上記であげている問題点そのまんまやかいかいーーと、ちょっぴり憤ったり、いやそんなに怒ってないですけどね。
そんなことより私が注目したのは、”大切に思うからこそ、今は離れよう。”のキャッチコピー? 部分です。
これを見た時、私の青カミュ脳が囁きました。これは青い空のカミュのクライマックスにおいての一つの仮説ではないだろうか、と。
──そう”青い空のカミュ”は新型ウィルスによる被害を一年前から予見していたからこそ、あのクライマックスシーンにしたんじゃよーーー!!!
な、なんだっ……いやそれはないですね絶対……カミュの”ペスト”よりも信憑性が低そうです……。
でもこのキャッチコピー、かなりエモいです。エモエモです。特に”
燐も蛍を大切に思うからこそ、”
っていうか、微妙にネタバレをしてしまいました。未プレイの方は申し訳ありません。
ですが、この話が気になった方がいましたら本編をプレイしてみても……いやいや、過剰な宣伝は嫌がられるだけだぞ、自重せよ。(今更)
それではでは。