別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。 作:風邪引きピエロ
第2イベント終了から早2日が経過し、NWO内には祭り終わりのどこか寂しさを含んだ気だるげな空気が漂っていた・・・・などという事は一切なく拠点の街には多数のプレイヤーが集まりフレンド、野良の区別なくパーティーを組んではフィールドに出撃を繰り返しており、イベント開催中に負けず劣らずの活気を見せていた。
原因はイベント後のこのタイミングで運営から投下されたいくつかの情報である。
一つは大盾に貫通攻撃に対抗するスキルが追加されたこと。
そしてもう一つ・・・これが主にこの騒ぎの原因なのだが・・・が
【ギルド】と、それに伴い実装される【ギルドホーム】である。
NWOにも遂にギルドシステムが導入されることになり、それに伴って各ギルドごとに自分達だけの【ギルドホーム】を購入することが出来るようになったのである。
要は自分達だけの夢の秘密基地だ。心動かされるのも無理はない。ステータスアップ等の実利的な恩恵もある。
しかも今現在はプレイヤー人数に対して建物の戸数が圧倒的に足りていないが故に先着順ときた。
これから順々に増えていく予定とはいえ、ゲーマーの群れの前に『早い者勝ち(+実利もあり)』などという餌をぶら下げれば食いつくに決まっている。
なのでガチ勢を中心として多くのプレイヤー達が我先にと必要アイテムである【光虫の証】の収集と資金集めに奔走している訳である。
そしてここにも・・・
「―――――サリー・・・生きとるかぁ」
「な、なんとか~」
幾人ものプレイヤー達が行き交う広場、その一角。
隅の方にちょこんと設置されているベンチにぐったりとした様子のノブナとサリーが座っていた。
情報が公開されてからこっち、二人でギルドホーム購入に必要なアイテム集めに東奔西走していたのである。
そのおかげでドロップアイテムである【光虫の証】は用意は出来ていた。
しかし
「二人合わせて400万と少しといったところか・・・最低ラインがどれくらいじゃったっけ?」
「・・・500万です~」
「・・・足りんのう」
金が足りない。
ドロップアイテム収集の過程で手に入れた大量の素材を売却してもまだ足りない。
想定では足りるはずだったのだが、みな考えることは一緒だったらしく同じような素材が一度に、しかも大量に市場へと投入され、その影響で素材の価値が暴落。生産職プレイヤーの経営する店の中には買い取り拒否を宣言する店も多く現れた。
無論、NPCの店ならば買い取ってはくれるがプレイヤーの店に比べれば雀の涙程度の金額でしかない。
二人も泣く泣く全てを売却したものの予定していた資金額にまで到達出来なかったのだ。
もはや座っているというより寝転んでいるような体勢のサリーが不満を漏らす。
「ノブナさんあれだけ『銃』持ってるんだからお金いっぱい持ってると思ったのに~」
「逆じゃ逆・・・あんだけ持っとるからこそ維持費も相応にかかるんじゃ。考えたらわかるじゃろ・・・」
やり取りする声にも覇気がない。
資金集めに奔走し、かつ目的が達成できなかった今、二人の疲労感はMAXだった。
なのでこうして二人してベンチで溶けているのである。
「・・・うう・・・こんなことしてる間にもどんどん候補地が埋まっちゃう・・・【ギルドホーム】なんてメイプル絶対に欲しがるから頑張らないと・・・」
「とはいうものの、実際問題どうする・・・そんじょそこらのアイテムなんぞ安く買いたたかれるのがオチじゃぞ。これから商人どもの財布のヒモはどんどん固くなる一方じゃろうし」
「う~ん私ももうすっからかんだし・・・・【タネガシマ】あんなにいります?」
「・・・それ以上はいくらお主とてライン越えじゃぞ・・・?」
「冗談ですよぉ・・・じゃあ他に何かレアアイテムっぽいものとかストレージの奥に眠ってたりしません?」
「そんなうまい話ある訳なかろうて」
言いながらノブナが画面をサリーにも見えるようにスクロールさせる。
じと目でそれを見送っていたサリーだったが、とある一つのアイテムに目が留まる。
「『天空門のカギ』?聞いたことないアイテムですね」
「ああ、第2イベントの時に手に入れてたアイテムじゃな。ホレ」
