別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。   作:風邪引きピエロ

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器用度極振りと共闘

 

3騎の攻撃はいたってシンプル。

 

 

接近しての槍で刺突。それだけだ。

 

 

しかし、それが高速で、かつ有機的な連携を交えながらとなれば話は別だ。

 

 

或いは前方からの突進

 

 

或いは背後からの不意打ち

 

 

或いは頭上からの串刺し

 

 

1騎に斬りかかれば他2騎がそれぞれ別方向から挟撃。

 

銃口を向ければ射線を切るように3騎入り乱れての高速機動。

 

 

前、後、上、下、左、右・・・ありとあらゆる方向から光槍の一撃が飛んでくる。

 

 

並みのプレイヤーならば既に数十回は串刺しにされていそうな嵐の如き攻撃をサリーがスルスルと避けていく。

まるで流れる水のように捉えどころのない動きから敵の攻撃の合間に滑り込ませるように短刀を振るう。

 

ギャリと金属同士がぶつかる音がして、黄金の盾の表面を短刀の一撃が削る。

 

が、それだけだ。有効打には程遠い。

 

すかさず飛んでくる返しの1・・・否、『3撃』

 

胸、足、首と当たれば致命傷になるだろう場所へ正確に突きこまれる槍先。

 

サリーの身体を槍が貫くその寸前、戦乙女の内の1騎――スルーズと呼ばれた個体の冷静な声が響く。

 

 

 

「―――警告。3時及び9時方向に敵影確認。回避行動を推奨」

 

 

 

「了解。攻撃を中断します」

 

 

 

「分かったよ~」

 

 

 

黒髪の個体――オルトリンデがびたりと止めた槍をそのまま指定された方に向けて薙ぎ払う。

 

鋭い金属音と共に、軌道を変えられた弾丸があらぬ方向へと飛んでいく。

 

その背中に迫るどろどろとした粘液の塊は場にそぐわぬ明るい声で返事をしながら間に割り込んだ桃色髪の個体――ヒルドによって盾で防がれた。

 

 

2騎の動きが止まったその隙にサリーが大きく跳躍。3騎の槍の届く範囲から離脱する。

ワルキューレ達も深追いすることはなく、空中で待機。

 

仕切り直しだ。

 

 

 

「っと、危な。もうちょっとで串刺しになるところだったね」

 

 

 

「そういう割には妙にうれしそうじゃのう」

 

 

 

「ノブブ」

 

 

 

短刀を構えなおしながら呟くサリーの近くに、ストレージから新しい【タネガシマ】を取り出しながらノブナが合流する。別方向から離脱してきたちびノブも一緒だ。

 

 

 

「いや~今までこんな感じの戦闘は出来なかったから新鮮なんですよね。手強かったモンスターは大体巨大な奴とのガチンコだったし対人戦は大体不意打ちばっかりでしたし。あんな感じで高速かつ高レベルでの連携をしてくる敵と戦ってると楽しくてつい」

 

 

 

「なんやかやでお主も戦狂いよなぁ。ここんとこ大人しぅしとったから丸くなったと思えば何も変わっとらんな」

 

 

 

「戦闘狂とかノブナさんにだけは言われたくないな~自分だって結構楽しそうにしてるのに」

 

 

 

「ま、否定はせんわな」

 

 

 

軽口を飛ばしあいながら、二対の視線は上空で静止しているワルキューレ達へと注がれ続けている。

 

 

どこをどう攻略すれば相手の喉笛に己が爪牙を届かせられるか。

知識で、経験で、或いは勘で。

持ちうるすべてでもって相手の急所を見定める。

思考がその目的の為に最適化されていく。

 

 

 

 

 

「さっきの動きからして近接戦闘主体の思考ルーチンなのかな」

 

 

 

「わからん。原作基準なら槍投げも使ってくる可能性が高いしな。ある程度体力を削ったら宝具の解禁もあり得るから遠距離範囲攻撃の備えもしておいた方がよい」

 

 

 

「それもありましたね。原作準拠にするならステータスは3騎とも一緒とか?」

 

 

 

 

 

強敵を前にしても二人の戦意は衰えていない。むしろ瞳に宿る闘志は増すばかりである。

 

 

当たり前だ。

 

 

強い敵と戦い、それを打ち負かした時に得られる達成感、充実感。

 

