別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。   作:風邪引きピエロ

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器用度極振りとイベント後

 

 

ふわっと身体が浮かび上がるような感覚が治まり、視界を覆う強烈な光が治まればイベントが始まる前に集まっていた広場だ。

画面を開いて表示される日付と時間を確認すれば本当に2時間しか経ってはいなかった。

 

 

 

「わ~!本当に2時間しか経ってない」

 

 

 

「ホントだ。なんか変な感じ」

 

 

 

「じゃのう。浦島太郎もこんな感じの気持ちじゃったんかの?あれは逆に時間が進んでしまっている話じゃが」

 

 

 

などと三人が雑談に興じていると、再び広場の中央のスクリーンに『運営』の二文字が表示されアナウンスが入る。

 

 

 

『改めて皆さま第二回イベントお疲れさまでした!今から30分後スキルとメダルの交換所に該当の方を転送致します』

 

 

 

『仲間の方とメダルの受け渡しがある場合は今のうちにお済ませください』

 

 

 

『尚、専用の部屋に個別のご案内となります。取得の相談は不可なのでご注意下さい』

 

 

 

「お、来たか」

 

 

 

「う~んどんなスキルがあるかな?」

 

 

 

「見てみないとなんとも・・・かな」

 

 

 

「ま、こんだけ苦労させられたんじゃ。精々後悔の無きようしっかり悩んで決めるがよかろう」

 

 

 

「そうですね」

 

 

 

スキルの予想、取得済のスキルを確認しながらのどんなスキルをとればいいかなどの相談をしている内に、30分は瞬く間に過ぎていった。

ここからは一人の時間だ。

 

 

 

「終わったらベンチで待ち合わせねサリー。ノブナさんも」

 

 

 

「おっけー!」

 

 

 

「わかったわかった」

 

 

 

30分きっかりに再び三人の身体が光り輝き、一瞬の浮遊感に襲われる。

 

次に目を開ければそこは別世界。

 

暗闇の中にいかにも電脳世界とでもいうような数字や文字と思われるものが空中を漂っている。

 

と、周囲を観察していたノブナの眼前にデイスプレイが出現した。

そこにはズラズラとスキルの名前とその効果が羅列されている。その数百個。

ざっと眺めてみても攻撃系から防御系、ステータスの上昇系から生産系に至るまでまさに選り取り見取りだ。

 

 

 

「お~流石に苦労させられただけあって強力なスキルばかりじゃのう。どうにも目移りして仕方がないが・・・・そうじゃのう・・・」

 

 

 

そうしてスキル一覧とにらめっこすること十数分・・・

 

 

 

「とりあえず一つはこれで決まりじゃな」

 

 

 

そう言って一つのスキルを選択、取得の最終確認画面を経て一つ目のスキルを取得する。

 

 

 

 

 

【鷹の瞳】

 

・このスキルを発動後、自身の攻撃に【必中】及び【防御力貫通】状態を付与する。

 

・自身の攻撃のクリティカル率を20%上昇させる。

 

・効果時間1分間。

 

 

 

 

 

「流石にメイプル程ではないにしても堅い敵が出てこないとも限らんから【防御力貫通】持ってて損はないじゃろ。幸い他の効果も含んどる複合スキルじゃから腐らんし。で、あとひとつな~ん~じゃ~が~」

 

 

 

難しい顔で唸りながら、画面を穴の開く程に見つめるノブナ。

 

 

 

「おっと?・・・・ほほう・・・これはこれは・・・」

 

 

 

とあるスキルの説明を読みながら、ノブナの口の端が三日月の如くに吊り上がりその紅い瞳がギラリと剣呑な光を帯びた。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「・・・お、二人とも揃っとるか。スマンな待たせたか」

 

 

 

「私も今来たところなので大丈夫ですよ~」

 

 

 

「二人は私と違って二つ選択ですし時間がかかっちゃうのは仕方ないですよ」

 

 

 

わいわいといつもの三人が集まり、始まる会話。話題は当然今まさに取得してきたばかりのスキルのことである。

 

 

 

「百個もあるから悩んじゃったよ~。サリーはどんなスキルを選んだの?」

 

 

 

「私も結構迷ったけど【追刃】にしたよ」

 

 

 

「・・・ほう、なるほど?流石サリー中々に面白そうなスキルを選びよる」

 

