別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。   作:風邪引きピエロ

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器用度極振りと見守り隊

「なるほどなるほど・・・『メイプルちゃんを見守り隊』なぁ・・・なるほどなるほど」

 

 

 

「止めろ通報ボタンを押そうとするなすいません止めてください」

 

 

 

ノブナが通報しようとするのを必死に止めるクロム。そんな彼を冷たい目で見ながらも、とりあえず通報ボタンは閉じる。

 

 

 

「・・・まぁ、過去スレをざっと眺める限りでは健全・・・とまでは言えないがそこまで邪なものではないとは思うが。良くわからん他人に自分の行動逐一観察されてるなんてメイプル本人からしたら良い気はしないだろ。まして相手は年頃の女の子なんだし。まったく・・・本人が気づいてないから良いようなものの」

 

 

 

「それは・・・はいその通りだと思いますはい・・・」

 

 

 

何時ものキャラのロールプレイを封印してのガチ説教に、思わず正座して聞いてしまうクロム。

森の中で、自分よりも頭一つ分より更に低い位の身長の小柄な女性に説教されて正座する巨漢という端から見たら中々にシュールな光景が出来上がった。

恐縮しきりの彼をジト目で見ながら、ため息混じりにノブナは続ける。

 

 

 

「というか、いくら『見守り隊』って言っても付け回すのは流石にやり過ぎだと思うが、そこはどうなんだ」

 

 

 

「イヤ、俺も最初は付け回すつもりなんてなかったんだ!!たまたまメイプルちゃんが目にはいったんで挨拶でもしようかなと思って近づいたら・・・・」

 

 

 

「たら?」

 

 

 

 

「・・・・よりにもよってお前と一緒にいたから・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

押し黙る二人。

その間を寒々しい空気が流れる。

 

 

 

「やっぱり一発逝っとくか?」

 

 

 

「止めろ止めろ!!銃口を人の眉間にゴリゴリ押し付けるな!?というかこれはお前の方にも問題があるんだぞ!?」

 

 

 

「なんじゃい、問題って?」

 

 

 

「自分の普段の言動を思い返して見ろって!普段からキャラのロールプレイし続けながら突飛な言動を繰り返し、騒ぎを起こして運営の厳重注意を受ける事多数。遂には『運営特攻』なんて渾名がつくような奴が、ゲーム始めたばかりの初心者で、絵にかいたような純真無垢な素直っ子(美少女)と連れだって歩いてたら心配になるだろ!?しかも、見てたらなんかどんどん人気のない場所に連れてかれてるし!!」

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

「・・・・ぜ、是非も無いよネ!」

 

 

 

 

「おう、目をそらすな。わざとらしい口笛を吹くな。誤魔化せてないぞ」

 

 

 

先程とはうって変わって、今度はクロムがノブナを批難を込めたジト目で見る。

だらだらと冷や汗を流しながら、明後日の方を見ていたノブナだが、やがて逆ギレ気味に言い返す。

 

 

 

「う、うるさいうるさい!!儂の普段の言動がちょっちアレなのは百歩譲って確かじゃが、それとこれとは関係なかろうが!?」

 

 

 

「あの奇行の数々を『ちょっちアレ』で済ますのはどうかと思うんだが!?お前は自分が周りからどう思われてるのかもう少し正確に自覚しとくべきだろ!」

 

 

 

「うっさいバーカ!てか、なんじゃい見守り隊て。『ちょっと気になるあの人。でも声なんてとてもかけられない!私は遠くからあの人を見守ります・・・』って乙女か!もっと男らしくガツガツ行って砕け散ってこんかい!まったくもって面倒臭いヲタクどもじゃのう!?」

 

 

 

「お 前 に だ け は 言 わ れ た く な い 」

 

 

 

銃撃戦もかくやの言葉の応酬を終え、息切れした二人の荒い息遣いだけが静かな森に空しく響いていた。

やがて呼吸が安定してきた二人は無言で数秒見つめあった後・・・

 

 

 

「・・・このまま言い争ってもなんかお互いに損しかしなさそうじゃし、どうじゃろここは一つ休戦ということで」

 

 

 

「・・・俺もそれがいいと思う」

 

 

 

押し寄せる疲労感に、お互いに矛を納めるということで決着することにしたのだった。

とりあえず、落ち着くために地面に胡座をかいて座る二人。

いい感じで冷静になってきた所で、ポツポツと会話を始める。話題は勿論メイプルについてのことだ。

 

 

 

「あー、話を蒸し返す訳ではないが気を使ってやってくれんか。本人が今このゲームを楽しんどるようじゃし、アレの友人から色々助けてやってくれと頼まれとる手前悲しませたり嫌な思いをさせとうはないからのぅ。止めろとは言わんが気づかれないようにだけはしといてくれ」

 

 

 

「ああ、俺たちにしてもそれは本意じゃない。今後は気を付けておくとするよ」

 

 

 

「そうしてくれると助かる。まぁ、実際あの子の警戒心の薄さというか素直すぎる所は見てて危なっかしい所もあるのは確かじゃし。変なトラブルに巻き込まれんように見守る役は多いほうが良いかもしれんなぁ・・・いっそ儂も見守り隊スレにお邪魔してみるか!?」

 

 

 

「お願いだから止めて・・・・そう言えば、そのメイプルちゃんだが随分時間経つけど戻って来ないな?」

 

 

ウィンドウを開いて時間を確認してみれば成る程確かに、何時の間にやら結構な時間が経っていた。

 

 

 

「あー、忘れとったわ。そうじゃの、そろそろ探しに行ってみるとするか」

 

 

 

「なら俺も同行しよう。一人より二人の方が探しやすいだろう?たまたま通りすがったんで手伝ったて感じでいこう」

 

 

 

「好きにせい」

 

 

 

二人は立ち上がると、森の中をメイプルが行ったであろう方にむけて歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・おい、クロム。一緒に歩くの【AGI】的にしんどいから背負うてくれ」

 

 

 

「・・・極振りって大変だな・・・」

 

 

 

 

・・・・すぐに一人が歩くのを放棄したが

 


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