これ等こそ彼女達のような勝利の快楽に脳を焼かれた人間(ゲーマー)にとっては至上の喜びなのだから。

 

 

 

 

「当該対象の戦闘力、当初の予想値を上回りました。戦闘方法の変更を提言します」

 

 

 

「了承。オルトリンデは遠距離からの援護を。ヒルド」

 

 

 

「うん。行くよスルーズ!」

 

 

 

「おう。言うとる間に早速じゃのう。せいぜい当たらんように避けろよサリー。ちびノブも隙あらば奇襲できるようにしておけ」

 

 

 

「そっちこそ流れ弾に当たらないでくださいよ」

 

 

 

「ノッブ!」

 

 

 

ノブナとサリーがお互いに笑って言い、散開。ちびノブもスライム状に変化してスルスルと別の場所へと姿を隠す。

瞬間、オルトリンデが手にした光槍を投擲する。

 

迅雷の如く飛来した槍が今の今までノブナ達がいたその地面を穿ち、爆散させた。

 

パラパラと巻き上げられた白煙。

 

それを吹き飛ばす様に無数の弾丸が放たれる。

迫る無数の銃弾をオルトリンデは縦横に飛行して回避していく。

 

槍の投擲が止まったのを機として中から飛び出してくる影が一つ。

 

 

サリーだ。

 

凄まじいスピードで未だ空中を飛び回り弾丸の雨の回避に集中するオルトリンデに迫る。

 

 

その間を塞ぐように向けて金色と桃色の風とが走るサリーへと飛んでいく。

金色の長髪を靡かせてスルーズが連続突きを放つ。

その隙を潰す様にヒルドが槍を薙ぐ。

 

 

スピードに乗っていたサリーは止まり切れない。

 

目を見開き驚愕の表情を浮かべた彼女の身体を無慈悲な槍の連撃が貫いた。

 

 

 

 

 

『っ!?』

 

 

 

 

 

が、次に目を見開いたのは2騎のワルキューレ達の方だった。

 

槍で貫いたサリーの身体がゆらりと揺らいだかと思えば、次の瞬間にはかき消えたのだ。

 

 

 

 

―――【蜃気楼】

 

 

 

サリーのとっておきのスキル。自分の幻像を出現させるスキルだ。

 

白煙の中から飛び出した時点でニセモノだった訳だ。

自分達が釣り出されたと理解した2騎がすぐさま離脱しようと羽を広げ空へと浮遊しようとして

 

 

 

「くっ!?」

 

 

 

「なに、このドロドロ!?」

 

 

 

 

地面から伸びあがってきた2体のスライムによってガッチリと拘束された。

 

 

見た目はスライムと言えど【STR】150超のモンスターによる拘束だ。暴れたところで早々に解放されるものでもない。

 

 

 

 

 

 

 

「時間稼ぎ御苦労」

 

 

 

 

 

 

 

 

蠢きまとわりつくスライム相手に抵抗する2騎を朱い双眸が射貫く。

轟々と吹きすさぶ風に外套をはためかせ、赤黒いオーラを全身に纏わせながらノブナが朗々と謳い上げる。

 

 

 

 

 

「『三千世界に屍を晒すが良い・・・天魔轟臨!!』」

 

 

 

 

 

 

 

掲げた右手に従い、幾千のほの暗い銃口が哀れな犠牲者を求めるように戦乙女達へと一斉に向けられる。

 

 

 

 

「―――させませんっ」

 

 

 

ノブナの射撃を阻止しようとオルトリンデがその手の光槍を投擲しようと振り被る。

 

 

 

 

「―――それは私の台詞かな」

 

 

 

「く・・・っ」

 

 

 

【跳躍】してきたサリーの斬撃を辛くも引き戻した光槍で受け止めた。

 

幸いサリーからのそれ以上の追撃は飛んでは来ず、重力に引かれて落下していく彼女を横目に再び槍を投擲しようとして

 

 

 

 

 

 

・・・・そこで時間切れだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが魔王の『三千世界(さんだんうち)』じゃあ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆音と共に放たれた数多の弾丸が地形ごと2騎の影を削り取った。

 

 

 

 

 

巻き上げられた白煙が吹きすさぶ風に吹き流された後には抉られた地形が無残な姿を晒すのみ。

巻き込まれた2騎は影も形もない。

 