 

 

「お褒めに預かり恐悦至極・・・なんちゃって♪」

 

 

 

「?」

 

 

 

ノブナとサリーが訳知り顔でニヤニヤしている横で頭に疑問符を浮かべているメイプル。

 

 

 

 

「えっとね。【追刃】っていうのは武器での攻撃が成功した時にその攻撃の三分の一の威力の追撃が発動するスキルだよ」

 

 

 

「つまりは単純に手数が2倍になる。具体的に言えばサリーの【ダブルスラッシュ】などは通常4ヒットの所が8ヒットになる」

 

 

 

「すごっ!!」

 

 

 

「とはいえ【器用貧乏】もあるし二刀流は一撃ごとのダメージ減少もあるから。ま、本格運用はまだ先になるかな」

 

 

 

「今後火力が出せるようになれば優秀なダメージソースになるし、何なら火力だす必要もない。状態異常系のスキルなどをかませれば単純に確立2倍の状態異常攻撃の出来上がりじゃ。やりようによって多方面に応用のきく良きスキルぞ?まさに可能性は無限大じゃて」

 

 

 

「おおお~!!」

 

 

 

スキルの強さを理解し、目を輝かせてメイプルが拍手する。

照れたように頬をかくサリーはそれをごまかす様に話を今度は二人に振る。

 

 

 

「メイプルは?なにとったの?」

 

 

 

「一つは【フォートレス】!【VIT】を1.5倍にスキルだよ」

 

 

 

「また硬くなったんかお主・・・」

 

 

 

「えへへへ・・・」

 

 

 

「・・・誉めとらんぞ引いとんのじゃ。もう一つは?」

 

 

 

「う~ん・・・正直ちゃんと使えるかは分からないスキルなんですよね~」

 

 

 

「なんじゃソレ?」

 

 

 

「そういうノブナさんは何をとったんですか?」

 

 

 

「儂か?・・・一つは【鷹の瞳】にした。効果としては攻撃に【必中】と【防御力貫通】を付与し、ついでにクリティカルさせやすくする複合自バフスキルじゃな」

 

 

 

「お!【防御力貫通】スキルですか。ノブナさんも遂にメイプル対策に乗り出しましたか~?」

 

 

 

「えぇ!?そんなぁ・・・」

 

 

 

「安心せい、好き好んでお主に銃を向ける程、儂は人生捨てとらん。ま、出来る対策はしとこうと思うてな。お主らの話じゃとイベントの最中に偽者の自分達同士で戦わせるトラップとかもあったんじゃろ?今後もそういうことあるかもしれんしな」

 

 

 

「あ~・・・・・なるほど・・・正直私は二度とやりたくありませんねアレ」

 

 

 

「私も~・・・あ、あともう一つは何なんです?」

 

 

 

メイプルが質問すると、ノブナが途端にニヤリと悪い顔になった。

 

『あ、これは碌なモノとってないな』と、瞬時に確信する二人。

 

 

 

「おう、それなんじゃが・・・これは実際に見せた方が良いかもしれんな。どこか人目につかん所ないか?」

 

 

 

「あ、私ももう一つのスキル試してみたいです!砂漠とかいいんじゃないですか?」

 

 

 

「お、いいのう。そこにしよう」

 

 

 

「人目に?・・・・なんか嫌な予感するなぁ・・・」

 

 

 

わいわいと移動を始めた二人の背中を眺めながら、サリーは何とはなしに感じる予感に顔を顰めるのだった・・・・

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

数十分後、とある砂漠にて

 

 

 

 

「うわぁ・・・」

 

 

 

「う~む・・・そうくるとは・・・・」

 

 

 

「わぁ~い。雨よ降れ~」

 

 

 

二人の見上げる先には巨大化したシロップの上から毒の雨を散布しながら湧きだしたモンスターを悉く殲滅していくメイプルの姿があった。

 

メイプルの取得した新スキル【念力】により生み出された地獄絵図である。

 

 

 

「さて、あれでメイプルの明確な弱みである『移動が遅い&行動範囲が狭い』という弱点がほぼほぼ解消された上に近接攻撃手段しか持たない敵をほぼほぼ封殺できるようになった訳じゃが・・・どう思う?」

 

 

 

「どうもなにも・・・流石としか・・・」

 

 

 

