別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。   作:風邪引きピエロ

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器用度極振りと第二回イベント 12

 

 

『6日目の悪夢』と呼ばれる惨劇から十数分後・・・

 

 

本格的に夜の帳のおり始めた山道を二人の人影が歩いている。

 

 

 

 

 

「だ~か~ら~!なんだってお主は現れるたんびにむやみやたらと斬りかかってくるんじゃ!しかも思いきり首ねらっとったし!出会ってすぐ首切りとか【GENNJI】出身者かなんかか!」

 

 

 

「斬りかかられるようなことばっかりするノブナさんが悪いんでしょ!いちいちツッコミ入れるこっちの身にもなってくださいよ!」

 

 

 

「ツッコミに刀剣使うなや!お主どんな野蛮人!?平安武者もも少し理性あるぞ!?」

 

 

 

ギャーギャーと騒がしく言い合っているのはノブナとサリーの二人組だ。

静かな山に二人の声が木霊していてどうにも目立つことこの上ないのだが、周囲を見回しても二人以外の影はひとっこ一人見当たらない。

 

ノブナの思惑通り、近辺に集まっていた一般プレイヤーはどこぞへと逃げて行ったようだ。

 

残っているのはメイプルやサリーくらいだろう。

 

 

なので二人とも周囲警戒もそこそこにゆるゆるとした足取りでメイプルが籠っているという洞窟へと歩を進めていた。

 

 

 

「・・・ところで・・・サリーよ」

 

 

 

「何ですか?」

 

 

 

「いい加減放さんかソレ?歩くのに邪魔じゃろ」

 

 

 

「ノ・・・・・」

 

 

 

呆れ顔したノブナが視線を向けたのは隣を歩くサリー。・・・正確にはその腕の中。

 

『・・・なんでこんなことに?』と困惑顔したちびノブがぬいぐるみの如く抱きかかえられていた。

 

 

 

 

「ダメです。あんな大災害引き起こせるナマモノ、これ以上自由にさせておく訳にはいきません」

 

 

 

「そう言いながら撫でるな餌やるな弛んだ表情で抱きしめるな。欲望が駄々洩れなんじゃ少しは隠せ」

 

 

 

「し、失敬な!私はただ自分たちの身の安全を考えてですね」

 

 

 

「あーわかったわかった好きにせい。と、ここか?」

 

 

 

ノブナが足を止めた先、ぽっかりと口を開けた洞窟があった。

 

中は結構な深さがあるらしく、暗がりになっていて奥まではとても見通せそうにない。

 

なるほどここなら籠城して休憩するには最適そうな場所だ。

 

 

2人は一応周囲を確認してから中に入る。

 

 

 

中はダンジョンになっているようでかなり入り組んだ構造となっていたがサリーが道順を覚えていたので道中すんなりと進めることが出来た。

 

メイプルの待つであろう場所までもう少しという所で、二人の足がピタリと止まる。

 

 

 

「うわ・・・」

 

 

 

「・・・サリーよ。さっき儂にツッコんでたがお主らも大概じゃぞ?」

 

 

 

メイプルのいる場所に繋がる通路にいかにも体に悪そうな色をした毒の壁が形成されていたのだ。

 

毒に耐性がない者が通れば一瞬でHPバーが消し飛ばされるだろう。これではまともに進めない。

 

 

 

「ちょっと待ってください。メイプルにメッセージ送りますから・・・」

 

 

 

サリーがメイプルにメッセージを送り、しばらくしてメイプルが毒壁を通り抜けて出てくる。

 

 

顔を上げたメイプルの視線がサリーの隣にいるノブナへと及んだ瞬間、まるで花が咲いたかのような喜色満面の笑顔で駆け寄ってきた。

 

 

 

 

「ノブナさんだーーー!やっと会えたーーー!」

 

 

 

「っとと・・・フ、お主も壮健で何よりじゃ」

 

 

 

 

抱きついてきたメイプルの頭をポンポンと叩きながら穏やかに微笑むノブナ。

ゲーム内時間で約6日ぶりの再会だ。感慨もひとしおである。

 

 

 

 

「頑張ってメダル集めてきた私より真っ先にノブナさんに飛びつくとはねぇ・・・嫉妬しちゃうなぁ」

 

