魔法士ゆかり【未完】   作:湯ノ川

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サブタイトルを考えるのに一番時間を使う気がするこの頃。
※話数の表記に迷走しています。


Ⅰ.ⅵ 月の魔法士

 さて、まずは何から始めましょうか?

 

 私は、とりあえず魔法について知るためにギルドの図書館へとやって来ていた。

 

「うーん。まずは基本的な四属を使えるかどうかですよね」

 

 そういえば、言語や文字は一緒なんですね。ここから始めるとなると、魔法士がどうとかって話じゃなくなってしまいますし。

 

 魔法士入門編と書かれた本を手に取り、パラパラと目を通していく。

 

 うーん。何か良さそうな魔法は・・・おや?

 

 私の目に付いたのは魔力を固めて発射する。無属性魔法『バレット』と書かれた物だった。

 

 えーっと。純粋な魔力を拳ほどの大きさに固めてそれを撃ち出す、透明な弾丸。射程は約五メートル・・・なるほど。

 

 何も無い場所へ向けて、掌を掲げ意識を集中させる。

 

「えーっと、『バレット』?」

 

 その声と共に掌から撃ち出された"薄紫色の弾丸"は暫くして霧散してしまった。

 

「・・・なんで色がついてるんですかね」

 

 私は、この魔法について少し詳しく調べてみる事にした。

 

 

 

「・・・なるほど。魔質ですか」

 

 無属魔法のバレットを扱える者は、それぞれの魔質に伴った魔法を使える可能性が極めて高いという。火の魔質を持つものなら火の弾丸(バレット・イグニス)と言った感じだ。

 

「そういう事なら、私の放つ弾丸は"月の弾丸"という事ですか」

 

 誰に聞かせるでもない、ただの冗談だった。その言葉に反応を示したのは人ではなく、私のステータスだった。

 

 ピロンと音を立て、ステータス画面が表示される。その画面には、"スキル"と書かれた覧が追加され、ピコピコと点滅していた。

 

「なんでしょうか、これ?」

 

 スキルと書かれた覧には、見たこともない文字が新たに記載されていた。

 

月の弾丸(ムーン・バレット)

 

 月の魔力のみで構築された魔法。新たな月魔法が生まれた瞬間だった。

 

「これ、オリジナル魔法・・・なんでしょうか?」

 

 開かれた画面からスキル覧をタップすると、更にそのスキルの詳細が表示された。

 

『純月魔法:混じり気のない月の魔力によって生み出される魔法』

『ムーン・バレット:撃ち放たれた月の弾丸は、対する魔を喰らう。被弾したモノの魔力の流れを阻害する能力。込めた魔力によって、大きさや速度に変化が生じる』

 

「・・・・・・・・・なんか出来ちゃいましたね」

 

 この時の私は何気ない様に見えて実は、むちゃくちゃ動揺していた。どのくらい動揺していたかと言うと・・・。

 

 

 

「ささらさん!」

 

「うわっ!ビックリした!」

 

 全速力で走ってささらのいる受け付けまで戻ってくる程だ。

 

「どうかしました?まだ一時間もたってませんけど・・・もしかして、転職ですか?」

 

「違います!」

 

 何が悲しくて冒険者になって一時間で転職しなければならないんですか。

 

「じゃ、じゃあどうしたんですか。そんなに慌てて」

 

「ま、魔法が出来ちゃったんですよ!」

 

「・・・・・・・・・裏で聞きますね」

 

 私の言葉を聞くなり真面目モードへと切り替わったささらさんと共にギルドの裏。先程の広間ではなく小さな個室へとやって来た。

 

「ここは盗聴とかが出来ない魔法を施しているので、安心して下さいね。それで、魔法ですか」

 

「そうなんですよ!これ!見てくださいこれ!」

 

 スキル画面を開き、指を指すもささらの表情は変わらない。

 

「これ・・・なんですけど・・・」

 

 なんだか、少し自信が無くなってきました。これだけ大騒ぎしておいて誰にでも出来る魔法・・・とか?うわ!すごく恥ずかしい子じゃないですか私・・・・・・。

 

「あのー、ゆかりさん?ステータス画面は他の人には見れないようになってるんですよ」

 

「え、あ、そうなんですか・・・」

 

 と、言うことは私はこの喜びをささらさんに分かち合える事が出来ないと?!うーん。どうにか手は・・・・・・ん?