「じゃよなぁ・・・儂も流石に空飛ばすなどという発想には至らんかったわ。しかもあれでMP消費せんのじゃろ?ヤバくない?」

 

 

 

「本人に悪意は全然ないんですけどねぇ・・・」

 

 

 

二人が感心3割呆れ6割諦め1割といった感じの複雑な心境で眺めている内に雑魚敵の集団を殲滅し終えたメイプルが戻って来る。

 

 

 

「ふぅ。私のスキルはこんな感じかな~じゃ、次はノブナさんの番ですね!」

 

 

 

「こんなトンデモ見せられた後に発表しろとかお主は鬼か」

 

 

 

「え~私も見せたんだから見せてくださいよぉ。き~に~な~る~」

 

 

 

「あ~わかったわかった。そうじゃのう・・・ならメイプルさっき言ってた新しく手に入れた大盾のスキルあるじゃろ。アレ使ってくれ。的にする」

 

 

 

「わかりました!え~と・・・・えい!」

 

 

 

メイプルは新しく手に入れた盾・・・【紫晶塊】に装備を変更すると、盾に付与されたスキル【水晶壁】を発動させた。

 

途端、一枚の壁が出現し砂に突き立つ。

 

 

 

それを確認したノブナは壁の前まで歩き、立つ。

 

 

 

「今はパーティー組んどるからダメージは喰らわんだろうが一応離れておくがいい」

 

 

 

「は~い。ワクワクワクワク」

 

 

 

「・・・あれ?ノブナさん武器、装備しなくていいんですか?」

 

 

 

ノブナの忠告に従い、目を輝かせながら下がるメイプル。その隣に並びながらサリーが疑問を口にする。

彼女の指摘の通り、ノブナはいつもの愛銃【タネガシマ】を取り出す様子もなく、手ぶらのままである。

 

 

 

「ま、とりあえずそこで見ておれ・・・さて新スキルのお披露目前にちぃと準備せねばな・・・覚醒せよ、ちびノブ!」

 

 

 

「ノッブ~!」

 

 

 

ノブナの指にはめられた【絆の架け橋】が光を放ち、ちびノブが出現する。

それを確認したノブナから直ちに指示が飛ぶ。

 

 

 

「ちびノブ!【生命ある鎧】!」

 

 

 

ノブナの声と共に、ちびノブがスライム状になりノブナへと覆いかぶさる。

 

 

 

「の、ノブナさん!?何を」

 

 

 

『落ち着けサリー。すぐ終わる』

 

 

 

サリーの驚きの声を制すノブナの声がスライムの向こうから響く。

その言葉の通り、すぐにノブナの姿が現れる。

その姿は何の変りもなく・・・・・否、一つ大きな変化があった。

 

 

 

「・・・何でTシャツ?」

 

 

 

「あ!初めてノブナさんと会った時に来てたヤツだ!わ~懐かしいなぁ」

 

 

 

再び姿を現したノブナは何故か胸に燦然と輝く「ばすたぁ」の文字が刻まれた赤Tシャツ姿になっていた。

 

 

 

「ふっふっふ・・・運営めに没収されたこの装備・・・しかしちびノブの力を持ってすれば再現することも可能なのじゃ。やはりこの技を使うにはこの格好でないと気分が出んからのう。では行くぞ!」

 

 

 

ノブナが天に向けて右手を掲げ、声高らかに宣言する。

 

 

 

 

 

「【奇妙な隣人】からの【巨大化】!そして【流体操作】!」

 

 

 

 

ノブナの背後に高さ3m程のスライムが伸びあがったかと思えばその形が変化する。

 

 

 

 

 

―――『其れ』に肉は無く、只々中身のないがらんどうの身体を晒す。

 

 

 

 

 

 

―――動く度に不気味なほどに黒い骨が軋み、擦れガチャガチャと耳障りな音が耳朶を打つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――本来暗い闇に染まるはずの眼窩には地獄の業火を思わせる紅く朱い光。

 

 

 

 

 

 

ぬらりと『其れ』がその巨体を立ち上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

巨大な上半身だけの骸骨が全身に赤黒いオーラを纏い出現した。

 

 

 

 

 

 

「な、なななななにアレ・・・!?」

 

 

 

「うわぁ・・・でっかい」

 

 

 