 

 

「にゃ!?そんなこと・・・」

 

 

 

言葉とは裏腹にニヤニヤと事態を見守るサリー。

真っ赤な顔で慌ててノブナから離れ、反論しようとしたメイプルの視線が一点で止まる。

まるで石化したかのように動きを止めて一心に視線を注ぐ。

 

 

 

「・・・サリー・・・その腕の中にいるのは・・・何?」

 

 

 

メイプルの口から漏れた声は普段の柔和な雰囲気とはかけ離れた低く抑揚のない機械のような声

 

 

 

「・・・これはねメイプル・・・とっても危ないナマモノなんだ。だから私がこうして捕まえているんだよ・・・」

 

 

 

対するサリーの声色もまた普段の快活そうな雰囲気はなりを潜め、静かな感情の起伏を感じさせないものだ。

サリーの抱く腕にキュッと力が籠められ、ちびノブが「ノ!?」と小さく声を上げた。

 

 

 

「ふーん・・・そんなに危ないなら私が替わるよ。私なら暴れられても【VIT】で耐えられるから・・・」

 

 

 

言いながらメイプルが両手を広げてじりじりと一歩づつサリーへと近づいていく。

その眼にはハイライトが消えている。

 

 

 

「いやいや・・・メイプルだともし逃げられたときに追いかけられないでしょ?私には【超加速】もあるしね」

 

 

 

にこやかに答えるサリー。しかし、その眼にもやはりハイライトはなく、その手には万力の如く力が籠められ、腕の中でジタバタと暴れているちびノブを抑え込んでいる。

 

そうこうするうちに二人の間にある距離は0になり、にこやかな、しかし冷たい笑顔を浮かべた二人が対峙する。

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

「・・・・」

 

 

 

二人の視線がバチバチとぶつかり合い、それぞれの背後に龍と虎・・・・ではなくポメラニアンとマンチカンが威嚇しあうイメージが幻視される。

 

 

 

 

と、

 

 

 

 

「やめんかい阿保らしい」

 

 

 

 

「わ!?」「あいた!?」

 

 

 

 

間に割って入ったノブナが二人の頭をぺしっと叩く。

 

 

 

「なーにーをくだらんことで喧嘩しとんのじゃ。ええ加減にせい」

 

 

 

『・・・・だって・・・』

 

 

 

「二人してそんな捨てられた子犬みたいな顔でこっちを見るでない――――だぁ~、仕方ないのう・・・ちびノブ」

 

 

 

ノブナがパチンと指を鳴らした途端、サリーの腕の中にいたちびノブの姿がぐにゃりと崩れ、本来のスライム状のモンスターへと変わる。

地面に落ちた後、液状になった体が『二つ』に分かれ、ビデオの巻き戻しのように形を形成していった。

 

 

 

 

『こ、これは・・・・!?』

 

 

 

 

 

「ノブ!」

 

 

 

 

 

「ノブノブ!」

 

 

 

 

 

数秒後、二人の目の前に『2体』のちびノブが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「-----とまぁ、このようにして儂はかのコノートの女王を打ち倒した訳じゃが・・・その時レベルアップで入手したのがこの【奇妙な隣人(ストレンジネイバー)】という訳で・・・・聞いとるのか貴様ら」

 

 

 

「「はぁ―――――――――----------///////////////////////」」

 

 

 

「あ、ダメじゃなコレ。完全にトリップしとる――――――お主、メイヴ戦で他に変なスキルでも獲得しでもしたか?魅了とかその辺」

 

 

 

「ノブノブ(首を横にフルフル)」

 

 

 

「じゃよなぁ・・・・」

 

 

 

 

 

 

恍惚な表情でちびノブを抱きしめている二人を呆れ顔で眺めながら一人と一匹は疑問符を頭に浮かべてただただ首を傾げるばかりだった。

 

 

 

 

 

 

 




【奇妙な隣人】(ストレンジネイバー)

・自身のHPを削って分身を形作る。

・作られた分身のHPは削られた分のHPと同じ量になる。(HP1削ったら分身のHPは1)

・作られた分身のステータスはスキル発動者と同ステータス、同スキルを保持した状態になる。

・作られた分身はこのスキルを使用することは出来ない。
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