 

「えっと・・・・・・『開示』」

 

 ステータス画面の端に指を当て、回すように指を横へ切る。すると開かれていたウィンドウが反転し、ささらの方へと向き直った。

 

「え、えぇ?!」

 

「ど、どうかしました?」

 

「な、なんですかコレ!ゆかりさんのステータス・・・なんで私が見れるんですか?」

 

「み、見れるようにしたからでしょうか・・・?」

 

「・・・はぁ・・・」

 

 ちょっ、何でため息着くんですか!その呆れたような目をやめてください!

 

「もうこの際、ウィンドウの魔法をアレンジするなんて事には驚きません。ですけど!あんまり人にステータスを見せない方が良いですよ?何に使われるか分かりませんし」

 

「でも、貴方は使わないでしょう?」

 

「えっ」

 

「使うんですか?」

 

「いや、まぁ・・・使いませんけどぉ・・・」

 

「なら、問題ないですよね」

 

「ぐ、ぐぬぬ・・・」

 

 この子、根は凄く良い子なんですよね。まだ知り合ったばかりですけど、それだけは分かります。

 

「と、とにかくです!あまり人には見せないでくださいね!で、スキルでしたっけ?」

 

「あぁ、そうです。何か練習してたらスキルが追加されてたんですよね」

 

「どれどれ・・・月の弾丸?」

 

「はい。無属性魔法のバレットを使ったら出来るようになりました」

 

「純月魔法・・・?なんですか、これ」

 

「いや、私に聞かれても」

 

 何分、自分の事も分からないのだ。この世界の、更に魔法の事なんて聞かれても皆目検討も付かない。

 

「うーん。月の属性はあまり情報が無いですからね。私にもあんまり細かい事は分からないですけど、多分固有(オリジナル)の魔法だと思いますよ」

 

「これで一応は、魔法が使えない魔法士なんて事態は回避出来たと言う事ですね」

 

「はい!それにしても、早すぎじゃないですか?こんなにも短時間で固有魔法を作り上げた人。少なくとも私は知りませんよ」

 

「そんなものですか」

 

「そんなもの、です」

 

 以前の世界に魔法なんて物は存在しなかった。そんな私には何故か魔法の才能がある。誰も知らない魔法を、私なら作る事が出来る。

 

「ささらさん。私、何か依頼を受けたいんですけど」

 

「お。クエストですか?現在ランクⅠのクエストが、幾つかありますね。見てみますか?」

 

「はい。お願いします!」

 

 以前の世界の私がどういう人間だったのかは私には分からない。けれど、私は私だ。だから、今は私が私らしく居られる生き方をしたい。だから・・・・・・・・・。

 

「やるからには、天辺を」

 

「何か言いました?」

 

「いえ。なんでもありません」

 

 まずはランクⅡへ上がる。そしてランクIIIを目指す。とりあえずの目標は、そんな所ですかね。

 

 

 

 

 

 これは、私の物語だ。他の誰でもない、私が紡ぐ物語。以前居た世界で何があったのかは今は分からない。気にならないと言えば嘘になる。けれど私はここで生きている。この世界で───。

 

 

 第一章、終。




「結月ゆかりと?」
「さとうささらの?」

「「異世界講座ー!!」」

「こんにちは、結月ゆかりです」
「おはようございます、さとうささらです」
「今日は異世界講座という事ですけど・・・」
「あ、はい!マスターから聞いてます!まずはゆかりさんが目覚めた森から近くにあるインティウムの町ですね!」
「インティウムの町の描写は、全然してませんでしたね」
「近々町を散策する予定があるからその時にってマスターが言ってましたよ」
「あのー、ささらさん?」
「?なんですか?」
「どうしてあの人の事をマスターと?」
「あぁ、マスターはなんと!CeVIOのさとうささらトークスターターを思い立って買っちゃったんですよ」
「主人公のゆかりさんを差し置いて?!これはあの人と一度お話をしなければなりませんね・・・」
「ち、近々買う予定だって言ってたんで程々にしてあげてくださいねっ?」
「まぁ、そういう事なら・・・」
(変な尺使っちゃったなぁ・・・マスター。はやくゆかりさんも買ってあげて・・・というか私のTSも早く使って下さい)
「あとは冒険者ギルドのアウローラですね」
「インティウム、アウローラってラテン語でしたっけ?」
「はい。ラテン語ですね。ちなみに森に居た大きな蜂もラテン語ですね。インティウムは"始まり"、アウローラは"夜明け"という意味を持ちます」
「始まりの町って事ですか。マス・・・あ、あの人も色々考えてるんですね」
「まぁ、まだ国の名前どころかおおまかな背景ですら考えてないですけどね」
「それじゃあ今言える事ってこれだけですか」
「そうなりますね」

「「・・・・・・・・・」」

「じ、次回もまたお会いしましょう」
「ま、待て次回!」
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