言いながらノブナは画面をタッチして件のアイテムを実体化させる。
現れたものは名前の通りに鍵だった。
現代的なものではなく、アニメなどで見かけるような錠前を開けるのに用いるような、広げた手のひらほどもある大きなものである。
ガラスのように透き通ったなにがしかの物質で作られているらしく、太陽の光を反射してキラキラと光っている。所々に付けられた装飾も相まって高級感漂う造形だ。
横から覗き込んだサリーが小さく息をのむ。
「キレー・・・でもコレ結構高級そうじゃありません?明らかにレアアイテムっぽいし高く売れるかも!」
「ところがどっこい、試しに持って行ってみたが評価額なんとまさかの0!一文の価値もないと言われた!」
「ええぇ!?」
「まぁ、実際使い方も何も書いておらぬ上に装備も出来ぬ、何かの素材に出来る訳でもないとくれば是非もないよネ!」
「むむむ・・・・でもそんな意味のないアイテムわざわざ導入するのかなぁ?」
サリーは唸りながらノブナからカギを貸してもらい、手のひらの上で転がしてみたり太陽の光に透かして見たりと色々弄りまわしてみるも特に変化はない。
「う~ん・・・駄目ですねぇ分からない・・・」
「じゃろ?まぁ、何がしかのイベントのフラグ専用アイテムかもしれんな。とりあえずはストレージ内で寝かしとくしかないのう」
「ですね~残念」
肩を落としたサリーがカギをノブナに返却しようとして・・・
「あ」
「む」
受け取り損ねたノブナの手からカギが滑り落ちた。
二人の見つめる中、カギは重力に従って鍵穴に刺す方を下にして地面へと落ちていき
―――――――そのまま『突き刺さった』
『は?』
二人の眼が点になる。
ここは街中にある広場だ。当然だが地面は煉瓦が敷かれて舗装されている。
とてもではないがカギが刺さるようなことはあり得ない。
では目の前のこの光景をどう説明すればよいのか?
ぐるぐると思考が巡るも疑問と混乱が噴出するばかり。
「ど・・・どうしましょう?」
「・・・どうするもなにも・・・とりあえず・・・抜く?」
しゃがみ込んで地面に突き刺さったままの鍵を見つめる二人。とりあえずこのままにするわけにもいかないので抜けるか確認してみることにした。
ノブナが恐る恐る手を伸ばし、鍵に手をかけ引っ張る。
しかし結構な力を込めても抜ける気配はない。試しにサリーが変わってみるも結果は同じであった。
「んっ・・・抜けませんねぇ・・・」
「引いてダメなら押す・・・も駄目そうじゃな。ならいっそ回してみるとか」
「なるほど?・・・・えい」
サリーがノブナの思い付きに従って鍵を回そうと力を込める。
果たして
――――――ガチャリ、と
確かにナニカが解錠するような音が響き、鍵が抵抗なく回った。
瞬間、二人の視界を青白い光が包む。
「ぬう!?」
「なに!?」
『―――アイテムの使用を検知―――アップデート開始―――完了。【ギルドホーム】及び【サーヴァント】システム・・・実装を確認。オールクリア。ロック解除。転送を開始します』
頭の中に声が響き、青白い光がひときわ強くなった。
思わず目を閉じた二人の身体を覚えのある浮遊感が襲う。
どこか別のエリアに転送される時のあの感覚だ。
一瞬のその感覚が身体を走り抜けていき、次に感じたのは猛烈な風。
冷たい風が肌を叩き、ごうごうという音が耳を襲う。
風の中どうにか目を開ければ広がるのはどこまでも広がる青・・・・
「そ、空ぁ!?」
「なんじゃあぁ!?」
二人が出現したのは空の上・・・・雲海ひしめく上空の世界であった。
二人の身体を支える地面は遥か下。当然のように重力へ導かれるままに自由落下を始める。
グングンと近づいて来る地面。
このまま地面に衝突すれば極振り故の吹けば飛ぶようなHPのノブナは勿論、サリーもデスは確実だろう。
『【秘密兵器】で足場を・・・いや間に合わん・・・チっ、ならば』
舌打ち一つ、ノブナが叫ぶ
「ちびノブ覚醒!」
「ノブ!・・・・・ノッブぁああああああ!?」
光と共に出現したちびノブが現状を理解して悲鳴を上げるのを無視して隣で同じように落下しているサリーに手を伸ばす。
サリーもこちらに一つ頷いてみせると伸ばした手をしっかりと握ってきた。
