別ゲーの推しキャラを再現する為に器用度に極振りしたいと思います。 作:風邪引きピエロ
ノブナが寝不足から来る謎のハイテンションに任せて開幕ぶっぱを決めた、その少し後の時間帯。
『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?』
ゲームを運営する者達が不具合が出ないようにそれぞれイベントを管理している所謂『運営部屋』で複数人による絶叫が上がっていた。
『報告。監視対象は先程の無差別攻撃に加え、尚もオブジェクトを巻き込んでの攻撃を実行中。これにより廃墟ステージ全体の三割の機能を喪失。近くにいたプレイヤーで巻き込まれた者多数。被害甚大です。』
「や、野郎・・・・なんてことを、なんてことをしやがる!?」
「俺達がこの日の為に必死こいて作成したThe.ファンタジー世界の廃墟って感じのステージが一瞬にしてけしずみ、けし、け、けけけけけけけけケケケケケケ毛ケケ毛!?」
「グラフィック担当!?おい、しっかりしろ!?」
「これが人間のすることかよぉおおおお!?」
スーツに覆面というかなりアレな見た目のアバターをした者達が、あるものは頭を抱え、あるものはショックで気がふれた同僚に気付けのビンタをかまし、またあるものは床に四つん這いになりながら天に向かって慟哭する。
控えめにいって地獄絵図である。
その様子をみて、他のステージ担当の者たちもなんだなんだと集まってきた。
「どうした・・・ってうわなんじゃこれ。街が空襲にあったみたいに抉られてやがる」
「犯人は・・・・ああ、ノブナか。俺らの担当したとこでもちょっと前にそれやられたわ」
「北の森だっけか・・・あれは嫌な、事件だったね・・・まだ(吹き飛ばされたデータのコピー)一部見つかってないんだろう?」
「そうそう、仕方ないから一から作り直し、し、ししししししシシシシシシ!?」
「精神分析(物理)!!」
「ぐはっ!?は、俺は何を・・・」
「ふう。しかし今回こうして戦ってる映像まじまじ見てみるとスゴイなこれ。まんまノッ◯じゃん。スキル構成とかどうなってんだ?」
「映像出します」
1人がカチカチと機械を操作すると、中央の大スクリーンにノブナのステータス画面が映し出される。
ノブナ
Lv30
HP 32/32
MP 0/0
【STR 0<+120>】
【VIT 0】
【AGI 0】
【DEX 175<+100>】
【INT 0】
装備
頭【皇国の軍帽】【DEX+25】
体【皇国の将校服】【DEX+30】
右手【タネガシマ】
左手【タネガシマ】
足【皇国の黄金具足】【DEX+25】
装飾品
【火鼠の紅外套】【DEX+20】
スキル一覧
【銃の心得 Ⅴ】
【二挺拳銃(トゥーハンド)】
【ピンポイントスナイプ】
【単独行動】
【隠密】
【専科百般】
【秘密兵器(トイボックス)】
【マックスウェルの悪魔】
【屍山血河】
【血濡れの栄光】
【一騎当千】
【征服者(コンキスタドール)】
【銃の心得 Ⅴ】
・銃による攻撃のダメージを5%アップ
【二挺拳銃】
・両手持ちの銃を片手で装備出来るようになる。
【ピンポイントスナイプ】
・攻撃スキル。消費MPなし
・このスキルでの攻撃時【DEX】の値の10%のダメージボーナスを得る。
【単独行動】
・自身の最も高いステータスの10%分の数値を【AGI】に加算する。効果時間30秒。
・パーティーを組んだ状態でも、使用条件に【ソロ状態である事】を持つスキルを使用出来るようになる。
・味方からの支援スキル(【カバー】、【ヒール】など)、アイテムの対象にならなくなる。
【隠密】
・このスキルは使用者がソロ状態の時のみ使用可能。
・自身に【隠密】状態を付与。使用回数は十数回。効果時間30秒。連続使用不可。
【専科百般】
・自身の【DEX】の値を2倍にする。他のステータスを上昇する時消費するポイントを3倍にする。
【秘密兵器(トイボックス)】
・【トイ・キング】の力を自在にあやつる事ができる。
MPを消費することで、自身の半径30m以内の任意の場所に、今現在所持しているアイテムを出現、即時使用出来る。
・アイテムの限界所持数を増やす。
【マックスウェルの悪魔】
・10秒毎に最大MPを20増やす。上限あり。
・5秒毎にMPを10回復する。
・このスキルを取得した時点から自身のMPを0とし、ステータスポイントの割振りも出来なくなる。このスキルを取得し続ける限りこの効果は続く。
・このスキルを取得し続ける限り、得られる経験値は通常時の3分の1となる。
【屍山血河】
・敵を倒す毎に攻撃にダメージボーナスを得る。上限あり。戦闘終了時リセット。
【血濡れの栄光】
・敵にダメージを与える度にダメージボーナスを得る。上限あり。一定時間ダメージを与えなかった場合、リセットされる。
【一騎当千】
・敵の数が自分含めた味方よりも多い場合、自身のステータスを2倍にする。
・撃破数に応じて攻撃にダメージボーナスを得る。
【征服者(コンキスタドール)】
・敵を蹂躙し、奪い尽くす力。敵を倒した時、その敵のもっとも高いステータスの値の10%分を自身のもっとも高いステータスに加算する。
戦闘終了時リセット。
・敵を倒した数が一定数を越えた場合、自身のスキルの効果範囲を広げる事が出来る。
『うわぁ・・・』
