別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。 作:風邪引きピエロ
4チームに分かれた『楓の木』のメンバー達。
カナデ&イズ組は第1、第2層の街中の探索。
サリー&クロム組は第2層の、比較的拠点の街に近しいダンジョンなどを中心に。
能力的に楽に長距離を移動できるメイプル&ワルキューレ組は2層の街から遠い場所を、というようにそれぞれの担当する場所を決め、三々五々散っていった。
そしてノブナとカスミのコンビはと言えば―――
「フム・・・こうして第1層に来るのも久しぶりだな」
「まぁ、普通は2層に上がればわざわざこちらへ来る理由もないしの。儂は結構な頻度で来とるが」
懐かしそうに第1層の街中を見回すカスミに対し、日常的に通っているので特に感慨もないノブナが返す。
ノブナの言葉通り、第1層はゲームを始めたばかりの初心者以外はほぼほぼ用のない場所である。
普段ならばそこまで人が集まるところでもないのだが、今日はこの時ばかりは別だった。
見回す限りの人、人、人。そこら中プレイヤーだらけ。
初心者丸出しのものから歴戦風のものまで多種多様な装備に身を包んだプレイヤー達が町中にひしめき合っている。
第2層が解放される前の町中の喧騒を思い出させる光景だ。
そんな中を二人はえっちらおっちら歩いていく。
スルスルと自分たちを抜かしていく何人ものプレイヤー達を見やり、カスミが少々辟易したように言う。
「しかしすごい人だな。少しくらいはいると思っていたが流石にこれ程までとは想定外だった」
「うむ。儂も気になったんで、ちらと掲示板を覗いたらこの町で早速サーヴァントが発見されたようじゃ。大方それが目当てなんじゃろ」
「そうなのか!?なら我々もそこを目指して」
「う~ん・・・やめとこ」
「・・・なぜだ?」
「発見されたのは『ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト』。最初の要求は『とりあえず1曲聴かせて?(傍らのピアノを指さしながら)』だとさ・・・・・お主、リアルでピアノとかやったことある?」
「・・・仮にやってたとしてかの天才を前に演奏する勇気は私にはないな・・・」
「じゃろ?その手のスキルとかあるなら話は変わるかもしれんが・・・儂は聞いたことないな」
「私もない。というか持ってたとしても嫌だ」
「確かに。おそらく現地に行けば哀れな玉砕者達と野次馬が山ほどおると思うが・・・ま、精神衛生上近づかん方がよいと思うぞ」
「同意だ。ならばとりあえずダンジョン周りでも巡ってみようか」
渋い顔をするノブナに同意し、頷くカスミ。
2人はその足を町外へと続くゲートへと向けるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
所変わって第1層のとある場所。
背の低い下草が一面に生え、緑色の絨毯が敷かれたようにも見える草原地帯が広がっているエリア。
出現するモンスターのレベルが低く、周り一帯を見通せるような開けた場所故に突然の襲撃を受ける心配もない。ゲームを始めたてのプレイヤー達にとってはレベル上げに最適な場所として有名な狩場の一つであり、それゆえ街中ほどではないにしろちらほらとプレイヤーが行き来している光景を見ることが出来た。
そんな場所をノブナとカスミの両名が連れ立って歩いていた。
一歩歩みを進める度に足を受け止める下草の柔らかさを感じ、穏やかな風がわずかな青臭さと花の香を運んでくる、モンスターが出ることを覗けばピクニックに最適そうなのんびりできる場所なのだが二人の意識はそんなことには一切向いてはいなかった。
否、二人だけではない。この一帯にいる全プレイヤーが同じように、ただ一点に視線を向けていた。
草原地帯の中ほど、地面が盛り上がり小高い丘となっている区画・・・その上空。
晴天の空に白い雲がゆっくりと流れる、そんな見ているだけで和やかな雰囲気になりそうな空に『ソレ』が浮かんでいる。
穏やかな太陽の光を反射し、ギラギラと光る鋼鉄のボディ。
和やかな風を切り裂き、轟轟と空気を振るわせるエンジン。