それを確認した後、肺一杯に冷たい空気を吸い込み風切り音に負けじと叫ぶ。
「【生命ある鎧】【奇妙な隣人】【巨大化】そして【ギガンティックモード】!!」
ちびノブの身体が即座に崩れ、スライム状となりノブナの身体を包み込む。
と、その背後から依然見せた時よりもはるかに巨大な骸骨が出現した。
突如として目の前に現れたソレを見て卒倒しかけたサリーを引っ掴み、ノブナは迫る地面を睨む。
「勢いを殺せ!【百裂拳】――特大、『
放たれた巨大に過ぎるこぶしが地面を乱打。
穿たれた地面が悲鳴にも似た轟音をたて振動し、ひび割れ、陥没する。
舞い上げられた煙が視界を覆い隠す。
吹きすさぶ風が粉塵を拭い去れば、出来上がったクレーターの中心で起き上がろうとする二人の姿が。
どちらもぐったりとした顔をしてはいるが大きなダメージはない。
「ふぅ~・・・まさか地面相手に使わされるとは思わなんだぞ」
「質の悪いデストラップでしたねぇ・・・とりあえずありがとうございますノブナさん。ちびノブも、ね」
「ノ~ブ」
何時ものデフォルメ姿に戻ったちびノブが右手を上げて応える。
労いの意味も込めてその頭を撫でてやった後、二人と一匹でクレーターから脱出する。
昇り切れば一気に視界が広がり、周囲の様子が良く見えるようになった。
視界を埋めるのはどこまでも広がる白い世界。
雪と氷がありとあらゆるものを覆い、支配している大地だ。
まるで北極にでも飛ばされたかと錯覚するような場所。
しかし、そんな中で一際目立つものが一つ。
「城?」
「しかも上下反対の、じゃ」
二人が見上げるその先には空に浮かぶ雲海の向こうに見える、光り輝く魔法陣から生えているかのように上下さかさまで存在している中世風の巨大な城があった。
「・・・・サリー・・・儂、いや~な予感がするわ」
「・・・奇遇ですね。私もです」
いっそ珍妙にも見えるそれを見ながら、しかし二人はむしろ警戒レベルを一段階引き上げた。
それぞれの得物を取り出し、背中合わせとなって周りを注意深く見回す。
二人は確かにこの城を見たことがあったからだ。
この
―――――正確には其処に存在する、別のゲームの中で
「―――――侵入者を発見しました」
二人の頭の上で声がする。
即座に反応しそちらへ武器を構え、戦闘態勢をとる二人。
「―――――対象2名の戦闘の意思を確認。装備を確認・・・完了。警戒レベルを引き上げた方が良いと思う」
上空には3つの影・・・
影の正体は3人の少女。
一見はただの少女達・・・・しかし彼女等が人ではありえないことはすぐに理解できた。
その背から光輝く羽のようなものが生えているからだ。
古代の神官の如き、穢れ一つない白き衣装に身を包み、
華奢なその身に見合わぬ黄金の盾と、光をそのまま変換したかのような輝く一振りの槍を携えて、
端正な顔に仮面のような無表情を張り付け、
機械のような感情のない紅い瞳が3対、こちらを見降ろしてくる。
一人は金 一人は桃 一人は黒
風で捲れたフード下から覗く3色の髪色。
「―――承認。個体名『オルトリンデ』『ヒルド』『スルーズ』以上3騎、直ちに戦闘態勢に移行。侵入者を粉砕します」
遥か昔―――未だ神と人とが分かたれていなかった神代の時代
かの北欧の大神オーディンに製造され、数多の戦場を駆り、死した勇者の魂をヴァルハラへと導くと伝えられる戦乙女―――『ワルキューレ』
それが今、ノブナとサリーに輝く光槍の切っ先を向けて猛スピードで突っ込んできた。
個人的にはスルーズが好きです。
なんでイベント前にサーヴァントが出てるのか?大体ハゲのせい。
話変わって多分原作の第3イベントがまるまるFGOコラボイベに成り代わる感じになると思いますが、ノブナ、メイプル、サリー辺りはアイデアありますが他はどうしようか。
なお、以下のキャラはメタ的な理由で出せないです。出せてもセリフもないちょい役。あしからず。
・作者が持ってないサーヴァント
・モルガンとか妖精国以降の登場の鯖(作者が未だにクリアできてないため)
・シェイクスピアとか最近だと馬琴みたいな作家鯖(リアル知識不足)
・以蔵さん(方言再現無理)
・タマモキャット(あの独特過ぎる言葉選びは無理)
思いつくところだと今のとここんな感じ。随時更新中。