それを確認したノブナが口の端を吊り上げ、上空に一人残されたオルトリンデへと愛銃の銃口を突き付ける。

 

 

 

「・・・・さて残るは1騎・・・貴様だけじゃ」

 

 

 

「わぁーわっるい顔。これじゃあどっちがモンスターか分かりませんよ」

 

 

 

「いちいち混ぜッ返すなサリー!」

 

 

 

隣に戻って来たサリーに向けて怒鳴り返すノブナ。

 

 

 

青い空を背景に一人浮かぶ黒髪の戦乙女。

俯いたその表情はノブナ達の所からではうかがい知れない。

仲間の死に悲しんでいるのか、一人残されたことに絶望しているのか

 

空中に静止したまま動かない。

 

・・・・・ともあれ動かないのならば苦労はない。

ノブナが指を引き金に賭けたところで

 

 

 

 

 

「―――警告」

 

 

 

 

 

感情の起伏のない声が辺りに響く。

それが残る黒髪の戦乙女の口から発せられたものだと気づくのに少しの時間を要した。

 

それほどまでにその声は別人のようだ。

 

 

 

――――否、別人『のように』ではない。

 

 

 

 

 

 

『完全に』別人のものだ。

 

 

 

 

 

 

「個体名『スルーズ』及び『ヒルド』の破損を確認」

 

 

 

 

 

 

「直ちに2騎の『修復』を開始―――完了」

 

 

 

 

喋るたびにその声音が別人のそれへと変化していく。

 

まるで幾人もの人間が代わる代わるに話しているのを聞かされているような妙な感覚。

 

 

 

 

「現況の戦力では対象の攻略は不可能と判断。戦力の増強を具申」

 

 

 

 

「―――了承。新たに個体名『リンド』『エルルーン』『ゲイルスケグル』を投入」

 

 

 

「並びに宝具の使用を解き」

 

 

 

 

言葉が終わる前にノブナの【タネガシマ】が火を噴いた。

 

飛んでいく弾丸は過たずオルトリンデの頭部へめがけて飛んでいき

 

 

直前に黄金色の盾によって弾かれた。

 

 

 

 

 

「―――マジ?」

 

 

 

 

 

サリーの引き攣ったような声が聞こえる。

 

それもそのはず

 

 

槍を振り下ろしたのは跡形もなく消滅したはずの桃色髪の戦乙女『ヒルド』。

 

その後ろでオルトリンデの姿が二重にブレる。

ブレは見る間に更に増していきやがて光と共に金色の髪を風に靡かせながら『スルーズ』が姿を現した。

 

再び戦乙女が3騎揃った訳である。

 

しかし、変化はそれで終わらない。

3騎の姿が更にブレ、新たに『3騎』の影が出現した。

 

 

 

一騎は金色の巻髪

 

一騎は緑色のツインテール

 

一騎は橙色の長髪

 

 

 

 

「―――【同位体顕現】」

 

 

 

 

ゆっくりと全員の瞳が開かれていき、計12の紅い瞳がサリーとノブナを写した。

 

 

 

 

 

 

 

【同位体顕現】

 

・【同位体】のスキルを取得している場合のみ取得出来る。

 

・【同位体】のスキルを取得したモンスターを最大6体まで【AGL】の数値に関係なく自身の近くに呼び出すことが出来る。

 

 

 

【同位体】

 

・個でなく全。同一の存在であることを表すスキル。

 

・このスキルはモンスターにしか取得出来ず、取得したモンスターにしか作用しない。

 

・このスキルを所有するモンスターは全て同一のステータスとなる。

 

・このスキルを取得したモンスターが戦闘中のフィールドに複数存在した場合、その全てのモンスターのHPを0にしない限りこのモンスターは戦闘不能とならない

 

 

 

 

 

 

 




とある鬼滅ぼす漫画の兄妹がイメージ元。



運営1 課長、なんでノブナ達がワルキューレ達と戦ってんです?

課長 せっかく作ったモデルがいくつかあったから使いたかったけど前回のイベントに入れられなかった→なら今回のイベントにかこつけて使ったろ。コラボイベント告知にもなりそうやしええやろってことでいろいろなとこにコッソリ追加イベント配置しといたで(ニッコリ)

運営1 やっぱりこのハゲ〇すべきでは?




こんなやりとりがあったとかなかったとか
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