別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。   作:風邪引きピエロ

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器用度極振りと友人参戦

メイプルの素材集めに端を発した一騒動から数日後、二人の姿はお馴染みの噴水広場にあった。

 

広場のシンボルである噴水の縁に腰かけながら話すのは共通の友人である理沙のことについてだった。

 

 

 

「ほう、理沙の奴ようやくゲーム解禁になりそうなのか!そりゃ重畳」

 

 

 

「はい!まぁ、あと一週間位後になりそうですけどね」

 

 

 

メイプルが嬉しそうに目をキラキラとさせながら言う。その様子は飼い主に遊んでもらえると分かりしっぽを振って喜びを表す小型犬を思わせ、見るものの心を和ませる。

 

そんな彼女を微笑ましそうに見ながらノブナが口を開く。

 

 

 

「そうかそうか。ならこの前イズに頼んどった新装備でも見せて驚かせてやるがよかろう」

 

 

 

「あ~、それが~・・・まだ出来てないんです・・・」

 

 

 

それまで嬉しそうにしていたメイプルがそう言ってガックリと肩を落とし、項垂れた。

それを聞いて、ノブナが訝しげに首を捻る。

 

 

 

 

「なんじゃ?この前儂が集めた素材渡した後、意気揚々とイズのとこに乗り込んでいったものだからてっきりもう装備作ってるとばかり・・・はて、素材の量からして作れそうな気がしたが足りんかったか?」

 

 

 

「いえ量は十分なんです。お金も頂いた素材の余りを売った分でなんとか足りそうなんですが」

 

 

 

そこで深々とため息をつきながらメイプルが言う。

 

 

 

 

「装備のデザインが決まらないんです・・・」

 

 

 

 

「なんじゃそら・・・そんなものテキトーに良さげなの見て決めれば良いじゃろ」

 

 

 

 

深刻な顔で話すメイプルに呆れた様子でノブナが言う。

つれないノブナの反応に「そんなテキトーになんて出来ませんよ!」と頬を膨らませながらメイプルが反論する。

 

 

 

 

「理沙には新しい装備を着てる私を見せて『ゲーム苦手な私でもこんなの作れる位になったんだよ!』って驚かせたいんですけど・・・イズさんに色々見せてもらっても、どれも良く見えてどうしても決めきれないんですよ~。盾のデザインまでは何とか決まったんですけど装備の方はまだなんです・・・」

 

 

 

 

「お主も儂とは違う方面でこだわりが強い方じゃのう。面倒くさい」

 

 

 

 

「そんな事言わないでノブナさんも良い感じのデザイン考えてくださいよ~。こう白くてふわふわで綺麗でインタビューが上手になりそうな感じのやつ~」

 

 

 

 

「えぇ・・・てかインタビューのことまだ気にし取ったんかい」

 

 

 

 

「ノ~ブ~ナ~さ~ん~!」

 

 

 

 

「ええい!わかったから引っ張るな!」

 

 

 

 

ガクガクと揺らしてくるメイプルを引き剥がしながらノブナは仕方なしに頭を捻る。

とはいえ、リアルでは部屋着はジャージで通しており、その手の話題にはとんと疎い彼女にそんな案がすんなり出てくる訳もなく、すっかり考え込んでしまう。

 

 

 

 

 

「うーん、白くてふわふわで綺麗・・・となるとドレス的なやつか?ドレスのぉ、そんなもんある訳が・・・あ・・・」

 

 

 

 

その時、ノブナの脳裏にとある天啓が降りてきた。

『あの』衣装であれば白くてふわふわで綺麗でなおかつインタビュー上手になりそうという条件にも合致する。

 

が、ノブナは躊躇う。

 

本当にそれで良いのか?

流石にまずいんじゃないか?

色々と問題があるんではないか?