元気に飛び回る小鳥達のさえずりを掻き消す、謎の電子音。
まるで漫画やアニメ或いはSF映画からそのまま抜き出してきたかのような未来的なデザインの機械戦艦が空中を飛んでおり、下に広がる草原に巨大な影を落としていた。
真っ白なキャンバスに皿いっぱいに盛ったカレーをぶちまけたものを見せられたような訳の分からなさ極まる光景を見せつけられたカスミは足を止め、目を閉じ、目頭の辺りを揉んでみる。
数回それを繰り返した後、一度深呼吸をして目を開ける。
宙に浮かぶ巨大戦艦は変わらずそこにあり、機体各所に設置された用途のわからない光源を無駄に光らせ続けている。
「ワ~オッキイナァ」
「逃避したとて現実は変わらんぞ。というかウチのホームだって似たようなもんじゃろ」
瞳のハイライトが消え、平坦な棒読みで空中戦艦を見上げるカスミに、ワルキューレ達が聞いたら光槍を投げられそうなことを宣うノブナ。
「・・・・いや、アレはまだファンタジーの領域だし・・・目の前の宙に浮いてる『アレ』は何ていうかこう・・・違うだろう。多少世界観が違うとかなら許容範囲だが、いくら何でも『アレ』は世界観が違うとかいう領域を飛び越してる。蕎麦にチリソースをかけるような暴挙だろうアレは」
「世界観が違うとかソレよりによって儂の前で言っちゃう?今更じゃない?結婚報告された後に『実は君のこと好きだったんだよね』とかいうサブヒロイン並に今更じゃない?」
「はぁ・・・拭い去れない違和感はともかくとして、だ。どうする?アレが空中に浮かんでる以上、空でも飛べない限りは手の出しようがないだろう。メイプルに連絡して来てもらうか?」
「う~む。見たとこ空中で静止しとるみたいじゃし、近くまで行ければ乗り移れるじゃろ」
「その近くまで行く手段をどうするのかというのを相談しているんだが・・・」
「こうすれば良い―――『マックスウェルの悪魔』からの『
ブワッと赤黒いオーラを纏わせたノブナが右手を空中要塞に向けて掲げれば、空中に無数の【タネガシマ】が段々に連なって設置される。
空中要塞まで直通の、即席の階段が出来上がった。
「・・・・君といると自分の想像力が如何に乏しいのかということを痛感させられるな」
「なんじゃそれ褒めとんのか?」
「褒めてるよ」
諦めに似た息を一つ吐き、慣れた様子で【タネガシマ】に足をかけトントンと軽快に上がっていくノブナを追いかけるようにしてカスミもおっかなびっくり上へ上へと上がっていくのだった。
そうして即席の階段を上がること数分間。
地面は既に遥か下にあり、驚愕の目でこちらを見上げていた他のプレイヤーの姿も今では豆粒ほどしかない。
逆に件の空中戦艦は近く、大きくなっている。
近づけば近づくほどに、その巨大さが理解できる。遠目に見た時はトラック程であったが、今ではほぼほぼそり立つ壁にしか見えない。SF映画でしか見ないようなスケール感に圧倒されながら、それでも歩を進めることしばし。
金属特有の光沢を放つボディの一画に入り口のように見えるものを見つけた。
壁にドアのような四角い隙間が走っているそこに近づき、開けようとするもノブはおろか取っ手らしきものも見当たらない。
カスミが触れても硬く冷たい金属の感触がするだけだ。無論押しても叩いてもうんともすんとも言わない。なしのつぶてである。
「開かんのか?どれ、一つ儂に任せてみよ」
「・・・君、鍵の解除スキルとか持っていたのか?」
「そんなもんはない。だがな、開かない扉がある時は誠心誠意ノックすればよいんじゃ。こんな風に、の!」
言って扉らしきものに【タネガシマ】を斉射。火花と金属を削る音が響き、その形が歪む。
穴だらけとなったそれにとどめとばかりに蹴りを入れればバガンと音を立てて扉が蝶番の部分から外れて下へと落下していった。
「さ、いくぞ」
「押し込み強盗でもしているような気分になるな」
「押し込み強盗も冒険者も似たようなもんじゃろ。・・・・っと中もかなーり広いの」
「確かに、これは中々に凄いな」
開いたところから中に侵入し周囲を観察した二人が思わず感嘆のため息を漏らす。
2人のいるそこは通路らしく金属質な光沢を放つ壁が視界の先まで続いていた。