見ていた人間から若干引き気味の声が上がる。
「コスプレ楽しんでるキ◯ガイエンジョイ勢と思いきやこれは・・・・・」
「構成としてはガチガチですね。対多数戦闘の鬼、みたいな?」
「そんな生易しいもんじゃねぇだろこれ。高【DEX】で攻撃当たりやすくしつつ、当たったらダメージ上昇して敵を倒しやすくなる。倒したら更にダメージ上昇しつつ、【DEX】が補強されるから更に当たりやすくなる・・・【ピンポイントスナイプ】の攻撃力アップもあるな」
「ついでに、【DEX】上がると、【単独行動】発動時の【AGI】も上がってきますよ」
「で、それでも危なくなったら【隠密】で逃げるなり隠れるなりすると・・・うげぇウゼぇ」
「ゲームで時々いる雑魚敵喰ってパワーアップしてくるタイプのボスみたいだなぁ・・・」
「今回のイベントこいつ独壇場みたいなもんじゃんこれ。どうしよ・・・・」
画面を見ていた者達が一斉に頭を抱える中、少し離れた位置で見ていた1人が落ち着いた声で、周囲をさとす。
「まあまあ、たしかに強力だが弱点が無いわけではない。極振り故の吹けば飛ぶようなHPであることに変わりはないんだ。殺りようはいくらでもあるさ。例えば避けようのない範囲攻撃で焼き尽くすとか、自力のある強力なプレイヤー数人で囲んで叩くとかな」
「そ、そうか流石課長だ・・・」
「ああ、俺達なんぞとはレベルの違う殺意だぜ。今まで何人ものプレイヤーを即死トラップに誘い、屠ってきただけはある」
「俺達の頭を張ってるだけあるよな」
「ハッハッハ、そう誉めるな誉めるな」
課長の一声で再び活気つく運営部屋。
喜びの課長コールが響く中、イベントの状況を伝える自動アナウンスから機械音声が流れる。
『報告。監視対象が移動を開始。周辺のプレイヤーを撃破しながら進行中。目標地点は森林エリアと推測』
「あれ?森林エリアって確か課長の担当地区じゃあ」
「かふっ!?」
「か、課長ォォォ!?」
運営部屋に再びの絶叫が響き渡る。
イベントは中盤戦に入ろうかという時間帯に差し掛かろうとしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
所変わって森林地帯。
多くの木々が立ち並んで青々とした葉が緑色の天井となって空を覆う為に薄暗く、鬱蒼と繁った植物が視界を遮るそこはプレイヤー同士の不意の遭遇戦が多発するエリアでもある。
「【一ノ太刀 陽炎】!」
「ッ!?あっぶねぇ!」
今もまさに二人のプレイヤーが戦闘の真っ最中であった。
その内の一人。
黒髪黒目で長髪。着物風の装備で身を固め刀を手に鋭く斬りかかった女性・・・【カスミ】は自身の技が寸での所でかわされたのを内心歯噛みしつつも、油断なく距離を取り刀を構え直す。
「惜しかったなぁ美人の姉さん。今の俺じゃなかったら殺られてただろうさ」
相手は軽鎧を装備した槍使いの男性プレイヤー。
軽薄な口調とは裏腹に此方も油断なく槍を構えている。
『今の一撃を避ける技量・・・そしてあの力を込めすぎない自然な構え・・・間違いなく上級のプレイヤーだな』
相手の実力を計りながらチラリと相手の武器を見る。
全長2m以上はある槍。ランスでなくスピアと呼ぶに相応しい細身の物。過剰な装飾のないシンプルな外見で遣い手の地味ながら堅実な戦い方を象徴するようだ。
対して此方の得物は刀。
リーチの差は歴然だ。
『長引けば此方の不利か・・・なら!』
グッと全身に力を込め、神経を集中する。
カスミが勝負に出るのを雰囲気の変化で察したのか相手も腰だめに構えた槍を握る手に集中する。
ピリピリと肌を刺す緊張感が場を満たし、そのボルテージを徐々に高めていく。
それが最高潮に高まったその瞬間!
『今!』
「【超かそ」
必殺のスキルを放とうとしたカスミの眼前で
─────世界が、削り取られた。
「!?─こ、これは一体!?」
濛々と上がる土煙の中、カスミは状況を把握しようと目を凝らす。
目の前には惨憺たる光景が広がっていた。
薙ぎ倒された木々。抉られ変わり果てた地面。
そして、先程まで対峙していた男が持っていた筈の槍の穂先。
それが、キラキラと光を放ちながら消えていった。
まるで、昔見た怪獣映画のワンシーンのような光景にしばし絶句するカスミ。
だが、瞬間感じた悪寒に反応し咄嗟に後ろに跳び退いた。
ズダン!!
数瞬前までカスミのいた場所に穴があく。
『遠距離からの狙撃!?敵は銃遣いか!』
素早い状況判断のもと移動し生き残った樹木の影に身を隠す。
慎重に木の影から銃弾の飛んできた先を覗きこむ。
「ほう。今のを避けるとは。運だけでなく腕も確かと見える」
舞い上がる土煙の中を突っ切って、はたしてソレは現れた。
──全てを呑み込む暗い影の如き漆黒の軍服に華美な装飾のついた軍帽。
──流れ出る血潮を思わせる深紅の外套。
──黒い長髪を風にのせ、赤い瞳に凶悪な光をたたえて
『魔王』がそこに立っていた。
「──問おう。貴様は己が爪牙で以て抗う獅子か。それとも無様に焼かれる豚か?」
ガチリと
闇より黒い銃口がカスミを捉えた。
主人公の天敵はメイプルです。
逆にクロムなんかには有利取れるでしょう。
サリーみたいな回避盾には一応対処法は考えてあります。構成似たカスミさんに今回出張ってもらったので次回でその辺り描写出来たらなぁと思ってます。