 

 

内心そんな葛藤を抱えながら、チラリとメイプルを見る。

 

 

 

「わくわく」

 

 

 

「うぐ・・・」

 

 

 

期待混じりに此方を見る彼女と目が合う。

その視線に耐えられなくなったノブナは躊躇いがちに話し出した。

 

 

 

 

「いや、まぁ、嫌なら止めても全然いいんじゃが・・・・」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

一週間後

 

 

 

「おー!街はこんな感じなんだ」  

 

 

 

白峯 理沙こと、『サリー』が念願のNWOの世界に上陸を果たしていた。

ログイン当初の初心者装備に身を包み、物珍しげに周囲の建物をキョロキョロと見回している。

 

 

 

「と、こんな事してる場合じゃなかった。早く楓・・・じゃなかった、メイプルと合流しなきゃ」

 

 

 

そう呟き、サリーは歩き始める。

目的地はすぐ側。噴水広場の噴水が集合場所だ。

メイプル達極降り組とは違い、しっかり色々なステータスにポイントを振っているサリーはさくさくと移動を済ませ、特に迷うこともなく目的地の噴水にまでやって来た。

 

 

 

「さてさて、メイプルはどこかな『あ、サリー!こっちだよ~!』この声は間違いなくメイプルね」

 

 

 

声の方に視線を向ければ、見慣れた顔が人混みの向こうから手を振りながらちょこちょこと歩いて来ているのが見えた。

大勢の人の中からすぐに友人と出会えた事を幸運に思いながら笑顔で右手を振りかえそうとした所でその動きが固まった。

 

 

 

「良かった~、すぐに会えて・・・サリー、どうしたの固まって?」

 

 

 

 

「・・・・・メイプルさん?その格好はナニゴトデショウカ?」

 

 

 

 

「なんでさん付け?その格好って・・・ああ、この装備のこと?」

 

 

 

 

メイプルはそこでさも自慢気な、どや顔を浮かべながら胸を張る。

 

 

 

 

「これはね。今さっき受け取ってきたばっかりの私の新装備!ちゃんと自分で素材集めもしたんだよ?まぁ、ノブナさんにもかなり手伝ってもらっちゃったんだけどね」

 

 

 

「へー・・・ソーナンダー・・・」

 

 

 

 

嬉しそうに話すメイプルとは対称的にサリーの表情は固まったまま、声からはどんどん感情の起伏が薄れ希薄なものになってゆく。

 

 

それもこれもメイプルの新装備が原因である。

 

 

 

 

 

普段のメイプルの装備とは対称的にその装備は白を基調としたものだ。

清潔感と清楚さを感じさせる純白の布地は鎧と言うよりはドレスだ。

頭には腰まで届くかのような長さの白のベール。

傍目には花嫁衣装の如く見えるそれだが、何故か布地の所々にチャックがあり、白のベルトのようなものや首もとには南京錠チックなアクセサリーまで付けられている不思議なデザインである。

 

 

 

 

サリーにとって今日初めて見せられたはずの装備である。

 

 

 

が、何故か物凄く見覚えがある。

 

 

 

メイプルではなく別の・・・具体的にはローマ的な某かに関わる誰かが着ていた装備にクリソツである。

 

 

 

「どう?すごい可愛いでしょこの装備!ノブナさんが教えてくれたデザインなんだけど一発で気に入っちゃって作ってもらっちゃった」

 

 

 

「・・・そう・・・ノブナさんが、ネェ・・ところでそのノブナさんと色々『オハナシ』しなきゃいけないことがあるんだけど今何処にいるのかな?」

 

 

 

「えっと、なんか急に二層に用事が出来たって言って出て行っちゃったけど?」

 

 

 

 

「・・・・チッ。まだレベル的に二層まで追いかけるには厳しいか・・・・こうなったらちゃっちゃとレベル上げて追いかけるしかないわね・・・まったく私の幼なじみに何をさせてるんだかあの人は・・・」

 

 

 

 

「?」

 

 

 

 

一人ブツブツと呟き始めた友人を見ながら不思議に思い、首を傾げるメイプルであった。

 

 

 




前回出した新スキルの説明やらする予定でしたが、書いてたらいつの間にかメイプルにコスプレさせる話になっていた。何故だ?
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