天井もかなり高く、見上げても上が見えない程であり、道幅も大型のダンプが数台余裕ですれ違えるほどに広い。ごうんごうんと艦のエンジン音が低く響いており、時々そこに独特な電子音が混じる。
通路には窓の類がなく、また光源らしきものは見当たらないのだが、通路全体が真昼の太陽の下を歩いているかのように明るすぎる程に明るいため通行に支障はない。
2人が呆けて回りを見回していると、突然通路全体に警報音が鳴り響いた。
『左舷Kブロックに侵入者あり!繰り返す、左舷Kブロックに侵入者あり!各員直ちに武装の上侵入者を排除せよ!』
「・・・まぁ、扉を壊して無理矢理侵入すればこうもなるな」
「他に方法もなかったし是非もないよネ!」
「お相手もそう思ってくれるなら苦労はしないが・・・」
ため息を吐くカスミの向けた視線の先。
通路の向こうから夥しい量の機械や人らしきものが手に手に物騒な獲物を持ちこちらへやってくるのが見える。やってきた客人をもてなそうとしているようには決して見えない。
『排除!排除!排除!排除!』
「あの感じでは無理そうだな」
「分からんぞ?儂らの突然の訪問に驚いてうっかり仕事道具を持ったまま出迎えに来てしまっただけかもしれん」
「そう思うなら君は彼らの歓待を受けるといい。私は逃げる」
「冗談、冗談じゃて!一緒に連れてけ!」
「おい!飛び乗るな!引っ付くな!まったく・・・」
背中に飛び乗り引っ付いて離れないノブナに深い深いため息をつきながら、カスミが叫ぶ。
「【超加速】!」
スキルの効果で凄まじいスピードで集団から逃げ去るカスミ。背中のノブナが凄まじい風とGを受けて変な声を上げているが気にせず走る。
通路は入り組み、いくつもの部屋や空間があるようでさながら迷路のようになっている。
そこを爆走しながら追っ手の視界から外れるように右へ左へ逃げていく。
やがて十分に引き離したであろうと思われるほどに走ったあたりで一つの扉を発見。
どうやら鍵の類もないようなので扉を開けてするりと中に身体を滑り込ませ、即座に施錠。息をつく。
「ふぅ・・・しばらくはここで身を隠して」
「・・・そうもいかんようじゃぞ?」
背中から降りたノブナが音を立てないためだろう、ちびノブが変化した刀を手にし、即座に部屋の奥へとその切っ先を向ける。
カスミも瞬時にそちらへ視線を向けて、いつでも抜刀できるように腰の刀へと手をかけた。
2人の視線の先、倉庫らしく様々なモノが箱に詰められ、雑多に置かれているその向こう。
壁を背にして一人の人物が立っていた。
フード付きの外套を身に纏っており、顔も服装もわからない。が、それほど背が高くはない。ノブナよりも気持ち大きい程度だろう。おそらく女性か背の低い男性といったところか。
と、そのフードの奥から視線を感じる。
冷たく、鋭く、薄暗い感情を感じさせるそれ。
自身に注がれるそんな視線にゾクリと背筋に冷たいものを感じ、カスミは刀を握る手に力を込めた。
と、そのフードの人物が口を開く。
「――――刀――――」
ぼそりと小さく呟かれた声はやはり女性のものだ。
その人物は壁から背を放し、一歩踏み出す。その場で静止したかと思えば身に着けた外套に手をかける。
「―――つまりは―――『セイバー』!!」
そして、ばっと音を立ててそれを脱いだ。
現れたのは人物の恰好は近未来的なこの場にそぐわないものだった。スポーツ少年が被るような黒いつば付きの帽子に短パン。まるで運動部の学生の如き青いジャージを着ており首には同じく青い特徴的なマフラー
何より特徴的なのは帽子を被った頭からまるで自身の存在を主張するかのようになぜだかピンと飛び出たそのアホ毛。
「セイバーは遍く宇宙にただ一人!この『謎のヒロインX』だけでいいのです!セイバー殺すべし、慈悲はない!」
よくわからない言葉を並べ立てながら元フードの人物・・・『謎のヒロインX』が剣を構えて襲い掛かってきた。
―――『条件:パーティー内に『剣』『刀』を装備したプレイヤーがいる』を達成
クエスト名【少女に勝利を、
元々はぐだぐだ鯖でもないのに、しれっと当然のような顔して茶の湯イベント特攻サーヴァントの欄に混ざってんの草。
そんな彼女、何を隠そうノッブの次に作者が好きなサーヴァント。興味ない?ソンナ―