幽霊等の類が苦手なサリーが顔を青ざめさせてメイプルの後ろに隠れ、メイプルは只々能天気な感想を漏らす。

 

 

それを尻目にノブナは掲げた右手を振り下ろす。

 

 

 

 

 

 

「【鷹の瞳】!そして・・・・・・【百裂拳】!!」

 

 

 

 

 

 

【百裂拳】

 

・このスキルは【素手】または【拳系】の武器を装備している場合のみ発動できる。【MP】消費無し。

 

・自身の【STR】を一時的に1.5倍にし、拳による連続攻撃を放つ。連続攻撃終了後【STR】の値は元に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『GgggoOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!』

 

 

 

 

 

声帯の存在しないはずの口から咆哮を上げた骸骨がその巨大な骨の拳を振りかぶり、目標である壁に向けて全力で叩きつける。

 

 

 

 

 

 

――――ゴシャぁっ!!という轟音と空気を震わす程の衝撃

 

 

 

 

明かに必殺の威力を感じさせる一撃。

 

 

 

 

しかし、攻撃は一度では終わらない。

 

 

 

 

何度も何度も何度も何度も

 

 

 

 

凄まじいスピードで巨大な拳が壁に叩きつけられる。

 

どころか一撃当たるたびに骸骨を包む赤黒いオーラが増幅し、一発一発の拳の威力が上がっていっている。

 

 

 

 

 

「さもありなん・・・ダメージが入れば【血濡れの栄光】の効果で威力が上がっていくからのう」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガガッガガッガガガッガガガッガガガガガガガガガガガガガガガガガガガっ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで機関銃の如き轟音が砂漠の静寂を切り裂く。

そしてオーラが最高潮に達したその時、骸骨が右手をひと際大きく振りかぶる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これぞ!儂の!『第六天魔王波旬~夏盛~(ノブナガ・THE・ロックンロール)』ゥ!!!」

 

 

 

 

 

 

『GgggoOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!』

 

 

 

 

 

 

 

貯めこまれた力を込めた拳に膨大な質量と遠心力を加え放たれるは下から抉り込むようなアッパーカット

 

 

 

既に満身創痍の体だった所に文字通りの致命の一撃を喰らった壁がひしゃげ曲がりながら吹き飛び、空中でバラバラに分解、キラキラと光の粒子となって消えていった。

 

威力としては申し分なし。

 

 

その様子を見ながらしかしどこか不満そうなノブナ。

 

 

 

 

 

 

 

「むぅ・・・・やはりこの技を使うならギターが無くてはしまらんのう・・・今後の課題じゃなぁ」

 

 

 

 

「問題点そこ?・・・・分かってたけどやっぱりこの人、おかしい」

 

 

 

「・・・・あ、あははは・・・」

 

 

 

 

 

 

メイプルの後ろに隠れたままサリーがボソッと呟きメイプルは只々苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃運営部屋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「う、うわあぁぁああああああああああああああああああああああっ!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画面に映し出された巨大な骸骨による連続パンチなどという奇怪な映像に部屋の各所から悲鳴が上がった。

 

 

 

「な・・・なんじゃありゃあ」

 

 

 

「空飛ぶ巨大亀に連続パンチする巨大骨格標本・・・いつからNWOは妖〇大戦争になったんだ?」

 

 

 

「だからメダルスキルのチェックを忘れるなとあれほど・・・」

 

 

 

「いやいやノブナのステータス的にあんなスキルとる訳ないから手を付けなくてもいいって・・・」

 

 

 

「それもう聞いたぁ!メイプルの時にもぉ!」

 

 

 

「もぉ嫌だこいつらぁ・・・・・・」

 

 

 

今日も今日とて運営部屋は地獄絵図なのであった。

 




ちびノブの第2イベント終了時のステータス

レベル 1 → 9
 
HP 80/80(+500)

MP 30/30 → 150
 
【STR】30 →65(+150)

【VIT】15

【AGI】15(+150)

【DEX】150 → 450(+150)

【INT】20


矢印がレベルアップで上昇した数値。括弧内はスキル【無窮の武錬】で上がってる分です。

シンプルに頭がおかしい。

共闘モンスターの能力の上がり幅とかよくわからなかったので割と適当に数字ぶち込んでるのでおそらく色々間違ってる可能性高し。

指摘等あったら多分変えるかもですので参考程度にしていただけると幸いです。
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